『Rise of the Ronin』レビュー: みっちりぎっしり幕末オープンワールド
幕末の日本をどう味わうかは自分次第!多彩なバトルに熱中する出来ること満載オープンワールドゲーム『Rise of the Ronin』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Rise of the Ronin製品情報
タイトル | Rise of the Ronin ライズオブザローニン |
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開発元 | Team NINJA |
対応機種 | PS5 |
ジャンル | オープンワールド, アクションRPG |
本作は、仁王シリーズで知られるコーエーテクモゲームズのTeam NINJAが手がけている。
本作はCERO Z版とCERO D版の2種類が発売されている。CERO Z版は海外版と同じで、身体の切断などの表現規制が行われていない。
本稿は、CERO Z版をプレイしてレビューしている。
Rise of the Roninの攻略
ストーリー
隠し刀の2人
本作の舞台は、日本の幕末。ペリーが黒船に乗って日本にやって来た1853年から始まる。
もちろん江戸幕府が日本を治めていた時代だけど、黒船来航が幕府に不満を持つ者たちの勢いに火をつけ始めていた。黒洲藩もその一つだ。
黒洲藩では、幼少期から2人1組で修行を受ける隠し刀と呼ばれる特殊部隊が育てられていた。
本作の主人公は、そんな隠し刀として育てられた侍だ。もちろん、2人いる(2人ともプレイヤーがキャラクリ出来る)。
え、主人公が2人!?そう、2人とも主人公だ。
ちなみに本作は史実を元にしているけれど、フィクションだ。黒洲藩というのは初耳だ。
片割れとの別れ
ある日、主人公2人は、師匠にあたる研師から超極秘任務を受けた。
なんと、ペリーが乗る黒船に侵入して幕府とアメリカが交わした秘密文書を盗み、隙あらばペリーを暗殺しろという、とんでもない任務だ。そんなの、歴史が変わっちゃうだろ。
というわけで、黒船に忍び込んだ主人公2人は無事に秘密文書を手に入れ、更にはペリーをも追い詰めた。もはやクライマックス!エンディング!?
ところが、青鬼という忍者な出で立ちの謎の強キャラが乱入し、2人はあえなく追い詰められる側に。
そこで、主人公2人のうち1人が犠牲となり、もう1人が黒船から盗んだ文書を持ち、命からがら里へと帰還した。
幕末に巻き込まれる
しかし、その後、すでに幕府に目をつけられていた黒洲藩の里は幕府軍に討ち滅ぼされることとなる。
生き残った主人公はというと、里が幕府軍に襲撃されている最中に脱藩しようと画策していた。
どこかで片割れが生きている。隠し刀コンビとしての本能がそう告げるのだ。
お師匠様に止められるも力ずくで里を後にした主人公は、片割れの消息に繋がるかもしれないペリーがいる横浜へ向かった。
しかし、そこには、黒船来航に揺れる幕府と倒幕派の面々が集結しており、主人公はいつしか時代が変わっていく大きな畝りに巻き込まれていくことになる。
攻略のポイント
三都市オープンワールド
本作はオープンワールドゲームであり、舞台となる江戸、横浜、京都の街とその周辺を自由に攻略していくことになる。
メインクエストだけでなく、各地でサブクエストや敵の拠点の攻略など様々な探索要素が用意されている。
特定のクエスト中に発生するミッションでは、自由に出入りできない特別仕様のダンジョンを攻略することになる。
主人公は馬に乗ったり、アビキルで滑空しながら探索することが出来て、道中では薬草など資源を採取することが出来る。資源は薬の調合や装備品の強化の際に必要となる。
人と土地と因縁を結ぶ
本作では、物語上でもゲームプレイ上でも因縁が重要なキーワードとなる。
- 人との因縁
- 共に戦うキャラとの因縁
- 特定のクエストを攻略すると、そこに関わったキャラと縁を結ぶことが出来る
- 縁を結んだキャラはミッションに同行してもらい共闘することが出来る
