『Grindstone』レビュー: 派手な頭脳派マッチョ – グラインドストーン
『Grindstone』とは、Capybara Gamesが開発したパズルゲーム。
『スキタイのムスメ』の開発に携わったデベロッパーだ。
本作は、Nintendo Switch、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。私は、Apple Arcade版をiPhoneでプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
マッチョマンの夢
パズルゲームなので、ストーリーはあるようで、ほぼ無い。というか、気にしなくてもいい。
でも、ちゃんと世界設定やら主人公の目的はある。
極寒の雪国に住む妻子持ちのジョルジュというマッチョマンが、吹雪の中こっそりと自宅を出るところからゲームは始まる、
マッチョマンには夢があるのだ。
家族を連れて楽園Mudflatsへ行きたい。
マッチョマンの旅立ち
楽園に行くにはお金が必要だ!というわけで、戦士登録のようなものを済ませ、山の洞窟へと向かっていく。
「雪国暮らしなのに防寒着はないのか?」とツッコミたくなるけれど、スタート時には文字通り裸一貫で洞窟には挑んでいく。
なんとも勇ましいというか無謀ともいえる戦士の旅が始まる。
ゲームの特徴Features
一筆書きでぶった斬る
本作はステージクリア型でゲームが進む。
各ステージにはモンスターがずらっと並んでいる。
縦、横、斜めの8方向に同じ種類(色)のモンスターを一筆描きでなぞっていくことができる。
主人公を始点にして一筆書きを描いたら「Go」ボタンをタップする。
そうすると、その一筆書き通りに主人公がモンスターををぶった斬りながら移動する。これが基本の操作。
何体以上つなげないといけないという制限はない。1体だけでも倒すことが出来る。
そして、主人公は一筆書きの終点で止まる。で、またそこから次の一筆書きを始めることができる。
こうしてモンスターを倒しまくり、画面右上に表示される目標モンスター討伐数に達すると、画面上部の扉が開く。扉まで主人公を移動させるとステージクリアとなる。
グラインドストーン
10体以上のモンスターを一気につなげて倒すと、ステージ上のどこかに宝石が降ってくる。これがグラインドストーン。
この宝石は、ゲーム内通貨のような役割を果たすことになるけど、もう一つ便利すぎる能力を秘めている。
グラインドストーンは、一筆書きに含めることで手に入れることが出来るけれど、その際に重要な機能を発揮する。
グラインドストーンをつなげる前後でモンスターの種類を変えることが出来るのだ。
例えば、紫色のモンスターで一筆書きを描いている途中でグラインドストーンをつなげると、そこから緑色モンスターをつなげていくことが出来るといった感じだ。
こうしてモンスターの種類を変えても一回で討伐したモンスター数はその合計数になるので、グラインドストーンを巻き込むと1ターンで大量にモンスターを倒すことが可能になる。
多くのモンスターを一気に倒せば、降ってくるグラインドストーンも多くなる。
敵意溢れるモンスター
雑魚モンスター達は宝石を手に入れるための生贄になるだけではない。
時々、スーパーサイヤ人に変身するかのごとくパワーに満ち溢れ、凶悪な顔へと変貌する。
また、雑魚とは一線を画す上級モンスターも出現する。
こうした凶暴モンスターたちは、ジョルジュを攻撃してくる。
巣から飛び出してくるコウモリ、墓から蘇るガイコツ、宝石を盗む憎たらしい盗賊などの上級モンスターは、それぞれ攻撃パターンが異なっていて、範囲攻撃や遠距離攻撃もしてくる。
敵は主人公が動いた後に攻撃してくるので、一筆書きの終点が敵の攻撃範囲に入らないように気をつけなければならない。
しかし、一定数(上級モンスターの右下に表示されている数字)の雑魚モンスターをつなげると上級モンスターを一筆書きに巻き込むことが出来て倒すことができる。
宿屋
ステージの合間には宿屋に行くことが出来る。
宿屋には、バーやショップ、仕立て屋がある。
バーでは、クエスト達成して報酬が得られたり、グラインドストーンを払って体力回復が出来る(本作ではステージクリアしても全回復はしない)。
ショップや仕立て屋では、素材とグラインドストーンを消費して新たなスキルや装備を作製することが出来る。
素材は、ステージ上に出現する宝箱から手に入れたり、上級モンスターを倒したり、ステージ上のオブジェクトなどを壊すことで手に入る。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.5
パズルゲームなので、物語要素は軽め。そんなに注目するところではない。
