【Lies of P】このピノキオは嘘をつく – 攻略とレビュー
童話のピノキオがまさかの過酷なソウルライクゲームの主人公になってしまった『Lies of P』。
Lies of Pの特徴
- ストーリー: 機械仕掛けの人形が暴走した街の真相を明らかにしていく物語
- 攻略: 武器カスタマイズやキャラビルドが楽しめるソウルライクなアクションRPG
- 評価: 嘘による物語分岐や、好みのプレイスタイルで戦える死にゲー難易度にハマる
- 個性的な世界設定
- 死にゲーな難易度
- 好みを反映できる武器カスタマイズ
- BGMが少なめ
- ソウルライクゲームの知識がある程度必要
『Lies of P』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Lies of Pの攻略
Lies of Pの概要
タイトル | Lies of P ライズオブピー |
---|---|
開発元 | NEOWIZ |
販売元 | NEOWIZ |
発売日 | 2023年9月16日 |
対応機種 | PS5, PS4, Xbox, PC |
ジャンル | アクションRPG |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | Xbox |
ストーリー
目覚めた人形
ゲームが始まると、1匹の青い蝶が飛んできて、目を閉じて座ったまま動かない少年の胸に留まった。
「あなたの助けが必要なの」蝶からは、そんな誰かの声が聞こえてきた。
すると、少年は目を開き、立ち上がった。
少年が目覚めたのは駅に停車中の列車の中だった。少年は列車で居眠りしながら旅して来たのだろうか。
しかし、列車を降りた少年は凄惨な光景を目にすることとなった。駅にはたくさんの死体が転がっていたのだ。これ以上ない最悪な目覚めだ。
更に、少年に近づいてくる駅員さんがいたけれど、どうも様子がおかしい。よく見ると、駅員さんたちは人間ではなく人形で、なぜか少年を殴ろうとしてくる。なんで?
クラットの街
主人公が降り立ったのは、クラットという街。
機械仕掛けの人形技術の発達によって人々が豊かに快適に暮らしていた街だ。ところが、ある時人形が暴走して人々を襲い始め、かつての栄華は見る影もない街に成り果ててしまった。それが現在のクラットだ。
少年はそんな暴走する人形だらけになった治安最悪な街を駆け抜け、先ほどの青い蝶の声に従い、ホテル・クラットに行き着いた。
ホテルで少年を待っていたのは、青い蝶の声の主であるソフィア。
「ここなら安全に過ごせそうだ」と安堵したのも束の間、ソフィアから「大通りにいるゼペットを探して来て」と頼まれてしまった。
え、四方八方から人形にぶっ叩かれる街にまた出て行くなんて嫌なんだけど!
ゼペット爺さん
主人公は、とてつもなく聞き分けがいい少年だ。躊躇なく、ソフィアに言われた通りにゼペットを探しに出かけることとなった。
なぜ口答えひとつしないのかというと、実は主人公も人形なのだ。雑魚敵の人形達に比べて圧倒的に高品質だし、暴走してはいないようだけけれど。
そして、ソフィアが探しているゼペットとは、クラットの街で働く人形を作った張本人だ。つまり、ゼペットは少年の父ということになる。
ただし、人形が稼働するにはエルゴと呼ばれる不思議な物質が必要であり、その調達はゼペットとは別の人物が行なっているようだ。しかも、そのエルゴが原因と思われる石化病という奇病が街の住民に蔓延している。
クラットの街で起こっている惨劇を解決するには、ゼペットが持っている情報が必要だ。
ゼペットが犯人である可能性も少し頭によぎるけれど、少年は謎と嘘が渦巻く荒廃したクラットの街を進んでいく。ゼペット爺さーん!どこですかー!?
