『The Last of Us part II ラストオブアス パート2』とは、Naughty Dogが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
Naughty Dogは、『アンチャーテッド』シリーズなども手がけているSIEの子会社だ。
本作は、リマスター版も発売されている名作と名高い『The Last of Us』通称ラスアスの続編だ。


前作に引き続き、舞台は崩壊したアメリカ。感染すると自我を失い他の人間を襲うようになってしまう菌が蔓延し、政府も機能しなくなっている。
前作では、菌に免疫を持つ少女エリーとエリーを絶対守るおじさんジョエル2人のアメリカ横断の旅が描かれた。
前作では主にジョエルが主人公だったけれど、本作ではエリーが主人公になる。
本作は、PS4でプレイ可能。2024年1月19日は追加要素も盛り込まれたPS5版も発売される

本作はどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
2人のその後
色々あったけれど、ポストアポカリプスな荒廃したアメリカを生き延びたジョエルとエリー。
前作のエンディング後、2人は、ジョエルの弟トミーも暮らしている生存者たちが団結して作った町ジャクソンに身を寄せた。
その4年後から物語は動き始める。
19歳になったエリーは、いつものように町のパトロールに出かける。町で彼女が担っている仕事だ。
その日のパトロールには、ちょっとイイ感じな関係になっているディーナと共に町を出発した。
感染者の脅威はあるものの、いつも通りの日々だ。

目を覆いたくなる悲劇
ところが、怪しげな集団がジャクソンの町に忍び寄ってくる。どうやら誰かを探しているようだ。
ディーナとイチャイチャしていたエリーだったけれど、他のパトロール隊に異変が起きているようだと報せを受け、胸騒ぎを感じながら現場へ急行する。
そして、そこで色々ありつつも穏やかだった日々を一変させる悲劇を目撃することになる(衝撃のネタバレになるため内容は伏せます)。
その悲劇を引き起こした犯人たちを絶対に絶対に許さない!
復讐の鬼と化したエリーは、犯人集団を追いシアトルへと旅立った。

恐ろしいシアトル
エリーの復讐劇が始まると思いきや、シアトルには目標の犯人集団だけではなく、軍のような組織やカルト宗教のような集団もいる。
また、これまで見たこともなかった進化した凶悪感染者にも遭遇することになる。
敵対する人間たちと感染者たちの狭間で、エリーはどう生き延びていくのか。そして、復讐を果たせるのか。
ちなみに、前作のストーリーは会話中に出てくるけれど、おさらい程度。前作の内容を知っている前提で話が進んでいく。
前作のストーリーを知った上でプレイした方が絶対に本作を楽しめる。

ゲームの特徴Features
本気のサバイバル

本作はサバイバルなアクションアドベンチャーゲーム。
武器も道具も回復アイテムも全て探索しながら現地調達する。
バトルでは、近接攻撃と遠距離攻撃ができる。
近接武器であるバールやバットには耐久値がある(一定回数使用すると壊れる)し、遠距離武器となる銃の弾は有限。
レンガや空き瓶といった投擲武器で敵を攻撃したり、敵の注意を引くこともできる。
また、アルコールや布などの材料を集めて、回復アイテムや爆弾をクラフトすることもできる。
しかし、何でもかんでも入れられる「ふくろ」も「アイテムボックス」もない。それぞれ持てる数には上限がある。
しかも、ゲーム進行とともに舞台が変わるので、前のエリアにアイテムを取りに戻ることも出来ない。
アイテムは節約して使い、次のエリアに備えて物資を温存しておくことも大切。
圧倒的不利な戦い

エリーの敵は多い。敵対する人間、感染者。しかも複数で攻めてくる。
真正面から敵に向かって行って生き延びれるほどエリーは超人じゃない。というか、そもそも、本作はそういうゲームではない。
敵の配置と地形を把握して、敵を1人ずつ倒していく。これが基本。
敵に背後から忍び寄りステルスキル。複数の敵をおびき寄せて火炎瓶や爆弾で一掃。
更に上手く誘導すれば、敵の人間と感染者をぶつけ合わせることも可能(感染者は見境なく誰でも襲う)。
しかし、もちろん思った通りには進まない。
敵の人間は組織的に動くし、犬を使って匂いを嗅いで捜索してくる。また、敵の死体を他の敵が発見すると、大勢の敵が集まり重点的に捜索してくる。
また、感染者には、異常に耳が良い奴や毒ガスを撒き散らしてくる奴などさまざまな種類がいて、それぞれに対応した戦い方をとらなければ倒すことが出来ない。
探索と成長

