『DOOM ETERNAL』レビュー: 大爆走で連射で乱射で火炎放射
『DOOM ETERNAL』とは、id softwareが開発したシューティングアクションゲーム。主観視点でプレイするFPSだ。
元祖FPSと言われている人気シリーズのDOOMの最新作。
DOOMシリーズは1990年代から続く長寿シリーズだけど、2016年に過去作をリブートした名作『DOOM』が発売された。で、本作は、その2016年『DOOM』の続編にあたる。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
ちなみに本作には、オンラインマルチプレイの対戦モードもあるけれど、本稿はキャンペーンモードについてのレビューとなっている。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似ているゲームも紹介する。
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あらすじStory
危険すぎる男
前作である2016年発売『DOOM』では、火星でデーモンと激しい戦いを繰り広げたドゥームスレイヤー。
このドゥームスレイヤーが主人公だ。
遠い未来、人類の生活に必要なエネルギー供給元となっていた火星に現れたデーモンを倒すため、地獄の遺物から呼び起こされ蘇った殺戮者だ。
でも、実際のところ、主人公の正体は謎だ。しかし、デーモンからも恐れられるほど危険な男なのは間違いない。
地球へ
本作では、火星での戦いを終えたドゥームスレイヤーが地球に降り立つところからゲームは始まる。
目的は、地球で好き放題しているデーモンを倒すこと。
デーモンにより侵略され崩壊しまくっている地球が戦いの場となる。
大暴れ
ドゥームスレイヤーは無言でデーモンをぶっ倒していく。主人公の方が悪魔じゃん?ってレベルで、黙々と大暴れする。
デーモンが色んな事情を説明しようとしているのさえ完全無視して、ぶち倒していく。
世界設定は壮大だけど、入り組んだ会話にはならない。とにかく人間を利用しようとしてるデーモンから地球を救え!
ゲームの特徴Features
黙々と任務をこなす
ストーリーはミッションを選択して進行する。
1つのミッションは、さらにいくつかのステージに分かれている。クリア済みのミッションは後から再プレイもできる。
ステージ中には、何箇所か強制的に戦闘となるエンカウントエリアがあり、そのエリアの全ての敵を倒すと先に進めるようになる。
収集アイテムや新たな武器など探索要素もあるけれど、基本的には1本道。
次の目標地点はマップ上に表示されるので迷うことはない。一心不乱に目の前の敵をなぎ倒していくのみ。
タイミング良くダッシュやジャンプを駆使して渡っていかなければいけない3Dプラットフォーマー要素もある。
そしてゲームオーバーになると、直前のチェックポイントからやり直し。その場合でも一度クリアしたエリアに敵は出てこないし、基本的にデスペナルティはない。
何度でも蘇って、ひたすらを戦いを挑む。一息つく暇などない。
スーパー自給自足ガンマン
主人公は、銃だけではなく火炎放射器や爆弾も含め様々な重火器を駆使して派手に戦う。
銃には様々な種類がある。敵には弱点武器があるため、持ち替えながら戦う。
さらに、銃にはMODを装着することができる。MODを装備すると、同じ銃でも通常とは違った銃撃に変わる。このMODによる攻撃じゃないと弱点を突くことが出来ない敵もいる。
更に、本作はFPSではあるものの、メレー攻撃(近接攻撃)がかなり大切。
まず、銃などで敵にダメージをある程度与えると敵が点滅してよろめく。
そうしたら、その敵に近づいてドカン!と一発グローリーキル。
グローリーキルの演出は敵ごとに変わる(どれも超ド派手で残虐)けれど、敵の息の根を止めるフィニッシュ攻撃だ。そして、グローリーキルで倒した敵は、必ず体力回復アイテムを落とす。
そして、もう1つの近接攻撃。それが、チェーンソー。
チェーンソーで敵を倒すと、必ず銃弾を落とす。
本作では銃弾をリロードする手間はないけれど、それぞれの銃ごとに装填弾数が異なる。残弾数がすくなくなったら、敵をチェーンソーで切り刻んで補給する。
更に火炎放射で敵を燃やして倒すとアーマーが手に入る。
こうして敵を倒しながら回復したり補充しながら戦う。
寄り道する殺戮者
一心不乱に敵を倒しまくるドゥームスレイヤー(主人公)だけど、探索要素もある。
ステージ上のわざと行きにくい場所には、シークレットアイテムや収集要素アイテム、新たな武器MODなどが隠されている。更に、主人公のステータスを強化できるポイントもある。
とは言っても、血眼になって探さなくてはいけないレベルではなく、視界に入ったり、ステージ全マップを解放すれば、地図上に表示される。
更に強くなる殺戮者
ノンストップで大暴れする主人公だけど、一息つく瞬間もある。
それが、拠点であるドゥームの要塞。
ミッションの合間に戻ってくると、要塞内の部屋が解放されていき、新たな武器などがアンロックされる。
また、成長要素もある。スドドドドドと銃乱射して戦っていると、武器ポイントを獲得することがある。
ポイントを消費して武器ごとにスキルツリーを解放してアップグレードしていくことが出来る。更に主人公の基礎ステータスのレベルアップやスキルの付け替えも出来る。
既に最恐であり最強に見える主人公だけど、まだまだ伸びしろがあるわけだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
3.0
私は、本作が初めての『DOOM』シリーズ。そもそも普段からFPS自体あまり経験しないんだけど。
シリーズ過去作を知っていれば、もちろん本作のストーリーはより理解しやすいと思う。
でも、理解できなくても何ら問題はない。逆にくどくど「この世界というのは、うんぬんかんぬん…」とはならず、最初から目一杯バトルが楽しめる。
でも、収集アイテムなどから世界の成り立ちやバックストーリーをテキストでしっかり読むことができる。
「ストーリー知りたい人はテキスト読んでね」「細かい事情が気にならないなら、とにかく目の前の敵を蹴散らせ!」とハッキリしている。
まあ、読んでも分かりやすいストーリーというわけではないんだけど。日本語翻訳はいい感じ。
キャラクターの魅力
3.5
主人公の傍若無人で悪魔蹴散らし、脳筋ぶりが気持ち良すぎる。常に「黙れ、悪魔は滅す!」という態度。
もはや敵の悪魔が可哀想になるくらい、問答無用で悪魔は全てぶっ潰す。
ここまで怖いもの知らずの主人公は、そうそういない。
操作性
4.5
私はFPSの経験が少ないので、最初はエイムはブッレブレでFPS特有の距離感が掴めず無駄にジャンプしてしまったりもしていた。
でも、不思議とかなりプレイしやすい。これが元祖FPSか!さすが!