- ミッション中には同行者を操作して戦うこともできる(自由に操作キャラの切り替えが可能)
- 共に行動したり会話したり、贈り物を贈ることで因縁が深まる
- 名前付きのNPC
- 各地にいる、ちょっとした重要人物
- クエストを依頼されることが多い
- 贈り物を贈って因縁を深めることが出来る
- 共に戦うキャラとの因縁
- 土地との因縁
- 探索要素を攻略すると、そのエリアとの因縁が深まる
- 土地との因縁が深まるほど、そのエリアでの新たなクエストや探索目標が出現する
- 因縁が深まるとお店で割引してもらえたり、特産品が貰えるなどボーナスが発生する
因縁という単語は日常的には悪い意味で使われることが多いけれど、本作では良い縁も含む本来の意味で使われている。
とにかくキャラにもご近所騒動にもどんどん絡むこと。基本的にどの因縁も深まるほど特別な報酬や恩恵が得られる。
隠し刀の戦い方
主人公は、刀や薙刀や槍など様々な武器種で戦える。銃や弓など遠距離武器も扱える。
更に、近接武器には複数の流派がある。流派が変わると同じ武器種でも使えるスキルも挙動も変わる。
流派には敵の武器との相性があり、相手に有利な流派に切り替えて攻撃すると大きくダメージを与えることが出来る。
新たな流派は、上述の人との因縁を深めることで習得することができる。そして、同じ武器種を使い込むことで武器熟練度が上がり、各流派で使えるスキルが増えて行く。
防御面では、ガードと回避、そして石火と呼ばれるパリィで身を守ることが出来る。
攻撃や石火によって相手の体勢ゲージを削り切ると、追い打ちで大ダメージを与えられる。
主人公には体力ゲージとスタミナゲージがあり、攻撃直後のタイミングで武器に付いた血を振り払う閃刃を行うと、スタミナを一定量瞬時に回復できる(仁王シリーズを知っている人なら、残心と同じだ)。
スタミナゲージと対峙している敵に有利な流派に気を配りながら戦うのが鉄則だ。
隠し刀の成長
主人公には大きく分けて2種類の成長要素がある。
- レベルアップ
- 敵を倒して獲得する経験値が溜まるごとに自動でレベルアップする
- 基礎ステータスが向上していく
- 業(かるま)
- 敵を倒すと溜まっていき、一定量溜まった状態でセーブポイントに触れると能力ポイント(スキルポイント)に変換できる
- ゲームオーバーになると溜めていた業ゲージを全て失う
- 前回殺された敵を倒せば、失った業を取り戻すことが出来る
- 能力ポイントでスキルツリーのアンロックが出来る
敵を倒せば倒すほど成長出来るレベルアップと、ソウルライクな業の2つで主人公は成長していく。
ただし、スキルツリーには業で獲得できる能力ポイントではなく、上述した因縁を深めたり特定のアイテムで手に入る武勇ポイントなど特殊なポイントが必要となるスキルもある。
単にバトルだけ攻略していても強くはなれないというわけだ。
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Rise of the Roninの評価と感想
物語の面白さ
幕末を描く映画やゲームは多い。史実上でも事件が勃発しまくる時代なので、メインストーリーをなぞるだけでも十分ドラマティックだ。幕末のゲームと聞くだけで「それ、絶対面白いやつ」となる。で、その期待は裏切られない。
しかも、本作では、倒幕派、佐幕派、西洋派の三勢力それぞれが等しく描かれているのが面白いところ。特に西洋派の事情が描かれるのは幕末がテーマのゲームでは珍しいと思う。
更に、どの勢力にも関われるのが面白いところ。
本作では、会話中に選択肢が登場することが多く、その選択によって体験する物語が変わる分岐要素がある。
必ず敵対すると分かっている三勢力のどこに積極的に関わるのか、大筋が分かっている史実をベースにしているからこそ、選択するのが余計に面白い。フィクションなので、自分の選択によって日本の未来が変わるかも?というワクワクも味わえる。
