『リデンプションリーパーズ Redemption Reapers』とは、Adglobeが開発したストラテジーゲーム。
本作とゲームジャンルは違うけれど、高評価メトロイドヴァニア『エンダーリリーズ Ender Lilies』を手がけたデベロッパーだ。



本作は、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。私はPC版をプレイ。2023年7月13日パッケージ版発売時には、PS5版も発売される予定だ。



本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
モースがいっぱい
本作の舞台は、モースという化け物軍団が現れ、人類が殺戮されまくっている世界。
冒頭から既にモース達は大暴れしており、国も街も小さな集落までもぶっ壊され、逃げ場のなくなった人々はモースに追い詰められていくのみという悲惨な状況から始まる。
モースとは一体何なのか、なぜ人間を執拗に滅ぼそうとしているのかは謎だ。

灰鷹旅団
そんな最悪な状況の中、モース相手に戦う傭兵団がいる。
色々と訳ありな団員達で構成されている灰鷹旅団だ。
主人公は、そんな灰鷹旅団の一員であるサラ。
サラは仲間と共に、各地で生存者を見つけては旅団の隠れ里に避難させながらモースと戦っていた。
なんて頼もしいんだ、人類の希望じゃん!
と思うけれど、実は、灰鷹旅団はみんなに愛されるヒーローというわけではない。
彼らは、彼ら自身の過去のせいで、人々に忌み嫌われているのだ。

死闘の果てに
例え人々に疎まれても、灰鷹旅団は止まらない。
数年前の戦いを悔い続けているサラ、みんなのまとめ役で頼れるグレン、やたらと戦闘狂なルグ、あからさまにタンク役のムキムキなウルス、サバサバお姉さんなカレン。
それぞれ訳ありだけど、頼れる仲間と一緒ならきっと戦い抜ける、はず、たぶん。
彼らの過去には何があったのか、そしてモースの目的は何なのか。この戦いに終わりはあるのか。
気になる謎を抱えながら、とんでもない数のモース相手に灰鷹旅団の死闘は続く。

ゲームの特徴Features
物語とバトルを繰り返す

本作では、メニュー画面から何をしたいか選択してゲームを進行する。
「ストーリー」を選択すると、次の章へ進み、メインストーリーのイベントとバトルが発生する。
バトルでは、全敵を殲滅するという分かりやすいものから、特定の地点にたどり着くなど提示される目的を達成すればクリアとなる。
モースは脳筋大暴れ集団かと思いきや、実はボス格のいる組織だで、敵将格を倒せばクリアというバトルもある。
パーティーメンバーの装備を整えたり、新たなスキルを覚えるといった戦闘準備もメニュー画面から行う。
メインストーリーのバトルとは別に「遊撃戦」もあり、クリア済みのメインストーリーで登場したマップに再挑戦が出来る(目標は全敵殲滅に変わる)。
少数精鋭タクティクスバトル

バトルはプレイヤーターンと敵ターンが交互に変わるタクティクスバトル。
プレイヤーターンでは、キャラごとに移動とスキル発動が出来る。
キャラには、それぞれAP(アクションポイント)があり、APを消費してスキルを発動する。
APが残っている限り行動は続けられる。
APの最大値はバトル開始時にはみんな同じ10で、プレイヤーターンになる度に7回復する。
ところが、敵に上手くトドメを刺すなど活躍するとAP最大値がそのバトル中だけ上がる。
これによって、より強力なスキルが発動できるようになったり、2回攻撃できるなど、有利に立ち回ることが出来るようになる。
仲間と戦い、強くなる

1人のキャラが敵を攻撃した際に、他キャラがその敵に隣接していると追撃することができる。
最初のキャラが攻撃すると、隣接している各キャラに対応したボタンが表示されるので、制限時間内に押せば追撃できる。
本作では、敵に攻撃した際には反撃される(こちらが攻撃された時も各キャラは反撃する)。
しかし、追撃した場合には、最初に攻撃したキャラだけが反撃され、追撃したキャラはAP消費もなく反撃もされない。これを上手く利用して戦うのが勝利のコツ。
バトル中には追撃含め行動したキャラが経験値を獲得し、レベルアップしていく。
その際獲得するスキルポイントを使ってスキルのアンロックや強化が出来る。
また、メインストーリーのバトル後には、クリアまでにかかったターン数や回復アイテム使用回数などのバトル内容が評価される。で、好成績だと追加の経験値が貰える。
この追加経験値はパーティー共有のもので溜めておくことができる。パーティー編成で任意のキャラに使用して優先的に成長させることができるわけだ。
武器は壊れ、アイテムは残る

各キャラの攻撃には武器が必須。
しかし、攻撃スキルを使用する度に武器の耐久値は減っていく。
武器は5つ持った状態で出撃できるので、武器を持ち替えてバトル中に武器が壊れないように注意したり、バトルの合間にお金を払って修理しておかなければならない。
武器はアイテムを消費して強化も可能。
また、ステージ上に置かれているアイテムや宝箱はメインストーリーのバトルで取り逃がしても、遊撃戦で同じマップをプレイすれば取りに戻ることができる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
惨劇、悲劇。
冒頭から大量のモースに攻め込まれているし、ずっと重くて暗い雰囲気。
バトルの前後にイベントシーンがあるけれど、派手な演出があるわけではない。
でも、常に切羽詰まっていて心苦しい展開が続く絶望感200%で描かれているので、もはやキャラ達よりもプレイ中の私の顔の方が悲壮感に包まれていたと思う。
正直なところ、悲劇満載なので「うっ、お腹いっぱいになりそう」と思ってたけれど、仲間達が魅力的だしテンポも良いので、物語にぐいぐい惹き込まれていく。
壮大な戦いだけど、仲間を中心に物語が展開するので感情移入もしやすい。
暗い物語なので万人ウケはしないかもしれないけれど、「ダークな世界ドンと来い!」「悲劇こそ大好物!」という人なら楽しめるはず。
キャラクターの魅力

