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『バベルの図書館』レビュー: 一歩のズレが命とり – The Library of Babel

the library of babel バベルの図書館 評価 攻略 ゲーム

『Library of Babel バベルの図書館』とは、Tanuki Game Studioが開発したアクションアドベンチャーゲーム

2D横スクロールでプレイする。

本作は、ホルヘ・ルイス・ボルヘス作の同名短編小説が元になっている。

本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPC版をプレイ。

本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。

画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。

Index

あらすじStory

捜査にやって来たシーカー

物語は、ルドヴィクという名のロボットが、ジャンババというジャングルを訪れるところから始まる。

本作の舞台は、人類が滅亡して2万年後の未来。ロボット達だけが生きる世界になっている。

ロボット達は過去のデータを解析するなど独自の文化を形成しており、秩序立った社会で暮らしている。

しかし、最近物騒な事件が頻発するようになった。そしてその調査に駆り出されたのが主人公のルドヴィク。様々な調べ物をするシーカーという役割を担っている。

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事件勃発

ルドヴィクは、ジャングルの奥にあるロボット達のコロニーで女神と謁見し、捜査に関する情報を教えてもらう。

女神とは、ミテラと呼ばれるロボットたちの中枢からのデータを伝える巨大端末だ。

ロボットたちは、こうした女神たちからの指示に従って暮らしている。

で、女神に「捜査に来たルドヴィクです」なんて挨拶していると、突然、赤い服を纏ったロボットが謁見の間に乱入してきて、住民1人を撃ち殺してしまう。

驚いていると、「何してんだー!」とレイという名の捜査官が駆けつけてきた。が、犯人は意味不明なことを言い遺して自ら命を断ってしまう。

事件を見守っていただけのルドヴィクだけど、ここからこそ彼の出番だ。

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テロリスト

実はこの突然の事件は、ルドヴィクが調査中の事件と繋がっている。

ルドヴィクの任務は、カボール大佐というロボットの追跡。

このカボール大佐は、複数の殺人(ロボットだけど)事件を起こしているカボリスト教団という武装カルト団体を率いている凶悪ロボットだ。

そして、先ほどの凶行の犯人もこの一味だ。

スガール大佐は、ジャングルの奥にある閉ざされたライブラリ(図書館)に入り、そこから戻ってきた直後からおかしくなったという。

詳細は分からないけれど、とりあえず捜査を始めたルドヴィクは、更なる惨劇に直面することになる。

そして、そのうち事件の元凶と思われるライブラリ(図書館)の謎に迫っていくことに。

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左がルドヴィク、右がレイ

ゲームの特徴Features

物々交換と組み合わせ

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本作は物語に沿って、探索や謎解きしつつ先へ進んでいく。

世界はいくつかのエリアに分かれているけれど地続きになっていて、行き来は自由だ。ファストトラベルも出来る。

探索中にはアイテムを見つけたり、データユニットと呼ばれる通貨を手に入れることが出来る。

手に入れたアイテムはインベントリに収納され、インベントリ上ではアイテム同士を組み合わせて別のアイテムに作り変えることも出来る。

NPCからは様々なお願いをされることがあり、条件を満たすアイテムを渡すと、お礼に別のアイテムが貰える。

こうして必要なアイテムを手に入れてゲームを進めていく。また時にはショップで買わなければならないアイテムもある。

丸腰ルドヴィク

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主人公が隠れている場所は緑色
他の隠れられる場所は白色にハイライトされる

道中では、敵に遭遇することもあるし、謎解きもある。

本作では正面きって戦うのではなく、ステルスで攻略するのが基本。

ルドヴィクはしゃがむことが出来て、そのまま移動も出来る。

しゃがみ状態だと箱など隠れることができる場所がハイライトされるので、その後ろでしゃがめば敵をやり過ごせる。

敵によっては、視覚ではなく動きに敏感など特徴が違うので、敵に合わせた方法で見つからないように進んでいく。

もし敵に見つかって攻撃されると、ルドヴィクは一撃でゲームオーバーになってしまう。

その際、最後に触れたチェックポイントにリスポーンするけれど、データユニット(通貨)が一定量消費される。

セーブ時に戻ってやり直しではなくて、ルドヴィクを再製造しているようなシステムらしい。そのため手数料が必要だけど、謎解きのギミックなどはゲームオーバー時の進行状況のままになっている。

話題のゲーム

記事はさらに下に続きます

各要素の評価と感想Rating

物語の面白さ

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4.0

原作があるということもあり、世界設定はしっかりしている。

ロボットたちだけの未来世界と聞くと、ハイテク未来都市を想像してしまう。

しかし、本作の世界では、ロボットたちの宗教や未開の遺跡などもあるし、辺境の地なせいか自然豊かで、かなり独特な雰囲気

人間が遺した哲学や信仰心をロボットたちが研究するという発想も面白くて、他のゲームではあまり見たことがない個性がピカピカ光っている。

物語は、突然の事件から始まり、謎が謎を呼ぶ展開が続き、本当に小説を読んでいるかのようにどんどん惹き込まれていく。テンポも良い。(私は原作の内容は知らずにプレイした)

