レビュー【Everdeep Aurora】ワイルド迷子 | 地下を掘り進むアドベンチャーゲーム

母を探すため地面を掘って探索し、地下で暮らす住民たちとの物語も楽しめるアドベンチャーゲーム『Everdeep Aurora エバーディープ・オーロラ』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- いなくなった母の跡を追って地下世界を掘り進み、世界の真相にも迫っていく物語
- 攻略
- 地面を掘りながら探索し、各所で謎解きやプラットフォームアクションも攻略するアドベンチャーゲーム
- 評価
- 多彩なエピソードが散りばめられており、やや不便さはあるものの自分で探索すべき場所を見つけていくのが楽しい
Everdeep Auroraの概要
タイトル | Everdeep Aurora エバーディープ・オーロラ |
---|---|
開発元 | Nautilus Games |
販売元 | Ysbryd Games |
発売日 | 2025年7月10日 |
対応機種 | Switch, PC |
ジャンル | アドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
Everdeep Auroraのストーリー
流星が降る街

本作は子猫のシェルが、母からの手紙を読むところから始まる。
その内容は、「いつもの待ち合わせ場所で会いましょう」というもの。
シェルがうたた寝していたベンチが待ち合わせ場所だったのだろうか、残念ながら母の姿はない。
しかし、このままじっと待っているわけにもいかない。
なぜなら、空からペルセウス座流星群が降りそそいでいるからだ。
「なんて神秘的なオープニング!」どころではない。
流星群は空彼方の流れ星ではなく、街に激突してきているのだ。
ロマンチックな天体ショーではなく大災害だ。
そのため街の人々はみんな地下へ避難している。
「お母さんも地下に降りているのだろう」と、さすらいのカエルから助言され、更にドリルまで貰ったシェルはズドドドと地面を掘って地下へと進み始めた。
地下に隠された母と世界の真相

か弱い子猫かと思いきや、もはやすぐに工場現場で働けそうなパワフルさで大きなドリルを振り回して進むシェル。
避難とはいっても地下で楽しく暮らしている人々にお母さんの行方を訊ねながら、シェルはどんどんと地下深くへと潜っていく。
地下には避難キャンプどころか、厳かな神殿や朽ちた機械まである。
どうやら、この地下は単なる土の塊ではなさそうだ。
お母さんを探していたはずのシェルは、徐々に地下深くに眠る秘密へと近づいていく。
Everdeep Auroraの攻略情報
ドリルで掘り進むアドベンチャーゲーム

本作には敵とのバトルはなく、ブロック状になった土をドリルで掘りながら、下へ下へと探索するパズルアドベンチャーゲーム。
道中には様々なNPCがおり、彼らの困りごとを解決することで物語を進行するためのアイテムを手に入れたり、道を切り開く情報をもらえたりする。
NPCが必要としているアイテムを探してきてあげたり、誰かからの伝言を伝えたりといった内容が多く、NPCを手助けすることでゲームを進行していくことになる。
鉱石やアイテムでアップグレード

シェルが掘る土ブロックの中には鉱石が含まれたブロックが紛れており、掘削すると赤い小さな鉱石や大きな鉱石を手に入れることができる。
小さな赤色の鉱石は本作の通貨であり、主にドリルのエネルギーをチャージする際に支払うことになる。
ドリルは稼働するごとにエネルギーを消費し、エネルギー切れになると効率良く掘削ができなくなる(掘れなくなるわけではない)。
また、大きな鉱石を一定数集めると、鍛冶屋さんでドリルをアップグレードすることができる。
これによってエネルギー消費効率を上げるといったドリルの性能が上がり、より快適に探索することができる。
洞窟攻略

土を掘っていると洞窟の入り口が見つかることがある。
いわゆる寄り道ダンジョンであり、謎解きやプラットフォームアクションを攻略するとまとまったお金やドリルのエネルギー最大量を増やせるカプセルを手に入れることができる。
また、本作の世界の事情が分かるテキスト情報や、シェルのファッションを変えることができる帽子やサングラスなどが手に入ることもある。収集要素だ。
時には誰かが必要としているアイテムが手に入ることもあるので、とりあえず見つけたダンジョンには挑戦するのがおすすめ。
ただし、本作ではゲーム進行とともに壁ジャンプができるようになるなど、ゲーム進行とともにシェルの移動アクションが増えていく。
そのため見つけた時点では攻略できないダンジョンもある。
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Everdeep Auroraのレビュー
物語: 事情が異なる物語がぎっしり

地下は避難所というより街になっており、あちこちでNPCが暮らしている。
バーやお屋敷など探索できる場所は多く、各所で物語が展開する。
道案内役に過ぎないかと思ったNPCの事情も描かれり、キャラごとに異なるエピソードがポンポンと展開するのが本作の魅力。
愛らしいエピソードもあれば、皮肉屋さんだったり切なく悲しい話だったり、本当に様々な物語を楽しめるゲームだ。
地上から地下まであちこちに物語が詰まっており、世界の事情についての情報もあちこちに散りばめられている。
ただし、本作には図鑑的なものがなく、何かを匂わせるような話だけで終わってしまうこともあるので、名前やどんな話をしていたか自分で把握しながら進む必要がある。
操作性: インベントリ操作に癖あり

