『Dave the Diver デイヴ ザ ダイバー』とは、MINTROCKETが開発したローグライトアクション要素のあるシミュレーションゲーム。
2D横スクロールでプレイする。
本作は、PCでプレイ可能。私はPC版をゲームパッドでプレイ。
2023年10月26日には、Nintendo Switch版の発売も予定されている。
本作がどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
呼び出されたダイバー
どこかでバカンス中の、お腹がタプッとした男性。本作の主人公デイヴだ。
ところが、そこに威勢のいいコブラという名のおじいちゃんから電話がかかってくる。
「すごい場所を見つけたぞ!ビジネスチャンスだぞ!」と電話の向こうで息巻くおじいちゃん。
というわけで、誘われるがままコブラの元にやったきたデイヴ。
そこは、潜るたびに地形が変わる海洋生物豊かなブルーホールだという。
ブルーホールとは、一般的に海に開いた穴のように見える突然水深が深くなっている場所のこと。
しかし、地形が変わるというのは初めて聞く話だ。

寿司職人との出会い
そんな不思議な場所で、コブラが何をするつもりかというと、寿司屋を開くらしい。
しかも、既に寿司職人は手配済みで、店舗もオープン可能な状態という準備の良さ。
というわけで、食材確保のためにデイヴが呼ばれたというわけだ。
「え、ま、まぁ、やるしかないのかぁ」と押しに弱いデイヴの強制参加が決まった途端、大地震が起こる!
そして、お店の内装はボロボロに!

お寿司トラブル
「これはオープン延期だな」とプレイヤーもデイヴも思ったけれど、おじいちゃんは有り金全て開店準備に注ぎ込んでしまったらしい。
強面で硬派な寿司職人バンチョは、とにかく寿司を握らせろと威圧してくる。
仕方ない。見切り発車で、デイヴは食材調達とお寿司屋さんの切り盛りを始める。
しかし、デイヴのお寿司屋さん経営は前途多難だ。
謎の巨大生物の気配や、地形が変わる不思議なブルーホールの秘密、そして海中で見つかる魚人族文明の存在など、穏やかではない事件が勃発し始める。

ゲームの特徴Features
昼と夜

本作は、ゲーム内に時間と日にちの概念があり、日中と夜の2つの時間帯に分かれている。
日中は更に午前と午後に分かれていて、それぞれの時間帯で1回ずつ海に潜って食材調達や探索が出来る。
午前も午後も時間は自動的に過ぎるのではなく、デイヴが海に潜ってからボートに戻ると次の時間帯に変わる。どれだけ早くボートに戻っても午前もしくは午後は終わりになる。
夜は、お寿司屋さんを開店するを選択すると自動的に時間が流れ始め、営業終了時間になると日付が変わって翌朝に移行する。
この午前、午後、夜のサイクルを繰り返していくことになる。
漁業

日中の漁業はローグライトだ。潜る度に地形は変化し、獲物である魚たちの居場所も変わる。
デイヴは、泳ぐ(移動)ことと、近接攻撃と遠距離攻撃で魚を獲ることが出来る。
武器は海中で拾うことが出来るけれど、海から上がると失ってしまう。
また、海中にいる間には刻々と酸素残量が減っていき、敵意のある魚に攻撃された時も酸素残量を一定量失う。
酸素残量が残り時間でありデイヴの体力というわけだ。海中に落ちている酸素タンクなどによって回復はできる。
海面まで戻るか脱出ポッドを呼ぶなど安全に帰った場合は、獲得した全ての食材やアイテムを持って帰ることが出来る。
しかし、酸素切れになると、持ち物1つだけ持ち帰ることができて、他は全て失ってしまう。
お寿司屋さんホール担当

夜のお寿司屋さんでのデイヴの役目はホール担当と運営。
職人が握るお寿司をお客様に提供し、飲み物を注いでいく。提供が遅くなってしまうと、お客様は怒って帰ってしまう。
それだけではなく、昼に獲った魚からメニューとして何を出すかを決めるのもデイヴの仕事。
営業時間中にメニューの食材を使い切ったら、食材がある他のメニューに切り替えなければならない。全てなくなってしまうと海苔巻きを提供することになる。
更にはスタッフの雇用と社員教育、お店の内装や新メニューの研究などもデイヴの裁量で決めることになる。
事業拡大