ド派手でスピーディーな戦闘だけど、すごく丁寧に作り込まれている。
まず、酔わない。これ重要。
もちろん設定を自分好みに変える必要があるけれど、無駄な画面の揺れが排除されていて、視界も滑らかに動く。
また、主人公は常に大爆走していて移動スピードがとにかく速いんだけど、「何が何だか見えない!」とはならない。敵の配置とマップ構造が絶妙。
移動もファストトラベルも軽快なので、サクサクっと探索したり再挑戦できるのも良い。
面倒臭いと思うことが徹底的に排除されていて、でも武器やアクションの種類が多く単純にならない。
FPS経験が乏しい私でさえこれだけプレイしやすいと感じるのだから、すごく作り方が巧い。
難易度バランス
4.0
難易度は調節可能。
ミッション中でも変更可能なので、やさしめの難易度で立ち回りを覚えてから、難易度上げて再挑戦なんてこともできる。自分の上達っぷりに自己満足できる。
メレー攻撃で回復も銃弾補給もできるので、押せ押せ!攻めろ攻めろ!ゴリ押し上等な脳筋プレイで楽しめる。
また、マップは単調ではなく、高低差や隠し通路は入り組んでいたりと探索も楽しめる。
ゲームシステム
4.5
超爽快でド派手なバトル。でもそれだけじゃなくて、探索要素もあるし、成長要素もしっかり楽しめる。
シークレットエンカウントや収集アイテムなど探索で見つかるものは意外と種類が多い。ミッション後のリザルトでは、どれだけ探索できたか表示されるので、目標も分かりやすい。
バトル終了時の爽快感と達成感はハンパない。シリーズ初心者でもFPSに馴染みがなくても、確実に「オレ強えー!」気分を味わえる。
まさに、やみつきになるプレイ感覚。
やりこみ要素
4.0
1番のやり込みは、難易度をどこまで高くできるか。
同じミッションでも難易度を上げるためにプレイヤースキルを磨いていく。
武器やアクションの種類が多く、敵ごとに使い分ける必要もあるので、バトル中は頭も手も忙しい。エンカウントエリアでの出現してくる敵の数は大量で、バトル中は、もう無我夢中。
悪魔を倒しまくって悪魔の如く強くなる。これがドゥームスレイヤーの正しい姿(?)だ。
グラフィック
3.5
デーモンはどいつもこいつも凶悪な見た目でいい感じに気持ち悪いし、ステージはどこもかしこも大崩壊している。
地球が舞台なはずなんだけど、「いや、もはや地獄じゃん」って具合に崩壊してて、雰囲気バツグン。
グローリーキルの演出はド派手で、銃や爆弾で敵が吹っ飛ぶ様も大迫力。爽快感がハンパない。
画面全てが怪物の絶叫映像になるので、ゴア表現が苦手な人はご注意を。
サウンド
4.0
本作の1番の魅力である爽快感を盛り上げてくれるのは、ヘヴィでメタルなBGM。アドレナリン大放出でプレイできる。
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総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
初心者でも病みつきになるとっつきやすさ
ド派手で爽快なバトル
アドレナリン大放出する演出だらけ
残念なところ
物語は理解しにくい
物語要素は軽め
オススメな人
FPSが好き
FPSに挑戦してみたい
ド派手なバトルが好き
オススメではない人
ゴア表現が苦手
物語をじっくり楽しみたい
忙しいバトルは求めていない
悪魔退治といえば『Darksiders ダークサイダーズ』シリーズ。こちらも怖いもの知らずの主人公で、威勢がいい兄弟が大暴れするハクスラ要素のあるアクションアドベンチャーゲーム。
バトルスーツに身を包み、気持ち悪い化け物相手に銃とメレー攻撃で戦うなら『メトロイド』シリーズのサムスも最強。高評価メトロイドヴァニアゲーム。
DOOM ETERNAL
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