レビュー【Wheel World】チャリ魂 | 自転車で旅するオープンワールドゲーム

レースに挑戦しながら不思議なホイールワールドの世界を自転車に乗って旅するオープンワールドゲーム『Wheel World』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- 伝説のパーツを求めて自転車で旅する物語
- 攻略
- 各地でレースに挑戦し、自転車のカスタマイズもできるアクションアドベンチャーゲーム
- 評価
- 簡単に自転車を乗りこなせる気軽さと多彩なレースが待ち受ける世界の面白さが魅力
Wheel Worldの概要
タイトル | Wheel World |
---|---|
開発元 | Messhof |
販売元 | Annapurna Interactive |
発売日 | 2025年7月24日 |
対応機種 | PS5, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー, オープンワールド |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | Xbox |
Wheel Worldのストーリー
カットとスカリーの出会い

本作は、主人公カットがホイールワールドと呼ばれる不思議な世界の草むらで目覚めたところからゲームが始まる。
カットはどこから来たのか、なぜ草むらに転がっていたのか、その素性は分からない。
そんな謎の主人公カットは何かに導かれるように目覚めた場所近くにある遺跡に足を踏み入れ、そこでスカリーとボロボロの自転車に出会った。
ボロボロの自転車はともかくとして、スカリーがなんなのかというと、青緑色のオーラを纏う浮かぶ頭蓋骨だ。
身体部分は見当たらないけれど、頭蓋骨だけで完結している生物(?)らしい。
そして、カットは出会ったばかりの面白生物スカリーから、「お前を次のライダーに決めた、儀式を手伝え」と唐突に上から目線で一方的に使命を与えられた。
ホイールワールドを救うチャリ旅

実は、スカリーは単なる珍妙生物ではない。
スカリーは、ホイールワールドの生命が循環するための儀式を担当している重要人物(生物)だそうだ。
儀式の手順は魂の下水道を月へ走って行くとかなんとかかんとか…とか言っているけれど、実のところ、残念ながら儀式に必要な伝説の自転車パーツを盗まれてしまったところらしい。
そう、転がっていたボロボロの自転車は伝説のパーツがもぎ取られた残骸だったのだ。
ということは、勝手に儀式の手伝いを命じられたカットは、まずは伝説のパーツを探さなければならないわけだ。
こうして、ボロボロ自転車に乗ってカットの不思議なチャリ旅が始まった。
Wheel Worldの攻略情報
自転車でホイールワールドを旅する

本作は、いくつかのエリアからなる地続きのオープンワールドなアクションアドベンチャーゲーム。
カットは自転車に乗って移動できる。
乗車中はペダルを漕ぐこととブレーキ、ジャンプもできる。
また、ブーストゲージを溜めて、ゲージが続く限りスピードを上げることができる。
ブーストゲージは、他の選手の背後を走行(ドラフト)したりジャンプするなど特定のアクションを行うことで溜めることができる。
カットには特にスタミナや体力などはなく、何かにぶつかったり斜面でバランスを崩すとひっくり返ってゲームオーバーとなる。
大転倒したとしても直前のチェックポイントからやり直しとなるだけで、特にデスペナルティなどはなく、自転車がぶっ壊れていく心配もない。
ちなみに、自転車を降りて押して歩くこともできる。
アイテムを拾ったり、NPCと話すときなどは自転車を降りなければならない。
レースに勝ってRepを稼ぐ

ホイールワールドの各地には自転車野郎集団がおり、話しかけるとレースに挑戦することができる。
旅の目的である伝説のパーツは各エリアのトップチャリ野郎(いわゆるボス)が持っており、彼らにレースで勝たなければならない。
しかし、ボスとの勝負に挑むには一定数のRepが必要となる。
Repは各地のレースで勝つことで稼ぐことができる。
つまりボスに挑むには雑魚を打ち負かして来いということだ。
ボス以外とのレースでは1位を獲るなど4つの達成目標が設定されており、1つ達成することに1Rep獲得できる。
全て達成すれば、1レースで最大4Rep稼げるというわけだ。
パーツを集めて自転車カスタマイズ

