『Loop Hero』とは、Four Quartersが開発したストラテジー要素のあるローグライクゲーム。
本作は、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
星が落ちて世界が消える
星が落ちていく。
そんな天変地異、というか、もはや世界の終わりのような状況から物語は始まる。
星が落ちると世界は暗闇に呑み込まれていく。このままでは世界が完全に消えてしまいそうだ。
この大惨事の主犯は、空に浮かぶ骸骨のようなやつだ。

忘れたけど思い出す若者
そんな世界を救おうと使命感に駆られて立ち上がったのは、とある若者。本作の主人公だ。
よし、世界を救うぞ!
いや、待て。世界ってどんなだったっけ?
闇に包まれた世界は、その世界があった事実さえ消えてしまうらしく、主人公は世界の姿を忘れてしまっている。
しかし、とりあえず歩き出した主人公は、徐々に記憶を取り戻していく。
ここには森があったよな、山もあったし。そうそう、邪魔なゴブリンもいたよな。

生き残り
モンスターと戦いつつ歩いているうちに風景を思い出していく主人公。
そして、ぐるーっと回って拠点のキャンプに戻ってくると、そこには他の人間がいた。
どうやら彼らも生き残りで、主人公と同じく世界についての記憶をなくしていっている。
しかし、生き残った人間の中でも主人公は特別らしい。彼には「記憶=世界の元の姿」を取り戻す力があるようだ。
主人公は他の生存者たちと協力して集落を築きつつ、世界を取り戻すためのぐるぐる回る旅に挑んでいく。

ゲームの特徴Features
やめるまで回る

本作は、拠点から遠征に出ると、毎回ランダムな輪になっている道が生成される。
主人公は拠点であるキャンプから出発して、自動でその輪っか道路をぐるぐる歩く。
道中には敵が出現し、ぶつかるとバトルが始まる。が、バトルも自動。勝手に主人公と敵が殴り合いを始めて終わる。
敵を倒すと、装備品や後述する地形カードを手に入れる。装備品はバトル中でも付け替え可能で、一定数は保管しておくことも出来る。
武器や防具には、攻撃力や防御力だけではなく攻撃速度や吸血などの追加効果も付いていることが多く、プレイヤーは装備品によって自動バトルに関与することが出来る。
また、ローグライクゲームでは珍しく、好きなタイミングで拠点に帰ることが出来る。後述するけれど、もちろんデメリットはある。
地形を作る

上述した通り、始めは暗闇に浮かぶシンプルな輪っか道路しかない。
しかし、敵を倒すと、木立や沼などの地形カードを手に入れる。
このカードを輪っか道路の好きな場所に配置すると、地形が変わる。
主人公が自動で歩いている間はアドベンチャーモードと呼ばれ、バトル時以外なら一時停止してプランモードに切り替えることができる。プランモードでは、地形カードを配置したり装備品の付け替えが出来る。
アドベンチャーモード中には時間が流れていて、1日経つごとに各地形タイルからモンスターが湧いてくる。
例えば木立カードの配置して木立タイルになった道には、朝になるとウルフのモンスターが出現するけれど、そこを主人公がウルフを倒しつつ通過すると、木の資源を手に入れる。
こうして、プレイヤーが好きな道を作っていくことができる。
拠点の繁栄

ひたすらループを回って何がしたいのかというと、周回していると現れる大ボス討伐だ。そいつを倒すとチャプタークリアとなりゲームが進行する。
しかし、大ボスは強い。
そこで力になるのが拠点繁栄だ。
ぐるぐる回りながら手に入れた資源を使って拠点に様々な設備を建設することが出来る。設備によって、ボーナス特典やポーションなどが登場し、主人公の旅路は楽になる。
退却するか死ぬと拠点に戻ることになるけれど、拠点の建設状況は引き継がれていく。
死んだ場合は道中で手に入れた資源のうち一定量しか持ち帰れない。
退却した場合は、キャンプタイルにいる時なら手に入れた資源全てを持ち帰れる。が、キャンプから離れたタイルにいると、いくつかの資源を失って退却することになる。
拠点から再び遠征に出ると、全て最初(安全に退却した場合でも装備品は失い、地形は初期状態になってしまう)から始まることになるので、退却するか否かは悩みどころ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
ローグライクゲームなので、物語要素は軽め。
でも、世界の成り立ちが面白い。
世界の姿形を忘れてしまっていて、それを思い出して世界が出来上がっていくという設定が面白い。
新たな敵や設備が出来た時には会話が発生するので、軽めではあるものの物語描写はほんのり楽しめる。
キャラクターの魅力

3.0
上述した通り、物語描写は軽めなので、各キャラはサラッとだけ登場する。
ただ、拠点に新たな設備が建った時に登場する薬屋おばあちゃんや鍛冶屋おじさんなどのNPCのキャラデザインは濃いめ。
それぞれ絶対何か訳ありな過去を持っていそうだし、何か事件も起こしそう。
だけど、建設した時くらいしか登場しないのが残念。
操作性

