【Tails of Iron 2】おとぎ話は尾研ぎ話 – 攻略とレビュー テイルズオブアイアン2 冬のひげ
ネズミの集落を守る番人となり過酷な戦いに挑む、新たな物語が紡がれる高評価作続編『Tails of Iron 2: Whiskers of Witner テイルズオブアイアン2 冬のひげ』。
Tails of Iron 2の特徴
- ストーリー: 壊滅状態になったラット王国北の地を復興するため脅威に立ち向かう若きネズミリーダーの物語
- 攻略: 敵の攻撃を見極めて正確に立ち回り、装備や属性魔法も使い分ける高難易度アクションRPG
- 評価: バトルでもサブクエストでも一切甘えが許されない熾烈な戦いは攻略しがいがあり、やり込み要素にもどんどん熱中していく
- 素早さよりも正確さが重要な高難易度さ
- 残虐な場面もある過酷な成長物語
- おとぎ話の挿絵のような描き込まれたグラフィック
- 本作独自のペースや当たり判定に慣れる必要あり
『Tails of Iron 2』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Tails of Iron 2の攻略情報
Tails of Iron 2の概要
タイトル | Tails of Iron 2: Whiskers of Winter テイルズ・オブ・アイアン2:冬のひげ |
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開発元 | Odd Bug Studio |
販売元 | United Label |
発売日 | 2025年1月28日 |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | アクションRPG |
シリーズ | Tails of Iron テイルズ・オブ・アイアン |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
本作は『Tails of Iron テイルズオブアイアン』の続編にあたる。同じ世界が舞台になっているものの主人公は変わっており、本作からプレイしても支障はない。
もちろん前作をプレイしていると本作の物語をより楽しむことができる。前作と本作どちらもプレイしようと考えている場合は、前作からプレイする方がおすすめ。
ストーリー
アーロの生い立ち
舞台は北の地。どこの北なのかというと、前作『テイルズオブアイアン』の舞台となったラット王国の北だ。
前作ではラット王国を舞台に、非業の死を遂げた父王の跡を継ぎ偉大な王になろうと奮闘する若きネズミが描かれた。
プレイヤーも若君の成長に胸を熱くしたものだ。「お父さん、見てますか、息子さんは立派な王様になりましたよ」前作のエンディングでそう思ったものだ。
ところが、本作冒頭でプレイヤーは父王の秘密を知ることになる。
偉大だった父王にはなんと庶子がいたのだ。しかも、その存在を隠すためか、アーロと名付けられた隠し子は王都から遠く離れた北の定住地へと託されていた。お父さんにそんな秘密が…。
しかし、先代王の驚きスキャンダル事件簿が本作のメインではない。アーロは、北の定住地を守る番人である親父さんに鍛えられながら穏やかに暮らしていた。
黒焦げからの再出発
「アーロは次の番人に相応しくなったな」、親父さんが”息子”の成長ぶりに目を細めて美酒に酔いしれていた穏やかな夜。
父と息子に突然のお別れが訪れる。
突然、翼を持つ荒くれ者たちがアーロたちが暮らすウィンターズ・エッジに現れ、破壊の限りを尽くして青い炎を放ち、住民は虐殺され、親父さんの首は跳ね飛ばされてしまった。
「親父の仇ー!」チュートリアルだけ終えたアーロが果敢に立ち向かってみたけれど、殴っても殴っても敵のHPゲージは1ミリずつしか減らない。案の定、アーロはぶっ飛ばされた。
そして、北の定住地は完全に燃え落ちてしまった。
しかし、アーロは生き延びていた。HPゲージは少なくなり、他にも生き残ったのはレイフ叔父さんしかいないけれど、これからはアーロが北の番人だ。
北の荒地に迫る脅威
さて、北の定住地を襲った翼を持った者たち。あれは、どう見てもコウモリだ。
実は、その昔、ネズミたちはコウモリに打ち勝って北の荒地に安住の地を築いてきた。
しかし、その戦以来音沙汰のなかったコウモリ軍団「ダークウィング」が、長い時を経てネズミに仕返しをしに来たのだ。
コウモリの怒涛の復讐劇によって荒れていく北の地に再び平和をもたらすため、新人番人アーロの過酷な戦いが始まった。
攻略のポイント
北の地を行き来するアクションRPG
本作は、2D横スクロールでプレイするアクションRPG。
ゲームはクエストクリア型で進み、メインクエストの進行に沿って訪れることができるエリアが増えていく。
