レビュー【Ghost of Yotei】蝦夷地を駆けるお篤さん | 探索も復讐も極めるオープンワールドゲーム

蝦夷地で家族の仇を討つため、武器を使い分けるバトルも広大な羊蹄山周囲の探索も攻略するオープンワールドゲーム超大作『Ghost of Yotei ゴーストオブヨウテイ』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- 家族を奪った羊蹄六人衆に仇討ちするため旅する篤の物語
- 攻略
- 複数の武器やステルスで戦い、情報を集めながら探索するオープンワールドゲーム
- 評価
- ゲームプレイも物語描写と最高級で、前作より自由度も没入感も上がっている
Ghost of Yoteiの概要
タイトル | Ghost of Yōtei ゴースト・オブ・ヨウテイ |
---|---|
開発元 | Sucker Punch Productions |
販売元 | SONY INTERACTIVE ENTERTAINMENT |
発売日 | 2025年10月2日 |
対応機種 | PS5 |
ジャンル | アクションアドベンチャー, オープンワールド |
シリーズ | Ghost ゴースト |
プレイ機種 | PS5 |
本作は『Ghost of Tsushima ゴースト・オブ・ツシマ』の続編となるシリーズ第二弾。
直接的な続編というわけではなく、主人公や舞台設定も異なっているため、本作からプレイしても問題ない。


Ghost of Yoteiのストーリー
篤と羊蹄六人衆の因縁

本作の舞台は、江戸時代が始まったばかりの頃の蝦夷地。特に羊蹄山周辺だ。
そして、主人公は本土で腕を磨いてきたさすらいの女武芸者である篤(あつ)。
物語は、篤が故郷の蝦夷地に戻ってきたところから始まる。
彼女は、並々ならぬ覚悟を決めて帰郷した。
その覚悟とは、幼少期に家族を殺した羊蹄六人衆と呼ばれる者たちに仇討ちを果たすこと。
篤も家族とともに致命傷を負わされたものの一命を取りとめ、復讐することだけを胸に本土(本州)で数多の戦いや修羅場を潜り抜け、力をつけ、その刃を研いできたのだ。
羊蹄山が見守る復讐の旅

一方で、仇である羊蹄六人衆の方はというと、こちらも力を増し、もはやただの浪人グループではなく蝦夷地を牛耳る一大組織となっていた。
関ヶ原の戦いが終わって行き場を失った浪人たちも取り込み、羊蹄六人衆達は蝦夷地でやりたい放題状態だ。
しかし、江戸時代といえば江戸幕府が蝦夷地へも支配を広げようと画策する時代。
本作では松前藩の侍達が蝦夷地へと派遣されており、どうやら羊蹄六人衆たちと睨み合っている様子。
というわけで荒れる蝦夷地は益々危険だらけという状況。
そんななか、篤は復讐を遂げられるのだろうか。
そして、羊蹄六人衆とはそもそも何者で、一体なぜ篤の家族は殺されたのか。
プレイヤーは徐々に明らかになる篤の記憶も辿りながら、雄大な蝦夷地を駆け巡っていくことになる。
Ghost of Yoteiの攻略情報
情報を集めて旅するオープンワールドゲーム

本作は、どこから攻略してもいいオープンワールドアクションアドベンチャーゲーム。
もちろん羊蹄六人衆のメンバーを倒すことがまずはメインクエストになっているけれど、その順番も自由だ。
サブクエストややり込み要素もあり、蝦夷地には探索すべき場所があちこちにある。
しかし、手当たり次第に探索するには蝦夷地は広すぎるため、情報を集めていくことが大事。
NPCに聞き込みをして新情報を得たり、望遠鏡で何かありそうな場所を見つけると、地図とクエスト情報が書かれたカードに新たな内容が書き足され、行くべき場所が定まってくる。
フラグを立てなければ進行しないこともあるため、情報収集は必須となっている。
また、珍しい動植物を見つけたら、その後を追ってみると貴重アイテムを見つけられるなど、周囲を観察しながら探索することも大事だ。
武器を持ち替え、ステルスで戦う

