【Ghost of Tsushima】武士オープンワールド主演男優賞 – ゴーストオブツシマ攻略とレビュー
美しくたくましい対馬の自然を、葛藤を抱える武士が駆け巡るオープンワールド『Ghost of Tsushima ゴーストオブツシマ』。
Ghost of Tsushimaの特徴
- ストーリー: 武士としての誉れと大切なものを守りたい気持ちの間で葛藤する武士の物語
- 攻略: 剣戟もステルスもできるバトルとHUD無し探索が特徴のオープンワールドゲーム
- 評価: 感情移入する物語と、それをゲームプレイでも体感しながら世界に入り込める最強武士ゲーム
- 周囲や環境を見て探索するシステム
- 主人公の葛藤が丁寧に描かれており、ゲームプレイでも感じとれる
- 見惚れてしまう景色の美しさ
- ステルス時に敵が賢くない
『Ghost of Tsushima』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Ghost of Tsushimaの攻略
Ghost of Tsushimaの概要
タイトル | Ghost of Tsushima ゴーストオブツシマ |
---|---|
開発元 | Sucker Punch Productions |
販売元 | Sony Interactive Entertainment |
発売日 | 2020年7月17日 |
対応機種 | PS5, PS4, PC |
ジャンル | オープンワールド, アクションアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PS4 |
本作は、PS4向けに発売された後、2021年8月20日に追加DLCも同梱した完全版となるDirector’s Cut版として発売されている。
ストーリー
元寇でピンチな対馬
本作の舞台は鎌倉時代の対馬だ。
領土拡大の勢いを増すモンゴル帝国が、遂に日本へ襲来した。ゲームはモンゴル兵が対馬に上陸してくるところから始まる。元寇の開幕(?)だ。
迎え撃つのは、対馬の武士たち。本作の主人公である境井 仁(さかい じん)はそのうちの一人だ。
仁は、対馬を治める地頭(じとう)である志村の甥にあたる。仁にとって志村は父親代わりであり、師匠のような存在だ。
しかし残念ながら、圧倒的な数のモンゴル兵との激闘の末、対馬の武士たちは全滅してまった。しかも、対馬のリーダーである志村おじさんは、モンゴル兵に捕まってしまった。
志村おじさんと対馬を守ってみせる!
主人公の仁はというと、奇跡的に生き延びていた。仁は、目覚めるやいなや、いきり立って志村おじさんを助けに向かった。
ところが、都合の良い主人公補正は発動せず、モンゴル兵のボスであるコトゥン・ハーンの圧倒的な強さに文字通り吹っ飛ばされて橋から転落してしまった。
それでも、またまた奇跡的に仁は生き延びた。この時点で既にゴーストと呼べるほど強運で不死身だ。
しかし、吹っ飛ばされてばかりの仁ではおじさんを助けられない。モヤモヤ悩んでいる間にも、対馬はどんどんとモンゴル兵に好き放題されてしまうだろう。
仁は、まずは助太刀してくれる仲間を集め、自身も力を蓄えて腕を磨こうと心を決める。それが、武士としての教えにも背く手段だったとしても、仁に迷っている暇はない。
攻略のポイント
HUDなしオープンワールド
本作はオープンワールドゲームであり、メインストーリーにサブクエスト、敵の拠点攻略などが各地で発生する。発生したクエストは、好きな順番で攻略できる。
オープンワールドゲームといえば探索がゲームプレイのメインの一つだけど、本作では進路や方角などのHUDが表示されない。
バトル時には体力ゲージなどが表示されるけれど、探索中はミニマップや近くの拠点などの地図情報は一切表示されないのだ。
「いちいち地図画面開くの面倒くさっ!」となりそうだけど、探索すべき場所は対馬の自然が全て教えてくれる。
行きたい場所を地図上で一度設定すれば、その方向へ風が吹く。地図を見ずとも風の向きを頼りに進めばいい。
また、狐や鳥を追いかけていけば、お稲荷さんや温泉が見つかる。そこでは、仁の基礎ステータスのアップグレードができる。
