【Neva】季節は移ろい、キミは大きくなる – 攻略とレビュー
1人と1匹で崩壊する世界を生き抜く、胸震える美しいアドベンチャーゲーム『Neva』。
Nevaの特徴
- ストーリー: 闇に貪られていく世界を女性とオオカミが共に生き抜く物語
- 攻略: プラットフォームアクションとバトルで道を切り開いていくアドベンチャーゲーム
- 評価: アクションも物語も流れるような気持ち良さで、演出に釘付けになるあらゆる面で美しいゲーム
- 言葉なくとも感動する演出の上手さ
- 芸術性高く、雰囲気作りが抜群に上手い
- こだわりが詰まっていつつ、プレイしやすいゲーム性
- 特になし(長時間遊べるゲームを求めている人にはお勧めできない)
『Neva』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Nevaの攻略情報
Nevaの概要
タイトル | Neva |
---|---|
開発元 | Nomada Studio |
販売元 | Devolver Digital |
発売日 | 2024年10月16日 |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | アドベンチャー, 横スクロールアクション |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
闇に貪られる世界
空から鳥が落ちてきた。飛んでいた鳥が突然ポトッと地に落ちたのだ。
その鳥に女性が手を差し伸べた。この女性が本作の主人公Albaだ。
Albaは1人ではない。角が生えた大きな白オオカミと、その大きなオオカミに似ているけれど子犬のように小さく可愛い子オオカミの2匹が一緒だ。
オオカミと共に生きるAlbaが拾い上げた鳥は、既に息をしていなかった。そして、その動かなくなった身体には黒い花が咲いていた。
これが、この世界を蝕んでいる呪いだ。
どこからともなく広がる黒い闇と共に現れた怪物が、植物も動物も構わずその命を貪り食っているのだ。
1人と1匹で生きる
空から鳥が落ちてくる。さらにボトボトと。闇だ。闇がすぐそばまで近づいてきたのだ。
蠢く巨大な黒い闇が見えたかと思った瞬間、1人と2匹はあっという間に闇に呑み込まれてしまった。
そして、闇に圧倒され気を失ってしまったAlbaが目覚めた時、そこには大オオカミが横たわっていた。空から落ちてきた鳥のように、大オオカミの命も消えてしまったのだ。
膝から崩れ落ち、涙がAlbaの頬を伝った。しかし、彼女は1人ではない。子オオカミがAlbaの右手に頭を擦り付けた。
1人と1匹は生き残ったのだ。大オオカミが守ってくれたのだ。
Albaと爆速成長期のNeva
時は変わり、夏のある日、Albaと子オオカミが仲良く森で眠っていた。
目を覚ましたAlbaは、子オオカミを優しく撫でて囁いた、「ネヴァ」。
ネヴァと呼ばれ目を覚ました子オオカミとAlbaは歩き出した。
穏やかな夏の日。しかし、Albaと成長していくNevaが歩く道には、あの闇が影を落としていた。
恐ろしい闇。それでも進むAlbaとNevaの行く末をプレイヤーはその目で見届けなければならない。
攻略のポイント
Nevaを呼びながら進む
本作は、いくつかの章に分かれており、基本的に画面右の方を目指して進んでいく2D横スクロールアドベンチャーゲームだ。
後戻りはできないけれど、攻略済みの部分については章ごとにリプレイできる。
プレイヤーは主人公のAlbaを操作する。
オオカミのNevaは自動で移動したりアクションを行うけれど、「Neva」と声をかけてAlbaの近くに呼ぶことができる。
ゲームが進行すると、Albaを操作しつつNevaに指示を出すこともできるようになる。
Albaの戦い方
本作では、谷間や足場をプラットフォームアクションで進む場面や、バトルも発生することがある。
Albaのできる基本アクションは以下の通り。
- ジャンプ
- 2段ジャンプと空中ダッシュも可能
- 剣で攻撃
- 敵に連続して攻撃を当てると体力回復できる
- 体力は画面下の花のようなアイコンで表示されている
- ローリング回避
- 白い植物が生えている壁は、伝って登り上り下りできる
また、章によって登場するギミックが変わるので、場面ごとに追加されるアクションもある。
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Nevaのレビュー
物語: ほぼ泣きながらプレイしていた
本作にはテキストが表示されるセリフやナレーション、読み物などはない。セリフはAlbaがNevaの名前を呼ぶ声ぐらいしかない。
そして、本作はコンパクトなゲームであり、数時間あればエンディングに到達できる。
ところが、このほぼ言葉のない数時間でも十分すぎるくらいNevaの成長と絆を理解することができる。闇との戦いもあるけれど、タイトル通りNevaが本作のテーマだ。
理解するというより体感するという表現の方が正しいかもしれない。
嬉しさやら寂しさやら切なさやら、本作に言葉がないのと同じく私も言葉にならない様々な感情を抱え、泣きながら画面に釘付けになっていた数時間だった。
