『デイヴザダイバー』レビュー: 時すでにお寿司おじさん – Dave the Diver
昼も夜も忙しすぎて楽しすぎるローグライクとシミュレーションどちらも味わえる中毒ゲーム『Dave the Diver デイヴ ザ ダイバー』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
デイヴザダイバー製品情報
タイトル | Dave the Diver デイヴ・ザ・ダイバー |
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開発元 | MINTROCKET |
対応機種 | PS5, PS4, Nintendo Switch、PC |
ジャンル | アドベンチャー, ローグライク, アクション, シミュレーション, 2D横スクロール, |
本稿ではPC版をレビューしている。
デイヴザダイバーの攻略
ストーリー
呼び出されたデイヴ ザ ダイバー
どこかの海岸でバカンスを楽しむお腹がタプッとした男性。彼が本作の主人公であるデイヴだ。
そこに威勢のいいコブラという名のおじいちゃんから電話がかかってくる。「すごい場所を見つけたぞ!ビジネスチャンスだぞ!」と電話の向こうでコブラおじいちゃんは息巻いている。
というわけで、誘われるがまま、デイヴはコブラの元にやったきた。
コブラが満面の笑みでデイヴを迎えた場所、そこは潜るたびに地形が変わるという不思議で海洋生物豊かなブルーホールだという。
ブルーホールとは、現実世界にもある海に穴が開いたのように見える突然水深が深くなっている場所のことだ。しかし、地形が変わるというのは初めて聞く話だな。
寿司職人バンチョとの出会い
そんな不思議なブルーホールで、コブラが一体何のビジネスをするつもりかというと、寿司屋を開くらしい。
しかも、既にバンチョという寿司職人を手配済みで、店舗もオープン可能な状態という準備の良さ。
というわけで、海から食材を確保するためにダイバーであるデイヴが呼ばれたというわけだ。
「え、ま、まぁ、やるしかないのかぁ」と押しに弱いデイヴの強制参加が決まった途端、大地震が起こった!
みんな無事ではあったものの、せっかく準備したお店の内装がボロボロになってしまった!これは前途多難な幕開けだ。
お寿司屋さん営業とブルーホールの謎
「これはオープン延期だな」とデイヴだけでなくプレイヤー側も判断したけれど、コブラは既に有り金全てを開店準備に注ぎ込んでしまったらしい。
そして強面で硬派な寿司職人バンチョは、とにかく寿司を握らせろと威圧してくる。
仕方ない。全てを押し付けられたデイヴは、見切り発車で食材調達とお寿司屋さんの切り盛りを始める。
しかし、謎の巨大生物の気配や、地形が変わる不思議なブルーホールに眠る秘密、そして海中で見つかる魚人族文明の存在など、お寿司屋さんどころではない穏やかではない事件が勃発し始める。
攻略のポイント
昼と夜で仕事が変わる
本作には時間と日にちの概念があり、日中と夜の2つの時間帯を交互にプレイすることになる。
日中は更に午前と午後に分かれており、各時間帯に1回ずつ海に潜って食材調達や探索が出来る。
午前も午後も時間は自動的に流れているのではなく、デイヴが海に潜って漁をしてボートに戻ると次の時間帯に変わる。どれだけ早くボートに戻っても午前もしくは午後は終わるというわけだ。
一方で、夜はお寿司屋さんの切り盛りを行う。お寿司屋さんを開店した途端に自動的に時間が流れ始め、営業終了時間になると日付が変わって翌日の午前に移行する。
この午前、午後、夜のサイクルを繰り返していくことになる。
ローグライク漁業
日中の漁業はローグライクアクション(ローグライト)だ。潜る度に海中の地形は変化しており、獲物である魚たちの居場所も変わる。
デイヴは、泳ぐ(移動)ことと、近接攻撃と遠距離攻撃で魚を獲ることが出来る。漁に使える武器は海中で拾うことが出来るけれど、海から上がると自動的に失ってしまう。
また、海中にいる間には刻々と酸素残量が減っていき、海洋生物に攻撃されたりダメージを受けた際にも酸素残量を一定量失ってしまう。
酸素残量が残り時間でありデイヴの体力というわけだ。しかし、海中に落ちている酸素タンクなどによって回復できる。
漁を終えて自力で海面まで戻るか脱出ポッドを利用して安全に帰った場合は、獲得した全ての食材やアイテムを持って帰ることが出来る。
しかし、酸素切れで海中で意識を失ってしまった場合は、獲得したアイテムから任意の1つだけ持ち帰ることができる。手に入れたその他のアイテムは全て失ってしまうので、帰り道まで考えて漁をしなければならない。
お寿司屋さんシミュレーション