本作では、ハンドルやサドルなど手に入れたパーツで自転車のカスタマイズができる。
もちろんファッション目的でカスタマイズするのもいいけれど、パーツごとに性能が異なる。
漕ぎ出しのパワーや安定感などパーツによって自転車のステータスが変化し、さらにオフロードを走りやすいなどといった追加効果付きのパーツもある。
レースによってカーブが多かったり坂道が多かったりコースの特徴が異なるため、その時々に合わせてパーツを変えるのがおすすめ。
こうしたパーツは探索中に拾ったり、レースの報酬として手に入れたり、ジャンプ台を一定数見つけるなど特定のチャレンジをこなして貰えるクーポン(本作の通貨)を支払ってショップで購入することもできる。
KeepGamingOnおすすめ新作ゲーム
記事はさらに下に続きます
Wheel Worldのレビュー
物語: 自転車に特化した不思議ファンタジー

冒頭から物語も世界もかなりの不思議ぶりが炸裂している。
もはや細かなことは気にならなくなってくるくらい不思議で、物語描写もサラッと軽めではあるけれど、「この世界は一体なんなんだ」と興味惹かれるので、自ずと物語の先が気になってくる。
本作の世界はサイクリストだらけで、そこら辺に佇んでいるNPCもいかに自転車を上手く乗りこなすにはどうすべきかについてブツブツ呟いている。
そして、レースで競う相手にはギャングもいればロボットもおじいちゃん軍団もいる。
老若男女みんな自転車が大好きどころか、その高みを目指しているという自転車を中心に回っている世界だ。
会話は多くないけれど必ずみんなどこか笑える部分があり、ゲーム全体の爽やかな雰囲気通りカラッとクスクス笑いながらプレイできる。
ちなみに自動車もブンブン走っており(自転車を轢く気満々)、みんなが自転車好きではないのかもしれないけれど、とりあえず車輪が好きなのだろう。車輪ファンタジーだ。
操作性: 気軽で分かりやすい自転車運転、たまに跳ね返る

対戦相手が身の上話をしてくれることも
(ゆっくり聞いている暇はない)
本作はレースゲームではあるけれど、複雑な操作やテクニカルなスキルは求められない。
ボタン1つでグイグイペダルを漕いでくれるし、スタミナゲージやHPなどもないので画面上のあちこちを見る必要もなく、難しく考えずにプレイできる。
ゲーム開始後すぐにレースで優勝できるくらい分かりやすい。
しかし、上り坂ではちゃんと負荷がかかるし、路面性状によって走りにくさも感じる。
スピードが速くなるほどハンドルは取られやすくなるし、パーツ変更による自転車性能の差もちゃんと体感できる。
気軽にプレイできるけれど、自転車ならではの扱いづらさも良い意味で本格的すぎずしっかり再現されている。
気になったのは、たまに石などに車輪当たった時に「そうはならんやろ」という方向に勝手に曲がったり、原因がよく分からない場所で主人公が静かにゆっくり倒れてゲームオーバーになったこともあった。
またメニュー画面を開いた時にテキストが表示されないバグもあった。
とはいっても挙動が荒ぶるのは狭い場所を走っている時なのでレース中にバグが発生することはなく、ゲーム攻略に困るような不具合には遭遇していない。
しかし、探索も本作の楽しい要素なので細かな調整は今後のアプデに期待したいところ。
難易度: ブーストが強いが、練習も必須

ゲーム全体の難易度設定はできないけれど、レースごとに難易度が表示されているので自分に合ったレースからプレイできる。
1レースでも複数のRepを稼げるので、自分が走りやすいレースから攻めていけばテンポ良くゲームを進めることができる。
レースは多種多様で難易度もバラバラなので、「勝てないレースばっかりじゃん」とか「飽きてきた」となりにくいのが嬉しい。
そして、特にブーストがかなり強く、競争相手をスイスイ追い抜かせる。
ブーストは各地を探索するだけでゲージ上限を上げられるので、レースが苦手な人はまずは探索してブーストゲージを増やしたうえで直線コースが多いレースから攻めるのがおすすめ。
上述した通りパーツによって自転車性能がちゃんと変わるので、良いパーツが集まってくればどんなレースでも勝ちやすくなる。
苦手なレースは、良質なパーツが集まってくるまで後回しにするのもおすすめ。
それでも難しい設定のレースとなると初見では勝てず、コースを覚えながら何度か挑戦しなければならない。
操作方法含め敷居は低めでありつつ、レースゲームの難しさも味わえるコースまで用意されている。
ちなみにレースは必ずしも全制覇しなくてもボスに挑めるので、適度な難易度でゲームクリアは目指せる。
決して自主練に励まなければならないような熱血スポーツゲームではない。
システム: お気軽チャリ移動が気持ち良い