どんどん先へと走っていた無邪気なNevaが、Albaを振り返って待つようになり、そのうちAlbaを守るように隣に寄り添って静かに歩くようになる。
そんな細かな変化が、決してこれ見よがしではなく自然に描写されており、言葉より先に「Neva、大好き、大きくなったね」という感情が芽生えてくる。
感情移入しやすく言葉に頼らない演出がとてつもなく上手い感動ゲームだ。
気持ちが自然とぐんぐん動かされていくので、「あっ、そういうことだったのか(号泣)」となる終盤までNevaと共に一気に走り切るのがおすすめ。
操作性: 分かりやすく滑らかなゲームプレイ
章によってギミックや出来ることが変わることもあるけれど、操作はかなり分かりやすい。
Albaは滑らかに動き、Nevaに指示できるようになっても操作が複雑になることはない。
バトルでも挙動や当たり判定に問題なく、最初から最後まで流れるようなゲームプレイを味わえる。
難易度: 意外とハイペースな部分もあり、やり込み要素も楽しめる
難易度は2段階から選択できる。ゲームオーバーになることがないストーリーモードと、バトルで死んだり落下死も起こるアドベンチャーモードだ。私はデフォルトのアドベンチャーモードでプレイ。
敵を攻撃すると回復できるし、各所に全回復できる像もある。詰まるようなことはなく、流れるような物語を滑らかに攻略できる。
とはいっても、ぬるいわけではなく、バトルは意外とハイペースでゲームオーバーになることもあり、急かされながらプラットフォームアクションの腕が試される場面もある。
また、ゲーム難易度ではないけれど、美しい演出に見惚れていて敵にバチーンと叩かれて「はっ!バトルだった!」となることもあった。でも、チェックポイントは小刻みに設定されているので、リトライは苦にならない。
そして、やり込み要素として各所に特別な花がある。この花は触れるとパッと光って咲く。章選択画面では花に触れられていない章を確認することもできる。
この光る花は、道のりをちょっと考えて進まなければならない面倒な場所にある。正規ルートよりやや大変なプラットフォームアクションを楽しむこともできるので、光る花集めをすると本作を十二分に楽しめる。
システム: 感情が加速する流れを止めない美しいゲーム
本作は物語主導型のゲームだ。寄り道や入り組んだ探索、多彩な戦術といった自由度はほぼない。でも窮屈に感じることは一切ない。物足りなさも感じない。
挙動も物語の進行も、全てが水や風のように心地よく流れ、プレイヤーの気持ちも高まっていく。
物語に集中させる力が強く、同時にバトルやプラットフォームアクションでゲームとしてもちゃんと楽しませてくれつつ、良い流れを止めない過不足ないゲームプレイになっているのが素晴らしい。
それと同時に、ゲーム進行に伴ってNevaが関わるアクションが細かく変化することで物語への感情移入度が更に高まる。物語とゲームプレイが分離せず、互いに高め合っているのだ。
感情豊かなゲームではあるけれど、実際には細かな調整や計算の上で作られているゲームだと思う。そう思えるくらい上手くまとまっている。
雰囲気が良いだけになっているゲームやゲームプレイが単調な物語主導型ゲームはあまり良くない意味で「雰囲気ゲー」と言われることもある。しかし、本作はゲームプレイと物語が密接に呼応している文字通りの意味で最高の物語主導型ゲームだ。
芸術性: 演出も色づかいも最高、全瞬間が絵になる美しさ
本作はイラスト調のグラフィックで描かれる。ほとんどの場面は遠めから見る2D横スクロールで、カットシーンではAlbaやNevaがアップになることもある。
本作はひたすら色づかいが美しすぎて、もはやそれだけで泣ける。季節によって変わる自然豊かな風景も、闇に呑まれた場所の不気味さも、各章にキーカラーがある。どの瞬間もスクショを撮ったら絵として飾れるくらい美しい。
個人的には仮面を被った全身黒タイツの怪物たちもどこか愛嬌があり、敵ながらお気に入り。
そして、サウンドも美しい。BGMは壮大だったり癒しのメロディだったり、場面を盛り上げてくれる良い曲ばかり。
それと共に、鳥の声や葉が風に揺れるサワサワサワ…といった環境音も最高で、しばらく手を止めて聞き入った時もある。
アクションが苦手ならストーリーモードもあるので、芸術的なゲームが好きな人には絶対おすすめしたい。この美しさは必見!
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Nevaの総合評価
Neva
総合評価
胸が震える感動の物語を滑らかなゲームプレイと美しい演出で感じる、アクション要素のある物語主導型アドベンチャーゲーム。物語とゲームプレイが上手く噛み合っており、芸術性も高い高評価作。
おすすめな人 | 感動的な物語を体験したい 芸術性が高いゲームが好き 短時間で攻略できるゲームを探している |
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おすすめではない人 | 多彩なアクションやバトルを期待している 探索や進め方など自由度の高いゲームを求めている 言葉ではっきりと物語を語って欲しい |
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