ものの考え方や概念について考えさせられる、深い物語が味わえる。

キャラクターの魅力

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4.0

みんなロボットだけど、かなり人間っぽい

妙な好みの持ち主もいるし、イタズラを考えていたり、惨事を目撃して泣き崩れているロボットもいる。

NPCからは、本作のしっかりした世界設定を教えてもらえるので積極的に話しかけるのがおすすめ。

それでもロボットっぽさはあるし、哲学的な話が多いので、やや口調は硬めだけど、会話はたくさん用意されていて話しかけるのが楽しい。

哲学的な物語だと翻訳によって余計に難解になってしまうことがあるけれど、本作ではたまに漢字の誤字があるものの、日本語翻訳は自然でいい感じ。

操作性

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4.0

操作性は概ね良好。

キビキビではないけれど、もっさりしているわけでもない。アクションよりもアドベンチャー寄りなプレイ感覚だ。

ただ、主人公の位置は、アクション寄りの精度でかなり細かく判定されるので、ちょっと注意が必要。

ジャンプをして高い場所の足場の端に手をかけて、そこからよじ登るという動作をすることが多いけれど、的確に足場の端を狙って飛ばないと掴んでくれない。

また、足場の端から少しでも飛び出るとすぐに落ちるモーションに入るせいか、たまに足場の端でジャンプボタンを押しても反応せず落ちてしまうことがある。

一歩のズレが命とり。

難易度バランス

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4.0

上述した「一歩のズレが命とり」なのは、ステルスでも同じ。

ほんのちょっとだけ、本当にちょーっぴり動いただけでも、敵に撃ち飛ばされる。

しかも、ステルスゲームでよくある、敵が「ん?誰かいるのか?」と警戒状態になる時間は一瞬もない。見つかった瞬間に躊躇なくパァンッだ。

ドローンやらテロリストやら敵が密集しているところも多く、タイミングをじっくり見計らう丁寧なプレイが求められる。

初見殺しな場面もあるし、ステルスしながらの謎解きもあるので、ゲームオーバーになることも多い。

ルドヴィクは俊速でもジャンプの達人でもないので、無駄なく動いてもギリギリになる場面も多い。ゴリ押し厳禁だ。

でも、適度にチェックポイントがあるし、攻略に詰まるほどの難しさではない。

ゲームシステム

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4.0

物語もステルスもアクションも謎解きも、それぞれをしっかり楽しめる

プレイしているとステルスやプラットフォーマーに集中力を使うことが多いけれど、謎解きと探索が楽しい

ヒントが多すぎず、最初からNPCからの依頼や行けそうな場所がどんどん出てくるので、手探りで進めていく感じがたっぷり味わえる。

ファストトラベルもできるけれど、エリア同士は意外なところでつながっていて、メトロイドヴァニアっぽい探索の面白さも味わえる。

また、手に入れたアイテムの組み合わせを考えて、「このアイテムはあの人が求めてるアイテムの部品になるかも」と推測しながら謎解きするのも面白い。

それぞれの要素に歯ごたえがちゃんとあり、物語の解釈含めプレイヤーに考えさせる作りになっているのが良い。

やりこみ要素

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4.0

どれだけ多くの宝箱をみつけるかがやり込み要素。

マップから各エリアの宝箱の数と見つけた数を確認することが出来るので達成したい欲も湧きやすい。

また、隠しアイテムもあり、探査機を使って音を頼りに見つけ出すというやり込み要素もある。

隠し部屋がかなりあるので、怪しげな場所があったら、とにかくしゃがんで壁に向かって進むのがおすすめ。

立ったままだと何もない行き止まりでも、しゃがむと隠し通路に進めることが多い。やたらと壁に頭を擦り付ける挙動不審者になったとしても、壁はしゃがんでチェックが鉄則。

グラフィック

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4.0

手描き調のグラフィック。

前景から背景までぎっしりと、かなり緻密に描き込まれていて美しい。

宗教的な装飾や木が生い茂るジャングル、不気味で神秘的な神殿や廃墟など、雰囲気抜群だ。

プレイしつつ思わず見惚れてしまう。

サウンド

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4.0

ロボットということもあって、物語やセリフの調子は抑えめだけど、音楽は大きく派手めに鳴ってる。

不気味で不穏だけど荘厳さもあるクオリティ高いBGMで、本作の世界にぴったり。

音楽含め全てがかなり丁寧にしっかり作り込まれているゲームだ。

総合評価Summary

4.0

物語の魅力

ゲームプレイの快適さ

ゲームとしての面白さ

芸術性

 

 

 

 

良いところ

独特な世界設定や雰囲気

考えがいのある謎解き

歯ごたえのあるステルスアクション

惹き込まれる物語

残念なところ

一歩のズレで反応しない厳しさ

オススメな人

プラットフォーマーが好き

謎解きが好き

ステルスが好き

個性的な物語を味わいたい

オススメではない人

軽快な挙動じゃないとイライラする

繊細な操作ばかりだとストレスが溜まる

しっかりヒントが欲しい

おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ

オススメ
Stray

人類がいなくなった世界の物語なら、こちらもおすすめ。こちらは3Dでプレイするけれど、ロボットだけがいる不思議な街に迷い込んだ猫が謎解きやアクションを攻略する高評価作。

オススメ
Disco Elysium ディスコエリジウム

小説のように楽しむゲームなら、こちらもおすすめ。こちらはアクション要素はないため、本作とゲームプレイは異なるけれど、濃い物語が楽しめる。選択肢と主人公の脳内にある複数の人格で攻略していくRPG。

The Library of Babel バベルの図書館
4

一歩のズレが命とり

ロボットたちだけの世界や封じられた図書館にまつわる物語を楽しめるアクションアドベンチャーゲーム。 探索も謎解きもプラットフォーマーもしっかり味わえる。繊細なステルスは歯ごたえもあり。 クオリティ高いグラフィック含め個性が光っているゲーム。

The Library of Babel バベルの図書館
Copyright 2023 Tanuki Game Studio and Neon Doctrine. All Rights Reserved.Developed by Tanuki Game Studio and Neon Doctrine.
https://tanukigamestudio.com/our-games/the-library-of-babel

この記事を書いた人

Taca KGO
運営者

どんなジャンルにも飛びつき、探索好きな涙もろい大人ゲーマー。世界中のゲーム情報をチェックするのも大好き。

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