【Nine Sols】誰にも負けないパリィ太陽人 – 攻略とレビュー 九日 ナインソール
パリィで敵の攻撃を弾き、メトロイドヴァニアな探索も楽しめる2D横スクロールアクション『九日 ナインソール Nine Sols』。
Nine Solsの特徴
- ストーリー: 主人公の過去と世界の真実が徐々に明かされていくタオパンクな物語
- 攻略: パリィを多用する高難易度バトルとメトロイドヴァニアな探索が楽しめる2D横スクロールアクションゲーム
- 評価: 弾きからの呪符爆破バトルに病みつきに!世界設定や物語も面白い
- 歯ごたえと達成感が心地良い高難易度バトル
- 東洋の雰囲気満点で哲学的でサイバーパンクでもある独創的な世界
- メトロイドヴァニアな探索
- 探索の自由度は低め
『九日 ナインソール Nine Sols』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Nine Solsの攻略情報
Nine Solsの概要
タイトル | 九日 ナインソール Nine Sols |
---|---|
開発元 | RedCandleGames |
販売元 | RedCandleGames |
発売日 | 2024年5月29日 |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | 2D横スクロールアクション, ソウルライク, メトロイドヴァニア |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
本作開発元のRedCandleGamesは『返校 Detention』といったホラーゲームを手掛けてきたデベロッパーだけど、本作は過去作とジャンルもゲームプレイも大きく変わっている。
ストーリー
封印から目覚めた羿(げい)
ゲームが始まると、崖になんとか片手だけを掛けてぶら下がっている、文字通り崖っぷち状態の人がいた。人というか二足歩行の猫に見えるけれど、太陽人と呼ばれる高等種族だ。
この崖っぷち太陽人は、なぜか同じ太陽人に追い詰められており、遂には崖から落ちてしまった。この落下した太陽人が本作の主人公である羿(げい)だ。
落下してもはや瀕死の羿だったけれど、周囲から黒い木の根がウネウネと伸びてきて羿は包みこまれてしまった。
それから数百年後、木の根に包まれて壁にスッポリはまりこんでいた羿は、軒軒(けんけん)という名の少年が吹く笛の音で目を覚ました。謎技術だか謎魔術だか分からないけれど、羿は黒い木の根の中で老化することもなく生きながらえていたのだ。
太陽人の真実
笛の音で目覚めてから1年後、羿は軒軒と共に仙桃村という素朴な村で暮らしていた。親のいない軒軒は羿を「兄さん」と呼び、家族のように暮らしていた。
ところが、そんなほのぼの生活はあと1日で終わってしまうという。
翌日、村では恒例のお祭りが開催され、軒軒は太陽の神のもとへ旅立つ儀式の列に並んでいた。これが2人の生活が終わってしまう理由だ。
太陽の神のもとに旅立てるのは名誉なことだという。しかし、結局のところ生贄だ。選ばれた村人たちは、どう見ても機械に首を刎ねられていっているだけだ。
そして、「神様のもとでお父さんとお母さんに会える」と信じきっていた軒軒が生贄になろうとした時、羿は軒軒を助け、首刎ね機械を破壊してしまった。「なんということを!」と怯える村人をよそに、羿は涼しい顔をしたまま生贄の死体が落ちていく地下へと降りていった。
地下にはまさかの光景が広がっていた。地下は村の風景とは全く異なる機械だらけの施設となっていた。
9人の太陽人
ところが、地下に降り立った羿は全く驚いていない。しかも、羿は誰かと「予定通りに計画を進める」と通信を始めた。
え、物語の雰囲気が全く変わったんですけど!