解放済みのエリアは行き来が自由で、エリアごとに強敵討伐などのサブクエストや特定のアイテムを納品する依頼が登場する。
本作では時間が流れており、昼や夜など特定の時間帯にしか現れない敵や攻略できないクエストも登場する。
敵の攻撃を見極めて立ち回るバトル
アーロは片手武器と両手武器、そして遠距離武器の3種類の武器を装備できる。それぞれ対応した攻撃ボタンを押せば瞬時に持ち替えて攻撃を繰り出す。
そして、バトルでは敵の攻撃の種類に合わせて立ち回るのが必勝法となる。
敵が攻撃を繰り出す際には以下に記載するマークが敵頭上に表示されるので、それを確認しながらタイミングよく回避や防御行動を取らなければならない。
- 白マーク
- ガードで防御可能、回避で避けることもできる
- 黄色マーク
- パリィ可能、成功すると敵に大きく隙ができる
- 回避やガードも可能
- 赤マーク
- パリィやガードは不可能で、回避するしかない
また、本作には火、氷、雷、毒の4つの属性が登場する。物理攻撃を敵に当てるごとに各属性の魔法がチャージされ、発動することができる。
さらに武器も4属性を帯びており、敵の弱点属性を持つ武器で攻撃すれば与ダメージ量が増え、その属性ダメージが蓄積すると敵は状態異常となる。例えば氷の状態異常なら一定時間固まる。
もちろんアーロも属性攻撃を受けすぎると状態異常に陥り行動不能になってしまうので、敵の属性攻撃には要注意。
定住地と共に強くなるアーロ
本作では敵を倒しても経験値やお金が手に入るわけではない。
お金はサブクエストや依頼を攻略した際の報酬によって貯めることになる。
また、道中の樽を壊したり、倒した敵を捌くと素材を手に入れることができる。これを使って武器をアップグレードしたり、依頼を攻略することになる。
ちなみに、本作での体力回復アイテムはジュースだ。道中の果物や倒した虫などを捌くことで補充することができる。
そして、素材は拠点であるウィンターズ・エッジの復興にも必要になる。お店を建ててアップグレードするごとに、品揃えが豊富になったり上位武器への強化ができるようになる。
一方でアーロ自身はというと、より強い装備品を装備することで強化する。また特定の食材を手に入れて作れる料理を食べることでHP上限値を増やすことができる。
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Tails of Iron 2のレビュー
物語: 残虐な小動物たちの物語に夢中
本作はメインストーリーがしっかりとあり、その展開が面白い。やり込み要素も追いかけたくなるけれど、メインストーリーのテンポが良く「え、そんな!」な展開が続き、先を見逃せなくなる。
若者が強大な敵に立ち向かい、指導者として成長する。ナレーションのみで語られるので派手には見えないけれど、熱くならないわけがない濃いストーリーを楽しむことができる。
残酷な展開もある(生々しくはない)ので、「コウモリ許すまじ!カエル許すまじ!ヘビ許すまじ!」と感情移入しやすく、アーロと共に小動物相手に闘志を燃やしながら戦うことができる。
サブクエストでも物語が展開し、笑えるエピソードやツッコミどころしかないキャラもいるので、過酷なメインストーリーの箸休めになってくれるのも嬉しい。
操作性: 精密でありつつ、独特な癖あり
移動や探索やメニュー画面の操作など、全般的に操作性は良好。できることは多くとも操作方法は分かりやすい。
一度だけ操作不能になるバグに遭遇したけれど、それ以外はトラブルなし(高難易度ゲームでのバグは心臓に悪いので一度も遭遇はしたくないけれど)。
ただし、バトルでは本作ならではの挙動やテンポに慣れる必要がある。
片手武器と両手武器では振りの速度がしっかり変わり、装備重量のシステムもあり、コンボ攻撃では3打目でアーロが一呼吸おいて大きく飛びかかるなど、各アクションの挙動やリズムを考慮して立ち回る必要がある。
また、パリィや回避の当たり判定は正確でありつつ、防御面でも本作ならではのタイミングに慣れる必要がある。
パリィを多用する多くのゲームでは、視覚的に敵の攻撃が当たる寸前がパリィタイミングだけど、本作では敵が攻撃を繰り出すくらいがパリィタイミングだ。他のパリィゲームに慣れている人ほど、本作のテンポに体を慣らす必要がある。
回避でも、敵が構えたくらいで回避成功となるので、敵の頭上に攻撃種類のマークが出るタイミングを参考にするのがおすすめ。
この癖に慣れると敵の攻撃を見極める面白さに病みつきになるので、「いつものパリィと違うんだが!」と思った人も、まずは雑魚敵相手に練習してテンポを掴んで欲しい。
そして、これは日本語版だけの問題かもしれないけれど、字幕がでっかい!