Team NINJAのゲームは「歴史のもしかしたら?」を描く物語が大きな魅力だけど、本作では自分で物語を選択する楽しさも加わって余計に物語に入り込んで楽しめる。
キャラクターの魅力
本作には、史実上の有名人がたくさん登場する。もちろん史実のイメージ通りで、それぞれ信念を持っていてかっこいい。
どの勢力も他の勢力にとっては悪役になり得るので、各勢力のキャラは考え方が違うだけで悪者というわけではない。
そして、縁を結ぶと共闘や贈り物によって好感度が上がるシステムによって、各キャラにもう一歩、いや二歩も三歩も踏み込むことができる。
歴史上の重要人物と友達になれるので、「あの人はこれあげたら喜んでくれるかな」とアイテムを見ながら考えてしまうようになり、もはやライフシミュレーションをしている気分だ。各キャラは拠点に遊びに来てくれるし、本気で友達付き合いができてしまう。
操作の快適さ
覚えることは多いけれど、操作性は良好。当たり判定も高精度。
探索では、鉤縄もグライダーも優秀で、ザクザク素材を集めながら素早く探索していくことができる。
バトルでは、出来ることがかなり多い。2つのボタンを同時押しすることが多いので、手元は忙しい。
でも、画面下部にキー操作も表示されているので適時確認できるし、慣れればスムーズに操作できるようなボタン割り振りになっている。
また、攻撃手段が多く、同じ武器でも流派を切り替えた途端に挙動も変わる。
この挙動の変化がバトルの楽しいところで、使い慣れていない流派だと切り替えた瞬間に意外な動きをして驚くことがある。それくらい挙動が変わる。
全体的に主人公が大きく動くスキルが多いので、突然ボス戦で初めての流派やスキルを使うと、「射程が思ってたのと違う!」とボスよりも自分自身が驚くことになる。
武器には3つの流派をセットできるので、バトルを繰り返しながら好みの武器種と流派の組み合わせを見つけるのにハマって、率先して雑魚敵を狩りに行く辻斬り犯になってしまう。
難易度バランス
本作では難易度を3段階から選択できる。私はノーマルな真ん中の「黄昏」難易度プレイ。
Team NINJAのゲームというと死にゲーだ。しかし、本作は死にゲーな難易度ではない。
パリィを使いながら、流派を切り替えつつハイペースなバトルを繰り広げる。もちろん歯ごたえはちゃんとある。
しかし、ゲームオーバーになってもレベルアップしていくし、シングルプレイでも共闘者がいて、体力がゼロになっても操作キャラを替えて力尽きた仲間を復活させることができる。
各クエストやチャレンジに表示されている目安レベルを参考にすれば、そんなに苦戦することはない。探索しながら進んでいれば、どんどん強くなっていける。
ただ、それを見越してか、スキルツリーには探索したり因縁を深めないとアンロックできないスキルが散りばめられている。バトルだけで主人公を爆速で成長できないようになっているので、本作ならではの因縁をちゃんと攻略しなければならない。
ゴリゴリとかバキバキではなく、ザクザクッとした程よい歯ごたえで攻略していけるアクションRPGだ。
ゲームシステムの面白さ
これまでTeam NINJAのゲームをプレイ経験がある人が本作をプレイすると「全部入りじゃん!」と思うはず。本作はTeam NINJA過去作の面白システム詰め合わせなゲームになっている。というわけで、面白くないわけがない。
攻撃方法が多彩で、装備品も大量で、どう攻めるかプレイスタイルを考えるのがまず楽しい。鉤縄で屋根の上にも登れるのでステルスプレイもしっかり効く。
そんなバトルに熱中するのはもちろんだけど、物語の分岐と共に各キャラとの因縁を深めていくシステムが本作最大の魅力だ。
幕末を戦い抜くぞ!というゲームかと思いきや、幕末を気ままに生きるゲームだ。
自分でやりたいと思うことをして、問題ごとが起これば好きなように解決して、友達を作る(やたらと友達の顔ぶれが豪華だけど)。
まさに命令に従わなくていい浪人ならでは幕末ライフスタイルだ。タイトルに「Ronin 浪人」と入っているのは伊達じゃない。
やり込み要素の楽しさ
本作はやり込み要素が満載。もはやメインストーリーも因縁を深めるためのやり込み要素の一部だと思えるほど、全てがやり込み要素だ。
