【Against the Storm】転勤続きの現場監督 | 攻略とレビュー アゲインストザストーム
過酷な環境に負けじと集落を軌道に乗せる街づくりの面白さを絶妙難易度でこれでもかと味わえるローグライクシミュレーション『Against the Storm アゲインスト・ザ・ストーム』。
- ストーリー
- 大嵐が起こる世界で、女王の命令に従い各地に集落を建てていく物語
- 攻略
- 得意分野の異なる多種族を指揮して、女王の要求に応えながら集落を軌道に乗せていくローグライクシミュレーションゲーム
- 評価
- 開拓シムの面白いところばかりプレイでき、システムの面白さも難易度バランスも絶妙な高評価作

- 開拓シム序盤の面白さを味わい続けられる
- 各要素が上手く組み合っており、面白さも難易度も絶妙
- 操作しやすくUIが分かりやすい
- 一つの集落の作り込みはできない
『Against the Storm アゲインスト・ザ・ストーム』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Against the Stormの攻略情報
Against the Stormの概要
タイトル | Against the Storm アゲインスト・ザ・ストーム |
---|---|
開発元 | Eremite Games |
販売元 | Hooded Horse |
発売日 | 2023年12月9日 |
対応機種 | PC 2025年6月26日発売予定: PS5, PS4, Switch, Xbox |
ジャンル | シミュレーション, ローグライク |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(マウス+キーボード使用) |
ストーリー
とんでもない悪天候

雨も雷も降り注ぎまくる大地。
お日柄が悪いこの世界ではブライトストームと呼ばれる大嵐が定期的に起こり、全てを破壊し尽くしてしまう。どこもかしこも生き物にとって危険な地だ。
そのため、この世界で生きる者たちはスコーチ・クイーンと呼ばれる女王の恩寵を得られるスモルダリングシティに身を寄せて暮らしている。
スモルダリングシティは女王の謎パワーで大嵐で破壊されないものの、実情はジリ貧だ。
女王の命令

スモルダリングシティで暮らしていた主人公が、女王からの指令を受けたところから物語は始まる。
指令内容は、総督として人々を指揮して遠く離れた地にある古代の封印が眠る地を目指せというものだ。
古代の封印を起動してブライトストームに打ち勝とうというのが女王の計画だ。
しかも、その道中には集落を築き、スモルダリングシティでは手に入らない資源を送って来いとまでいう。
もはや何らかの刑かと思える指令だ。主人公は何かやらかしたのだろうか。
しかし、スコーチ・クイーンは恐ろしい。下手したら、ブライトストームより怖いって噂だし、短気らしい。
前にも後ろにも退けなくなった新人総督の過酷な任務が始まる。
攻略のポイント
全てを破壊する嵐

本作は集落を作り軌道に乗せるというサイクルを繰り返すローグライクシミュレーションゲームだ。
ゲームは、世界の中心にあるスモルダリングシティから始まる。
- ワールドマップから集落を作る場所を選ぶ
- 初めは、スモルダリングシティに隣接した地(マス)のみ
- マスによって得られる資源や天候などが異なる
- 集落を築き安定すると1マスクリア
- クリアしたマスに隣接したマスを選び、また新たな集落を作る
- 上記を繰り返して古代の封印があるマスを目指す
- 初めは、スモルダリングシティに隣接した地(マス)のみ
- 一定周期でブライトストームが起こる
- 集落を作っている間には時間が経過する
- 一定期間経過するとブライトストームが発生
- 作った集落は全て破壊される
- ワールドマップが一新される
- スモルダリングシティから出直し
- 古代の封印にたどり着く
- ブライトストームが起こる周期が永続的に長くなる
ブライトストームが発生することがゲームオーバーにあたるけれど、集落が出来上がるごとにスモルダリングシティに資源を持ち帰り永続効果をアンロックすることができる。
これによって街づくりしやすくなり、ブライトストームが起こるまでに集落をより多く作って遠くまで進めるようになる。
また、ワールドマップ上には古代の封印が点在しており、ブライトストーム発生周期が延長されるほど遠くの古代の封印を目指せるようになる。
開拓の基本

