【FANTASIAN】抜け出せないファンタジー – 攻略とレビュー ファンタジアン Fantasian Neo Dimension
軌跡を描いて戦い、仲間と共に次元を超えて旅するファンタジー『FANTASIAN ファンタジアン』。
FANTASIANの特徴
- ストーリー: それぞれ事情の異なる魅力的な仲間と共に、次元を超えて旅する物語
- 攻略: 軌道を描いたり、雑魚敵をまとめて戦うディメンジョンバトルなど斬新な要素のあるコマンドバトルなRPG
- 評価: 前後半でゲームプレイがガラッと変わりつつ物語にもバトルにも夢中になり、往年のJRPGっぽさも味わえる
- 惹き込まれる物語と展開
- 斬新なバトルシステム
- 魅力的なキャラ
- 前半と後半で難易度が変わりすぎる
『FANTASIAN ファンタジアン』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
FANTASIANの攻略
FANTASIANの概要
タイトル | FANTASIAN ファンタジアン FANTASIAN Neo Dimension ファンタジアン ネオディメンション |
---|---|
開発元 | Mistwalker |
販売元 | Mistwalker Square Enix(FANTASIAN Neo Dimension) |
発売日 | 2021年4月2日 |
対応機種 | Apple Arcade 2024年12月5日: PS5, PS4, Switch, PC |
ジャンル | RPG |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | iPad(Apple Arcade版)(ゲームパッド使用) |
ミストウォーカーは、ファイナルファンタジーシリーズの生みの親である坂口さんと、FFシリーズの名曲を生み出してきた植松さんらが中心となって設立したデベロッパーだ。
当初はApple Arcadeのみで配信され、他機種向けには『FANTASIAN Neo Dimension』として発売される。キャラがボイス付きになり、難易度設定やバトル曲をFFシリーズBGMに変更可能といった機能が追加される。
ストーリー
記憶喪失な訳あり主人公レオア
どこかのロボット工場と思われる場所から物語は始まる。そこに忍びこんでいる者がいた。それが本作の主人公であるレオア。
レオアには工場で何かやろうと企んでいるようだったけれど、突然、工場がドカーン!
で、レオアの記憶もドカーン!爆発に巻き込まれてしまったレオアは助かったものの、激しく頭をぶつけてしまったのか記憶を失ってしまった。記憶喪失スタートだ。
レオアの記憶に残っていたのは
爆発が起こったので工場中の警備ロボットたちが警戒体制となって出動してしまい、「何しに来たんだっけ?」状態のレオアは侵入者として追いかけ回される。
いよいよ捕まってしまう!と追い詰められたけれど、その時に幸運にもレオアの持つワープマシンが発動し、レオアはエンという辺境の街に瞬間移動することができた。
そんな都合のいい話があるか。いや、ある。
実は、レオアの持つワープマシンは使用者の記憶に反応して行き先が決まって決まり転送することができる。記憶喪失レオアと相性最悪なマシンだ。
しかし、ロボットに追い詰められたレオアの頭にキーナ(エンの街に住んでいる)という女性の姿が浮かんだのだ。というわけで、ギリギリで逃げ出すことができたわけだ。
謎の白玉団子(死械球)
キーナはレオアにとってさぞや大事な女性だったのかと思いきや、エンの街で再会したレオアとキーナは顔見知り程度だったことが判明。というわけで、記憶をなくしたレオアの事情は謎のままだ。
というわけで、レオアは記憶を取り戻す旅に出ることにした。しかも、実は不思議な力を持っているキーナも同行するという。彼女には彼女の訳ありな事情があるらしい。
頼もしい仲間を得たレオアだけど、この世界での旅はかなり危険だ。
彼らの暮らす世界は、凶悪な機械生命体を生み出す白い球体「死械球」に侵食されている崖っぷち状態だ。邪神ヴァムという奴がこの危険な白玉団子を製造しているそうで、既にいくつかの街が滅ぼされている。
中二病悪役ヴァム
長い旅路を超えてヴァムを倒しに行くのかと思うけれど、ヴァムは優秀で、先に危険因子レオアに目をつけ、刺客を送り込んできたり、旅を邪魔してくるようになる。
記憶を取り戻しながら、よく分からないことを呟いているヴァムとも戦わなければならない。レオアの旅路は前途多難だ。
ヴァムの目的は悪役にありがちな世界征服が目的なのか?そして、レオアは一体どこで何をしていた人なのか、記憶は取り戻せるのか?