どのキャラとどれだけ因縁を深められるか、どれだけサブクエストやチャレンジを攻略して土地との因縁を深めるか。
因縁を深めると、更に新たなクエストやエピソードが発生するという、やり込み要素スパイラルに入って行く。このスパイラルは止まらない。
グラフィックの芸術性
和洋折衷な幕末ならではの風景や街並みが高精細な3DCGで描かれる。
イベント時には、キャラクリした主人公もフッと笑ったり、呆気に取られた顔など、表情が細かく変わる。
また、装備品を変えると見た目も変わるのが楽しいところ。
本作には和装も洋装も登場するので、ハットに着物で革靴というとんでもないコーディネートになったりする。幕末の行末よりも主人公のファッションセンスの方が迷走する。
とんでもファッションになるのは面白いところではあるけれど、どんな装備にしようと見た目だけ好きな装備に固定できる機能もあるので常にお気に入りコーディネートにしたい人にも安心だ。
サウンドの魅力
日本が舞台なので、もちろん和風なBGMが多い。探索中は控えめで、バトルになるとBGMも盛り上がる。
また、NPC含めキャラが多く、セリフも多いけれど、フルボイスなのが嬉しいところ。
個人的には、雑魚のならず者が主人公を見つけると「何だ!?てめぇー!」と威勢の良い掛け声で斬りかかってくるのが妙にツボに入って笑える。第一声から血気盛んすぎるだろ。幕末のならず者は、元気いっぱいだ。
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Rise of the Roninレビューのまとめ
おすすめな人
- 幕末という時代を味わいたい
- 多彩な成長要素ややり込み要素を楽しみたい
- ハイペースなバトルが好き
おすすめではない人
- 分岐要素が好きではない
- バトルだけで成長したい
- 死にゲーな難易度を期待している
総合評価良いところ&残念なところ
- 自由度が高く、やり込み要素が豊富
- プレイヤーの選択によって変わっていく物語
- 攻防交えたバトルが楽しめる
- 物語でもゲームプレイでも幕末を自由に生きる体験が出来る
- 最初に覚えるシステムが大量で、説明は親切とは言えない
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関連ゲーム
仁王2
本作開発元Team NINJAが手がけた高評価アクションRPG。
こちらでは、戦国時代では妖怪が活躍していたという歴史フィクションが楽しめる。
装備品が豊富で、妖怪技を使った死にゲーバトルも魅力。残心など本作に近いシステムが多い。
Wo Long: Fallen Dynasty
こちらもTeam NINJAが手がけた三国志をベースにしたアクションアドベンチャーゲーム。
パリィを多用する立ち回りや、士気を高めることで難易度が変わるバトルシステムが魅力。
中国ならではの武器とアクションが登場する。
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Ghost of Tsushima ゴーストオブツシマ
鎌倉時代の対馬を舞台に元寇が描かれる高評価オープンワールドゲーム。
探索要素や流派など本作と近いシステムが多く、最高の剣戟が楽しめる。
孤軍奮闘する主人公の感情が描かれる物語も魅力。
Rise of the Ronin ライズオブザローニン
© 2024 コーエーテクモゲームス. Rise of the Ronin is a trademark of KOEI TECMO GAMES CO., LTD. Published by Sony Interactive Entertainment Inc.
https://www.playstation.com/ja-jp/games/rise-of-the-ronin/
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