各マスで集落を築く過程の基本は住民に上手く仕事を割り振り生産含め都市管理を行う開拓シミュレーションとなっている。
- 焚火と貯蔵庫が集落の中心
- 住民は焚火で食事をして休息をとる
- 住民の仕事
- 森や鉱山など資源採取できる場所の近くに対応したキャンプを建てる
- 各キャンプに割り振った住民が自動で資源採取し、資源は倉庫に貯蔵される
- 住民の生活
- 住民にはシェルター(住居)が必要
- 調理場や酒場など住民の快適さに関わる建物も登場する
住民は未開拓の地を恐れるなどマイナスの効果も発生するため、仕事だけでなく住民の住み心地にも気を配らなければならない。
本作には、ビーバーやハーピーなど多種類の種族が登場し、共に集落で暮らす。
種族によって得意分野や好みが異なり、それを踏まえて仕事を割り振ったり、食事や福利厚生施設を準備することになる。
種族ごとに要求が満たされていると士気が上がり、作業効率が上がる。
女王様の指令

上述もした通り、本作では集落を作りながら先に進むことが目的であり、一つの集落を充実させることが最終目標ではない。
画面下に表示される青い名声ゲージが溜まりきればその集落はクリアとなり、次の入植地へ向かうことになる。
一方で、画面下には赤いゲージもあり、これは「女王の怒り」だ。
これが溜まりきると女王が「仕事が遅すぎる!」とブチ切れて強制送還され、はじめからやり直しとなってしまう。
女王は刻一刻とキレていくので、モタモタしている暇はない。
しかし、女王からは定期的にランダムな指令が届く。
そこで要求される指定の資源を送ったり、住民の士気を高めるなど指令を達成したり、古代の施設を探索して報告するなど女王の信頼を得る行動を行うと、女王の怒りゲージは下がり、名声が上がる。
開拓しつつも女王からの指令をこなしていかなければならないというわけだ。
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Against the Stormのレビュー
物語: 物語描写は軽めでも世界設定が面白い

ゲーム中で主人公の姿が映ることはなく、ひたすら総督の仕事に徹する。
特に住民や女王からの伝達係と交流する場面もない。
というわけで、物語要素は軽めだ。
しかし、開拓の合間に自宅に戻って叔母と会話すると色んな事情が明らかとなり、物語をほんのり楽しむことができる。
それでも物語の描写は少なめでも、世界設定が面白いので十分に本作の世界に惹き込まれる。
矢継ぎ早に届く短気な女王の指令をこなしながら、危険な労働環境で住民達の士気を高めつつ開拓プロジェクトを指揮し、軌道に乗ったかと思えば別の地へ赴任させられる。
集落の中に主人公がくつろげる場所を作ってあげたくなるくらい板挟み状態の中間管理職だ。
そして、なんといってもスコーチ・クイーンが強烈。
ゲームプレイの刺激になっているとはいえ、危険な遠征をしている部下に向かって「仕事が遅い」とキレ散らかすなんて怖すぎる。
全てを破壊する嵐や古代の封印を求めるなど勇者が出てきそうな物語だけど、世界を開拓しろという設定も面白い。
操作性: 操作方法もUIも分かりやすくて便利

キーボードとマウスでのプレイだけど、キーボードはカメラ操作に使うくらいで、ほぼマウスで快適に操作できる。
本作はローグライクであり登場する建物や効果は毎回ランダムで、永続要素をアンロックすれば建物や資源の使い道もどんどん増えていく。
しかし、各建物や資源を右クリックすれば詳細がすぐに確認できるのでいちいち覚える必要がないのが便利。
またどの資源が不足しているかなどUIが見やすい。
そして、資源が枯渇した際や女王からの指令の進捗状況なども画面上に「お知らせ」として表示されるので把握しやすい。
しかも、その「お知らせ」をクリックすれば該当する施設に自動でカメラが移動してくれるので、建物や増えてきても現状把握しやすい。
登場する要素は多く複雑に見えるゲームだけど、操作方法もUIもしっかり便利に作られているので、実際にプレイしてみるとかなりとっつきやすくて嬉しい驚きだった。
難易度: 開拓に詰まることはなく女王は怖い、絶妙な難しさ

