【エンダーマグノリア】 味方も敵もホムンクルス – 攻略とレビュー Ender Magnolia: Bloom in the Mist
ホムンクルスと共に戦い探索し、暴走した国の真相を暴く切ないメトロイドヴァニア『エンダーマグノリア』。
エンダーマグノリアの特徴
- ストーリー: 主人公の記憶を取り戻しつつ、ホムンクルスが暴走してしまった国の真相を探る物語
- 攻略: 主人公を操作しつつ、各々スキルが異なる仲間ホムンクルスが攻撃するメトロイドヴァニア
- 評価: 戦術の幅が広いバトルは戦いやすく、自分で道を見つけていく探索も楽しい
- 自分好みのプレイスタイルで戦える
- 自分で進める道を見つけ出すのが面白い
- 少しずつ真相が明らかになる構成で、物語の先が気になる
- 難易度バランスの調整に疑問を感じる場面あり
- 動きがやや硬い
『エンダーマグノリア ブルームインザミスト』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
エンダーマグノリアの攻略
エンダーマグノリアの概要
タイトル | エンダーマグノリア: ブルームインザミスト Ender Magnolia: Bloom in the Mist |
---|---|
開発元 | Adglobe, Live Wire |
販売元 | Binary Haze Interactive |
発売日 | 2024年3月25日早期アクセス開始 2025年1月23日正式リリース |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | メトロイドヴァニア, アクション |
シリーズ | エンダー Ender |
プレイ機種 | PC早期アクセス版(ゲームパッド使用) |
本作は人気メトロイドヴァニアゲーム『エンダーリリーズ』の続編にあたる。時系列としては、本作は前作の数十年後の世界が舞台となっている。
ストーリー
ホムンクルスが暴れる煙の国
本作の舞台は煙の国。その下層から物語が始まる。
現在の煙の国は、かなり訳ありな状況だ。
というのも、煙の国では人工生命体「ホムンクルス」の開発研究と実用化が行われてきた。ホムンクルスは強い力を持つものの、人間に忠実に従うよう調律されていた。
しかし、ホムンクルス達がなぜか暴走し人間を襲い始め、煙の国の快適ホムンクルス生活は崩壊してしまった。
調律ミスだろうか。いや、煙の国の下方から漂ってくる煙のせいだ。穢れた煙でホムンクルスは暴走する。もちろん人体にも有害だ。
そう結論づけた人々は制御できなくなったホムンクルスを棄て、煙の国の上層へと逃げていった。
目覚めたライラック
というわけで、煙の国の下層はめちゃくちゃ危険な廃墟だ。
そこで本作の主人公ライラックは目覚めた。明らかに子供だけど、保護者の方はどこだろうか。昼寝するには最悪なロケーションだと思うけれど。
これはプレイヤーだけでなく、ライラック自身の疑問でもある。ライラックにはほぼ記憶がないのだ。微かに記憶に残っているのは、とある女性の姿だけだ。
ノラと名のるホムンクルス
さて、記憶喪失のか弱い子供と侮るなかれ。ライラックには「さすが主人公」な能力がある。
ライラックは、幼いながらホムンクルスを制御できる調律師だ。早速遭遇した瀕死のホムンクルスを魔力で助け、ボディーガードにすることができた。
ボディーガードとはいっても、単なる兵隊扱いではない。調律されたホムンクルスにはちゃんと自我がある。
ライラック専属ボディーガードとなったホムンクルスはノラと名乗り、ライラックが煙の国の上層へ行くなら、同行してライラックを守ってくれるという。
ライラックの記憶に残る女性は上層に避難しているかもしれないし、ノラにも上層に行かなければならない理由があるそうだ。
旅は道連れ、世は情け。凸凹コンビのような2人は煙の国の実情を目にしながら、上層へ向かう手段を探し始めた。
攻略のポイント
煙の国でメトロイドヴァニア
本作はメトロイドヴァニアゲームであり、煙の国を探索していく。新たな移動スキルや鍵などを手に入れると探索できる範囲が広がる。
本作では敵を倒すと経験値を入手してライラックがレベルアップし、各ステータスが上がっていく。また、お守りを拾うとライラックの体力上限が上がる。バトルと探索で成長するというわけだ。
