『エルデンリング Elden Ring』とは、フロムソフトウェアが開発したオープンワールド要素のあるアクションRPG。
フロムソフトウェアは、『ダークソウル』シリーズや本作の直近では『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』など、ソウルライクを生み出したデベロッパーだ。

本作は、PS5、PS4、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。また、本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
エルデンリングはぶっ壊れた
本作の舞台は、狭間の地という場所。
狭間の地は、女王マリカと黄金樹を中心に栄えていた。その黄金樹の源がエルデンリングだ。
ところが、そんな最強エルデンリングは砕けてしまった。
そして、女王マリカも、デミゴッドと呼ばれる自身の子供たちを残していなくなってしまった。

迷惑で壮大な兄弟喧嘩
ところが、エルデンリングは破片になっても絶大なパワーを持っている。
デミゴッドたちは破片を手にして破砕戦争と呼ばれる大喧嘩を繰り広げ、狭間の地はメチャクチャになってしまった。
もはやこの地に希望はなく、荒れ果てた地となってしまった。

どさくさに紛れて入場
さて、本作の主人公は、誰なのか。
主人公は褪せ人と呼ばれる、かつて狭間の地を追放された人の末裔。
しかし、狭間の地が色々ぶっ壊れたせいか、主人公は狭間の地に入場可能に。
で、のこのこやって来た主人公だけど、早速ぶっ飛ばされる。
「歓迎されるわけなかった、死んだ…」と思いきや、無事にチュートリアルダンジョンで目を覚ます。
そこから、メリナという不思議な少女に導かれ、なんと大胆にもエルデの王を目指すことになる。
そんなの誰もが許してはくれないだろうけど、それでもエルデの王になってやる!

ゲームの特徴Features
オープンワールド風味

本作では各地にダンジョンが点在していて、その間はオープンワールド。どう進みどこから攻略するか自由だ。
マップは広大だけど、トレントという名の霊馬に乗って素早く移動できる。
また、各地にある祝福と呼ばれるセーブポイントを一度でも解放すれば、地図上から各セーブポイントにファストトラベルが可能。
フィールド上では、散歩中やパトロール中の敵と遭遇すればバトルになるし、アイテム作製に使う素材を拾うこともできる。移動中も気は抜けないわけだ。
また、ゲーム内では時間が流れていて、夜になると旅路は危険になる。
元祖ソウルライク

セーブポイントへ!
本作はソウルライクを生んだフロムソフトウェアのゲームなので、本作ももちろんソウルライクだ(本家に「ライク」って使うのは変だけど)。
敵を倒すと、経験値であり通貨でもあるルーンを獲得する。
セーブポイントでは、一定のルーンを消費してレベルアップ出来る。筋力や持久力など、どのパラメータを伸ばすかは自由。
しかし、死ぬと手持ちのルーンを全て失う。
ところが、直前に死んだ場所に行けば失ったルーンを回収可能。もちろん、回収前に死んでしまうと永久に失ってしまう。
というわけで、「強くなりたきゃルーンを死守してセーブポイントへ!」が鉄則。
正面突破が全てではない

主人公は様々な戦い方が出来る。武器や防具など装備品も多種類ある。
通常攻撃、強攻撃、ジャンプ攻撃、カウンター、武器ごとに付与された戦技。ローリング回避やガードも出来る。
もちろん、魔法だってある。
更には、遺灰を使えば召喚した霊体に共に戦ってもらうこともできる。シングルプレイでも共闘できるわけだ。
さらに、しゃがんで気配を殺して歩き、敵の背後から致命の一撃という大ダメージを与えるステルスプレイも可能。
もっと強くなりたい

