レビュー【Town to City】市長の穏やかな野望 | ボクセルで街づくりシミュレーションゲーム

ボクセルで描かれる世界に自分好みの街を作りつつ、都市運営もちゃんと楽しめる街づくりシミュレーションゲーム『Town to City』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 新たな地に魅力的な街を作り拡充していく物語
- 攻略
- 階級ごとに異なる住民の需要に応えながら装飾にこだわれる街づくり都市運営シミュレーションゲーム
- 評価
- 厳しくない都市運営で穏やかに街づくりを楽しめ、装飾が捗る
Town to Cityの概要
タイトル | Town to City |
---|---|
開発元 | Galaxy Grove |
販売元 | Kwalee |
発売日 | 2025年9月17日早期アクセス開始 |
対応機種 | PC |
ジャンル | シミュレーション |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(キーボード+マウス使用) |
Town to Cityのストーリー
新天地に降り立った市長

本作では主人公(=プレイヤー)の姿は映されない。
主人公は人が溢れ返り空気が澱んだ都会を出て、何もない地に街を作ろうと決めた人物だ。
何もないけれどなぜか駅はある更地に家を建てて遊んでいると、住みたいという一家がやってきた。
「それならば」ということで住んでもらい、また別の家を建ててみると、さらに移住希望者がやってきた。
新天地を求める人は多いようだ。
そして、あれよあれよと街は大きくなっていく。そして、いつしか主人公は市長と呼ばれるようになる。
そんなゲームだ。
Town to Cityの攻略情報
好きな場所で好きに街づくり

本作は、更地にイチから街を作る街づくりシミュレーションゲーム。
ゲームには形状や土地の特性が異なるロケーションが複数用意されており、湖があったり肥沃な土地があるなどそれぞれの特徴を活かした街を作ることができる。
地面はマス目などで区切られておらず、自由に道や建物を配置して好きな街を作ることができる。
建築の最低限のルールは、建物は道を介して駅と繋がっていなければ機能しないこと。それだけだ。
様々な建物を配置して街を作りつつ新たな住民を迎え入れて街をどんどん大きくし、タイトル通り小さな町から大きな都市にしていくことが本作の大きな目標だ。
住民の需要と人口増加

本作では単に街を作るだけでなく、都市運営も行う。
住居やお店や市役所といった様々な建築物を建てることができ、働き手が必要な建物には住民の大人を従業員として配置する。
それによって経済が周り税金として収入を得ることができる。
新たな建物を建てる際にはお金が必要なので、住民からの税金が元手となる。
そして、肝心の住民については、住民の幸福度が80%以上になっていると新たな移住者(一家)が駅に現れる。
住民が多くなければ街は発展していると認められないため、常に住民の需要に応えられる街づくりをすることが大事だ。
- 住民には各要素に対する需要がある
- 食糧や日用品などを買えるお店や娯楽施設が必要十分に揃っていること
- 十分に装飾されていること
- 装飾には自然のものや照明など複数のカテゴリがある
- 水辺の近くが好きといった好みがある一家もいる
- 好みに合った環境だと幸福度が上がり、逆だと幸福度が下がる
- 住民には階級がある
- 街が大きくなると、複数の階級が登場する
- 既存の住民を上の階級にアップグレードできる
- 階級ごとに需要が異なる
- 街が大きくなると、複数の階級が登場する
研究と住民からの要望

本作にはたくさんの建物や装飾品が登場する。
しかし、最初から全て使えるわけではなく、街に研究所を建てて研究を行うことでアンロックされていく。
街は、住民数によって村から町、大きな街へと称号が変わっていき、それに伴い研究できるアイテムが増えていく。
また、時おり住民から市長へ要望のお手紙が届くことがあり、開封するとクエストが発生する。
特定の木を街に一定数以上植えて欲しいとか、一定範囲内を装飾して欲しいといった内容が多く、こうしたクエストで追加される建築物もある。
住民は多種類のお店や装飾品が揃っていることで幸福度が上がっていくため、積極的に新たな建築物をアンロックしていく必要がある。
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Town to Cityのレビュー
物語: クエストと住民を通して市長像が出来上がる

本作の物語要素は軽め。
明確なメインストーリーはなく、ただひたすらに自分の理想の街を作ればいい。
しかし、住民からのクエストでは受け答えを選んだり、住民が街の実情を語っていることもあり、物語要素が皆無というわけではない。
クエストの内容は街を豊かにしてくれるものもあれば、「それは単なるキミのワガママだろ」とツッコミたくなるものもあって楽しい。
操作性: 自由自在に建築できる