シェルはさっさと動き、ドリルでザクザク地面を掘れる。
基本の操作や挙動は問題ない。
ただし、本作の操作性や視認性は悪いわけではないけれど、やや癖がある。
ゲームプレイ部分とインベントリ操作の境界がくっきりと分かれておらず、インベントリを開くといった動作なく十字キー含め割り振られているボタンが直接インベントリを操作する。
サバイバルクラフトやライフシムなどでこうした操作方法はよく採用されているけれど、本作では頻繁にアイテムを出し入れするわけではないし、自分でインベントリ整理ができるわけでもない。
しかも、アイテム数が増えていくのにカーソルは1マスずつ横移動する。
そのため、ゲームプレイと操作方法がチグハグしていると感じることがあった。
また、新たな移動アクションや重要アイテムは他のアイテムと同列扱いでインベントリへ格納され、手に入れた際に特に説明もない。
インベントリ内の別枠や段に分けるなど視覚的にアイテムが区別されると、説明がなくても「おや、なんだか変化が起こったぞ」とプレイヤー側が自然に気づきやすくなると思う。
基本部分に問題はないけれど、もう一歩二歩操作周りに工夫があるともっとプレイしやすくなりそうだ。
難易度: 話を整理しながら手探りで進む

本作では NPCとの会話から「この人は◯◯というアイテムを必要としているようだ」とか「この人は誰かを探しているみたいだ」とお困りごとから自らクエストを汲み取って攻略していく。
自動的にクエストとしてリスト化される機能はない。
NPCは多く、一箇所では攻略できないエピソードも多いので、自分で話を整理しながら攻略していく必要がある。
説明不足なところや気づきにくい要素もあり、「この手に入れたアイテムは一体?」と自ら情報を確認する姿勢が求められる。
とはいっても、ゲームオーバーになるようなことはなく、土ブロックは再生するので資金や資源不足に陥る心配もない。
NPCに話かけつつウロウロしながら進むのがおすすめだ。
システム: 穏やかでありつつ、しっかり探索

本作にバトル要素はなく、NPC達も基本的に友好的。意地悪な奴ともお話しできる。
穏やかで、一見するとカジュアルなゲームに思える。
しかし、それ以上にゲーム要素が詰まっている。
寄り道や収集要素もしっかりあり、謎解きもプラットフォームアクションも楽しめる。
物語を辿るだけだと間延びしがちだけど、本作では土掘りしながら進むこととダンジョンでは適度にアクション要素が含まれており、単調にならないパズルアドベンチャーゲームだ。
ドリルのアップグレードや探索できる場所が広がっていったり、洞窟やお屋敷などが意外なところで繋がっているメトロイドヴァニアっぽさも楽しいところ。
不親切な部分があると上述したけれど、本作の地下世界はNPCやダンジョン配置の密度が濃いめなので、歩いていれば何かある。
そして、この手探り地下探検が妙に楽しくなってくる。
特に、現代ゲームのチュートリアルやクエストリストの親切さに「いやいや、お気遣いが先回りしすぎ」と感じる人は、本作の手探りで攻略する感覚がツボに入るかもしれない。
芸術性: レトロで緻密で彫刻のようなピクセルアート

エリアによって配色パターンが変わりつつも絞った色数のレトロ風味なピクセルアートで描かれる。
地下の暗さを演出しているためか筆圧濃いめなピクセルアートで、シェルは可愛い2頭身である一方で、NPC達は彫刻や劇画調な印象を受けるくらい描き込まれている。
このピクセルアートも本作の大きな魅力。
様々な獣人のNPC達が登場し、その見た目はそのまま絵にして飾れそうなくらいデザインも素晴らしい。
音楽はあたたかみのあるBGMばかり。
エリアによってBGMがフワッと変わるので、地下はひと続きでも深さによって雰囲気が変わるのが嬉しい。
ちなみに、好きな時に「にゃーん」と鳴ける機能が搭載されている。
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Everdeep Auroraの総合評価
Everdeep Aurora

総合評価
多彩なNPCの物語がたっぷり詰まった地下世界で、アクションもメトロイドヴァニア的な探索も楽しめるアドベンチャーゲーム。操作周りは不便なところがあるものの手探りで攻略するのが面白くなってくるくらい様々な要素が詰め込まれている。
長所と短所
良いところ | クオリティ高いピクセルアート 自分で道を探して探索するメトロイドヴァニア要素 | 多彩なNPCとエピソード
---|---|
残念なところ | 情報整理がしにくい | 操作まわりに不便さがある
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 自力でどんどん攻略したい
- NPCに話しかけるのが好き
- 探索が好き
おすすめではない人
- ガイドや快適機能が揃っていないとストレスが溜まる
- アクション要素は求めていない
- ゲームで迷子になりやすく、それでやる気を失ってしまう
Everdeep Auroraに似ているおすすめゲーム

SteamWorld Dig 2
- 地面を掘りながら探索する高評価メトロイドヴァニアゲーム
- 集めた鉱石で主人公を強化できる要素が魅力
- スチームワールドシリーズ代表作

The Gunk
- こちらも道を切り開くアクションを行いながら探索するパズルアドベンチャーゲーム
- 未知の惑星でベトベトを取り除きながら生態系を調査し、惑星の謎に迫っていく
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