【The Stone of Madness】身から出た狂気 – 攻略とレビュー

監視の目とトラウマに怯えながら脱出を目指すリアルタイムストラテジーゲーム『The Stone of Madness』。
The Stone of Madnessの特徴
- ストーリー: 秘密が隠された修道院から境遇の異なる5人が脱出を目指す物語
- 攻略: 秘密が隠された修道院から境遇の異なる5人が脱出を目指す物語
- 評価: スキルも弱点もしっかり効くマップ構造と、増えていくトラウマの面白さにプレイヤーも狂う

- 5人全員を活かせるマップ構造
- スキルも弱点も各キャラしっかり異なる
- 正気度とトラウマによって、より難しく面白くなる
- 追従状態が途切れるのが面倒
- 自由なやり直し機能がない(面白さでもある)
『The Stone of Madness』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
The Stone of Madnessの攻略情報
The Stone of Madnessの概要
タイトル | The Stone of Madness |
---|---|
開発元 | The Game Kitchen |
販売元 | Tripwire Presents |
発売日 | 2025年1月29日 |
対応機種 | PS5, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | ストラテジー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
本作開発元は高評価メトロイドヴァニアBlasphemousシリーズを手がけているThe Game Kitchen。しかし、本作はBlasphemousシリーズとはジャンルもゲームプレイも異なっている。

ストーリー
人里離れた修道院

時は18世紀、ピレネー山脈のどこかに古びたイエズス会修道院が建っていた。
修道院といえば、修道士や修道女が世俗を離れて祈りを捧げながら暮らす厳かな場所だ。
しかし、この修道院は実は違う目的のためにも使われていた。精神に問題を抱える者、そしてイエズス会が異端者と判断した者が幽閉される施設となっていたのだ。
この施設に入れられた者は、自由行動も外出することもできず、厳しく監視されながら日々を過ごす。
治療を受けて良くなるよりも、ここに閉じ込められることで狂ってしまいそうだ。
囚われの身の訳あり5人衆

そんな修道院に、無実の罪で異端者と決めつけられた修道士アルフレードが収容されていた。
「人里離れた修道院」、事件が起こらないわけがない。
そう、この修道院には何かある。アルフレードはこの修道院に蔓延る陰謀や汚職の一端を嗅ぎつけたものの、見えない権力やら黒幕やらのせいで投獄されてしまったのだ。
しかし、アルフレードの心は折れなかった。「真実を白日のもとに晒さなければ」その想いを心の支えにして囚人生活をおくっていた。
そして、そんなアルフレードと同じように、心までは修道院に飼い慣らされていない者があと4人いた。
5人で狂気の果てへ

あと4人とは、奇妙な術を操る怪しい老婆アグネス、血気盛んで暴力衝動が抑えられないレオノーラ、優しくパワフルで声持たぬベテラン囚人エドゥアルド、自由を夢見る無邪気な少女アメリア。
年齢も境遇も全く異なる5人は、絶望しかないと思われた修道院で出会った。唯一の共通点は、この修道院からの脱出を諦めていないこと。
あちこちに隠された秘密、修道院に蔓延る陰謀、そして超常的な何か。徐々に狂っていく5人と共に、プレイヤーもSAN値を削りながら修道院の外を目指す。
攻略のポイント
朝から晩まで隠れて進む

本作のゲームプレイは大きく2つに分かれており、交互に繰り返しながらゲームは進行する。
- 探索パート
- ゲームプレイのメイン部分
- 修道院内を探索し、脱出の糸口を探し出す
- 巡回する監視者やシスターが敵となる
- 3人の探索メンバーを操作する
- 一人ずつ移動することも、他メンバーを追従させて共に移動することも可能
- 朝から夜へと常に時間が流れている
- 夜になると敵の行動や持ち場が変わる
- 夕方以降はアニマと呼ばれる幽霊的な敵も出現する
- ゲームプレイのメイン部分
- 深夜
- 監獄で翌日以降の準備を行う
- 翌日の探索メンバー3人を選択する
操作キャラの一定範囲内にいる敵の視界は画面上に表示することができ、その監視の目を掻い潜りながら各所にある箱などから物資や鍵を手に入れつつ探索する。
物資を探ったり何か作業を行う際には一定時間かかるため、作業中にも敵に見つからないようタイミングを見計らわなければならない。
5人の得意技とトラウマ