というわけで、ここでざっくり説明すると、実はこの惑星は高度な機械技術を持つ太陽人の天道議会が支配しており、羿もその1人だった。太陽人にとっての人間は養分となる家畜に過ぎない。そのための生贄だったのだ。
ところが、10人で構成される天道議会で何らかの諍いが勃発し、羿は手荒く追い出されてしまったのだ。これが冒頭シーンの経緯だ。
議会に裏切られた復讐心も抱えながら、羿は議会から惑星の支配権を奪うために他の9人の太陽人のもとへと走り出した。
攻略のポイント
メトロイドヴァニアな探索
本作では、新たなスキルを習得すると探索できる場所が広がっていくメトロイドヴァニアな探索で進み、上記の通り9人の太陽人(ボス)討伐を目指すのが大きな流れ。
探索できる場所を進んでボスを探し出すことになるけれど、ある程度攻略順は決まっている。
また四季閣と呼ばれる場所が拠点となり、NPCにアイテムを渡してサブクエスト攻略や主人公の強化が可能で、買い物も出来る。
ゲームが進行すると四季閣と各地のセーブポイントでファストトラベルもができるようになる。
パリィからの呪符爆破
本作のバトルは、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』に強く影響を受けている。敵の攻撃を弾くというパリィを多用する戦い方だ。
羿の基本の立ち回りは以下の通り。
- 近接攻撃
- 刀でコンボを繋げることができる
- スタミナゲージはなし
- 遠距離攻撃
- 矢を射て遠くから攻撃できる
- 矢には複数の種類がある
- 蒼砂を消費する
- 矢を射て遠くから攻撃できる
- ガード
- 通常ガード
- 防御したダメージ量の内傷を負い、気が溜まる
- 負った内傷は一定時間ダメージを受けなければ時間経過で回復する
- パリィ
- 敵の攻撃が当たる瞬間にタイミング良くガードする
- 内傷は負わず、気が溜まる
- 防御したダメージ量の内傷を負い、気が溜まる
- 通常ガード
- 呪符攻撃
- 溜めた気を消費して敵に呪符を貼ることができる
- 呪符を爆発させて敵にダメージを与えることができる
- 呪符攻撃で敵を倒すと体力回復できるなど、呪符には複数の種類がある
- ダッシュ回避
その他、探索時にはグラップリングフックを引っ掛けたり壁ダッシュなど、ゲーム進行に伴って様々な移動スキルが登場する。
また、羿は玄蝶(ドローン)を持っており、飛ばしてギミック操作したり、道の先を偵察することができる。
経絡と玉石で強くなる
本作は、ソウルライクゲームだ。
セーブポイントで休憩すれば体力回復して回復薬が補充される。しかし、雑魚敵は全復活する。ゲームオーバーになると経験値とお金を全て落とし、セーブポイントで復活する。それでも、死んだ場所に戻れば回収できる。
そしてh、羿は経絡と玉石で強くなる。
- 経絡
- スキルツリーのこと
- 一定量の経験値を溜めるとスキルポイントを獲得する(獲得したスキルポイントはゲームオーバーになっても失わない)
- 玉石
- 各地で手に入る装備品
- 便利機能や各スキルのアップグレードができる
- それぞれに装備コストがあり、計算力(装備可能コスト総数)上限内なら付け替えは自由
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Nine Solsのレビュー
物語: 深いセリフとSFが入り混じる独創的なタオパンク世界
本作の世界はタオパンクと表現されている。タオ=道教と、パンク= サイバーパンクが混ざっているという造語だ。
まさにその言葉通りで、あちこちに道教を思わせる装飾や景色がありつつ、そこに機械がめちゃくちゃ入り込んでいる。幻想的でありカッコ良さもあり、背景に見惚れてしまうことも多い。
哲学的なセリフが多く「なるほど、深い」と神妙に頷いていたら、次の瞬間には機械ガッチャガチャのモラル崩壊しまくり展開が起こる。
ホラーゲームを手がけてきた開発元ならではの不気味な演出が素晴らしい一方で、笑えるほのぼの場面もある。
羿は口が悪く強気で、でも優しくもあり、突然NPCに辛辣なツッコミを口にすることもある。
こうした相容れないように思える要素同士が混ざり合っているおかげで、次の予想がつきにくくなっているのが面白いところ。バトルが目を惹くゲームだけど、実際のところ物語もしっかり楽しめるゲームだ。
最初から全て明らかにしないもののチラチラ情報が小出しにされるので、自分の予想の答え合わせをしたくなり、どんどん先に進みたくなる。
ちなみに本作はマルチエンディングになっており、NPCのサブクエストクリアが分岐条件となっている。
操作性: 精度高く攻防交えたバトルができる
本作のバトルシステムはパリィが要であり、それを理不尽なく楽しめる妥当な当たり判定で挙動も精度が高い。
ゲームが進行するとパリィの種類が増えるけれど、敵がどの種類の攻撃を放っているかは視覚的に見分けやすいエフェクトが表示されるので親切(反応できるかは別問題だけど)。
呪符攻撃や回復、スキルにも発動に少し時間がかかるものもある。しかし、それぞれにかかる時間を短縮できるスキルのアップグレードや玉石を有効化すると、その差をちゃんと体感できるのが嬉しい。