本作では、探索中に素材を集め、様々な消費アイテムを自分でクラフトすることができる。
お店などでレシピを手に入れると作れるアイテムが増えていく。
また、武器は強化も可能で、自力で一定レベルまで、鍛冶屋さんに頼めばもっと強くできる。上述した遺灰も強化可能。
ちなみに、武器や魔法には必要能力値がある。例えば重い武器をぶん回すには、一定以上の強い筋力が備わっていなければならない。
強き力は強き者しか扱えないのだ。
でも、レベルアップ時には、1種類のパラメータを上げることしか出来ない。
どの武器や魔法を使うのか。そのためには、どう成長させるか。全てはプレイヤー次第だ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.5
本作は、『ダークソウル』系の西洋ダークファンタジーだ。
難しい単語が頻出するし、話もスッと理解できるものではない。
が、煙に巻いてるわけじゃなく、世界設定や物語の背景までがっつり作り込まれていて、考察し始めると止まらない。
地図を見てるだけでもワクワクしてくるファンタジーぶりだ。
でも、別に理解できなくても考察しなくたって大丈夫。ひたすら戦うだけでも攻略に支障はなく、それだけでもお腹いっぱいになる大ボリューム。
どっぷり物語を楽しめる準備だけはしてあるから、あとはどう味わうか、どのくらい味わうかお好きにどうぞ。という懐の深いゲームだ。
好きなように旅してエルデンキングになっちゃえばいい(本当はElden Lordだけど)。
キャラクターの魅力

5.0
主人公はキャラクリ可能なので、愛着の持てるキャラを作ればいい。
でも、本作の魅力的なキャラはボスたちの方だ。
「戦う前にまず質問したいんだけど、一体どういう生物なんですか?」と訊きたくなる突拍子もない姿をしてる奴も多くて、一度見たら忘れられない。
敵ながら惚れ惚れしちゃうかっこいいボスも多い。
しかも、ボスとは何回も戦う羽目になるので、もはや愛着が湧いてくる。
ボスに対して「てめぇー!絶対許さんぞ!」みたいなノリにならないのが不思議だ。敬意を持ってしまうくらい魅力的で強い。
NPCもたくさん登場する。いけすかない奴、狂気に満ちてる人、個性豊か。全員どこか不気味なのも魅力。
ただ、本作をプレイした誰もが「俺のケツを力強く叩いてくれ!」とお願いしてくる壺マンと、頼りになりすぎる霊馬トレントに心奪われるだろう。
操作性

5.0
本作には装備重量の概念があるので、どのくらいキビキビ動けるかはプレイヤー次第。
逆に言えば、装備重量がしっかり挙動に反映されるので、装備に悩む楽しさが味わえる。
当たり判定やアクション精度は、「さすがフロム!」な最高クオリティ。
ちゃんと武器の刃の部分が敵に当たってないとダメージを与えられない。ほんの少しのズレでも許してもらえない。
逆に敵の攻撃をギリギリで避けることも可能なわけで、「すごっ!今の本当に避けてる!」とボス戦中に驚いてしまった。
驚いてるうちに二撃目を食らって無事に死亡したけど。
難易度バランス

5.0
納得の最高級な高難易度死にゲー。
ちゃんと敵の動きに対応しないと、すぐに死ぬ。雑魚敵にもボコ殴りされる。ゴリ押しや雑なプレイは全く効かない。
純粋に敵が強いだけではなく、嫌なところに敵が隠れてたり、遠くから矢や魔法で狙い打ちしてきたり。探索中も気が抜けない。
でも、本作はレベルアップが可能なので強くなれるし、雑魚敵にはステルスもかなり有効。
で、ボスの方はというと、もう、はい、がっつり強い。数も多い。
でも理不尽ではなく、ちゃんと乗り越えられる絶妙な難易度なのが凄い。
そして、苦戦した時に気分転換に行ける他の場所が多いオープンワールド要素がありがたい。
「もう無理!」と心が折れない。諦めにくい死にゲーだ。
ゲームシステム

5.0
死にゲーとオープンワールドが共存してる。すごいバランス。
本作には、斬新なシステムがあるわけではない。
だけど、プレイすればするほど、世界の造りや難易度調整の神バランスを実感することになる。
オープンワールドの自由度と探索で時間が溶けていく没入感と、死にゲーの歯ごたえと達成感に病みつきになる感覚。
それらが絶妙バランスでブレンドされていて、もう、狭間の地から抜け出せなくなる。抜け出す気も一切ないけど。
自由度が低いからこそ高難易度になるとか、オープンワールドはある程度スイスイ攻略できないと飽きやすいとか。
そういう「お約束」は全部ぶっちぎってくれる。
もう、戻れない。私自身も褪せ人になってしまった。
やりこみ要素