記憶喪失レオアは、それぞれ事情を抱える頼もしい仲間たちと出逢いながら、次元を超えた大冒険を繰り広げていく。
攻略のポイント
王道RPG
本作はワールドマップからダンジョンや街を選択して攻略していくオーソドックスなJRPGだ。訪れることができる場所は、メインストーリー進行と共に増えていく。
バトルに勝利すると経験値を獲得してレベルアップしていく。キャラごとにステータスの成長度や覚えるスキルは決まっている。
ゲーム後半からはキャラごとにスキルツリーが登場し、ある程度自由に成長させることができるようになる。また、ワールドマップ上を自由に動けるようにもなる。
本作は当初、前編と後編に分かれて配信されていたこともあり、基本ルールは同じだけど前半と後半でゲームプレイが少し変わる。前半はいわゆる一本道で物語がぐいぐい進み、後半は自由度が上がる。
探索
街やダンジョンでは、通常通りキャラを操作して移動する。しかし、マップ画面上で赤いポイントを選択して自動的に移動させることもできる
しかし、アイテムが落ちていたり、宝箱もたくさんある。本作ではカメラを動かすことはできないので、隅々まで実際に歩かないと見えないアイテムもあり、自動で移動させていると見逃してしまうことがあるので注意。
また、宝箱は鍵がかかっているものも多く、敵を倒すなどして対応した鍵を手に入れなければならない。ちなみに鍵は消耗アイテムなので、鍵付き宝箱の数だけ鍵を手に入れなければならない。一体誰が鍵をかけて回ったんだ。
ディメンジョンバトル
本作ではランダムエンカウトでバトル画面に切り替わる。
しかし、本作には通常のランダムエンカウトとは異なるディメンションバトルというシステムがある。ランダムエンカウントしたバトルを、異空間に溜めておくことができるというものだ。
上限数までならエンカウントした敵を溜めておくことができて、好きな時に好きな場所で溜めていた敵とまとめて戦うことができる。
しかし、上限数に達したり、まだ一度も倒したことがないモンスターと遭遇した時は、強制的にバトルが始まってしまうので注意。
軌道を描くバトル
バトルは、ターン制コマンドバトルで、攻撃対象を軌道を描いて選ぶのが大きな特徴だ。
コマンドを選んだら、次はキャラの位置から敵に向かって攻撃の軌道を描く。
魔法などMPを消費するスキルや貫通スキルが付いている武器を装備していると、指定した軌道上にいる敵全員に攻撃を当てることが出来る。
左右にカーブしたり上空に弧を描いて離れた敵を直接狙えるなど、スキルによって描ける軌道の形状が異なる。
また、上述したディメンションバトルで溜めておいた敵と戦う際には、攻撃力アップや連続してもう一度行動できるマークがバトル画面上に出現する。そのマークを攻撃軌道に巻き込むと対応するバフを獲得することができる。
たくさんの敵を溜めてバトルに入り、バフを手に入れつつ、より多くの敵を巻き込む軌道を描いて攻撃するというのが、本作ならではの効率の良い戦い方だ。
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FANTASIANのレビュー
物語: キャラそれぞれの物語にしっかり惹き込まれる群像劇
記憶喪失、死械化、仲間キャラそれぞれの事情、機械の世界、神機、気になることがどんどん登場しする。
前半は、メインストーリーがノンストップで展開する。
仲間は、気の強い女の子や面白ロボット、やたらと強キャラ感醸し出してる奴など「王道RPGの仲間といえば」というキャラばかり。主人公が気になる女の子が2人いたりなど、JRPG感ムンムンだ。正直なところ、キャラ付けや世界設定は「あー、よくあるやつ」と思っていた。
しかし、物語は徐々に意外な方向に進んでいき、もう目が離せない!次から次にドラマチックな展開が畳み掛けてきて、ゲーム冒頭から一気に物語に惹き込まれた。もう、夢中。物語のテンポや展開が絶妙すぎ。物語がしっかり引っ張っていってくれるRPGだ。
また、主人公や仲間の過去が描かれるイベントでは、背景イラスト+テキストのみという演出だ。これが良い。もちろん演出の派手さはない。でも、変に全てを映像で見せられるよりも想像力がかき立てられる。
綴られる言葉の選び方や表現が本当に良くて、文字だけでも感動して泣いてしまった。みんな境遇が壮絶すぎる。往年の王道JRPGの群像劇が好きな人には絶対刺さるはず。
操作性: 操作しやすいけれど、カメラが気になることあり
Apple Arcadeで配信されたこともあり、画面タッチで操作しやすく作られている。もちろん、ゲームパッドでも快適だ。
カメラを動かすことができないので見えにくいところもあり、探索時にはもどかしくなる時もある。でも、そのおかげで、物陰まで歩いて行くとカメラがギュイッと動いてはじめて見つかる宝箱も多く、隅々まで歩き回りたくなる。
ただ、カメラが自動で大きく回転しまうので、曲がり角で突然スティック操作が反転して無駄に行ったり来たりしてしまうことがあった。