キャラクターの魅力
4.0
物語は軽めでも、キャラクターは強烈。
まず、主人公ジョルジュの豪快マッチョぶり。
そして、極悪な顔をしてるくせに倒されるとなったら絶叫顔になる表情豊かなモンスターたち。
見ているだけで楽しくにぎやか。
操作性
4.5
操作は一筆書きするだけなのでシンプル。
「Go」ボタンをタップするまでは何度でも修正が可能だし、敵の攻撃範囲を確認もできるし、じっくり考えることができる。
私はiPhoneでプレイしたけれど、ややスマホ充電の減りが早いので、外出先でのプレイ時には注意。
難易度バランス
4.5
よくあるスマホ向けパズルゲームに比べると、序盤から難易度は高め。「なんとなく一筆書きしてみた」ではクリアできない。
移動する上級モンスターもいれば、雑魚敵も突然凶暴化するので、計画した通りにコトは運ばない。絶対に一筋縄ではクリア出来ない。
「素材もグラインドストーンもたくさん持っていきたい!」と欲張るほど難易度はどんどん高くなる。ターンを経るごとに雑魚モンスターが凶暴化する確率が上がるからだ。
でも、時間制限もターン数制限はないし、もちろん課金要素は一切ない。
ちゃんと素材を集めれば防具やアイテムを揃えることができるし、運まかせではなく考えて攻略することができる。
ゲームシステム
4.5
「一筆書きってスマホでよくあるパズルゲームだよなあ」と思ったけど、プレイしてみると「よく見かける」とはひと味もふた味も違っている。
最大のハマるポイントは、上級モンスターやグラインドストーンを通過するとつなげられるモンスターの種類が変えられること。
これによって、一筆書きのパターンが無数になり、考えがい迷いがいのあるパズルになっている。
ステージを進むごとに、罠や多種類の敵が現れて難易度はどんどん高くなるし、ボス戦もあるし、全く飽きない。
装備やアイテムの種類も増えるので、自由度高く戦略を練って攻略していくことができる。
30体近くのモンスターをつなげられると、かなりの爽快感。「一騎当千じゃあああ!」と、パズルゲームだけど興奮が味わえる。
やりこみ要素
4.0
各ステージは目標モンスター討伐数が達成すればクリアだけど、宝箱と王冠の全獲得もステージ目標として掲げられている。
王冠を頭上に乗っけた王族モンスターと宝箱は、どちらも上級モンスターと同じように倒しててに入れることになる。
実はいくつかのステージを進むと、一定数の王冠がないと先のステージに進むことが出来ない。
全ステージで王冠を取得していなくても先に進むための数は集まるけれど、どれだけ王冠を集めるか、宝箱を開けるかがやり込み要素になっている。
また、素材を集めて新たな装備品やスキルをアンロックするのもやり込み要素だ。
グラフィック
4.5
Capybara gamesの代表作『スキタイのムスメ』といえば、超個性的で美しいドット絵が印象的だった。
しかし、本作では、手描きイラスト調なグラフィック。かなり雰囲気は違うけれど、本作も芸術性が高い。
「筋肉モリモリ戦士が洞窟でモンスターと戦う」と聞くと、なんとも汗臭そうで重厚なゲームかと思うけど、グラフィックや演出はかなりコミカルでポップでカラフル。
上述もしたけれど、極悪な顔をしているモンスターが倒される時の絶叫の顔はかなり面白い。
サウンド
4.0
グラフィックとは異なり、音楽はポップというわけではなくダウンテンポ。
ガチャガチャと騒がしくないので、BGM聴きながらじっくりパズルを考えていても邪魔にならない。
ただ、敵を倒す時は、ブシュウウウ!ドカーン!ギャー!ウォー !と効果音は派手に鳴る。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
歯ごたえのある難易度
長くつなげられた時の爽快感
ポップなグラフィックと豪快な演出
残念なところ
スマホの充電が減りやすい
オススメな人
パズルゲームが好き
長く遊べるゲームを探している
歯ごたえのある難易度で悩みたい
オススメではない人
1ステージが早く終わらせたい
装備などパズル以外の要素は邪魔
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Grindstone
派手な頭脳派マッチョ
豪快で爽快な演出を楽しみつつ、しっかり悩む歯ごたえのあるパズルゲーム。
分かりやすいルールでありながら、モンスターやギミックの種類が豊富で全く飽きない。やり込み要素やボス戦もあり、長く遊べるボリュームも魅力。
Grindstone
http://www.grindstonegame.com/
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