篤は様々な武器を使うことができる。
刀や槍や双剣といった近接武器や、弓や銃などの遠距離武器、さらに敵が落とした武器を投擲することもできる。
防御面では回避や受け流し(パリィ)ができ、特に受け流しや武器で強攻撃を成功させていると敵がよろめいて隙が生まれる。
本作の攻略で重要なのが武器には相性があること。
敵の持っている武器に対して有利に戦える武器種が異なり、例えば、槍を持つ敵には双剣だと攻めやすく、敵をよろめかせやすい。
戦いながらもいつでも武器変更は可能なので、相手に合わせて適宜武器を持ち替えることが必勝法だ。
また、一定数の敵を連続して倒すと怨霊の叫びを発動でき、周囲にいる敵に大きな隙が生まれる。
大勢の敵に囲まれた際でも有利に立ち回れる必殺技だ。
一方で、ステルスプレイもできる。
背後や頭上から闇討ち(ステルスキル)していくことで、賢く敵の拠点を落とすことも可能だ。
逆に一気に正々堂々と戦いたい場合は、敵陣を攻める際に「一騎打ち」を選択すると斬り合いが始まり、タイミングよくボタンを押せば数人を一撃必殺で敵を倒せる。
しかし、残った敵全員が攻めてくることになるので、一騎打ちを仕掛けるタイミングには注意。
人助けで稼ぎ、探索で強くなる

本作では、敵を倒すとアイテムや銭(本作の通貨)を手に入れることはできるけれど、経験値は手に入らない。
篤は秘湯など特定の探索ポイントを訪れることでステータスが上がり、素材と銭で装備品を強化することでも強くなる。
銭は、賞金首の討伐やサブクエストを攻略することで稼ぐことができる。素材は主に道中で採取することで集めていくことになる。
さらに、各武器固有のスキルやステルスに役立つスキルなどはスキルツリーで習得できる。
スキル習得に必要なスキルポイントは各地にあるお地蔵様を見つけることで獲得する。
というわけで、戦いではなく探索するほど篤は強くなるというわけだ。
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Ghost of Yoteiのレビュー
物語: かっこよく切なく感情豊かな物語

熱い想いを抱えつつも人生が復讐に囚われてしまっている篤の内省的な物語を主軸に、蝦夷地の活き活きとした人々、松前藩と羊蹄六人衆それぞれの事情や思惑も描かれており、話題が豊富。
それでも篤の復讐という主軸はブレないので、話があっちこっちに散らかることはない。
自由度は高いけれど物語は筋道がはっきりしていて濃く、話題は多いけれど会話は必要最小限にまとまっていて物語に引き込む力が強い。
凛としていて肝も据わっていて、しかし憂いも抱える篤に、冒頭から「かっこいい」と思いつつ感情移入しっぱなしだ。
特に、篤の生家などでは回想内も自分で操作できるため、幸せだった頃の思い出と過酷な現在の落差に胸が締め付けられる。
カットシーンでは悪役も篤も表情豊かで、演出含め時代劇のようなカッコ良さに見入ってしまう。
操作性: いつの間にか本作に取り込まれる

操作は直感的で分かりやすい。
デフォルト設定では探索時にHUDはなく、風が流れる方向で目的地へのガイドが表される。
前作から続く面白い要素だ。
また、手をかけられる足場には小鳥が止まっていたり、地面に血の跡があったり、ヒントの風景への溶け込ませ方が上手い。
気づくけれど悪目立ちせず、周りを観察して何か見つけるという楽しみを味わえる。
本作ではカメラの細かな調整設定はできないけれど、馬で駆ければ遠景のレターボックスサイズになったり、スローモーションになる際には画面が白黒になったり、自動的に行われるカメラワークが優秀。狭い場所での乱戦になると少々カメラが乱れるけれど。
最初は「自分であれこれ調整できないのか」と思うものの、プレイしているといつの間にか身体の方が本作仕様に馴染んでいたのが不思議。
それくらい違和感のないよう調整が施されているということだ。
ただ、アイテムやNPCに対してアクションを行うR2ボタンが有効になる位置にやや癖がある。
しかもR2ボタンが武器替えボタンでもあるので、話しかけたいのに武器を持ち替えようとする妙に好戦的な人になってしまうのが気になった。
今後のアプデに期待したいところ。
難易度: 真剣勝負だが、苦戦はしない

