『ラチェット&クランク パラレルトラブル』レビュー: 銀河も次元も超えるどんちゃん騒ぎ
『ラチェット&クランク パラレルトラブル』とは、Insomniac Gamesが開発したアクションゲーム。
本作は、2002年にPS2で第1作目から長く続いている人気シリーズ『ラチェット&クランク』の最新作となる。近年はリブート版が発売されていただけで、かなり久しぶりの新作が登場!
本作の開発元であるInsomniac GamesはSIE傘下のスタジオで、『Marvel‘s Spider-Man』など高評価アクションゲームを数多く手がけている。
本作はPS5、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
最近のヒーロー事情
過去作で何度も銀河を救ってきたラチェットとクランク。
キツネっぽいもふもふがラチェット。ラチェットに背負われているミニロボットがクランクだ。
最近は騒動もなく、過去作で幾度となく銀河の平和を守ってきた2人はヒーロー凱旋パレードをしながら暮らしていた。
いやー、平和平和。
クランクからの贈り物
しかし、今日のパレードは一味違う。
健気なクランクは、親友ラチェットにディメンジョネイターというプレゼントを用意していた。
これで、「別次元にいるかもしれないロンバックス族を探しに行こう!」という粋な贈り物。
というのも、実は、ラチェットはロンバックス族という種族の唯一の生き残り。
他のロンバックス族には会ったこともないし、見たこともない。でも、別次元ならいるかもしれないってわけだ。
毎度おなじみのアイツが登場
ところが、お約束どおりではあるけれど、クッパ大魔王並みに邪魔することしか考えていないシリーズお馴染みの悪役ドクター・ネファリウスがドドーンと登場して、ディメンジョネイターを強奪してしまう!
でも、今回のネファリウスはひと味違う。
いつもいつもラチェットたちに悪事を邪魔されるなら、自分が絶対に勝てる次元を見つけ出してしまおうという魂胆だ。
そんな都合のいい次元があるわけ…あったー!
なんとネファリウスが皇帝として銀河を支配している次元へとネファリウスはぶっ飛ぶ。どんだけ悪運が強いんだ。
まあ、もちろんラチェットとクランクもその次元に転がり込むことになるんだけど。
相棒!?
しかし、ドクター・ネファリウスが無理矢理次元を超えた衝撃でディメンジョネイターはぶっ壊れてしまい、次元の境目も大混乱になってしまう。
しかも、ラチェットとクランクは離れ離れになってしまった。
でも、クランクは、リベットという他のロンバックス族に出会うことになる。やっぱりロンバックス族はラチェット意外にもいたんだ!
ラチェットとクランクは、リベットと共にディメンジョネイターを取り戻して裂け目だらけになった次元を直すために、銀河中を冒険していく。
ゲームの特徴Features
宇宙には色んな星がある
本作は、惑星ごとに別のステージになっており、それぞれ探索して攻略していく。訪れることができる惑星はストーリー進行と共に増えていく。
一度行ったことのある惑星なら再訪も可能。しかし、惑星ごとにラチェットかリベットかの操作キャラが指定されている。
それぞれの惑星では、メインストーリー以外にサイドクエストと収集要素も登場する。
サイドクエストなどによって世界設定などかよく分かる情報がアンロックされることもあるので、物語を楽しむためにもメインストーリー以外も探索しながら進めていくのがおすすめ。
ドッカーンガッチャーンなバトル
上述した通り、惑星によって操作キャラは変わるものの、ラチェットとリベットのアクションは全く同じ。レベルや所持金なども共有する。
バトルでは、近接攻撃と遠距離攻撃が出来る。
遠距離攻撃は武器ガラメカと呼ばれる様々な銃を使う。
レーザー銃や爆弾、ショットガンのような銃は分かりやすい。しかし、共闘してくれるキノコが現れたり、敵を植物に変えてしまうスプリンクラーを設置する銃なども登場する。
「武器ガラメカ」じゃなくて「ネタガラメカ」じゃないの?と思うけれど、どれもちゃんとバトルで活躍する。たくさん種類があるので使い分けが大切。
また、それぞれの武器は、アダプティブトリガー(L2, R2ボタン)の半押し込みか全押し込みかで挙動が変わる。
瞬間移動の術
ステージには、黄色の裂け目が点在している。
バトル中でも探索中でも、この裂け目に向かってL1ボタンを押すと、その地点に瞬間移動出来る。
これを利用して遠くの足場に到達したり、バトルでは敵の背後をとることもできる。
他にも高速ダッシュができたり、ウォールランやワイヤーアクションも登場する。探索では3Dプラットフォーマーな要素も強めだ。
着替えるロンバックス
本作では服を着替えることが出来る。
カッコいいスーツばかりで、それぞれ特定の敵への防御力が上がったり、攻撃力が上がるなど特性がある。もちろん、オシャレ目的で着替えてもOK。
こうしたスーツは、次元ポケットというアクションの腕が試される空間をクリアすることで獲得できる。
成長要素はお好きに
本作では、敵を倒すと経験値を獲得してレベルアップする。レベルが上がると体力の上限値が上がっていく。
一方、攻撃力については、武器をアップグレードして高めることができる。それには大体見つけにくいところに隠れているテラリウムという希少鉱物が必要となる。
武器ごとにスキルツリーならぬスキルパネルがあり、テラリウムを消費してパネルをアンロックしていく。
小さき者も頑張る
アクションだけではなく謎解き要素も登場する。
次元の狭間ではクランクが大活躍する。クランクの分身たちがゴールへたどり着けるように道を繋いでいくパズルだ。
また、バグ直し小型ロボットのグリッチが、コンピューター内で繰り広げる場面もある。
グリッチは壁も天井も移動できるので、画面をグルグル回しながらウィルス駆除していく3Dシューティングゲームのようになっている。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.5
銀河中でドンチャン騒ぎ。最強のエンターテイメント。笑いあり、涙あり、胸熱展開あり。誰もが楽しめる物語。
ディズニー映画みたいな感じで、ちょっと切ない時もあるけれど、底抜けに楽しい。
ラチェットとリベットの2人の物語が同時進行していくので、「そっちは、どんな感じ?どんな感じ?」と続きが気になるし、テンポも良い。
キャラクターの魅力
5.0
ラチェット、クランク、初登場のリベット含めて、みんな良いキャラ。プレイしていて元気がもらえる楽しいキャラばかり。
悪役のネファリウスのキレ散らかしっぷりは磨きがかかってるし、ラチェットの次元とリベットの次元では同一人物の性格が豹変していて面白い。悪役にも愛着が湧く。
特にお気に入りは、武器屋マダム・ズーコンのお店で武器紹介してくれるズーコン・ジュニア。
ジュニアはバトルチャレンジであるアリーナでも実況してくれる。小さくて可愛いロボットなのに、破壊と暴力が大好きというクセの強いキャラで、セリフが面白い。
ただ、過去作を知らないと、ラチェットたちが「あ!あいつ!」と言ってもピンとこないので、ギャラリーで知識を補完しておくのがおすすめ。
操作性
5.0
文句なし!
