【Thymesia】死にゲーをギュギュッと詰め合わせてみた – ティメジア攻略とレビュー
ソウルライクゲームのバトルの特徴を一気に味わえるアクションアドベンチャーゲーム『Thymesia ティメジア』。
Thymesiaの特徴
- ストーリー: 記憶喪失の主人公が、疫病解決の手がかりを探す戦いが描かれる
- 攻略: 敵の体力と体勢を同時に削っていくハイペースなソウルライクゲーム
- 評価: フロムゲーの影響がかなり強いものの本作ならではのシステムも光っており、ソウルライクの楽しさをコンパクトに味わえる
- ハイペースで高難易度なバトル
- 疫病をテーマにした世界とシステム
- プレイスタイルを自由に変えられる
- 物語やキャラ描写は軽め
- マップ構造がやや単調
『Thymesia』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Thymesiaの攻略
Thymesiaの概要
タイトル | Thymesia ティメジア |
---|---|
開発元 | OverBorder Studio |
販売元 | Team17 |
発売日 | 2022年8月18日 |
対応機種 | PS5, Nintendo Switch, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー, ソウルライク |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PS5 |
ストーリー
様子がおかしいHermes王国
本作の舞台は、家畜から人間までも、感染すると異形の化物と化してしまう伝染病が大流行した世界。
しかし、Hermes王国だけは、錬金術によって病を克服することができていた。
ところが、錬金術も万能ではなかったのか、Hermes王国でも伝染病が猛威を振るいはじめ、国全体が壊滅状態に追い込まれてしまった。
ペストマスクマンのコルヴス
ゲームが始まると、ペストマスクを付けた感染症対策ファッションに身を包んだ主人公コルヴスが登場する。
コルヴスがいるのは崩壊したHermes王国の街だけど、画面上には「核を探す」とメインミッションが表示されているのみ。
コルヴスが何者なのか、なぜHermes王国の錬金術が伝染病に太刀打ちできなくなったのか。詳しい説明はないけれど、敵意剥き出しな化け物たちに襲われながら核を探してみることにする。
しかし、壊滅状態の街を進んでいった先で、コルヴスは明らかに強そうな2人組に遭遇した。コルヴスは、そのうちの1人が縁回す大剣でドゴォッとぶっ飛ばされ、ゲームオーバーとなってしまった。
忘れちゃったコルヴス
大丈夫、大丈夫。負けイベントだ。ゲームオーバーから目を覚ますと、コルヴスは安全な部屋に移動しており、傍ではアイセミーという名の子供がコルヴスのことを心配してくれている。
そして、アイセミーに「目的を果たせた?」と訊かれた。が、コルヴスの返答は「…」。
なんと、コルヴスは自分が何のために何していたか、すっかり忘れてしまったらしい。おいおいおい!プレイヤー側も「核を探せ」と表示されていただけなので、何も知らないんですが。
どうやら、コルヴスは伝染病を解決する手立てを知った上で行動していたらしい。絶対に今1番必要とされている知識だ。
王国を巡れば記憶が戻るきっかけがあるかもしれない。コルヴスは、失った記憶を取り戻すため、再び崩壊したHermesの街へと駆け出していく。
攻略のポイント
記憶を取り戻す旅
本作は、拠点である賢者の庵から、Hermes王国の各エリアへと移動して探索する。ゲームが進行するごとにコルヴスは少しずつ記憶を取り戻し、行けるエリアが増えていく。
各エリアでは、探索とバトルを攻略しながら進み、最奥で待ち構えるボスを倒すとゲームが進行する。
ソウルライク
本作はソウルライクゲームだ。
敵を倒すと経験値である記憶の断片を手に入れ、一定量溜まったらセーブポイントであるランタンでレベルアップができる。ランタンで休息すると、全回復して回復薬の所持数も復活するけれど、雑魚敵が全復活する。
また、ゲームオーバーになると所持していた経験値を失ってしまう。でも、前回死んだ場所に戻れば回収可能。まさにソウルライクそのものだ。