グリッドがないため、建物の配置は本当に自由にできる。ウネウネした道や計画性のない街さえも作れる。
カメラは高さも回転もズームも調整可能で、様々な角度から見て建築したり、自分の街を見て愛でることもできる。
そして、どこの住民が何に不満を持っているか、どこに働き手が足りていないかなどがパッと見て分かるようにアイコンが上手く使われており、状況を把握しやすい。
手の込んだ街を作れるけれど操作方法は分かりやすく簡単だ。
ただ、道を直線で描けるツールもあるけれど、隣り合う建物の平行性を確認しながら配置するといったツールはないので、整然とした街づくりをしたい人にとっては少しストレスを感じるかもしれない。
難易度: 不満はあっても優しい住民たち

本作をプレイしていて難しさを感じるような場面はない。
犯罪や環境汚染などリアルで殺伐とした要素や複雑な経済システムなどはないため、都市計画の失敗などは起こらない。
建物を配置する時のコストは安めな設定になっており、金欠の心配もほぼ皆無だ。
不満を抱えていても住民は仕事をしてくれるし、移住希望者は何日もずっと駅で待っていてくれる。
また、建物は配置した途端に機能するので、設備完成までに住民の不満が爆発してしまうおそれもない。
そうはいっても、街が大きくなるにつれて要素はどんどん増えていき、上流階級ほど要求が高くなるため都市運営は複雑になり、攻略しがいはちゃんと味わえる。
本作の住民はみんな我慢強くて優しい。
それについつい甘えてしまう市長で大丈夫だ。
取り返しがつかなくなるような事態は発生しないので、街づくりシミュレーションゲームに馴染みがない人も安心してプレイできる。
システム: 都市運営と装飾のど真ん中

本作は、穏やかな街づくりシミュレーションゲームだ。
上述した通り厳しい要素はかなり控えめで、自分好みの街の景観を作る方が大きな割合を占めている。
しかし、建築と装飾だけだとゲームとしての刺激が足りなかったり、どんな街を作ろうか考えがまとまらないこともある。
もちろん、どんどん都市計画アイデアが湧いてくる人なら建築物の豊富さと自由度の高さにすぐに熱中してしまうはず。
一方で、自由すぎると迷子になる人やアイデアが湧かないという時には、都市運営要素がうまくアシストしてくれる。
足りない施設を建設しているうちに自然と街が出来上がっていく。
建物の壁やちょっとした隙間にも装飾ができるので、装飾度が足りないからと建物を壊して作り直さなければならなくなることがほぼないのも嬉しい。
そうこうしているうちに、なんだかいい感じの街が出来上がっていき、徐々に街づくりのアイデアも湧いてくるので手を休めることなくプレイしてしまう。
装飾寄りではあるけれど、自由な街づくりと都市運営のちょうど良いバランスを取っているゲームだ。
芸術性: ボクセルで癒しの世界を描く

本作の大きな魅力は全てボクセルで描かれるグラフィック。
ボクセルといえばカクカクとしているイメージだけど、本作ではボクセル1つのサイズが小さくパキッとした輪郭にもなっていないので柔らかい印象だ。
住居など建物には鮮やかな色のバリエーションが用意されており、19世紀の地中海風の街並みを作ることができる。
BGMはもちろん穏やかで、たまに曲が流れていることを忘れてしまうほど心地がいい。
建物など何かを配置した際には効果音が鳴るけれどうるさすぎず、レンガや石が擦れるような効果音が心地良い。
ちなみに、街のレベルが上がる際には花火が上がり住民達がワーッとお祭り騒ぎになるカットシーンが流れる。
これが市長としてはかなり嬉しくなるポイント。
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Town to Cityの総合評価
Town to City

総合評価
美しいボクセルグラフィックで自由に装飾にこだわった街づくりができ、都市運営も同時に楽しめる街づくりシミュレーションゲーム。多彩な建築物でたっぷりしっかり作り込める。穏やかな雰囲気も大きな魅力。
長所と短所
良いところ | 穏やかな都市運営を楽しめる 緻密なボクセルで描かれる世界が美しい | 自由に街づくりできる
---|---|
残念なところ | 整然とした町は作りにくい |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 自分好みの建築にこだわるのが好き
- ゆったり都市運営を楽しみたい
- ボクセルグラフィックが大好物
おすすめではない人
- 経済や治安など本格的で複雑な都市運営を期待している
- 装飾要素にあまり興味がない
- 近未来もしくは現代的な街を作りたい
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