4.0
上述した通り、本作の魅力は仲間達だ。
訳ありなキャラが集まり、過去と現在に向き合いながら戦う。ゲームでよく見る筋書きではある。
でも、キャラそれぞれの性格がはっきり描き分けられていて、無駄に馴れ合うわけでも会話がくどくどしているわけでもなく、全員に愛着を持ちながらプレイ出来る。
「他人には言えない心の傷や過去があるぜ…」という厨二病成分が全キャラに程よく含まれているので、お気に入りのキャラが出来るはず。
操作性

3.5
コマンドを選ぶのみなので、操作性自体は特に問題なし。
追撃のボタン入力時間も余裕がある。
しかし、カメラ回転や拡大縮小ができない、攻撃対象選択時にはカメラ移動が出来ずにUIで対象が隠れてしまう、複数のマーキングした敵の行動範囲が同じ一色で塗られてしまって分かりにくくなる、などなど、便利ではない点も多い。
でも、本作のシステムは複雑ではないので、攻略に支障があるほどではない。
また、敵も味方も背景も、画面は黒色か灰色ばっかりだ。
灰鷹旅団って名前だし、団員はダーク色な服を着なければならない鉄の掟があるのかもしれない。
モースもカラフルな見た目だったら雰囲気ぶち壊しだろう。
そのため、パッと見て、誰がどこにいて敵はどの種類かといったことが分かりにくい。
難易度バランス

3.5
難易度選択は出来ない。
でも、遊撃戦をプレイして、レベル上げやアイテム集めを怠らなければ、詰まることはない。
しかし、レベルアップしてもHPや筋力は+1ずつしか上がらないし、武器の修理も必須なので金欠も続く。
そして、どのバトルでも敵は大量。
回復スキルを持つキャラもいるけれど、基本的に各キャラは回復アイテムをバトル中に1回だけ使用できる(ステージ上の霊脈で補充出来るけれど、全員分はない)。
限られた手段やリソースの中で、大量の敵を倒しきらなければならないのが本作の難しさだ。
敵の攻撃はパターンも少ないので、ストラテジーゲームとしての難しさというより、サバイバルな難しさだと思う。
ゲームシステム

画面がズームされる
4.0
ストラテジーゲームとしてのシステムは複雑ではない。
高低差やキャラの向いている方向も、多彩なクラスの組み合わせなども考えなくていい。
5人が固まって攻めていくのが鉄則になるので、戦い方は偏ってきやすい。
が、その分、少数精鋭メンバーに集中して、限られた中で最適解を考える面白さが味わえる。
物語は暗くて重い雰囲気だけど、ゲームとしてはとっつきやすく分かりやすいストラテジーゲームになっている。
やりこみ要素

3.5
ステージ上には、宝箱とは別に遺物が落ちている。
拾うと誰かの手紙などテキスト情報と共にアイテムが手に入る。
武器やキャラの強化ももちろんやり込み要素だけど、このテキスト情報の収集が1番のやり込み要素。
モースに襲われる前の幸せな日常が綴られた誰かの日記や無念のうちに亡くなった人の遺書などが読める。
しっかり内容があるものが多く、灰鷹旅団の団員に関する「お!?」となる内容の資料もあるので、手に入れたら読んでみるのがおすすめ。
ただ、遊撃戦はメインストーリーと同じマップで敵配置ほぼそのままなので、何度もリプレイしたくなる気はあまり湧きにくい。
グラフィック

3.5
高精細ではないけれど、カットシーンは3DCGで描かれている。
人物はリップシンクはしておらず、口がちょっぴりパクパク動いて表情は乏しめ。
会話シーンでは静止した立ち絵のみということも多い。
更に、本作はフルHD解像度までしか対応していない。
というわけで、見ごたえがあるとは言えないけれど、物語や世界に入り込むには十分。
個人的には本作開発元の過去作『エンダーリリーズ』よりキャラデザインが好き。
サウンド

4.5
本作の物語に入り込んだ1番の要因はサウンド。
カッコ良いBGMによって死闘感が増し増し。
そして、物語に見入ってしまうボイス。
私は声優さんに全然詳しくないので誰がどうとか分からないんだけど、皆さん演技も声も良くて、無表情な会話シーンでも見入ってしまう。
キャラの魅力が上がっているのも明らかにボイスによるところが大きい。声のパワーってすごいな。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
魅力的なキャラ
分かりやすいシステム
限られた選択肢の中で最適解を出すバトル
残念なところ
戦術の幅が狭め
便利な機能が少ない
似たような光景が続く
オススメな人
同じキャラばかり使いたい
ヒリヒリした緊迫感が好き
複雑なストラテジーゲームが苦手
物語を楽しみたい
オススメではない人
戦略性高いストラテジーを楽しみたい
悲劇や重苦しい雰囲気が苦手
最先端グラフィックを求めている



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ストラテジーゲームが好きなら、こちらもおすすめ。地形を利用したり仲間との連携を狙う戦略性高いバトルが楽しめる。分岐により物語が変化していくのも魅力の高評価ストラテジーゲーム。


本作開発元の代表作。本作とは違いメトロイドヴァニアゲームだけど、こちらでもダークな世界で悲劇が味わえる高評価作。



リデンプションリーパーズ Redemption Reapers
多勢に無勢な悲劇
悲劇と緊迫感たっぷりに描かれる物語が味わえるストラテジーゲーム。 複雑なシステムはなく、少数パーティーで多くの敵を倒していくハラハラなタクティクスバトルが楽しめる。
リデンプションリーパーズ Redemption Reapers
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