『ELDEN RING エルデンリング』レビュー: ヤバいものに手を出してしまった
面白さも広さも歯ごたえも超ド級!自由で過酷なソウルライクの旅から帰れなくなる『エルデンリング Elden Ring』をネタバレなしで要素ごとに詳しくレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
エルデンリング製品情報
タイトル | Elden Ring エルデンリング |
---|---|
開発元 | FromSoftware Inc. |
対応機種 | PS5, PS4, Xbox, PC |
ジャンル | アクションRPG, オープンワールド, ソウルライク |
ソウルライクゲームを生み出したフロムソフトウェアが手掛けており、完全なオープンワールドというわけではなくオープンフィールドと表現されている。
本稿では、PS5版をレビューしている。
また、2024年6月21日には大型追加DLC「Shadow of the Erdetree」が発売予定となっている。
エルデンリングの攻略
ストーリー
エルデンリングはぶっ壊れた
本作の舞台は、狭間の地と呼ばれる地だ。
狭間の地は、女王マリカと黄金樹を中心に栄えていた。その黄金樹の力の源がエルデンリングだ。
ところが、そんな最強エルデンリングは砕けてしまった。
そして、女王マリカも、デミゴッドと呼ばれる自身の子供たちを残していなくなってしまった。
迷惑で壮大なデミゴッドによる破砕戦争
ところが、エルデンリングは破片になっても絶大なパワーを持っている。
デミゴッドたちは破片を手にして破砕戦争と呼ばれる派手な兄弟喧嘩を繰り広げ、狭間の地はメチャクチャになってしまった。
もはやこの地に希望はなく、荒れ果てた地となってしまった。
褪せ人がどさくさに紛れて入場
さて、本作の主人公は、誰なのか。
主人公は褪せ人と呼ばれる、かつて狭間の地から追放された人の末裔だ(キャラクリエイト可能)。しかし、狭間の地が色々ぶっ壊れたせいか、主人公は狭間の地に入場可能になった。
で、のこのこやって来た主人公だけど、早速大きくて強い奴に問答無用でぶっ飛ばされてしまう。
「歓迎されるわけがなかった、死んだ…」と思って絶命したものの、無事にチュートリアルダンジョンで目を覚ます。
そこにメリナという不思議な少女が現れ、なぜか彼女に言われるがままに、なんと大胆にもエルデの王を目指すことになる。
そんなこと誰も許してはくれないだろうけど、王になるって響きは悪くない。よし、エルデの王になってやる!
攻略のポイント
オープンワールド風味
本作では各地にダンジョンが点在しており、その間はオープンワールドになっている。どう進みどこから攻略するかは自由だ。
マップは広大だけど、トレントという名の霊馬に乗って素早く移動することができる。
また、各地にある祝福と呼ばれるセーブポイントに一度でも触れれば、地図上から各セーブポイントにファストトラベルができる。
フィールド上では、散歩中やパトロール中の敵と遭遇すればバトルになるし、アイテム作成に使う素材を拾うこともできる。移動中も気は抜けないわけだ。また、ゲーム内では常に時間が流れており、夜になると旅路は危険になる。
元祖ソウルライクなアクションRPG
本作はソウルライクを生んだフロムソフトウェアが手がけたソウルライクゲームだ(本家に「ライク」を使うのは変だけど)。
敵を倒すと、経験値であり通貨にもなるルーンを獲得する。
セーブポイントでは、一定のルーンを消費してレベルアップ出来る。筋力や持久力など、どのステータスを伸ばすかはプレイヤーの自由で、これによって好みのキャラビルドができる。
しかし、ゲームオーバーになると手持ちのルーンを全て失う。それでも前回ゲームオーバーになった場所に行けば失ったルーンを回収できる。もちろん、回収前に死んでしまうと永久に失ってしまう。
というわけで、「強くなりたきゃルーンを死守してセーブポイントへ!」が鉄則。
正面突破が全てではないバトル
主人公は様々な戦い方が出来る。武器や防具など装備品も多種類ある。
通常攻撃、強攻撃、ジャンプ攻撃、カウンター、武器ごとに付与された戦技。ローリング回避やガードも出来る。もちろん、魔法だって使える。
更には、遺灰を使えば召喚した霊体に共に戦ってもらうこともできる。シングルプレイでも共闘できるわけだ。
さらに、しゃがんで気配を殺して歩き、敵の背後から致命の一撃という大ダメージを与えるステルスプレイもできる。
ただし、攻撃でも回避でもスタミナゲージを消費するので、スタミナ管理には注意。
もっと強くなるには
上述もしたけれど、探索中には素材を拾って、様々な消費アイテムを自分でクラフトすることができる。お店などでレシピを買うとクラフトできるアイテムは増えていく。