本作では、上述した通り、一定のエリアごと進んでいく。
ジャンプしてよじ登ったり、腹這いになって潜り込んだり、探索する場所はかなり多い。
探索中には、武器やクラフトに使える材料以外にも見つかるものがある。
「遺物」と呼ばれる誰かの書いたメモ書きや、特徴的なオブジェクトなどを観察することが出来る。
そうした物からは、貴重アイテムが見つかるヒントだったり、物語をより深く味わえるエピソードを知ることができる。
貴重アイテムである「サプリ」は主人公の基礎ステータスのアップグレードに、「部品」は武器のアップグレードに使用出来る。
新たなスキルを習得できる「サバイバルガイド」も探索して見つけなければいけない。
敵を倒して経験値を得るのではなく、探索して強化アイテムを見つけることで主人公は強くなっていく。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.5
前作からの期待を裏切らない、いや、期待を超えてストーリーも演出も素晴らしい。
最初から濃密な展開続きで、先が気になってやめられない。
過酷な状況ばかりで悲劇的な場面も多いし、先を知るのが怖くもなるけれど、でも気になって止まらない。
衝撃的で暴力的な場面もあるけれど「ヒャッハー」とか「気持ち悪さの極み」といったゲームとは違う。
非現実的な過激さには頼らない生々しい描写が特徴。心が締め付けられる、血の通った残虐さを感じる。
でも単にそうした暴力的な描写ばかりに振り切ってるわけではなく、キャラたちの体温を感じられる丁寧な人間ドラマの描写も満載で、素直になれない気持ちや相手を思いやる気持ちをひしひしと感じとることができる。
すごく過酷で人間くさく、深く愛する気持ちも葛藤までも、まるで自分が体験しているような感覚になる。
他のゲームではなかなか味わえない本気で感情が揺さぶられるゲーム。
ただ、終盤ではやや冗長気味になってたのが残念。
キャラクターの魅力

5.0
主人公エリーは前作から成長していて、純粋無垢という感じは抜けて、たくましくなっている。
でも、それだけでは言い表せないくらい、エリーはいろんな感情を見せてくれる。
エリーだけでなく、敵も味方もNPCの全員にも感情移入しやすくて感情が大忙し。それくらい描写が上手い。
そんじょそこらのドラマや映画よりも濃厚な人間ドラマが体験できる。
ネタバレになるので伏せるけれど、エリーと同じくらいしっかり描写される、とあるキャラがいる。で、そのキャラに感情が掻き乱される事になる。
恐らくそのキャラのことが「大嫌い!」となる人も多いと思う。でも、私は、その人にも感情移入した。
全員に良い面もあれば悪い面もあり、意外なところもあったりする。まさに人間そのもの。
全てのキャラが生きている。ものすごいゲームだ。
操作性

4.5
かなり人間っぽい挙動でキャラが動く。
銃を撃つ時はリアルな反動やブレが起こるし、軽々とダッシュやジャンプ出来るわけでもないし、武器の切り替えやクラフトにも時間がかかる。
操作性は問題ないし、ステルス中に敵が理不尽に主人公を見つけてしまうことも見逃してしまうこともない。
ただ、たまにステルスキルするつもりがコマンドが表示されず、スッと敵の前に出てしまい「あ、こんにちは」みたいになってしまうことがあった。
敵の後ろに立ってから、ステルスキルのコマンドが表示されるまでに不思議な間が空くことがあるので注意。
難易度バランス