各所にあるセーブポイントで休むと、体力回復薬が補充されるけれど、雑魚敵が全復活する。しかし、特にデスペナルティなく、ソウルライクというわけではない。またマップ画面から自由にセーブポイントへファストトラベルもできる。
戦うのはホムンクルス
プレイヤーが直接操作するのはライラックであり、ライラックは移動や回避、ジャンプなどが出来る。
一方で、敵を攻撃するのは、各地で仲間になるホムンクルス達だ。
4つのボタンに仲間ホムンクルスを1体ずつ割り当てることができ、ボタンを押すと割り当てたホムンクルスが現れて敵を攻撃する。ホムンクルスはスキル扱いというわけだ。
セットするスキル(ホムンクルス)の組み合わせは自由で、それぞれ武器もアクションも異なるものの、いくつかのタイプに分けることができる。
- メインスキル
- ボタンを押したタイミングで敵を攻撃する
- 連続してボタンを押すとコンボ攻撃となる
- 通常の近接攻撃にあたるもので、扱いやすく万能
- リピートスキル
- ボタンを押している間ずっと攻撃し続けてくれる
- 1発の威力は少なめであり、手数でダメージを与える遠距離攻撃で有利に戦えるタイプ
- リキャストスキル
- ボタンを押すと発動する
- 一定時間のクールタイムを経なければ再使用できない
- 1発の威力が高いことが多い
- オートスキル
- ボタンを一回押せば出現し、再度ボタンを押して消すまで自動で敵を攻撃し続けてくれる
- 威力は少なめではあるものの、プレイヤー自身が操作する必要がないサポート役
一方で、敵には体力ゲージとは別にダウンゲージがあり、攻撃すると両方のゲージが少しずつ削れていく。ダウンゲージがゼロになった敵は一定時間スタンする。
スキル(ホムンクルス)によってダウンゲージの削りやすさが異なるため、ホムンクルスの組み合わせによってプレイスタイルを変えることができる。
また、敵に攻撃を当てているとSPゲージが溜まり、溜まりきるとセットしているいずれかのスキルの奥義を放つことができる。
ホムンクルスと装備も強くなる
各ホムンクルスのスキルは1種類ではない。特定のアイテムを使用すると、各ホムンクルスの新たなスキルをアンロックし、またその強化も出来る。
ただし、同じホムンクルスを複数のボタンにセットするということはできない。
また、ライラックは防具とレリックを装備することで更に強化することができる。
レリックは、属性ダメージを減らすといったパッシブスキルにあたる。装備コストの上限値があるけれど、上限内なら好きな組み合わせで装備出来る。
ショップでは、本作の通貨であるマテリアルを払って、防具やスキル強化に必要なアイテムを作成することができる。
記事はさらに下に続きます
エンダーマグノリアのレビュー
物語: 切ないだけではなく、先が気になる物語
ホムンクルスが暴走し、国が崩壊。文章だけ読むとラスアスとかバイオハザードのような極限サバイバルホラーが始まりそうな設定だ。
しかし、本作は切ない。
「ホムンクルスをぶっ飛ばして進め!」ではなく、「ホムンクルスも国も壊れてしまったんだね、うん、切なくて儚いね」。そんな調子だ。ボスを倒すと、そのホムンクルスの思い出が断片的に流れ、それぞれに切ない想いを抱えながら暴走してしまったことが分かる。
前作に引き続きアンニュイな悲劇たっぷりだ。悲劇好きな人や前作がツボに入った人は丸ごと楽しめるはず。
一方で、悲劇的な調子が好みではなくても物語を楽しめる。
ホムンクルスの思い出を通して煙の国の真実が少しずつ明らかになってきたり、セーブポイントでは仲間ホムンクルスとの微笑ましい会話が発生することもある。
悲しい悲しいばかりではなく、煙の国の真実を自分なりに考察しながら物語を追える構成になっているので、真相が気になり「次のボス、出てこーい!」とどんどん攻略したくなる。
また、本作からプレイしても問題はないけれど、前作とリンクする部分があるので前作プレイ済みだと本作の物語をより一層楽しむことができる。
操作性: 主人公と攻撃者が異なる間合いは相変わらず面白い
移動でもバトルでも操作性は良好。
メニュー画面を開かなくともミニマップを拡大できるのが便利。UIは分かりやすく、プレイしていてストレスを感じることはほぼない。攻略上困るようなバグにも遭遇していない。
そして、前作から続くエンダーシリーズの魅力である主人公と攻撃者が異なる当たり判定も正確。ホムンクルスやスキルによる挙動の違いもちゃんと体感できる。