探索時にはプラットフォームアクションの腕が求められる場所もあり、バトルではやるべきことが多くて使うボタンも多い。しかし、決して操作しにくいことはなく、アクション性高いゲームプレイを楽しめる。
SEKIROやSEKIROライクなゲームをプレイしたことがあれば特に引っかかるところはないと思う。一方で、本作で初めていわゆるパリィゲーに触れる人にとってはシステムの説明が少なめだったり、慣れるよりも先に難しさが上がってくると思うかもしれない。
難易度: 達成感が心地いい死にゲー
難易度は2段階から選択可能。バトルが易しいストーリーモードとノーマルモードだ。私はノーマルモードでプレイ。
本作はソウルライクでSEKIROライク。というわけで、期待を裏切らない高難易度な死にゲーだ。パリィ必須なのでアクションの上手さが求められる。
複数の雑魚敵に囲まれると一気に追い込まれるし、ボスは第二形態でちゃんと攻撃パターンを変えてくるし、殺意高めな敵ばかりだ。特に敵の連撃に対応出来ないと呆気なく終わることもある。
でも、敵の攻撃パターンを覚えて、こちらから攻撃するチャンス見極めればちゃんと勝てる。「なんとなく勝てた!」にはならない。
どのボスも良い敵なのが本作の良いところだ。ちゃんと全員異なりつつも変に奇をてらった敵はおらず、ちゃんとパリィの上手さで勝てるプレイヤーの上達が必須になるボスばかり。達成感を感じやすい良い歯ごたえを存分に味わえる。
ただし、死にゲーとはいっても経験値やお金は意外と溜まりやすく、心が折れるような難しさではない。
また、探索については本格的なメトロイドヴァニアほど複雑なマップ構造ではなく目的地も決まっているので、迷子になる心配はない。
システム: 探索は楽しくてバトルはがっつり、どの要素も楽しめる
実際には攻略順は決まっているけれど寄り道がしっかり用意されていて探索するのが楽しく、メトロイドヴァニアのワクワク感を味わえる。
NPCに渡すアイテムがあちこちに隠されており、そのアイテムによって拠点や羿のアップグレードが出来るので、探索したい欲もむくむく湧いてくる。目的地を探すというより、寄り道を探す探索だ。
バトルはSEKIROライクなので、その面白さは既にSEKIROが確立してくれているわけだけど、本作にはそこに呪符攻撃が加わっている。パリィが成功して終わりではなく、そこから更にもう1段階、呪符攻撃する隙を狙うという難しさであり面白さが加わっている。
また、玉石やスキルの組み合わせでプレイスタイルを変える面白さも味わえる。
探索もバトルも歯ごたえがあるけれど苦戦しつつも突破口が見つかる良い硬さで、どんどん謎が深まりつつも真相が明らかになる物語にも夢中になっていく。全要素が良いゲームだ。
芸術性: コミックのようなイラストで描かれる可愛くも残酷な世界
本作は、まず見た目がとっつきやすい。ちょっと目つきは悪いけれど主人公は可愛い猫だし、不気味な世界ではあるけれど色づかいが鮮やかなイラスト調グラフィックだ。
カットシーンがコミックで表現されるのも楽しく魅力的。
上述もしたけれど、タオパンクな世界は独創的で、機械と宗教的な装飾が混ざった背景に見惚れてしまう。中盤からは不気味な場面も増えてくるけれど、これもまた良い気持ち悪さ。
個人的にはパリィする時に使うのが刀とか盾ではなく徒手なのがお気に入り。よく見るといくつかの型があり、ピッと手で受け流す姿がかっこいい。
BGMは不気味な曲もあるけれど、ほぼ全て東洋な曲調だ。お祭のお囃子っぽい曲調や、日本の雅楽に近い厳かなBGMもある。バトル曲がカッコ良く、芸術面でもこだわりを感じる高クオリティなゲームだ。
サントラはこちら
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Nine Solsの総合評価
Nine Sols
総合評価
パリィで敵の攻撃を弾き、呪符も交えて攻撃する歯ごたえのあるバトルと、メトロイドヴァニアな探索が楽しめる高難易度ゲーム。タオパンクな世界やグラフィックなど独創性も魅力。
おすすめな人 | 高難易度アクションゲームが好き パリィ大好き! 東洋の雰囲気が好き |
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おすすめではない人 | パリィが苦手もしくは好きではない 残虐な表現やホラー演出が苦手 自力で道を見つける探索を期待している |
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SEKIRO:
SHADOWS DIE TWICE
- 本作が強く影響を受けている高評価アクションADV
- パリィを多用するバトルが魅力
- 架空の戦国時代を舞台に、上下左右に広がる探索も楽しめる
Blaspemous 2
- 高難易度で高評価なメトロイドヴァニアゲーム
- パリィも狙える歯ごたえのあるバトルが特徴
- こちらはキリスト教系の宗教色が強い独創的な世界が魅力