5人はそれぞれ特性が異なり、スキルも異なる。
板で敵をぶん殴って気絶させるなど物資が必要となるスキルや、魔術で敵を混乱させるなどクールタイムを経なければ再発動できないスキルもある。
そして、各キャラには体力(ハートの数)、疑念の目、正気度ゲージがある。
体力は、敵に捕まった際のおしおきに耐えられる回数だ。
敵は、操作キャラが禁止エリアに立ち入っているなど怪しい状況を見つけると警戒状態になり、警戒度が最大になると追いかけてくる。追いつかれて殴られたキャラは体力が減り、監獄に戻される。
体力が残っている場合は再び行動できるけれど、体力が尽きたキャラはその日は操作不能となる。
また、敵から逃げおおせたとしても怪しい現場を見られたキャラは疑念の目が溜まり、一定以上になると敵が増員されたり罠が設置されるようになる。
さらに、各キャラには苦手なものがある。苦手な状況に置かれたり、苦手なものが一定距離にあると、正気度ゲージが減っていく。例えばアグネスは鏡に怯え、エドゥアルドは暗い場所を恐れる。
正気度ゲージが尽きると、各キャラ固有の障害が追加される。例えば、アルフレードは近くで大きな音がすると頭痛がして正気度が減るようになるなど、様々なトラウマを抱えながら攻略しなければならなくなる。
夜の過ごし方

深夜になると5人は共に監獄で過ごす。監獄でできることもキャラごとに異なる。
エドゥアルドとアグネスは集めた物資から回復薬や消費アイテムをクラフトすることができる。
アルフレードは集めた書物を読んで知識ポイントを獲得できる。知識ポイントを消費すると各キャラの新たなスキルをアンロックすることができる。
また、キャラの体力、疑念の目、正気度を回復するアクションができるキャラもいる。
ただし、監獄では行動するごとにアクションポイントを消費する。キャラごとに一晩のアクションポイント数が決まっているため、やりくりに気をつけなければならない。
KeepGamingOn 現在のイチオシ
記事はさらに下に続きます
The Stone of Madnessのレビュー
物語: 現実と妄想と秘密入り乱れる狂気の世界

妄想、妄執、怪しい実験などなど、狂いエピソードてんこ盛り。
タイトルに「狂気」と付いている通り、期待通りの狂いぶりだ。異端審問官とか魔女狩りといった単語から連想するホラーとは違った恐ろしい感覚を存分に味わえる。
とはいっても、グロテスクな描き方ではなく、カットシーンや会話など演出は必要不可欠程度。セリフの端々やトラウマや各所の張り紙の内容から自分で勝手に気持ち悪さを感じ取る方が多い。
現実でこんな修道院に入れられたら絶対発狂するけれど、物語としては良い狂いぶりだ。「正気度」や「人間性」といった単語が出てくる物語が好きな人に特におすすめ。
ちなみに、本作では序章後に2つのシナリオから選択してプレイすることになる。それぞれ真逆の方向へ進む筋書きになっているので、修道院の2つの側面を描く物語を楽しむことができる。
操作性: 操作は分かりやすくも気になるところあり

本作は見下ろし視点でプレイし、自分でカメラの移動はできずズームのみできる。
前後の位置関係や部屋のつながりが分かりにくい場所はあるものの全体的に問題はない。
壁やドアに張り付けば内部の状況を見ることができるので、ドアを開けた瞬間に「ぎゃー!敵が目の前にいた!」という事故は起こらない。
操作キャラと使用スキルは十字キーでパパッと変更できる。
そして、例えばドアの近くに仲間もいるという状況では、アクションを行うボタンを押すと「ドアに対して」か「仲間に対して」かを選ぶ。ピンチの時には「違う、そっちじゃなくて!」ともたつくけれど、操作しにくいわけではない。焦るような事態に陥った自分のせいだ。
ただ、仲間を追従させた状態で操作キャラを変更した際や扉を遠って移動した際に、自動的に追従状態が解除されてしまうのは不便。「みんなで一緒に移動しようって状態だったのに、突然なぜ!?」となる。
また、本作では右スティックを倒した方向にいる敵の視界が画面上に表示される。
しかし、その視界が表示されなかったり、複数の敵がいる場合には対象がスムーズに切り替わらなかったり、今後のアプデに期待したいところもある。
難易度: 正気度がゴリゴリ減る過酷な脱出劇