攻略のポイント
ピノキオの冒険
本作は、探索しながら進み、各所で待ち構えているボスを倒すアクションアドベンチャーゲームだ。ゲームの進行に伴って探索できるエリアは増えていく。
ホテル・クラットが拠点となり、主人公のレベルアップや身支度、NPCとの交流も行える。
各所にあるスターゲイザーと呼ばれるセーブポイント間ではファストトラベルもできる。
そして、本作はソウルライクゲームだ。
スターゲイザーに触れると体力が全回復し、回復アイテムであるパルス電池が補充されるけれど、雑魚敵は全復活する。
また、敵を倒すとエルゴを獲得する。これが本作の通貨であり経験値となる。一定量のエルゴを消費してレベルアップすることになるけれど、その際には体力など任意のステータス1つのみ上げることができる。
一方で、ゲームオーバーとなった場合には所持エルゴを失ってしまうけれど、前回ゲームオーバーになった地点に戻れば回収することが出来る。
ピノキオの戦い
バトルの基本は、武器での近接攻撃。投擲アイテムで攻撃することもできる。
本作には、スタミナゲージがあり、攻撃、回避、ガード全てでスタミナを消費する。
敵の攻撃をガードした際には、体力が一定量減ってしまうけれど(ジャストガード成功時には減らない)、すぐに敵に攻撃し返せば削られた体力を回復することができる。
更に、左手にはリージョンアームと呼ばれる特殊攻撃を発動できる武器を装備できる。これはリージョンゲージを消費して使用することができる。
武器とピノキオの改造
本作の大きな特徴の1つは、武器をカスタマイズ出来ること。武器は刃と柄に分かれており、好きに組み合わせることができる。
刃も柄も、重量含めた特性が異なり、フェーブルアーツと呼ばれる武器固有スキルが備わっている。ゲーブルアーツは、敵を攻撃すると溜まる青いゲージを消費して発動する。
また、Pクォーツという貴重アイテムを手に入れると、キノピオ自身のスキルツリーをアンロックすることができ、各種ステータスボーナスを習得することができる。
レベルアップだけでなく、装備やピノキオ自身を改造することで好きなプレイスタイルで戦うことができるというわけだ。
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Lies of Pのレビュー
物語: 嘘をつくかどうか選択する分岐要素が面白い
ピノキオといえば、ディズニー映画のピノキオが真っ先に思い浮かぶ。天真爛漫な少年がニコニコしながらスキップしているイメージだ。
私のピノキオイメージ
そんなピノキオが180度真逆といえる残酷な世界で、剣を振り回して戦う。しかも、あろうことかソウルライクゲームだ。この設定だけで心が鷲掴みされる。
しかし、単に掴みだけで終わるわけではなく、人形暴走の謎、クラットの街にいる自警団の勢力争いなど、世界設定はしっかり練られており、本作の世界にどっぷり浸ることができる。
また、本作には分岐要素があり、嘘をつくかどうか選択する場面がある。その際、嘘をつくと人間性を獲得するのが面白いところ。嘘をつくのが人間らしさというコンセプトも面白いところ。
嘘はいけないことだと教えられるはずのピノキオを題材にしていながら、プレイヤーに嘘をつくかどうか迫る物語構成が面白い。
なかには、優しい嘘もある。それでも真実を告げるのが間違いともいえない。そして、NPCが嘘をついている可能性もある。選択が求められる際には、毎回かなり迷う。この嘘つきの仕掛けによって、物語にどんどん入り込んでいく。
操作性: 高精度な挙動と判定
本作は高難易度アクションゲームとして文句なしの挙動や当たり判定だ。
装備重量がしっかり反映されるし、攻撃の当たり判定はちゃんと武器の部分にある。ギリギリでも避ければ当たらない。
一方で、狭い場所で戦っていると、主人公が振った剣が壁などにカァアンと当たって攻撃を繰り出せなくなるし、敵に壁との間に挟まれてしまうこともある。戦う場所には要注意。
また敵の人形たちは、ガタガタガタゴトンゴトンという古いロボット的な動き方なので、敵の攻撃には独特の間がある。これは体で覚えて慣れるしかない。
UIは見やすく、リージョンアームやフェーブルアーツを発動するボタンが常に表示されているのも親切。
