レビュー【Hell is Us】答えは頭の中にある | 自力で謎を解くセミオープンワールドゲーム

マップもクエストマーカーなどの便利なHUDもなく自力で探索して謎解きもバトルも攻略するアクションアドベンチャーゲーム『Hell is Us ヘルイズアス』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 内戦と怪物で荒れた地ハデアに隠された謎と自身の真実を探っていく物語
- 攻略
- マップやマーカーなく探索し、謎解きとバトルも攻略するアクションアドベンチャーゲーム
- 評価
- 謎の多い物語と不気味な雰囲気に引き込まれ、自力で探索して謎解きするゲームプレイにも夢中になる
Hell is Usの概要
タイトル | Hell is Us ヘル・イズ・アス |
---|---|
開発元 | Rogue Factor |
販売元 | Nacon |
発売日 | 2025年9月4日 |
対応機種 | PS5, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PS5 |
Hell is Usのストーリー
ハデアの地へ

本作の舞台は、他国との交わりを絶っているハデアという国。
残念ながら、とてつもなく荒れている国だ。
数年前からハデアに住むサニビア人とパロム人との間で内戦が続いており、互いに残虐行為を繰り返し、目を覆いたくなるような惨状が広がっている。
しかし、ハデアの荒れっぷりはそれだけではない。
体に大きな穴があいた真っ白な怪物があちこちに出現しており、こちらはとりあえず人類みんなにとって大変危険な存在だ。
ところが、内戦とバケモノによって地獄絵図となっているハデアに、わざわざ密入国してきた男がいた。
それが本作の主人公だ。
謎だらけで危険なハデア

実は主人公はハデア出身者だ。
小さい頃になぜか1人だけ密出国させられ、家族と生き別れたという訳ありな過去を持つ男性だ。
彼は自身に関する何らかの真実を追い求め、両親がいるはずのハデアに戻ってきた。
という事情は、実は彼の取り調べで明らかになる。
どういうことかというと、本作は主人公がとある大男に尋問を受ける場面から始まり、主人公が質問に答える回想のような形で物語が描かれる。
主人公が銃も効かない白い怪物を倒せる武器を手に入れたこと、内戦の当事者ではない謎の第3の組織がいること、両親の秘密、そしてハデア各地に眠る不思議な遺跡や遺物。
謎だらけの物語が少しずつ彼の言葉を通して明らかになっていく。
しかし、自白剤まで打って彼を取り調べている大男は一体何者なのか?
その謎を抱えたまま、プレイヤーは彼の回想を辿っていく。
Hell is Usの攻略情報
自力で進むセミオープンワールドゲーム

NPCから情報を聞き出すことができる
本作は、マップやクエストマーカーが一切ない状態でハデアの各地を探索していくアクションアドベンチャーゲーム。
ハデアにはいくつかのエリアがあり、ゲーム進行と共に探索できるエリアがアンロックされていく。
エリア間は地続きではなく、車に乗ってエリアを選択することで訪問することができる(エリア選択時のみワールドマップが登場する)。
各エリア内はオープンワールドになっており、どう進むかはプレイヤー次第だ。
上述した通り、本作には「目的地はこっち」とか「クエスト発生地点」といったガイドはなく、エリア内マップはない。
NPCとの会話や各地で手に入るメモ書きなどの資料をもとに、探索すべき場所の見当をつけて進んでいくことになる。
得られた情報は主人公が持つ端末に書き込まれていくので、情報確認や整理はいつでもできる。
怪物との戦い方