ただし、滑らかとかキビキビといったアクションではなく、ややカクカクした動きであり、細かいところではあるけれど左右に向きを変える際に硬さを感じることがある。
難易度: 攻略しやすく、落下ダメージが強い
難易度は3段階から選択可能。さらに与ダメージや被ダメージの量を調整して難易度をカスタマイズすることもできる。
私はデフォルトのノーマル難易度でプレイ。ぬるすぎるわけでも苦戦するわけでもなく、適度にバトルを楽しみつつ進んでいける。
ちなみに、前作と比べると、かなり攻略しやすくなっている。ホムンクルスのスキルが豊富になり、自分好みのプレイスタイルに持ち込めるからだ。
ただ、時々敵の一撃がかなり痛いバトルがあり、被ダメージ量の多さで歯ごたえを出しているのかなと感じる節がある。それよりも敵の攻撃パターンで差をつけた方が歯ごたえが出るのではと思う、少し勿体なく感じるボスもいる。
とはいっても、デスペナルティなくレベルは上がりやすいため、こちらもゴリゴリ攻めることができる。
そして、落下ダメージのシステムがかなり強い。敵をダウンさせて高い場所から落とすと、部位破壊して大ダメージを負わせることができる。
ライラックは安全な位置にいて遠距離攻撃でダウンさせたり、敵を打ち上げやすいスキルを使うと、かなり安全に進むことができる。
ゲームシステム: バトルの面白さが広がり、探索もちゃんと楽しい
隠し部屋や寄り道も、すぐには行けない場所のチラ見せも、メトロイドヴァニアの肝である探索がしっかり楽しい。
「あそこに行け、次はこっちへ向かえ」と過剰なアドバイスがないので、自分で進める道を見つける楽しさを味わえるのが嬉しい。
移動スキルが増えると進めるようになる範囲が適度に広がり、「あっちに行ってみよう、こっちに行ってみよう」という探索好きの血が騒ぐ。探索すれば着実に強くなれるため探索しがいもある。
また、前作で1番の魅力だった主人公と攻撃者が異なる独特な間合いの面白さは健在。そこにスキルが多彩になったことで立ち回りのパターンが増え、「このエリアはこのスキルを組み合わせて攻略してみようかな」とパーティー編成ならぬホムンクルス編成を考えるのが楽しい。
物語も戦術も難易度も幅広くなっていることで「メトロイドヴァニアに興味があるなら遊んでみて」と勧めたくなる間口の広いメトロイドヴァニアに仕上がっている。
芸術性: 禍々しく切なく儚い
本作はイラスト調のグラフィックで描かれる。繊細な線や寒色系が効果的に使われており、本作の切なく儚い雰囲気を視覚からも感じとることができる。ホムンクルスが暴走しているとはいえ、魔法が漂う幻想的な世界だ。
背景までしっかり描き込まれており、画面が綺麗。禍々しく危険なものでさえ綺麗だ。触ったら毒に蝕まれしまうけれど、綺麗で近づきたくなる。そんな世界だ。
そして、音楽。これが本作の切ない雰囲気を作り出している最大の立役者。
BGMだけ聞いたら、とてもボス戦とは思えない悲しく落ち着いた旋律の曲が多い。
「うおお、ボス戦じゃぁああ!」といった感じで戦いたい人にとっては物足りなく盛り上がりにも欠けるけれど、これこそが本作ならではの雰囲気。
ボス戦でBGMに聞き入ってると「切ないなぁ…イテッ!今の攻撃痛かったんですけど!」とうっかりボス戦中であることを忘れてしまうので、戦う気まで削がれないようご注意。
総合評価と似ているゲームは下へ
エンダーマグノリアの評価
Ender Magnolia: Bloom in the Mist
総合評価
道を見つけ出して探索する面白さも、自分好みのプレイスタイルで戦えるバトルも楽しめる良質メトロイドヴァニアゲーム。主人公と攻撃者が異なる立ち回りの面白さも前作から健在。
おすすめな人 | 前作のファン 自分で道を見つけていくメトロイドヴァニアが好き 様々なプレイスタイルを試したい |
---|---|
おすすめではない人 | 明るい雰囲気や勇ましい調子が好き 決まった手段で戦いたい 目的地などガイドがしっかり欲しい |
エンダーマグノリアと似ているおすすめゲーム
エンダーリリーズ
- 本作より前の時代の物語が描かれる前作
- 浄化した魂がスキルとなる、主人公と攻撃者が異なるバトルも楽しめる
- こちらも探索も物語も楽しめる人気作
Redemption Reapers
- 本作開発元が手がけたストラジーRPG
- 少数で多勢を倒し切るタクティクスバトルを攻略する
- こちらも悲劇成分多めな物語が展開する