また、武器は強化も可能で、自力では一定レベルまで、鍛冶屋さんに頼めばもっと強くできる。上述した共闘してくれる遺灰も強化可能だ。
ちなみに、武器や魔法には必要能力値がある。例えば強くて重い武器をぶん回すには、一定以上の強い筋力が備わっていなければならない。強き武器は強き者しか扱えないのだ。
でも、レベルアップ時には、1種類のステータスを上げることしか出来ない。どの武器や魔法を使うのか。そのためには、どう成長させるか。全てはプレイヤー次第だ。
エルデンリングの評価
物語の面白さ
本作は、『ダークソウル』系の西洋ダークファンタジーだ。難しい単語が頻出するし、話もスッと理解できるものではない。
しかし、煙に巻いてるわけではなく、世界設定や物語の背景までがっつり作り込まれていて、考察し始めると止まらない。地図を見てるだけでもワクワクしてくるファンタジーぶりだ。
でも、理解できなくても考察しなくたって大丈夫。ひたすら戦うだけでも攻略に支障はなく、それだけでもお腹いっぱいになる大ボリューム。
どっぷり物語を楽しめる準備はされているから、あとはどう味わうか、どのくらい味わうかお好きにどうぞ。という懐の深いゲームだ。
好きなように旅してエルデンキングになっちゃえばいい(本当はElden Lordだけど)。
キャラクターの魅力
主人公はキャラクリ可能なので、愛着の持てるキャラを作ればいい。
でも、本作の魅力的なキャラはボスたちの方だ。
「戦う前にまず質問したいんですが、あなたは一体どういう生物なんですか?」と訊きたくなる突拍子のない姿をしてる奴が多くて、一度見たら忘れられない。敵ながら惚れ惚れしてしまうかっこいいボスも多い。
しかも、ボスは強すぎて何回も戦う羽目になるので、もはや愛着が湧いてくる。ボスに対して「てめぇー!絶対許さんぞ!」というノリにならないのが不思議だ。敬意を持ってしまうくらい魅力的で強い。
NPCもたくさん登場する。いけすかない奴、狂気に満ちてる人、個性豊かだ。全員どこか不気味なのも魅力。
とりあえず本作をプレイした誰もが「俺のケツを力強く叩いてくれ!」とお願いしてくる壺マンと、頼りになりすぎる霊馬トレントに心奪われるのは間違いない。
操作の快適さ
本作には装備重量の概念があるので、どのくらいキビキビ動けるかはプレイヤー次第だ。装備重量がしっかり挙動に反映されるので、装備の組み合わせに悩む楽しさが味わえる。
当たり判定やアクション精度は、「さすがフロム!」な最高クオリティ。
ちゃんと武器の刃の部分が敵に当たってないとダメージを与えられない。ほんの少しのズレでも許してもらえない。
逆に敵の攻撃をギリギリで避けることも可能なわけで、「すごっ!今の本当に避けれてる!」とボス戦中に驚いてしまった。
驚いてるうちに二撃目を食らって無事に死亡したけど。
難易度バランス
納得の最高級な高難易度死にゲー。
ちゃんと敵の動きに対応しないと、すぐに死ぬ。雑魚敵にもボコ殴りされる。ゴリ押しや雑なプレイは全く効かない。
純粋に敵が強いだけではなく、嫌なところに敵が隠れてたり、遠くから矢や魔法で狙い打ちされたり、探索中も気が抜けない。
でも、本作はレベルアップが可能なので強くなれるし、雑魚敵にはステルスもかなり有効だ。
で、ボスの方はというと、もう、はい、がっつり強い。数も多い。でも理不尽ではなく、ちゃんと乗り越えられる絶妙な難易度なのが凄い。
そして、苦戦した時に気分転換できる場所が多いオープンワールド要素がありがたい。
「ボスが倒せなくて、ゲームが止まってしまった!飽きた!もう無理!」と心が折れない。諦めさせない死にゲーだ。
ゲームシステムの面白さ
死にゲーとオープンワールドが共存している。すごいバランスのゲームだ。
本作には、斬新なシステムがあるわけではない。
だけど、プレイすればするほど、世界の造りや難易度調整の神バランスを実感することになる。
オープンワールドの自由度高さと探索で時間が溶けていく没入感、死にゲーの歯ごたえと達成感に病みつきになる感覚。それらが絶妙バランスでブレンドされていて、もう、狭間の地から抜け出せなくなる。抜け出す気も一切ないけど。
自由度が低いからこそ高難易度になるとか、オープンワールドはある程度スイスイ攻略できないと飽きやすいとか。そういう「お約束」は全部ぶっちぎってくれる。
もう、戻れない。私自身も褪せ人になってしまった。
やりこみ要素の楽しさ
主人公をどう強化して、どの装備でどう立ち回るか。どこから攻略していくか。武器や遺灰はどれを強化するのか。全て悩みどころで、何通りも楽しめる。マルチエンディングなので分岐要素もある。
更にNPCイベントやゲームクリアに必須ではないボスも大量にいて、やり込み要素もたっぷりだ。