夜のお寿司屋さんでのデイヴの役目はホール担当と運営だ。
デイヴを操作して、寿司職人が握ったお寿司を注文通りお客様に提供し、飲み物を注いでいく。お客様への提供が遅くなってしまうと、お客様は怒って帰ってしまう。
それだけではなく、昼に獲った魚からどのお寿司をいくつ出すかメニューを決めるのもデイヴの仕事だ。
営業時間中でも適宜メニューを切り替えることが可能。メニューによって料金も変わる。ただし、一旦出してしまった食材は残ると廃棄処分になってしまうため、食材の残量と営業時間の残り時間を見極めながらメニューを切り替えることも大事だ。
更にはスタッフの雇用や社員教育、お店の内装や新メニューの研究などもデイヴの裁量で決めることになる。
事業拡大とブルーホール探索
昼も夜も大忙しのデイヴだけど、お寿司屋さんの経営だけを気にしていればいいだけではない。
海中で武器を獲得すると設計図が集まり、さらに素材も集まったら新たな武器を作製したり(自分で作製した武器はダイビング後に失うことはない)、特定の海洋生物を自然保護団体に寄付したり、お宝を手に入れて資金の足しにすることもできる。
また、海中を探索して魚人文明を解明するなどブルーホールに関するメインストーリーを進めることも忘れてはいけない。
更に、お寿司屋さんにはVIP客が来店することがあり、VIPな特殊なメニューを作る食材を集めなければならないこともある。
各要素は一筋縄で攻略できないものが多く、お寿司屋さんで稼いだ資金で酸素タンク容量を増やすなどデイヴ自身のアップグレードを怠らないことが大切。
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デイヴザダイバーの評価
物語の面白さ
デイヴの毎日は、ひたすら海とお寿司屋さんを行ったり来たりだ。
デイヴはもはやプライベートな時間もなく働いており、ドラマが起こる暇もない。ひと通りのことを覚えたら同じことの繰り返しになってしまいそうだ。
ところが、魚人伝説や凶暴な怪物の出現など、ちゃんと真相や先が気になる物語が用意されている。
そう、デイヴには仕事上のドラマがたくさん待ち受けている。
笑える展開や演出が多くて思わずクスクス笑ってしまうし、物語の調子は常に軽快で明るく楽しい雰囲気でプレイできる。
キャラクターの魅力
まず、主人公のデイヴ。
押しに弱く、面倒ごとに巻き込まれがちな体質だ。コメディタッチな物語にぴったりな主人公。ヒゲとぽてっとしたお腹がチャーミングなダイバーだ。
デイヴ自身はのほほんとした性格だけど、身一つで鮫に立ち向かわされたり、危険な遺跡に挑まされたり、大変な目に遭わせられまくるのが面白い。
NPC達は、かなりかなーり濃いキャラ揃い。
物騒なおじいちゃん、ひたすら全てに厳しく漢な寿司職人、超絶オタクな武器作製屋、無理難題ふっかけてくる自称研究者達、過激すぎる自然保護団体。
そして、VIP客達も個性強め。ぶっ飛んだ著名人が多い世界だ。
しかも、その全員が真剣な面持ちで笑わせてくる。本人たちは至って真剣なので、全員ギャグ漫画のようなキャラの濃さだ。
操作の快適さ
昼と夜でゲームプレイはガラリと変わるけれど、それぞれ操作方法はシンプル。チュートリアルも丁寧だ。
獲物となる魚は大小様々で、アクション自体はシンプルだけど当たり判定は正確。小さい魚に銛を当てるのはなかなか大変だ。
ダイビング中は、持ち物に重さの概念があり、容量超えすると、ちゃんとデイヴの動きが鈍くなる。
お寿司屋さんでは、早くお寿司を提供しようと端から端まで走ることもあるけれど、デイヴにはスタミナゲージがあり、サクサク攻略とはいかないのが面白いところ。
また、サブクエストや強化など要素が多いものの、メニュー画面がスマホのアプリを模していてとっつきやすく分かりやすい。
ただ、クエスト以外の武器素材や保護団体への納品物など、クエスト以外の任意の物の必要数がピン留めできないのはやや不便(採った時に一瞬表示はされる)。
そして、ランダムマップのランダムさは低めなので、潜るたびに新鮮という感覚は徐々に薄れていく。
難易度バランス
昼は酸素残量、夜は営業終了時間が決まっていることによって、常に良い緊張感が味わえる。
とはいっても、制限時間に追われるピリピリしたプレイになるものではなく、あくまでもゲームのテンポを支えてくれる遅くも早くもない程度の時間の流れだ。
一方で、ゲーム進行に関わるクエストは徐々に難しくなっていく。日にち制限があるVIP客のリクエストは更に大変。
でも、お寿司屋さんの経営は厳しくはなく、大物ばかり狙わなくても何かしらの魚を獲っていれば着実にお金が稼げる。