レベルアップ時には、筋力か体力か気力の3つから好きなステータスを伸ばすことができる(レベル上限あり)。
また、レベルアップ時にはスキルポイントを入手し、新たなアクションなどを習得できるスキルツリーをアンロックすることができる。
SEKIROライク
バトルは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』に似ている。
攻撃すると敵の体勢ゲージと体力ゲージを減らすことができる。この二つのゲージは独立しているわけではない。
- バトル開始時の敵に表示されているゲージは白色
- 白色は体勢ゲージ
- 攻撃すると、敵の白色ゲージが削れる
- 白色の下にある青緑色のゲージが露出する
- 青緑色のゲージは体力
- さらに攻撃すると体勢ゲージを更に削る+露出している部分の体力ゲージを削ることができる
敵の体勢ゲージは、攻撃を当てていないと徐々に回復してしまう。ただし、回復するのはその時の最大HPまでだ(青緑ゲージが表示されている幅以上に白色ゲージは回復しない)。
SEKIROとは異なり、体勢ゲージがゼロになっても一撃必殺はできない。あくまでも敵の体力ゲージをゼロにするまで削らなければ倒せない。
コルヴスの戦い方
上記のソウルライクとSEKIROライクなシステムをうまく使って戦うことになる。デフォルトのコルヴスの基本アクションは以下の通り。
- 剣: 通常攻撃
- 爪: 強攻撃
- 敵の体力ゲージを削りやすい
- 疫病の力を奪うことができる(後述)
- 羽: 遠距離攻撃
- 弾数は時間経過で回復する
- ナイフ: ジャストガード
- ジャストガードに成功すると弾いた攻撃は敵側に当たる
それぞれのアクションはスキルツリーによって、挙動を変えることが出来る。遠距離攻撃できる羽を翼に変えて近距離攻撃にするといったことができる。
疫病の力を奪って使う
上述した強攻撃となる爪攻撃によって敵の疫病の力を奪うことができる。咳や鼻水が出るようになるわけではない。そんな辛い風邪症状をもらっても困る。
本作の疫病はモンスター化することなので、敵の攻撃方法をコピーすることができるのだ。敵が隙を見せた瞬間に爪で溜め攻撃すると、その敵が持つ武器を使った技をコピーして1回だけ使用できるようになる。
また、敵がドロップする武器の欠片を一定数集めると、その敵の疫病の力を疫術と呼ばれるスキルとして好きに装備できるようになる。装備した疫術はいつでも何回でも使用できるけれど、気力ゲージを消費する。
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Thymesiaのレビュー
物語: 物語や雰囲気はBloodborne
ゲームシステムはソウルライクで、バトルはSEKIROライク。そして、物語や世界の雰囲気は『Bloodborne』ライクだ。
さらに、本作の舞台であるHermes王国は絶大なパワーを持つ樹のもとに建国されている。そこは『エルデンリング Elden Ring』を思い起こしてしまう。
そう、本作はフロムゲー(フロムソフトウェアのゲーム)ライクの詰め合わせ。
というわけで、フロムゲーリスペクトを感じる、訳分かんなくて気持ち悪い雰囲気がむんむん。
でも、その謎は、コルヴスが記憶を取り戻すごとに少しずつ明らかになってくる。そのおかげで、先が気になるし、ちゃんと理解できる興味惹かれる物語になっている。
探索しながら進んでいると、そのエリアのボスに関してのテキスト情報がいくつか見つかる。しかし、実際に会ってみると、ボスは意外とあっさりした自己紹介くらいで、すぐにバトルが始まる。
ボスはバトル中に少し喋る(煽ってくる)くらいなので、バトルに集中していると、もはやボスの言い分なんか完全無視となってしまう。本作は、物語よりもバトルを楽しむ方がメインだ。
操作性: 高精度で気持ち良く立ち回れる
本作ではジャストガードを多用することになるので、アクションは高精度でなければいけない。で、実際に精度高く調整されている。プレイしていて「理不尽だ!」と感じることはなかった。
慣れるとかなりスタイリッシュに動けるようになる。攻撃して弾いて攻撃してと矢継ぎ早に対応できると、めちゃくちゃ気持ち良い。キビキビとハイペースに動ける操作性が良いゲームだ。