バトルでは軌道の微調整が肝心だ。軌道の微妙なズレで攻撃できる敵が2体くらい増えたりする。そして、それがちゃんとできるように軌道を繊細に微調整できるのが嬉しい。一度タッチ操作も試してみたけれど、ゲームパッドの方が軌道は微調整しやすいと思った。
難易度: 後半になった途端、激変する
バトルでは軌道を使いこなし、敵の弱点をよく見て、更に敵を倒す順番もよく考えないと、特にボス戦では苦戦することになる。どのボスにも正解の倒し方があるので、バトル中の仲間のセリフはよく聞いておいた方がいい。
雑魚敵戦では、本作では軌道に複数の敵を巻き込んで一網打尽できるし、バフも得られるので、ディメンションバトルで戦う方が圧倒的に有利だ。どのくらい数の敵を溜めてからバトルするかによって大変さは変わるので、自分で難しさを調節できるのが良い。
前半は物語を良いテンポで楽しめる難易度だけど、後半が始まった途端にボスが猛烈に強くなる。しかも、キャラよりレベルが低い敵を倒しても経験値が少量しか得られなくなるのでレベル上げもしにくい。
後半になって「自由度上がった、楽しい!」と面白さが更に加速しかけたものの、突然の難易度変化でブレーキがかかってしまう。良い意味でも悪い意味でも前後半は変わってしまう。
難しくなるのは悪いことではないけれど、前後半通して1本のゲームとして見ると難易度バランスは良いとは言えない。
『FANTASIAN Neo Dimension』では難易度設定が可能ということなので、一貫した難易度バランスで楽しめるようになっていることに期待。
システム: バトルが楽しい!
ストーリーもバトルも面白い。キャラも魅力的。RPGとして大切な部分がしっかり丁寧に作られてて、夢中にならないわけがない。
本作で一番のお気に入りは、ディメンションバトルだ。「他のRPGでも採用して欲しい!」と思ったくらい、雑魚敵とは好きな時に戦うという面白いシステムだ。
また攻撃軌道を描くバトルシステムも新鮮で、これが面白すぎてバトルにハマる。「ここ、ここ、ここらへん?」と軌道をジリジリと調整して大量の敵が巻き込める軌道が見つかった時の爽快感が最高。
前半はサブクエストはほんのオマケ程度にしかないし、成長要素もストーリーも一本道。パーティーメンバーも固定されている場面が多く、どのキャラ使おうかという自由度もほぼない。道も一本道。
その分、後半に入った途端の解放感が半端ない。行く場所も攻略順序もキャラの成長要素まで自由度がドカーンと突き抜ける。上述した難易度激変で開放感が削がれてしまったのが残念になるほど、後半が始まった時のワクワク感は最高だった。
芸術性: ジオラマで作られた世界と3DCGとの境界が気になる
本作の大きな特徴の一つに、フィールドが実際に作られたジオラマになっているということ。キャラやアイテムなどは3DCGで描かれている。木や民家のベッドとかテーブルを見ると、リアルな質感がよく分かる。
しかし、3DCGとの境界がはっきりしすぎており、キャラが完全に浮いてるのが気になってしまった。
実際に作られた模型を使ったゲームは他にも『Lumino City』や『Harold Halibut』などがある。もちろんゲーム性の違いがあるので単純に比べられるものではないけれど、正直なところ本作のアナログとデジタルが自然に融合しているとは言えず、3DCG部分も大味な印象を受けてしまった。
音楽はFFシリーズのBGMで有名な植松さんが手がけており、「さすが」のひと言だ。良い曲揃い。
私はFFシリーズが大好きだし、その音楽ももちろん大好きだ。植松さんの音楽でゲームをさせてもらってきた耳なので、もちろん本作のための新曲ばかりなのに、もはや落ち着くまである。
サントラはこちら
総合評価と似ているゲームは下へ
FANTASIANの総合評価
FANTASIAN
総合評価
次元を超えて仲間と共に旅する往年の雰囲気が味わえるRPG。軌道を描くコマンドバトルや、まとめて戦うディメンジョンバトルなど斬新なバトルシステムが魅力。良くも悪くも前後半でゲームプレイが変化するのも特徴。
おすすめな人 | JRPGが好き 斬新なバトルシステムに興味がある 物語を楽しみたい 往年のFFシリーズのファン |
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おすすめではない人 | 最初から自由度の高さが欲しい 派手な演出がないと満足できない 短時間でクリアできるゲームを探している |
FANTASIANと似ているおすすめゲーム
ファイナルファンタジー6
- 本作と同じく坂口さんが手がけた名作RPG
- キャラ設定や群像劇など本作と似た要素も多い
- ピクセルリマスターされ美しく蘇った
クロノトリガー
- 往年のJRPGなら、おすすめ
- 魅力的な仲間たちと時代を超えて旅する
- こちらも坂口さんが手掛けた超名作