一度に相手にする敵の数は多く、敵も武器を持ち替えるので、あっちにこっちに気を配りながら相性の良い武器に持ち替える忙しく気の抜けないバトルとなる。
しかし、敵を倒したりパリィを成功させるなど特定の条件で気力が溜まり、それを消費して随時体力回復ができるので、窮地に陥っても攻防の手を止めなければ挽回できる。
また、デスペナルティは特になく、苦戦して進みづらくなることはない。
探索や賞金首の討伐など寄り道要素をよほど無視していなければ、素材やお金が足りないということもほぼ起こらない。
とはいっても、敵地を攻略する際などはしっかり強敵もいるし敵の数も多いので、ステルスプレイがおすすめだ。
櫓があったりステルスプレイが楽しい立体的なマップ構造になっているので、一騎打ちとは異なる面白さを味わえる。
ちなみに5段階+自分好みに難易度カスタマイズができるので、忙しいバトルは苦手という人も安心だ。
システム: 最高級の没入感

基本のゲームシステムは前作『Ghost of Tsushima』で既に完成されていた。
本作でも基本は同じなのでやはり完成度は高く、迫力のある剣戟やHUDに頼らない探索などバトルもオープンワールドとしても前作から変わらず最高に面白い。
さらに本作では、バトルでは武器種を替えて挙動がガラッと変わる面白さ、探索では情報を集めていく面白さが加わっており、より一層夢中になる仕掛けが揃っている。
あっという間に夢中になって蝦夷地から出れなくなった。
クエストも篤の物語も情報を集めることで少しずつ明らかになっていったり自由度が上がっていること、また大義とは異なり主人公自身の感情が原動力になっている物語によって没入感が前作より増している。
一方で、前作で既に「もうお腹がいっぱいだ」と思った人にとってはやや新鮮味に欠けるとは思う。
それだけ前作の完成度が高かったわけだけど、本作はまた物語含め世界に引き込む力が強いのできっと入り込んでしまうはず。
芸術性: 風景は艶やかに、暴力は生々しく描かれる

本作はフォトリアルな美しい3DCGで描かれる。
花や木の色が鮮やかで、場所によっても時間帯によっても雰囲気が変わり、どこもかしこもそのままポストカードにして蝦夷地から送りたくなる美しさ。
高台に登った際などは、歩みを止めて風景をついぼんやり眺めてしまう。
絶景だらけの場所に死体が転がっていたりするので、無常観もハンパない。
装備品は色を変えたり強化すると見た目が変わるのも楽しいところ。
また、残酷な場面も多く、血飛沫もバッシバシ飛び、生々しさも美しい。
が、暴力描写が苦手な人はご注意を(切断表現オフはできる)。
サウンド面では、篤の特技である三味線が目玉。
本作では好きな場所で野営ができ、三味線を演奏することができる。弾き始めると遠景になり、過酷な物語から一転して癒し動画が始まる。
野営にはNPCも現れることがあり、演奏に感想を言ってくれるのも嬉しい。
探索中は穏やかで渋い和風の音楽が流れているけれど、バトルになると威勢が良い太鼓の音が鳴ったり、印象的な場面ではギターの音色も流れてきて気持ちが一層盛り上がる。
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Ghost of Yoteiの総合評価
Ghost of Yotei

総合評価
自由度も没入感も高い探索も迫力あるバトルも楽しめる高評価オープンワールドゲーム。美しさも激しさも味わえる世界づくりも大きな魅力。前作の面白さはそのままに、物語や異なる要素でまた新たな体験もできる高評価作。

長所と短所
良いところ | 胸熱くなる物語 美しい風景だらけ | 没入感高いゲームプレイ
---|---|
残念なところ | 細かなバグあり |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 自由度が高いゲームを探している
- 攻防交えたバトルが好き
- 前作のファン
おすすめではない人
- バトルに勝つごとに強くなりたい
- 攻略に時間がかかるゲームは避けたい
- 残虐な表現が苦手
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Ghost of Tsushima
- 鎌倉時代の対馬を舞台に、元寇をベースにした物語が描かれる
- 武士としての誉れと勝ちにこだわる思いの狭間で葛藤する物語が描かれる
- 本作とは異なり、刀の構えを変えて戦うのが特徴

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