本作では、白い怪物相手のバトルが発生する。
主人公には体力ゲージとスタミナゲージがあり、スタミナは攻撃や回避などで消費し時間経過で回復するよくあるタイプではあるけれど、その上限値は体力と連動する。
つまり体力が減るとスタミナ上限値も一緒に減るというわけだ。
そして、主人公は武器やドローンを駆使して戦うことができる。
- 武器
- 複数の武器種がある
- 2種類装備でき、いつでも切り替え可能
- 敵を攻撃していると主人公の周りにリングが現れる
- タイミング良くボタンを押すと体力回復できる
- 敵を倒すごとに武器に経験値が溜まり、武器レベルが上がると与ダメージ量などが増えていく
- 強化可能
- 敵を倒すと手に入るカケラを消費して強化する
- 強化によってレベル上限が上がる
- 象形文字
- 武器の属性(強化時に自分で決める)に対応した象形文字をセットできる
- セットした象形文字の攻撃スキルを発動できる
- 発動には敵を攻撃すると溜まるリンピックゲージを消費する
- 武器の属性(強化時に自分で決める)に対応した象形文字をセットできる
- 強化可能
- 複数の武器種がある
- ドローン
- 常に主人公に追従している
- 手に入れたモジュールを装備させるとドローンスキルを発動可能
- クールタイムを経れば再使用可能
善行と研究を重ねる

各所にはNPCがおり、その人の事情やハデアの情勢など様々な情報を聞き出すことができる。
その中で、困っていることやお悩みを口走る人がいる。
これが、本作のサブクエストであり、善行と呼ばれる。
NPCが必要としているアイテムを見つけてきてあげるなどして攻略すると報酬がもらえたり、そのNPCの状況が変化することもある。
また、各地には遺物と呼ばれる特殊なアイテムがあり、見つけて研究すると隠されたダンジョンへの手がかりを解読することができる。
こうしたやり込み要素は、本作の物語をより理解できたり攻略に役立つアイテムを得られる手段となるので、気になった情報はとりあえず追ってみるのがおすすめだ。
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Hell is Usのレビュー
物語: 謎で不気味で痛々しく、真相が気になりまくる

囚われた人のタイムループを消せる要素も
ハデアの情勢、怪物の正体、点在するダンジョン、そして主人公の素性。謎ばかりだ。
物語は取り調べ兼回想で進んでいくけれど、取り調べている側に「そうだもっと質問しろ、もっと訊くんだ」と肩入れしたくなってくるほど謎だらけ。
大量の謎に囲まれるので情報を渇望するようになり、それに応えるように且つ興味を引くように情報がうまい具合に小出しされるので、真相に吸引されるように物語にのめり込んでいく。
一方で、ハデアの現状はかなり悲惨で、戦争と人間の醜さが描かれている。
痛々しい暴力や胸糞な描写もあるので苦手な方はご注意を。
そんななかで、サブクエストが善行になっているのが本作の良いところ。
アイテムとしての報酬もあるけれど、ささやかでも何かが良い方向に変わったNPCの姿が1番の報酬で、もらい泣きしてしまった場面もある。
最悪な世界ではあるけれど善行によって前向きに進めるので、鬱々としすぎないのが良い。
メインストーリーの超常的な不思議さと不気味さに引き込まれ、ハデアの惨状は現実の世界情勢にも通じる生々しさ。
この現実と非現実の盛り込み方が絶妙で、物語は本作の大きな魅力になっている。
操作性: 操作性は良好、不便さが魅力

操作方法の分かりやすさや操作性は概ね良好。
武器種によって挙動はちゃんと変わり、たくさんの情報が書き込まれていく端末も見やすい。
本作では情報が何よりも大事になるけれど、得た情報が簡潔に整理されるので見返して理解しやすいのがありがたい。
マップもマーカーもなく、エリア内のマップ上でファストトラベルなんていう便利機能もない。
ついつい「えーっと、今どこだっけ、マップを確認…いや、無いんだ」「ここ気になるから後で来よう、マーカーを設置しといて…じゃない、できないんだった」と快適機能に自然と頼ろうとしてしまう自分に笑ってしまった。
なかなか現代ゲームではできない経験で、逆に新鮮。
ただ、調べたり話しかける際にボタン入力がすんなり効かなかったり遅かったり、敵のロックオンがスムーズに遷移しないなど気になるところもある。
今後のアプデに期待したいところ。
難易度: 探索力と記憶力が求められる