4.0
プレイヤーが操作するのは、装備付け替えと地形タイルを配置するくらいなので、操作自体は簡単。
UIは本作独自のもので、チュートリアルは懇切丁寧というわけではなく、自分であれこれ触って覚えていく。が、それも複雑ではないので、ゲームプレイにすぐ慣れることができるので問題なし。
主人公が歩く速度とバトルスピードは変えられるので、快適に主人公の自動無限ループを見守ることができる。
難易度バランス

4.0
何周もループするのが必須。「最初から一気に大ボスまでクリアだぜ!」なんてことはまず無理。それくらい大ボスは桁違いで強い。
ある程度の運要素はあるものの、しっかり拠点を充実させてからボスに挑むというRPGっぽい難易度になっている。
ドラクエなどで町を中心にうろついてバトルして、ちょっと遠くに行ってみてキツくなったら町に戻るというレベル上げをやってるような感覚だ。
でも、安全策をとって拠点に帰ってばかりとはいかないのが小憎らしい(褒めてる)。
建築に必要な素材はすぐに手に入らない。なぜなら、例えば建築に必要な「安定した木材」は枝を一定量集めなければ手に入らないからだ。
そのため危険なモンスターが出る地形タイルも積極的に配置して、何周もループしなければならないようになっている。
ゲームシステム

4.5
ほとんど自動で進むけれど、地形を自分で造るというのが独創的であり、本作の1番の面白さ。
同じ道を何度も通ることになるので、自分で造った地形が後々自分の首を絞めることになる。
先を見越して地形を作り、戦況を見て装備を変えるなどストラテジーゲームとしての面白さがたっぷり味わえる。
一方で拠点がどんどん充実していくので、着実に強くなっていく感覚も味わえる。
それでも、ドロップする地形タイルや装備品によって戦況が激変するローグライクなランダムさもちゃんと効いてる。
一見シンプルそうに見えても、プレイするほど面白さのループにハマっていく、よく練られていてバランスの良いゲームだ。
やりこみ要素

4.0
どれだけ拠点繁栄に力を入れるかはプレイヤー次第。
新たな設備を建てると、新たな地形カードや主人公の新たなクラスがアンロックされる。
更に、各設備は強化も出来る。
大ボスが登場しても戦わずに拠点に帰ることもできるので、どこまで拠点を充実させてから大ボスに挑むかがやり込み要素と言えるかもしれない。
施設を作らないとNPCや敵の登場も乏しくなるので、物語を楽しむためにも様々な設備を作るのがおすすめ。
グラフィック

3.0
かなり昔のゲームのようなピクセルアートグラフィック。
主人公は簡素な2頭身だし、モンスターもかなりデフォルメされている。最近のゲームではなかなか見ない潔い豆粒グラフィック。
会話時にはキャラの立ち絵が表示されて良い感じのデザインなんだけど、会話時くらいにしか見ることはできない。
分かりやすいグラフィックでゲームプレイには支障はないんだけど、さみしさや見た目の地味さは否めない。
サウンド

3.5
闇に包まれた世界が舞台なので、BGMはほとんど不穏な戦いを感じさせる曲が多め。
BGMもループしている…と思いきや、色んな曲が流れてくる。意外。同じ一曲がループしそうなゲーム性だけど、意外とそんなことはなかった。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
地形を造って周回する独創的なシステム
戦略を考えるのが楽しい
引き継がれる要素とランダムさのバランスが良い
残念なところ
グラフィックがさみしい
NPCや物語描写が軽め
オススメな人
ストラテジーゲームが好き
ローグライクゲームが好き
独創的なゲームに興味がある
オススメではない人
物語を楽しみたい
バトル時の操作もしたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
The Last Spell
こちらもストラテジー要素が楽しめるローグライクゲーム。拠点防衛とタクティクスバトルが同時にプレイできる面白システムで、歯ごたえもバキバキ。こちらも次の日以降を見据えて戦略を考える面白さが魅力。

Dungeon of the Endless ダンジョンオブジエンドレス
ストラテジー+ローグライクなら、こちらもおすすめ。新たな部屋に進む度にターンが進み、資源産生や敵迎撃設備などリアルタイムストラテジー要素も楽しめる。


Loop Hero
これが正真正銘の無限ループ
同じ道を周回する、しかしその地形は自分で造るという独創的なシステムが魅力のローグライクゲーム。
先を見越して地形を配置したり装備の取捨選択に悩むストラテジーゲームの楽しさもたっぷり味わえる。
拠点繁栄の引き継がれる要素とランダムさのバランスも良く、プレイするほどハマっていく面白さ。
Loop Hero
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