一定距離間で対決できる
上述もしたとおり、本作は操作しやすく小難しいことを考えずに自転車の運転を楽しめる。
単に走っているだけでも気持ち良く、自転車ならではの風が肌を撫でていく車とは違う疾走感を味わうことができる。
上述してきたように世界自体が面白かったり多彩なレースが用意されているのも良いところだけど、この気軽さと気持ち良さが本作最大の魅力だ。
「チャリでオープンワールド」と聞いて頭に浮かぶ「気ままで楽しそう」というイメージどおりの体験ができる。
そのため、欲を言えば、もっと「旅」を味わいたかった。
物語も展開するサブクエストやフォトチャレンジなどオープンワールドとして作られた世界を活かす要素がもっと充実していると、レースだけではないという本作ならではの魅力がもっと増すと思う。
一方でメインのレースに関してはコース自体だけでなく設定も多彩で面白く(パブまで1番乗りを競ったり、バスの到着待ちなど)、対戦相手はガンガン攻めてくるので、どのレースも刺激的だ。
複雑なテクニックなどはないため、純粋に走ることに集中できるのも良い。
芸術性: ミニマルでポップで、BGMがオシャレ

本作はミニマルな線で縁取られるセルシェーディングで描かれる。
自転車のパーツを変えるとちゃんと見た目にも反映され、「え、それで走れるのかな?」と心配になりつつ笑えるパーツも多い。
田園風景や山道など様々なロケーションがあり、走りながらぼんやり景色を眺めるのも楽しい。
自転車で走ることが想定されている世界なので地形の起伏は控えめ(事故に配慮された世界作り)なこともあり、水平的に広く見渡せる。
そして、本作の魅力的な雰囲気を支えている立役者はBGM。
抑えめでありつつノリのいいオシャレな良曲ばかりで、スポーツゲームで多い派手めなEDMやエレクトロ系ではないのが新鮮。
不思議で爽やかで軽やか、本作のゲームプレイそのものを表す良い曲ばかりだ。
本作をプレイしたら絶対にサントラを聴きたくなるはず(筆者もその1人)。
サントラもおすすめ

総合評価と似ているゲームは下へ
Wheel Worldの総合評価
Wheel World

総合評価
不思議で爽やかで笑える世界、そして自転車ならではの風をきる疾走感が魅力のオープンワールドゲーム。多彩なレースが用意されており、聞き惚れるBGMでいつまでも自転車を漕いでいたくなる雰囲気に心掴まれる。
長所と短所
良いところ | 不思議でゆるい雰囲気 自転車のパーツが多く、カスタマイズが楽しい | 小難しくなく気軽に自転車で疾走できる
---|---|
残念なところ | ゲームプレイの調整はほぼできない | 細かなバグや不具合あり
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 疾走感を感じるのが好き
- 技術もスタミナも怪我も気にせずチャリで爆走したい
- レースに燃えるタイプ
おすすめではない人
- レースなど競う要素のあるゲームが苦手
- 同じコースを繰り返しプレイするのが嫌い
- テクニカルだったりアクロバティックな走行を期待している
Wheel Worldに似ているおすすめゲーム

SEASON
- こちらは自転車で旅する癒し系アドベンチャーゲーム
- 季節が変わると世界が終わるという独創的な設定で、写真や録音しながら残したいものを記録していく

マリオカートワールド
- レースだけでなく地続きの世界を自由にドライブもできる人気レースアクションゲーム
- コスチュームを集めたり、クエストを攻略するなどやり込み要素も用意されている