5.0
敵もちゃんと人間ぽく動く。
「草むらに隠れたぞ」「こっちにはいないぞ」と敵同士で会話して組織的に攻めてくる。誤魔化したりゴリ押しが効かない。
がっつりステルスが楽しめる難易度。
上述した通り、リアルな操作感なので、真正面から大人数を無双することはまず無理。作戦を立てて慎重に攻略しなければならない。
そして、感染者はちゃんと強いので、適切な対処をしないとすぐに食べられてしまう。バトルの歯応えもしっかりある。
で、やはりサバイバル。
お店で無尽蔵に資源が買えるわけでもなく、「資源が足りるかな?大丈夫かな?」と緊張感がずっと続く良い程度のアイテム配置になっている。
同じ資源が複数のクラフトに使うことができるので、後先考えずに進むと自分で自分の首を絞めることになる。ちゃんとやりくりも考えなければいけない。
ゲームシステム

5.0
私はステルスプレイが大好きなので、本作のゲームプレイは楽しすぎる。
銃弾がいつも余ってしまうほど、ステルスに没頭した。
地形や敵の動きが様々だし、単に見つからなければ良いだけではなく、時には思い切って走り抜けることも必要。かなり面白く本格的なステルスが楽しめる。
でも、武器や罠を駆使して積極的にバトルを楽しむプレイもできる。
プレイヤーごとに好きな戦術がとれるようなマップ構造や敵の配置になっていて、いくつも正解があるのが面白い。
そして、本作の1番の魅力はストーリー。
怒涛の展開が続くなか、ちゃんと敵と戦わなくてはならない場面もある。感情が大渋滞しながら正確なアクションをしなければならず、プレイヤーの精神も削りながらプレイするという本作ならではの体験ができる。
やりこみ要素

4.5
収集要素や様々な景色やモノに注目してエリーの日記を書き込んでいくやり込み要素がある。
特にエリーの日記は、あまりベラベラと喋るタイプじゃないエリーの気持ちが分かる助けになるので、ちょくちょく読んでみるのがおすすめ。
また、資源はたくさん落ちていて、寄り道やちょっとした謎解きをしないと手に入らないものも多い。
グラフィック

5.0
フォトリアルなグラフィックは美しく、キャラの表情もかなりリアル。物語に感情移入するのに邪魔になるものが何もない。
エリーが敵を倒す時の憎悪に燃える表情には恐ろしささえ感じる。
そして、世界の作り込みがハンパない。
舞台は荒廃した家やビルばかりだし、具体的な説明もないけれど、そこに住んでいた人の生活や、時にはその人がどんな最期を迎えたかまで分かるほど、細かいところまでしっかり作り込まれている。
サウンド

4.5
BGMはあまりないけれど、劇中ではギターがキーアイテムとして出てくる。実際にギター演奏を操作する場面もある。
ゲーム中では怖い曲や感染者のうめき声ばかりだけど、エリーがギターで弾く曲はどれも切なさを感じる良い曲。
特にエンディングで流れる曲は、号泣必至!
\\サントラはこちら//

総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
本格的なステルスが楽しめる
感情が揺さぶられる物語
資源やりくりに悩むサバイバル
表情豊かで美しいグラフィック
残念なところ
終盤が冗長気味
オススメな人
ストーリー性の高いゲームが好き
ステルスプレイが好き
サバイバルゲームが好き
オススメではない人
残虐な表現が苦手
爽快感を感じるバトルが好き
短時間で攻略できるゲームを探している

おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
The Last of Us ラスト オブ アス
本作の前の物語。エリーとジョエルが出会い、互いにかけがえのない関係になっていく経緯を知ることが出来る。本作の前にプレイしておくのが絶対オススメ!


Ghost of Tsushima
モンゴルに攻め入られた鎌倉時代の対馬が舞台となるオープンワールドゲーム。本作と同じく主人公が1人で復讐しようと奮闘する物語が描かれ、感情描写も丁寧。ステルスプレイも可能だし、正面から斬り合うことも可能。



The Last of Us part II
生々しい復讐心
物語とその描写が素晴らし過ぎて、登場人物たちの想いに胸が打たれまくる。
敵が賢い本格的なステルスプレイと資源をやりくりする緊張感の続くサバイバルで、終始熱中してプレイしてしまう。
The Last of Us part II ラスト オブ アス パート2
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