取り返しのつかないイベントや自力では気づきにくい要素もかなり散りばめられているので、2周目以降は攻略情報を見るのもおすすめ。
ただ、最近の他のAAA級オープンワールドゲームと比べると、探索ポイントやイベントが超大量というわけではない。そこは、あくまでもオープンワールド風味。
でも、ダンジョンや中ボスなどそれぞれの歯ごたえが最強なので、実際のところ特大ボリュームに感じる。
また、各地の闘技場などを利用してPvPを楽しむこともできる。
さらに、新たなエリアもストーリーも追加される大型DLC「Shadow of the Erdtree」も2024年6月21日に配信予定となっている。
グラフィックの芸術性
全て3DCGで描かれる。輝く黄金樹、夜空の星や日の出の反射など、光の演出がとても綺麗だ。
不穏で美しいダークファンタジーならではの雰囲気で、見惚れてしまう。
特に、ボスのデザインが秀逸。奇妙で魑魅魍魎で気持ち悪くて最高。
そして、巨大な敵の迫力がハンパない。全身を見た時の恐怖感と絶望感。「ぎゃあぁああ」と叫びつつ、ちょっと敵の膝を1発殴ってみたりしながら逃げ惑う。広大なフィールドだからこそ、巨大な敵が映える。
更に、装備品の甲冑や剣の構え方などがカッコ良くて最高。
実際には、装備重量や必要能力値を優先してしまい、とんでもないコーディネートになってしまうことになるけれど。
サウンドの魅力
探索中には、静かでハラハラする不穏なBGMが流れている。
恐る恐る進んでいる時に足元の小枝を踏んでピシィッていう音にビックリして「敵にバレちゃう!」と焦ったり、敵が奇襲してくる時の「ヴォオオオ」という雄叫びに驚いたり、効果音にやられっぱなし。
そして、ひとたびバトルが始まると、戦う気が盛り上がる壮大な曲に変わる。
特にボス戦ではかっこいい曲が多く、手も足も出ないボロ負け状態でもなんだか互角に渡り合っているように見えてしまう魔法がかかる。
サントラはこちら
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
エルデンリングレビューのまとめ
おすすめな人
- 高難易度バトルが好き
- 自由度が高いゲームを求めている
- フロムゲーのファン
- ボリュームたっぷりの超大作をプレイしたい
おすすめではない人
- 取り返しがつかなくなる要素が嫌い
- 感情移入しやすい物語が好き
- 気持ち悪いデザインや不気味な雰囲気が苦手
総合評価良いところ&残念なところ
- 死にゲーもオープンワールドも楽しめる
- 絶妙な難易度バランス
- 攻略方法や順番の自由度が高い
- フロムゲーの知識がある程度必要
- 取り返しのつかないイベントがある(面白さでもある)
エルデンリングが好きならおすすめゲーム
関連ゲーム
ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE
本作の大型追加DLC。本作に登場しない全く新たな地である影の地で、本編では語られなかった物語を辿ることが出来る。
ボスや装備品ももちろん追加されている。
本編後半まで進めるとプレイ可能。
Dark Souls ダークソウル シリーズ
本作とゲームシステムがかなり似ているフロムソフトウェアの代表作シリーズ。
ゲーム史上で1番優れたゲームにも選ばれた名作。
SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE
ダクソとは異なる、フロムソフトウェアが生み出した名作アクションアドベンチャーゲーム。
架空の戦国時代が舞台で、ジャストガードを多用する病みつきバトルシステムが大きな魅力。
本作とは異なり、感情移入しやすい物語や入り組んだマップの探索も楽しめる高評価作。
似ているゲーム
Lies of P
ソウルライクゲームが好きなら、こちらもおすすめ。
パーツを組み合わせて武器を作ったり、嘘をつくピノキオが主人公という独創的な世界設定も魅力の高難易度アクションRPG。
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Lords of the Fallen
同じ場所の生者の世界側と死者の世界側のパラレルワールドを同時に進むソウルライクゲーム。
調整の甘さはあるものの、ソウルライクのシステムと同時に探索が好きな人向け。
エルデンリング Elden Ring
ELDEN RING™ & ©2022 BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / ©2022 FromSoftware, Inc.
https://www.eldenring.jp
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