黒い狼煙の元にはモンゴル兵の拠点があるし、白い狼煙の元にはNPCがいてクエストが発生する。
正々堂々チャンバラバトルか姑息なステルスプレイか
敵の拠点や道中では、モンゴル兵含め敵と遭遇する。本作での戦い方は大きく分けて2種類ある。
- 正々堂々と武士として戦う
- 一騎打ちからバトルを開始する(敵に近づくと一騎打ちするか否か選べる)
- 開始の合図に合わせて素早く正確な方向に剣を振る
- 一騎打ちの相手は一撃必殺できる(一騎打ちできるのは敵集団のうち数名だけ)
- 一騎打ち後は、その他の全敵から狙われた状態となる
- 剣戟
- 弱攻撃と強攻撃
- ジャストガードとパリィも可能
- 型(剣の構え方)の切り替えが可能
- 敵によって弱点となる型が異なる
- 一騎打ちからバトルを開始する(敵に近づくと一騎打ちするか否か選べる)
- ステルス交えて賢く戦う
- 敵の背後から忍び寄ってステルスキルができる
- 弓で遠距離攻撃もできる(ヘッドショットあり)
- クナイや火薬や火矢など道具も使える
- 草むらに火をつけて敵を一網打尽にするなど有利に立ち回ることができる
噂される仁
仁は、地頭の甥であり、民の上に立つ立場だ。人々は仁のことを「お侍さま」と敬ってくれる。とはいっても、人々は対馬の武士はモンゴル兵に惨敗したと思っており、最初は仁に期待はしてくれない。
しかし、クエストを攻略すると仁の噂が立つ。「頼りになる良いお侍さんだ」と言われているに違いない。こうして、クエストを攻略するたびに噂ゲージが溜まっていくと、仁の武士としての格が上がって技量を得る。
つまり、噂が本作の経験値であり、噂がある程度広まるとレベルアップしてスキルポイントが貰えるわけだ。スキルポイントによって、新たな技を習得したり、道具のアップグレードが出来る。
また、武器や防具は、各地にいる鍛冶屋や甲冑師などに素材を渡して強化することができる。素材は店やフィールド、また敵を倒すことで手に入れることができる。
さらに、花を集めると装具の色を変えたり、刀の飾りも変えたり、外見のカスタマイズでファッションも楽しむことができる。
Ghost of Tsushimaのレビュー
物語: 主人公の葛藤が丁寧に描かれており、感情移入しやすい
元寇がテーマになったゲームって他にあるんだろうか。ゲームで日本が舞台になる時は、戦国時代や現代の都会とか、サイバーパンクな世界に登場する奇妙な日本文化なことが多い。
本作は、おそらく史上初の元寇ゲームだ。それだけで興味惹かれる。
物語の大筋は、守るべき民と倒すべき敵がいるという分かりやすい内容だ。
その一方で、自分がどうあるべきか、何を優先して生きたいのかを自問自答する心の葛藤がしっかり描かれている。
オープンワールドでは珍しく主人公の感情が丁寧に描かれており、感情移入しやすいのが本作の大きな魅力だ。
主人公の仁はスマートでクールで屈強な圧倒的ヒーローというわけではない。どちらかというと泥臭く一生懸命。だけど、良い。だからこそ良い。仁と共に渋い顔で「武士の誉れとは」と悩みながらプレイしていた。現代人の私がぶsh
メインキャラはそんなに数は多くないけれど、みんな個性豊かで短所だらけ。NPCの物語もしっかり描かれており、必ずしも良いところばかりじゃない人間臭さに愛着が湧く。
操作性: 時代劇のように戦える
バトルでは、敵によって型を切り替えたり、遠距離武器も種類が豊富で、多彩な戦法をとることができる。できることは多いけれど、どれも直感的に操作しやすい。
敵のロックオンは出来ず、主人公が向いている方向にいる敵を自動的に狙う。となると、移動しつつ上手くカメラを動かさなくてはならない。「好きな敵を狙えないのか」と面倒に感じそうだけど、プレイしていると快適だ。敵への吸い付き(自動ターゲット化)が自然で思っているように立ち回れる。「ちょっと、仁さん、そっちの敵じゃないですよ!」とはならない。
また、主人公と敵を画面におさめながら戦うという自分で時代劇を撮っているような気分になれて、本作の日本の時代劇に着想を得たゲームプレイでもそれをしっかり味わうこともできる。