5.0
主人公をどう強化して、どの装備でどう立ち回るか。
どこから攻略していくか。武器や遺灰はどれを強化するのか。
全て悩みどころで、何通りも楽しめる。分岐要素もあるし。
更にNPCイベントやゲームクリアに必須ではないボスも大量にいて、やり込み要素もたっぷりだ。
取り返しのつかないイベントや自力で気づきにくい要素もかなり散りばめられているので、2周目以降は攻略情報を見るのもおすすめ。
ただ、最近の他のAAA級オープンワールドゲームと比べると、探索ポイントやイベントが超大量というわけではない。そこは、あくまでもオープンワールド風味。
でも、それぞれの歯ごたえが最強なので、実際のところ特大ボリュームに感じる。
また、各地の闘技場などを利用してPvPを楽しむこともできる。今後は追加DLC「Shadow of the Erdtree」が配信予定となっている
グラフィック

5.0
輝く黄金樹、夜空の星や日の出の反射など、光の演出がとても綺麗。
そして、ボスのデザインが秀逸。
奇妙で魑魅魍魎で気持ち悪くて最高。
そして、巨大な敵の迫力がハンパない。全身を見た時の恐怖感と絶望感。「ぎゃあぁああ」と叫びつつ、ちょっと敵の膝を1発殴ってみたりしながら逃げ惑う。
広大なフィールドだからこそ、巨大な敵が映える。
そして、装備品の甲冑や剣の構え方などがカッコ良くて最高。
実際には、装備重量や必要能力値を優先してしまい、とんでもないコーディネートになってしまうことが多いんだけど。
サウンド

4.5
基本は、静かでハラハラする不穏なBGM。
恐る恐る進んでいる時に足元の小枝を踏んだ時のピシィッていう音にビックリして「敵にバレちゃう!」と焦ったり、敵が奇襲してくる時の「ヴォオオオ」っていう雄叫びにビビったり、効果音にやられっぱなし。
そして、ひとたびバトルが始まると、戦う気が盛り上がる壮大な曲に変わる。
特にボス戦ではかっこいい曲が多く、手も足も出ないボロ負け状態でも、すごく意味がある戦いかのように見えるほど。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
5.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
死にゲーもオープンワールドも楽しめる
絶妙な高難易度
攻略方法の自由度が高い
残念なところ
フロムゲーの知識がある程度必要
オススメな人
高難易度なゲームが好き
自由度が高いゲームを求めている
フロムゲーのファン
ボリュームたっぷりの超大作をプレイしたい
オススメではない人
サクサク攻略できないと嫌になる
感情移入しやすい物語が好き
気持ち悪いデザインや不気味な雰囲気が苦手
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Dark Souls ダークソウル シリーズ
本作とゲームシステムがかなり似ているフロムゲー代名詞的な人気シリーズ。この50年のゲーム史上で1番優れたゲームにも選ばれた名作。


SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
本作の前に発売されたフロムゲー。本作とバトルシステムなどは全く違い、和風でハイペースアクションが特徴。フロムゲーの知識はほぼ必要なく、感情移入しやすい物語も魅力。

ソウルライクゲーム
ソウルライクや高難易度ゲームが好きなら、こちらのゲームリストもおすすめ。歯ごたえバッキバキな高評価作が勢揃い。

Elden Ring エルデンリング
ヤバいものに手を出してしまった
広大なオープンワールドになっている世界を旅しつつ、高難易度バトルが味わえまくる最高アクションRPG。
探索も面白く、主人公や装備品の強化に悩むのも楽しい。個性的なNPCや重厚ファンタジーな物語も魅力。
エルデンリング Elden Ring
ELDEN RING™ & ©2022 BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / ©2022 FromSoftware, Inc.
https://www.eldenring.jp