チュートリアルがややざっくりしているので他のソウルライクゲームをプレイしたことがないと戸惑うかもしれない(メニュー画面のガイドから詳細を確認することはできる)。
難易度: 敵の動きに癖がありつつ、しっかり死にゲー
本作はソウルライクな死にゲーだ。
雑魚敵は非常にけしからん嫌な場所から奇襲してくるし、ボスは2段階くらい攻撃パターンが変わる。
しっかり死ねる。でも、敵の攻撃パターンを見極めて立ち回れば、ちゃんと乗り越えられる。良い歯ごたえだ。
また、回復アイテムのパルス電池を使い切ってしまっても、敵を攻撃していると再使用可能になるのも面白い要素。きつい状況になっても「まだまだ逆転できるぞ!」と思える。
しかし、敵は体力回復するし、武器には耐久度もあるので、やたらと長期戦に持ち込むことは出来ない。
有利になる要素と難しさを高めるシステムが上手く機能し合っていて、死にゲーが味わえる。
システム: 武器カスタマイズと嘘つき分岐が本作ならではの魅力
システムは完全にソウルライク。ガード後に攻撃すると体力回復出来るなど、『Bloodborne』っぽさを感じる部分もある。
でも、それだけではない。世界設定や嘘つき分岐も魅力的だし、武器のカスタマイズも面白いところ。カスタマイズ次第では動力(本作の筋力にあたる)が貧弱でも、脳筋プレイ御用達の大剣の強さを引き出せる。
レベルアップによるキャラクタービルドだけでなく、武器カスタマイズによってプレイスタイルを変えられる柔軟さが、バトルを更に面白くしてくれる。
様々な武器調合を試すほど、この面白さを実感できるはず。
また、全て地続きになっており垂直的にも入り組んだマップ構造になっていて、探索も楽しい。寄り道は結構多く、各所でサブクエストも発生する。
芸術性: 妖しく艶やかなベル・エポック調の世界
描画が遅れる時はあるけれど、綺麗な3DCGで描かれている。
本作はベル・エポック時代(フランスの産業革命あたりの時代)に着想を得た世界となっている。
クラットの街はどこもかしこも悲惨な状態だけど、平和だった頃はさぞや華やかだったんだろう。それが分かるほど装飾や建築が細部まで描き込まれている。出来ることなら、崩壊前のクラットの街を観光したかった!
また、主人公は装備を変えれば外見も変わる。特にリージョンアームは、どれもメカメカしていてかっこいい。スチームパンクな雰囲気が好きな人に刺さるはず。
妖しく優雅でありつつ、金属の無骨な荒々しさもある。とっても魅力的な世界だ。
一方でサウンド面では、探索中はBGMがないことが多い。
暴走した人形が動くガチャガチャとした音や、どこかから聞こえてくる生存者の咳の音など、ほとんど環境音だけ。少し寂しいけれど、それによって人形が徘徊している街の不気味さが増している。
しかし、拠点のホテル・クラットでは集めたレコードで音楽を楽しむことができる。芸術を嗜むのは人間らしさということだろうか。
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Lies of Pの総合評価
Lies of P
総合評価
嘘をつくことで物語が分岐し、刃と柄を好きに組み合わせられるなど本作ならではの面白さが味わえるソウルライクなアクションRPG。バトルの歯ごたえはもちろんのこと、探索ややり込み要素も楽しめる良作。
おすすめな人 | 死にゲーが好き 個性的な世界を体験したい 装備品を吟味するのが好き |
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おすすめではない人 | 不気味な雰囲気が苦手 高難易度アクションが好きではない 分岐要素が嫌い |
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Elden Ring
- ソウルライクを生み出したフロムソフトウェアの高評価作
- 広大なオープンワールドで、たっぷり過酷なバトルを味わえる
- キャラビルドや武器種の豊富さも魅力
Thymesia
- 死にゲーなアクションアドベンチャーゲーム
- 疫病が蔓延した街を探索していく
- 敵のスキルを吸収して使用するなど個性的なバトルシステムが魅力