探索中には馬に乗って移動しながら資源が採れたり、スタミナの概念もないので、スイスイ移動できる。ノンストレスだ。
難易度: 楽しくチャンバラができる
バトルの難易度はそんなに高くなく、「武士やってまーす!」といった感じで楽しく戦える。もちろん、複数の敵を一気に相手にする際やボス戦まで楽勝というわけではない。適度に緊張感のあるバトルが楽しめる。
一騎打ちやを刀で斬り合っている時は、相手の剣先を見たり、敵の種類に応じて型を変えたり、まさにチャンバラ!相手を見切る集中力が求められる。
それでもサブクエストをクリアしながらプレイしていれば、詰まることはないはずだ。
一方で、ステルスプレイでは敵の挙動が単純すぎてしまう。敵は、すぐに主人公のことを見失うし諦めてしまいがちなので、ちょっと物足りない。
ゲームシステム: 仁の葛藤をゲームプレイで感じる
本作は、各地を巡ってクエストをこなすオープンワールドあるあるなシステムでゲームを進行する。
しかし、自然や環境を見て道を探る探索が面白くて新鮮だ。自分で旅をしている感覚が高まって、より本作の世界に入り込める。美しい風景を眺めるのがゲーム攻略にも役立つのは嬉しい。
バトルでは、一騎打ちが独特で面白いところ。見合って見合ってー、シュバッ!これが、かなり爽快!
また、物語上、仁は正々堂々と戦う誉れ高き武士と、勝ちにこだわる冥人としての生き方の狭間で悩むことになる。
そして、ゲームプレイでも、特に敵の拠点を攻める際には、どう攻めるかプレイヤー自らが選ぶことになる。ステルスはもちろん面白いけれど、物語に感情移入していると「誉れに反している」と感じる。しかし、敵の極悪非道っぷりや大量の敵を目にすると、「絶対に倒さねば!」と確実性も求めたくなる。
また、和歌を詠んだり温泉に入ることで基礎ステータスがアップグレードするというのが、独特で面白い。武士とは、戦うだけではなく、風流を嗜んでも強くなるってわけだ。
物語だけでなくゲームプレイでも仁と共に葛藤する。体験のさせ方が巧いゲームだ。
芸術性: 見惚れてしまう自然の美しさ
絶景に次ぐ絶景!どこを見ても絵になる。風に舞う色鮮やかな花や落ち葉や、輝くようにたなびくススキなど、もはや現実より綺麗。
フォトモードの機能も気合入った作りになっている。
本当に侍ムービーが好きな人が作ったんだなと感じるような演出が多く、とにかく絵になる画になる。「黒澤モード」という白黒時代劇調グラフィックで楽しめるモードまである。
毎秒毎秒がクライマックスなほど見ごたえのある景色ばかりで。対馬に旅行に行きたくなる。
そして、BGMはガンガン鳴らない。環境音にほんのり曲が乗る程度。コントローラーのスピーカーからも風の音が聞こえてくるし、ASMR動画になりそうな気持ちいい環境音ばかりだ。
でも、バトルになると、和風で厳かでありつつ盛り上がる曲が流れて、武士の気分が高まる。
サントラはこちら
総合評価と似ているゲームは下へ
Ghost of Tsushimaの総合評価
Ghost of Tsushima
総合評価
主人公の心情を丁寧に描く物語や、それをゲームプレイでも味わえる仕掛けが巧いオープンワールドゲーム。HUDに頼らない探索や、絶景続きのグラフィックの美しさなど、最高の武士体験ができる傑作。
おすすめな人 | オープンワールドゲームが好き 時代劇や武士が好き ボリュームたっぷりの大作をプレイしたい |
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おすすめではない人 | 朗らかな雰囲気のゲームをプレイしたい 残虐な演出が苦手 探索が面倒くさい |
Ghost of Tsushimaと似ているおすすめゲーム
Rise of the Ronin
- 本作に似たシステムもある幕末オープンワールドゲーム
- 歴史上の人物と交流し、どう生きるか選ぶ分岐要素も魅力
- パリィも多用するハイペースなバトルが楽しい
Trek to Yomi
- 武士や剣戟が好きなら、おすすめ
- モノクロで描かれる2.5Dのアクションアドベンチャーゲーム
- 現実と黄泉の世界が交錯する演出や時代劇のようなカメラワークも魅力