ただ、暗い場所が多く(ゲーム上で明るさ調整はできない)、コルヴスより小型の敵だと、敵が武器を振る手元が見にくくなることがある。ジャストガードを狙うときは、ちょっと困る。
難易度: 高難易度!プレイスタイルを変えられるのが強み
本作はソウルライクゲームなので、もちろん高難易度だ。
ボス相手にはもちろん苦戦するけれど、敵の攻撃パターンを覚えて立ち回りを考えてプレイヤー自身が上手くなっていく、良い死にゲーな難易度が味わえる。
特にボス戦では、ジャストガードと攻撃キャンセル(敵が攻撃を構えた瞬間に羽当てるとキャンセルできる)が攻略の鍵を握っている。
本作では、スキルツリーの振り直しがいつでも可能なので、プレイスタイルを自由に変えられるのが面白いところ。爪攻撃や羽使用の挙動をガラッと変えられるので、ボスに合わせてプレイスタイルを変えるのが有効な戦術の一つとなっている。
システム: ソウルライクゲーム圧縮版に、本作ならではのシステムも盛り込まれている
フロムソフトウェアの死にゲーをプレイしたことがある人なら、「これ、知ってるぞ、見たことあるぞ」となるはず。めちゃくちゃ似ている。
でも、単にフロムライクに終始しているゲームというわけではない。体勢ゲージの最大値を減らしながら戦う本作ならではのシステムは、ジワジワ敵を切り崩していく感覚で楽しい。
そして、疫病を力に変えるというコンセプトが面白い。まあ、バトル上では多種類の武器攻撃を使えるってことに過ぎないけれど。発想が面白いと思った。
マップはそんなに入り組んでおらず、寄り道は少なめで、ゲームボリュームは少なめだ。マルチエンディングなので、周回する楽しみはあるけれど。
各地に落ちているメモや貼り紙から物語や世界設定を探っていくのが本作のやり込み要素であり、積極的に読んでおかないと物語が謎だらけになってしまう。逆に言うと、物語はこのテキスト情報で読ませるだけになっており、それを見つけて回る探索は単調に感じる。
死にゲーの特徴をコンパクトに楽しめる、特にフロムゲー好きな人におすすめなゲームだ。
芸術性: やや荒さのある禍々しい世界
気持ち悪くて不気味で、強敵がいつ出てくるかとハラハラする。そんな緊張感が味わえる気持ち悪さが光る良い景色ばかりだ。
マップは構造だけではなく見た目もやや単調なところもあり、特に気になったのがコルヴスが浮かんでいるように見えること。足元の影に違和感があり、コルヴスだけ違うレイヤーにいるように感じることがある。主役だからスポットライトが当たってるのかな。
というわけで、やや粗さのある3DCGで描かれているけれど、不気味は雰囲気はしっかり味わえる。
BGMは、もちろん不気味な雰囲気の曲ばかりだ。
しかし、バトルになるとカッコイイ曲調に変わる。ボスの形態が変わるとBGMも変化するので、ボス戦での気分が盛り上がってくるのが良い!
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Thymesiaの総合評価
Thymesia
総合評価
様々なソウルライクゲームのシステムを盛り込んだ高難易度アクションゲーム。作り込みに物足りなさはあるものの、疫病の力やプレイスタイルの変更など本作ならではの攻防交えたバトルは歯ごたえたっぷりでハイペースな立ち回りが面白い。
おすすめな人 | 死にゲーが大好き ハイペースなアクションの腕を磨きたい 不気味な世界が好き |
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おすすめではない人 | ソウルライクゲームに馴染みがない 物語や寄り道など世界を堪能したい 陰鬱な雰囲気が苦手 |
Thymesiaと似ているおすすめゲーム
SEKIRO:
SHADOWS DIE TWICE
- ジャストガードを多用するバトルが好きなら、おすすめ!
- 戦国時代の忍の物語が描かれるフロムゲー
- 探索やステルスプレイも面白い、高評価アクションアドベンチャー
STAR WARS ジェダイ
サバイバー
- 体勢と体力を同時に削っていくバトルなら、こちらもおすすめ!
- Star Warsならではのライトセーバーとフォースで戦える
- 3Dプラットフォームアクション要素も強く、探索も面白い