『Marvel’s Spider-Man』でも感じたけれど、Insomniac Gamesが作るアクションは本当に図抜けて面白いし気持ちいいし、操作も快適すぎる。
たくさんある武器ガラメカは、それぞれ挙動が違うけど、どれもこれも使いやすい。
射撃の反動がないなど、シューティングゲームに慣れてなくてもプレイしやすい挙動になっている。
ハイペースなアクションだけど、ヌルヌル動くし、「今の何!?」と理不尽に思うラグや疑惑の当たり判定は一切なし。
難易度バランス
4.5
難易度は選択することができる。デフォルトのノーマル難易度は、ヌルすぎることはないけど「楽しい楽しい」とニッコニコでプレイできる難易度。
しっかり探索していれば、自然とやり込み要素もクリアしていける。とんでもなく難しいものは登場しない。
バトルで詰まることはなくて、ミスする時はほとんどが落下死。
突然崖が崩れたりなど派手な演出に見惚れていると、突然レールを滑っていくアクションが始まって「うぉおおおおお」と焦る。
初見で落下死することもあるけど、このジェットコースターが楽しすぎなので苦にならない。
ゲームシステム
5.0
過去作をプレイしたことがある人なら、「特にお変わりありませんね」なシステム。でも、より操作しやすく、より派手になっている。
もちろんシリーズ初プレイな人にとっても分かりやすいシステムなので、誰でもとっつきやすくプレイできる。この扱いやすさがラチェクラの魅力でもある。
惑星によって全く雰囲気も違うしギミックも変わるので、飽きることが一切ない。
そして、本作から登場した瞬間移動やダッシュなど新しいアクションも加わって、とにかく全方位楽しいアクションゲームに進化している。
あと、プレイしていると新技術だということを忘れるくらいアダプティブトリガーの取り入れ方が自然。
武器ごとに操作は違うのに、「半押しだとどうなるんだっけ?」とか頭で考えなくても直感的に分かるようになっているのが凄い。
やりこみ要素
4.5
武器、アーマー、金のボルト、スパイボットなどなど、収集要素がたくさんある。武器のアップグレードも入れると、たくさん!
と、一見思うけれど、実際には、それぞれの惑星はそんなに広くなくて、サブクエストも少ない。
ゲーム全体のボリュームもそんなに大きくなくて、「もっと遊びたいなあ」と物足りなく思う。どの惑星も魅力いっぱいだからこそ。
本作はいわゆるAAAゲームの扱いだけど、最近の特大ボリュームやり込み要素てんこ盛りゲームに比べるとあっさり。
しかし、逆に言うと、コンプリートを目指しやすいという良い面でもある。
グラフィック
5.0
ラチェクラシリーズは常に美麗グラフィックだけど、今回は更なる美麗グラフィック。
大量の街の人たちまで細かく描写されてるし、背景でもぎっしり何かが起きててめちゃくちゃ綺麗。
エフェクトは全て派手だし、ガラ武器で登場するスプリンクラーや小型ロボットたちの細かい部分まで贅沢に描かれている。
ハイペースなバトルなのでうっとり眺めている暇がなかったりもするけれど、圧巻の映像美。
サウンド
4.5
どんちゃん騒ぎアクションなので、あっちやこっちっで爆発音や何かが壊れる音とか効果音が派手に鳴りまくり。
バトルが始まると、にぎやかなBGMが鳴りはじめて更に楽しさが増す。
本作はかなりド派手で騒がしいんだけど、BGMだけはやや控えめ。
バトルが終わるとBGMはなくなってしまう。敵を倒してから周囲を探索することが多いんだけど、その時はBGMがないので、ちょっと寂しい。
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総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
ド派手で爽快アクション
エンタメ全振り
最高のグラフィック
残念なところ
BGMが控えめ
ボリュームが少なめ
オススメな人
ハイペースなアクションが好き
楽しい気分になりたい
サクサク進められるゲームを探している
オススメではない人
複雑なストーリーを味わいたい
たくさんのやり込み要素が欲しい
過去作のリブート版。今プレイしても全く遜色を感じさせない美麗グラフィックとアクションの面白さ。
本作と同じInsomniac Gamesが開発する面白エンタメアクションゲーム。コチラも神レベルで面白いアクションが味わえる。
ラチェット&クランク パラレルトラブル Ratchet & Clank Rift Apart
https://www.playstation.com/ja-jp/games/ratchet-and-clank-rift-apart/
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