難易度は3段階から選択可能。私はデフォルトのノーマルでプレイ。
翌日より先をも見越した計画性も操作中の慎重さも必要であり、すんなりとは攻略できない良い歯ごたえとなっている。
敵はしっかり警備しており、怪しい行動をするとモブ収容者さえも騒ぎ、監視者にわざわざチクりに行く奴もいる。
さらに、敵は足が速くしつこく追いかけてくるし、見つけた途端に遠距離からライフルで撃ち抜いてくる人権完全無視の兵士もいる。常にステルスプレイを心がけなければならない。
そして、ノーマルとハードの難易度では毎晩全員の正気度が一定量減る。そう、必ず狂っていくように設計されているのだ。
そのためトラウマを全く起こさずクリアというのは至難の業で、むしろトラウマありきでプレイした方がいい。これが本作の難しさであり、面白さにもなっている。
もちろんトラウマが増えるほど縛りプレイ状態になるので難しくなり、得られる物資にも限りがあるため、日を追うごとに確実に難しくなっていく。
しかし、各キャラのスキルはしっかり強く、詰みそうに思えても別の活路が見つかるマップ構造になっている。
攻略法は複数あるので、トラウマが増えても知恵で攻略できるようになっている。
システム: トラウマや正気度が複雑に面白さを加速させる

5人それぞれの長所と短所はしっかりと違いがあり、誰かばかり使うことにはならない。
そうなるように敵も各キャラが苦手なものも絶妙に配置されており、一筋縄では進めないと同時に意外と使える道が多い面白いマップ構造になっている。
そして、トラウマが増えていくシステムが本作1番の魅力だ。
寝ても自動回復せず仕切り直しとはならず、正気度が尽きようともゲームオーバーにはならずトラウマばかりが積み重なっていく。トラウマが増えるから余計に攻略しにくくもなる。どうしたらいいんだよ!八方塞がりじゃん!
というわけで、ゲームプレイでも狂っていく感覚が味わえる。狂っているゲームだ(褒めている)。
トラウマが発生すれば、自分が考えていた当初の作戦では進めなくなる。より工夫して進まなければならなくなる。これが最高に面白い。
各キャラのトラウマが2、3個追加されたあたりからが本作の醍醐味であり、考える面白さが爆増する。
現実なら何個もトラウマを抱えるなんて絶対に嫌だけど。
上記通りプレイするごとに詰みそうな感覚になるので、「チェックポイントに戻る」といった機能があると幅広い人が攻略しやすくなると思う。
本作のようなストラテジーゲームでよくある「任意の時点に巻き戻し」機能がないので、同じ場面であれこれ試してみるプレイはできない。
芸術性: 雰囲気盛り上がる手描き調グラフィック

本作は手描きイラスト調グラフィックで描かれ、カットシーンはアニメーション。一方でキャラの立ち絵は絵画調。
どちらもクオリティ高く、特にNPCのデザインが素晴らしい。見るからに不穏だし、現実で出会ったらまず話しかけないだろうという人なのがパッと見てすぐに分かる。
音楽は荘厳でありつつも気味が悪く、静かすぎもうるさくもない。あちこちから悲鳴や変な独り言も聞こえてくる。
敵にバレた時には、効果音が鳴りBGMも焦る曲調に変わるのが分かりやすくて助かる。
総合評価と似ているゲームは下へ
The Stone of Madnessの総合評価
The Stone of Madness

ç·åè©ä¾¡
ãã£ã©ãã¨ã«ç°ãªããã©ã¦ããå¢ãããã¨ã§é£ãããé¢ç½ããå¢ãã¦ããåæ§å ããªã¢ã«ã¿ã¤ã ã¹ãã©ãã¸ã¼ã²ã¼ã ãã²ã¼ã ãã¬ã¤ã§ãç©èªã§ããçããæè¦ãååã«å³ãããã
おすすめな人 | 慎重に進むステルスプレイが好き 計画を立てるのが好き 厳しい状況ほど燃える |
---|---|
おすすめではない人 | 仕切り直しができるシステムが欲しい トラウマなど精神的な問題を扱う物語が苦手 時間や物資など有限な要素があるゲームが苦手 |
The Stone of Madnessに似ているおすすめゲーム

Shadow Gambit
- 呪われた力を持つ海賊団を操作してお宝を追うリアルタイムストラテジー
- トリッキーなスキルもあり、ステルスの面白さを味わえる高評価作

Blasphemous 2
- 本作開発元の代表作である高評価メトロイドヴァニア
- ゲーム性は異なるものの、こちらも宗教や狂気の物語が描かれている
- 美しいピクセルアートグラフィックや高難易度さも魅力