開拓自体は入植地がスモルダリングシティから離れるほど難しくなる。
それでも入植地を選択する際には難易度を調整することができる。
しかし、ローグライクゲームなのである程度はゲームオーバーになりやすい難易度バランスとなっている。
女王の怒りは刻々と増えていくし、森の敵意(木を伐採し開拓していると徐々に森が怒る、怒られてばっかりだ)によって住民の士気は下がりやすく、試練は多い。
それでも女王の指令を達成するとスッと名声が上がり、女王のご機嫌もちゃんと直る。これによって難易度バランスが保たれている。
リスクはあるけれどランダムイベントによっても女王の怒りや森の敵意を下げることはできる。
上手く開拓できればちゃんと恩恵があり、でもモタモタしていれば女王や嵐が追い込んでくる。
それぞれの要素が上手く組み合って絶妙な難易度バランスになっている。
システム: 開拓シムの面白いところばかりプレイできる

開拓シミュレーションの序盤は特に面白いところだ。
資源がカツカツななかで工夫し、どう街を作るかワクワクしつつも悩む。開拓シムにハマる瞬間だ。
本作ではその序盤ばかりを繰り返す、しかもローグライクで。このコンセプトがまず面白い。
そして、コンセプトの良さを活かすシステムがちゃんと万全に揃っている。
種族によって適材適所がは異なり、女王の怒りというハラハラ要素、そして開拓しない限り先が見えないワクワクドキドキ感によって開拓中も常に新鮮さが続く。
登場する設備や資源も女王からの指令もランダムなので、常に今出来る範囲でどう応えるか最善を尽くすことになるので、考える面白さが常に味わえるし、やりがいも感じやすい。
さらに、永続要素によって登場する建物の種類が増えたり、住民の移動速度が速くなるなど、より多彩に便利になっていくので何度もプレイするやる気も続きやすい。
各要素が本当に上手く組み合っており、絶対に熱中してしまうはず。
プレイを始めると軽く廃人になりかけるので注意。
芸術性: 住民の活き活きとした生活も眺められる

本作の世界はダークファンタジーだ。明るい絶景は特にない。
よく悪天候に見舞われるので、美しくて見惚れる瞬間も特にない。
集落を装飾できるアイテムもあるけれど、カツカツな暮らしなので見た目にこだわった街づくりなかなかできない。
しかし、カメラをズームするとそれぞれの建物はファンタジーなデザインになっており、焚火の周りで異なる種族が一緒に休憩している光景は微笑ましい。
そして、ダークファンタジーとはいえ意外と派手な色が使われているので、にぎやかな画面でプレイできる。
BGMはダークファンタジーかと思いきや、意外と穏やかなBGMが流れている。
本作には雨季と乾季があり、特に晴れた時には癒しのBGMが流れる。
また、特定の建物を選択すると住民が作業している音が聞こえてくる。カメラをズームすると話し声まで聞こえてくる。
住民に仕事を割り振ると「了解!」と返事をしてくれるので、指揮官をやってる気分も高まる。
みんな過酷な環境で仕事をさせられまくっているけれど、意外と楽しく暮らしているのかもしれない。
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Against the Stormの総合評価
Against the Storm

総合評価
集落が軌道に乗るまでの開拓序盤を繰り返すという新鮮さと面白さが続くローグライク要素のあるシミュレーションゲーム。
ランダムな指令や建物と資源、種族によって異なる特性など悩み甲斐のある要素が上手く噛み合っていて、繰り返しプレイしても全く飽きずに時間を忘れて熱中してしまう面白さ。
おすすめな人 | 開拓シミュレーションゲームが好き 歯ごたえのあるゲームを求めている ローグライトゲームが好き |
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おすすめではない人 | 1つの街を拡充したい 時間制限など急かされる要素が苦手 ランダム要素が好きではない |
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