ナレーションが流れながらバトルが始まることもあり、「アーロと敵が字幕で見えないです!」という状況になることがある。字幕は1文ずつ表示するか、フォントの大きさ設定機能を付けて欲しいところ。
難易度: 一瞬も気を抜けない高難易度
難易度は3段階から選択可能。私はデフォルトのノーマルでプレイ。
本作は間違いなく死にゲーだ。ボスの攻撃パターンは豊富で、形態が変われば攻撃パターンもしっかり変わる。複数で攻めてくることが多いので雑魚敵相手にも苦戦することが多い。
上述した通り、本作は素早く動き回れるバトルではないので、敵の攻撃に無駄な動きなく正確に対応することが大事。常に集中力を研ぎ澄ませて敵を見ていなければならず、油断できる瞬間が全くない高難易度さだ。
しかし、本作はソウルライクではない。ゲームオーバーになってもデスペナルティはなく、セーブした時点に巻き戻るだけだ。連戦がきつい場合や苦手な敵がいる場所では、バトルの合間にセーブに戻りながら進むといい。セーブポイントに触れたからといって敵は復活しないので確実に進んでいくことができる。
そして、本作では属性攻撃が攻略の鍵を握っている。
敵の弱点属性で与ダメージを増やしつつ、炎上による継続ダメージなど状態異常を狙い、一方で敵の攻撃属性に合わせてアーロの防具を変えることも大事。
属性を軽視していると必ず痛い目に遭う。属性を制す者がネズミバトルを制す。
システム: 多彩になった見極める面白さに再びハマる
本作は、物語がしっかり引っ張ってくれつつ、やり込み要素にもやる気が続くバランス感覚が優れているアクションRPGだ。
素材を集めて町を復興する拠点繁栄要素は主人公の強化にも繋がっており、見た目でもゲームプレイ上でも攻略したい欲が湧いてくる。各要素が互いに上手く影響し合っており、全要素攻略したくなる。
そして、本作1番の魅力はやはり歯ごたえがっちりなバトル。
バトル中に敵の攻撃を見極めて対応するだけでなく、対峙する敵に有効な装備を整える準備段階での見極めも重要になるのが面白いところ。
「こう立ち回ればいいかな、あっちの武器がいいかな、この防具のままでいいのかな」と考えるのが楽しく、それに応えてくれるように敵は強く、種類もパターンも豊富だ。
前作『テイルズオブアイアン』でも速さに頼らないバトルの面白さに夢中になったけれど、本作ではさらに4属性が登場し、しかも単なる魔法の種類というだけに終わっていないのが良い。
敵にもアーロの各装備品にも必ず長所と弱点があるので、戦術を考える楽しみが広がり、バトルの面白さが更にググッと進化している。前作に引き続き、本作のバトルにも病みつきになった。
もちろん本作からプレイした人にとっても、成長要素が限られている分、装備と立ち回りの最適解を導き出すバトルにハマっていくはずだ。
芸術性: 物語に負けない濃いグラフィックと音楽隊
本作は全て手描き調のグラフィックで描かれる。クラシカルなおとぎ話の挿絵のようなアートスタイルだ。
ゲーム画面だけ見ると穏やかなお話が始まりそう。実際には、冒頭から穏やかさは瞬殺されるけれど。
装備を変えればしっかり見た目が変わり、エリアによって風景も変わる。細かな部分から背景までぎっしり描き込まれており、旅してして楽しい。
残虐な場面もあるけれど、暴力表現よりも蜘蛛などの昆虫や蛇などが超絶苦手な人にとって辛いゲームだと思う。敵には小動物的な可愛さは皆無で、イラストであろうと虫の卵や「足がいっぱい」などに無条件で虫唾が走る人は要注意。
そうしたものに拒絶反応を起こさない人なら、グラフィックのクオリティの高さからも本作に夢中になるはずだ。
そして、BGMも本作の大きな魅力。ボス戦や町ではBGMがどこからか鳴っているわけではなく、背景に音楽隊がいる。
ボス戦では雑魚敵がギターやドラムを熱心にかき鳴らしており、ヤジを飛ばす雑魚敵たちと共に背景がライブ会場と化している。ボスとアーロは必要ないくらい背景だけで盛り上がっているので、死闘を繰り広げつつ笑ってしまう。
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Tails of Iron 2の総合評価
Tails of Iron 2: Whiskers of Witner
総合評価
敵を見極める高難易度バトルに熱中し、物語も拠点を復興するやり込み要素も作り込まれている攻略しがいのあるアクションRPG。4つの属性がゲームプレイに上手く組み込まれており、前作からしっかり進化した高評価な続編。
おすすめな人 | 高難易度アクションが好き 濃い物語を楽しみたい 前作『テイルズオブアイアン』が好き |
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おすすめではない人 | ハイペースに動けないとどうしてもストレスが溜まる 敵を倒すことで強くなりたい イラストであろうと虫や爬虫類が死ぬほど苦手 |
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- 本作と同じ世界が舞台の前作
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- 属性魔法はないものの、本作と同じく高難易度アクションRPGの高評価作
Salt and Sacrifice
- 様々な地に赴き、魔道士を狩る高難易度アクションRPG
- 装備のカスタマイズや成長要素などキャラビルドが大きな魅力
- 高評価作『Salt and Sanctuary』の続編