デイヴのアップグレードなど出費もかさむけれど、そうした費用はぬるくなく厳しすぎもしない良い価格設定だ。漁はアップグレードによる効果がしっかり効くローグライトなので、よほどサボらなければ着実に漁は楽になっていく。
「効率を求めすぎず、毎日コツコツとお寿司屋さんやろうぜ!」な経営方針で十分に攻略できる。
それぞれの要素の面倒くささがちょうど良くて、良い難易度バランスだ。
ゲームシステムの面白さ
昼はローグライトな探索とアクションと、夜は時間管理もあるシミュレーション。昼夜でゲームプレイががっつり変わる。これが本作最大の魅力。
しかも、どちらも時間制限があるというのが上手いところ。
お寿司屋さんではメニューとして出した食材は売れ残ると廃棄となるので、無駄なく儲かるようにメニューを決めるストラテジー要素も楽しめる。
どちらももうちょっとプレイしていたい。でも、飽きる隙もなく次が始まる。だから、また次の日もプレイしたくなる。これを繰り返すうちに先が気になる物語も進んでいく。
気がついたら既に時間が溶けていた。おじさんダイバー物語にどっぷりハマってしまった。
それぞれの要素が絶妙バランスで組み込まれていて、忙し楽しさがずっと続く中毒性が高いゲームだ。
やりこみ要素の楽しさ
より多種類の魚を獲るのがダイバーとして最大のやり込み要素。新種を獲るとカード状の図鑑が埋められていく。
また、様々な武器を作るのもやり込み要素。様々な武器が用意されていて、銃は強力だけど獲得できる食材量が減ったり、生け捕りが求められることもあるので、攻略上でも必要となるやり込み要素だ。
お寿司屋さんとしては、インテリアに凝ったり、VIP客のストーリーを追うのもやり込み要素だ。
そして、保護団体への寄付を進めていくと報酬をもらうことが出来るので、やる気が湧きやすい。
農業も登場したり、他ゲームとのコラボなど発売後も様々なアップデートが配信されていて、やり込み要素が豊富!
グラフィックの芸術性
ポップで可愛いピクセルアートグラフィックで描かれる。この見た目のとっつきやすさも本作の魅力だ。
カットシーンも全てピクセルアートで描かれており、わざとシリアスな調子に描かれている場面も多く余計に笑いを誘ってくる。
新たな料理レシピをアンロックする時には、寿司職人バンチョの硬派でプロフェッショナルな映像が流れる。カットシーンはスキップ可能だけど、ついつい毎回見たくなってしまう面白さ。
海中は美しくて、小さな魚から大きな魚まで入り乱れていて綺麗。
ただ、本作に慣れれば慣れるほど、「あの魚は高いネタ、この魚は安いネタ」という邪な目で見るようになってしまう。
サウンドの魅力
BGMは穏やかな曲調で本作の雰囲気にぴったりだ。
ただ、曲数はあまり多くはない。
メニュー画面であるデイブのスマホではサウンドトラックを聴くことできる。それを使って、潜る時のBGMを変更できるといった機能があるとより楽しくなると思う。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
デイヴザダイバーレビューのまとめ
おすすめな人
- 忙しいゲームプレイが好き
- シミュレーションゲームが好き
- コメディな物語や雰囲気が好き
おすすめではない人
- 制限時間があるゲームは苦手
- ローグライクかシミュレーションかどちらかだけ楽しみたい
- 笑いに走られると冷めてしまう
総合評価良いところ&残念なところ
- 昼夜で全く異なるゲームプレイが楽しめる
- ゲームプレイも物語もテンポが良く中毒性が高い
- やり込み要素が豊富
- ランダムマップのランダムさが低め
デイヴザダイバーが好きならおすすめゲーム
関連ゲーム
Dredge ドレッジ
本作と雰囲気は全く異なるけれど、こちらも漁業がメインのシミュレーション要素のあるアドベンチャーゲーム。
こちらはアドベンチャー寄りのゲームで、不気味な怪物が潜む海の秘密に迫っていく物語が体験できる。
本作に、コラボコンテンツが登場している。
似ているゲーム
Moonlighter
シミュレーションもローグライトも楽しめるゲームなら、こちらもおすすめ。
夜はダンジョン探索してアイテムを集め、昼はお店でアイテムを売るという二足わらじ生活が楽しめる高評価作。
Cult of the Lamb
こちらもシミュレーションとローグライクアクションが楽しめる人気作。
カルト教団を運営し教徒の生活を管理しながら、ダンジョン探索していく。
ダンジョン探索中も拠点で信徒たちの生活が自動で進むのが難しさであり面白さ。
Dave the Diver デイヴ・ザ・ダイバー
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