『タクティクスオウガ リボーン』とは、スクウェア・エニックスが開発したストラテジーゲームでありRPG。
もともとは、1995年にスーパーファミコンで発売された『タクティクスオウガ』。
その後、2010年にPSP向けに『タクティクスオウガ 運命の輪』として一度リメイクされている。
そして、本作はそのリメイク版を更に現代向けにリメイクしたタイトルだ。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。



本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。
あらすじStory
ヴァレリア島
ヴァレリア島にある港町ゴリアテ。
そこに騎士風の男たちが現れる。
そして、そいつらを襲撃しようと目論んでいる若者が3人。
その3人とは、本作の主人公であるデニム、そして彼の姉カチュアと幼馴染のヴァイスだ。
全員ウォルスタ人だ。
実は、この島ではバクラム人とガルガスタン人、そしてウォルスタ人が争っている。
特にウォルスタ人は少数民族であり、迫害されているような状態だ。
そんな現状に一矢報いてやろうと3人は物騒な計画を立てている。

勘違いからのチャンス
遂に3人は騎士たちを襲撃。
ところが、早々に騎士は人違いということが判明。故郷をめちゃくちゃにした騎士ではなかった。え、そんなオチ?
で、この騎士たちはというと、自国から追放され、傭兵としての働き口を探しているらしい。
これはチャンスかも!
とんでもない手のひら返しだけど、デニムたちは今襲ったばかりの騎士たちにウォルスタ人リーダー救出計画に協力してもらうことに。

英雄
デニム達は、騎士達の助けを借りつつ、無事にウォルスタ人リーダーのロンウェー公爵と城の奪還に成功。
その功績を認められ、デニム達はウォルスタ解放軍の一員として、バクラム人とガルガスタン人相手に戦いを挑んでいくことになる。
デニムはゴリアテの英雄と担ぎあげられるけれど、周りは腹に一物を抱えた大人ばかりだ。
そう上手くことが運ぶわけはなさそうだけど、デニムの選択によって戦況は変化していくことになる。

ゲームの特徴Features
ワールドマップで進行

本作では、ワールドマップ上から行きたい場所を選んでプレイする。
緑色で囲まれた地ではショップで買い物したり、演習として通常バトルを行いレベル上げも可能。
赤色で囲まれている地は自由に通過できず、通ると必ずイベントかバトルが発生する。
タクティクスバトル

「タクティクスオウガ」というタイトルになってるくらいなので、バトルはもちろんタクティクスバトル。
敵味方関係なくターンが回ってきたキャラが順番に行動する。
1ターンで、移動と行動とスキル使用の3種類を行うことが出来る。
フィールドはマス目に区切られていて、それを基準にして移動する。
行動では装備している武器で攻撃したり魔法を使ったりアイテムを使用することができる。
スキルは、自動的に発動するものやパッシブスキルもあるけれど、攻撃力を上げたり敵を勧誘するなどバトル中に任意で発動出来るものもある。
本作では、バトル開始時には全員MPが0。で、ターンが回ってくるたびに溜まっていくシステムになっている。
これを基本ルールとして、キャラによって異なる移動可能距離や武器や魔法によって異なる射程距離、そしてターンの順番を考えながら戦っていく。
カードが落ちてるぞ

上述したルールの他に、様々な要素がバトルに関係してくる。
まず、バトル中には、ランダムでカードが出現し、そのマスに止まると拾うことができる。
青色カードを拾うと、攻撃力アップなどのバフがそのバトル中のみ付与される。
緑色カードを拾うと、特定のパラメータが少し上がる。これは永続効果。
赤色カードは拾った青色カードの効果が全消しになる。
また、敵を倒すとアイテム袋がドロップする。そのマス上で味方が止まると中身を入手出来る。
アイテムやカードは敵も拾えるので、早い者勝ちだ(アイテム袋を取った敵を倒せばぶんどることも可能)。
デニムの選択

本作には分岐要素がある。
2択から選択を求められる場面があり、その決断によってメインストーリーが変化する。マルチエンディングであり結末も変わる。
仲間ユニットは、ショップでお金を払い雇用することができるけれど、ストーリー上仲間になる固有ユニットもいる。
つまり、ストーリーが変われば仲間になるキャラも変わってくる。
また、本作ではバトル中に戦闘不能になったキャラは蘇生しないと永久離脱になる(演習バトルでは離脱しない)。
更に、各ユニットは、転職の証を消費することでクラス変更も出来る。
物語もパーティー編成もプレイヤーの判断次第で変化するというわけだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.5
まず、私はオリジナル版も過去のリメイク版もプレイしたことがなく、物語を全く知らずにプレイした。
で、ゲーム開始して数秒後。あ、これ絶対面白いやつじゃん。
冒頭から面白さが隠しきれておらず(別に隠しているわけではないだろうけど)、ハマる予感がぷんぷん漂っている。
筋書き、セリフ、展開、テンポ、どれも良くて、どんどんハマっていく。
大きな戦いが描かれるけれど軍記物というわけではなく、主人公目線で物語が展開するのでとっつきやすいのも魅力。
世界設定の厚みがどっしりがっしり作り込まれている上で、一癖も二癖もあるキャラ達の思惑がぶつかり合う人間ドラマが展開する。面白くならないわけがない。
世界設定を把握していこうとする前に既に物語にハマってた。そんな感覚。
キャラクターの魅力