バトルでは単に敵を攻撃するだけではなく、怪異と呼ばれるコアの体力を削らないと本体を倒せなかったり、ダラダラしているとその怪異が復活するなど、緊張感のあるバトルを味わえる。
体力と共にスタミナが減ってしまうのもハラハラするところだ。
しかし、バトルの難易度は厳しくはなく、本作のメインは探索と謎解きだ。
どこに誰がいて、その人が何を言っていたか、情報を整理してまずは謎解きを見つけ、さらにその謎を解く。しかも、ダンジョン内は迷路。
直接的なヒントを言ってくれるNPCはいないので、見聞きする情報からヒントを逃さず掴み取る注意力と記憶力が武器となる。
本当に地図はないのでプレイヤー自身のマッピング能力が求められるため、ゲームで方向音痴になりやすい人だと本作はやや辛い旅になるかもしれない。
システム: てんこ盛りの謎に没頭する

上述もした通り、本作のメインは探索と謎解き。
「何かありそう」「何か起こりそう」と思わせる不気味な雰囲気の醸し出し方が上手く、それによって謎だらけ感が高まり、謎解きが一層面白くなる。
世界全体が謎であり、謎解きを一つずつ解くことで大きな謎を紐解いていく展開には、好奇心がくすぐられまくって途切れずプレイしたくなる。
謎解き一つずつも考えがいのある面白いパズルになっており、特に謎解き好きゲーマーにはたまらない面白さ。
一ヶ所では解決しない一連の謎が解けた時のスッキリ感が最高で、また次の謎にとりかかりたくなる。
「こっちにも謎、あっちにも謎」と気を引いてくるものの配置も上手く、謎で突き放すのではなく「解けそう」と思わせてくれる手がかりのチラ見せ具合も絶妙。
そして、謎解き一辺倒ではなく、自分好みのプレイスタイルで戦えるバトルがあることで、謎解きの合間も刺激を味わえるので、飽きるタイミングがない。
芸術性: 敵のデザインが最高

本作を最初に見て惹かれたのは、穴あき怪物のデザイン。
不気味で気持ち悪くて穴に吸い込まれそうになる異形っぷりは、もはや美しい。
暗い場面が多いけれど、怪物は真っ白なので見やすい(そのために白くしたのかは分からないけれど)。
現代的な機器や武器と怪しい紋様の浮かぶ石像など、異質なもの同士が同じ空間にある奇妙さが本作の不気味さをより盛り上げてくれている。
そして、音楽はしっかり不穏。常に不気味な曲が流れている。全体的に静かめだ。
しかし、バトルになるとBGMが盛り上がって来てかっこいい曲に変わる。
また、情報収集するため1人のNPCとの会話は長くなりがちだけど、フルボイスなのが嬉しい。
怪物もフルボイス(?)であり、近づくと呻き声が聞こえてくる。
物かげから襲ってくる怪物も多いので、特にダンジョン内では聴覚を研ぎ澄ませて歩くことが大事だ。
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Hell is Usの総合評価
Hell is Us

総合評価
自力で探索して謎解きを見つけて解くゲームプレイにも、好奇心くすぐられる謎の多い物語にも引き込まれて没頭するアクションアドベンチャーゲーム。不思議で不気味な雰囲気が最高で、本作独自の体験が詰まっている。
長所と短所
良いところ | 真相が気になる謎多き物語 不気味さを高めてくれるデザイン | プレイヤー自身に考えさせるゲームプレイ
---|---|
残念なところ | キー入力の反応が遅い時がある |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 謎解きが好き
- 手探りで攻略するのが好き
- 不気味な雰囲気が好き
おすすめではない人
- バトルをメインに期待している
- 迷子になるとイライラしてしまう
- NPCとの会話を飛ばしがち
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