4.5
キャラはクセ者ぞろい。
冒頭から味方のはずの姉と幼馴染は口喧嘩しまくってて不穏だし、登場するキャラはどいつもこいつも何か企んでそうだし。
本作には分岐要素があるという事前情報が疑心暗鬼と気持ち良い緊張感を生む。
「この人、敵対することになるかも」「この人、嫌な奴だけど、そのうち仲間になったりして」など、あれこれ考えながら会話を見るのが面白い。
敵にもちゃんと筋が通った信念があり、みんな魅力的だ。
ウォーレンレポートというメニュー画面から見れる図鑑やジャーナルを読むと、一回だけ戦った相手にさえちゃんと設定が作られていることにびっくりする。
そのせいで(おかげで?)、選択肢が登場するとかなり悩む。たぶん主人公よりも私自身の方が悩んでる。
操作性

4.0
基本操作は十字キーという、現代のゲームでは珍しい仕様。スティックはカメラ操作に使う。
遠距離攻撃では上手く敵に当たるか軌道を確認するんだけど、見下ろし視点にして見やすく出来るのが便利。
特に操作ミスを誘ってしまうような部分もない。
欲を言えば、ショップで武器や防具を買う時に、誰がどのくらい攻撃力が上がるかなどをサッと確認できるとより便利だったと思う。
難易度バランス

4.0
本作にはユニオンレベルというのがあって、メインストーリーが進行するごとに主人公軍団のレベルが上がる。
各ユニットはこのユニオンレベル以上にレベルアップ出来ないので、レベル上げしまくって楽ちん楽勝にすることは出来ない。
これが終始バトルに対しての緊張感を保ってくれるので、いつまでもバトルに飽きない。
で、バトル自体は、しっかり戦略立てが必要。
敵との位置関係によって攻撃の成功確率が変わったり、敵はちゃんと弱っている味方を集中攻撃してきたりするので、考えなしにプレイしていたらあっけなく死ぬ。
仲間は死ぬと永久離脱する可能性があるので、なめたプレイは出来ない。
でも、運命の輪という機能があり、何ターンか前からやり直しが出来るので、ストラテジーに馴染みがない人も攻略しやすいのが良いところ。
ゲームシステム

4.5
『ファイナルファンタジータクティクス』や最近では『トライアングルストラテジー』など、今では他にもスクエニの高評価ストラテジーゲームがある。
その原形になったとも言える本作は、発売当時すごい衝撃だっただろうなと思う。それくらい面白い。
じゃあ、現在では「普通のゲームだね」になるのかと言うと、そんなことは決してない。
ものすごい完成度だ。とんでもなくこだわって丁寧に作られていたのが初見の私でも分かる。
更に、本作はシステムも現代向けに遊びやすく手が加えられている。古さやレトロゲームならではの不便さはあまり感じない。
もちろん最新ゲームに比べれば派手さや親切機能などはないけれど、面白いゲームはいつだって確実に面白い。
やりこみ要素

4.5
1番のやり込み要素は周回プレイで別の分岐ルートを辿り、固有ユニットを仲間にしていくこと。
1周目は自分の心のままに選択してプレイして、その後は攻略情報を見ながらプレイするのもいいかも。
クリア後には追加エピソードもあるし、たっぷり遊べる。
ちなみにクリア後には分岐点に巻き戻してプレイすることが出来る。
グラフィック

4.0
スーパーファミコン時代のピクセルアートを活かした綺麗なグラフィックになっている。
キャラは二頭身で可愛く見えるけれど、セリフに表示される立ち絵はかっこいい。
吉田明彦さんがキャラデザインや背景を手がけており、単に画面を見ているだけでもワクワクしてくる。
サウンド

4.0
壮大な戦いを感じさせる良い曲揃いのBGM。
タクティクスバトルなので「こうするか、いや、こっちから行くか」と考えてる時間が多いけれど、それを邪魔しない曲調なのも良い。
良い曲だとメロディが気になっちゃうことがあるんだけど、主張しすぎない絶妙な曲ばかりだ。
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
戦略性高いバトル
作り込まれた世界やキャラ設定
惹き込まれていく人間ドラマ
分岐要素が楽しめる
残念なところ
派手な演出はない
スティック操作はカメラのみ
オススメな人
ストラテジーゲームが好き
物語や人間ドラマを楽しみたい
周回要素が好き
オススメではない人
分岐要素が好きではない
育てた仲間がいなくなるのは許せない
編成を細かく考えるのが面倒臭い



おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作のエッセンスが現代に受け継がれたような高評価ストラテジーゲーム。分岐要素や仲間内での投票システムなどが魅力。本作よりも仲間との連携機能が強力になっており戦略性高いバトルが楽しめる。


本作を手がけた開発者さんたちが多く関わっている名作ストラテジーゲーム。FFシリーズお馴染みのジョブが登場する。重厚な物語と歯ごたえのある難易度も魅力。
タクティクスオウガ リボーン
初見がハマるリボーン
がっつり作り込まれた世界設定の上で、人間ドラマや分岐要素など物語が魅力的なストラテジーゲーム。 戦略性高いタクティクスバトルももちろんたっぷり味わえる。 名作のリメイクだけど、全く古さを感じない面白さ。
タクティクスオウガ リボーン
© 1995, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
https://www.jp.square-enix.com/tor/