昼も夜も大忙しのデイヴだけど、お寿司屋さんを経営すればいいだけではない。
海中で武器を獲得すると設計図が集まっていくので素材を集めて新たな武器を作製したり(自分で作製した武器はダイビング後に失うことはない)、特定の海洋生物を自然保護団体に寄付したり、お宝を手に入れたらお金に変えることもできる。
また、海中を探索して魚人文明を解明するなど物語も進めていく。
お寿司屋さんにはVIP客が来店することもあり、特殊なメニューを作る食材を集めなければならないこともある。
各クエストは一筋縄では攻略できないものも多く、売上金を使って酸素タンク容量を増やすなど、デイヴ自身のアップグレードも大切。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
本作は、ひたすら海とお寿司屋さんの行ったり来たり。
デイヴは、もはやプライベートな時間がないレベルで働いていて、ドラマが起こるような生活ではない。
ひと通りのことを覚えたら同じことの繰り返しになりそうなゲームだ。
ところが、魚人伝説や凶暴な怪物など、ちゃんと真相や先が気になる物語が用意されている。
そう、デイヴには仕事上のドラマがたくさん待ち受けている。
笑える展開や演出が多くて思わずクスクス笑ってしまうし、物語の調子は軽めであり、常に明るい雰囲気でプレイできる。
キャラクターの魅力

4.0
まず、主人公のデイヴ。
押しに弱く、面倒ごとに巻き込まれがちな体質だ。コメディタッチな物語にぴったりな主人公。
彼自身は、のほほんとしてるんだけど、身一つで鮫に立ち向かわされたり、危険な遺跡に挑まされたり、大変な目に合わされまくるヒゲとぽてっとしたお腹がチャーミングなダイバーだ。
NPC達は、かなりかなーり濃い。
物騒なおじいちゃん、ひたすら武士で漢な寿司職人、超絶オタクな武器作製屋、無理難題ふっかけてくる自称研究者達、過激すぎる自然保護団体。
その他、VIP客達も個性強め。
全員真剣な面持ちで笑わせてくる。全員ギャグ漫画のようなキャラの濃さだ。
操作性

4.0
昼と夜でゲームプレイはガラリと変わるけれど、それぞれ操作方法はシンプル。
チュートリアルも丁寧。
獲物となる魚は大小様々で、アクション自体はシンプルだけど、当たり判定は正確。小さい魚に銛を当てるのはなかなか大変だ。
ダイビング中は、持ち物に重さの概念があって、容量超えすると、ちゃんとデイヴの動きが鈍くなる。
お寿司屋さんでは、早くお寿司を提供しようと端から端まで走ることもあるけれど、デイヴにはスタミナゲージがちゃんとあって、サクサクとはいかないのが面白いところ。
また、メニュー項目は多いものの、スマホのアプリを模していて分かりやすくい。
ただ、クエスト以外の武器素材や保護団体への納品物など、クエスト以外の任意の物の必要数がピン留めできないのはやや不便(採った時に一瞬表示はされる)。
それと、ランダムマップのランダムさは低めなので、潜るたびに新鮮という感覚は薄れていく。
難易度バランス

新レシピなどが追加されていく
4.5
昼は酸素残量、夜は営業時間によって、常に良い緊張感が味わえる。
とは言っても、制限時間に追われるピリピリしたプレイになるものではなく、あくまでもゲームのテンポを支えてくれる遅くも早くもない程度の時間の流れだ。
また、お寿司屋さんの経営は厳しくはなく、大物ばかり狙わなくても、魚を獲っていればお金が稼げる。
デイヴのアップグレードなど出費もかさむけれど、ぬるくなく厳しすぎもしない良い価格設定だ。
一方で、ゲーム進行に関わるクエストは徐々に難しくなっていく。日にち制限があるVIP客のリクエストは更に大変。
しかし、海中探索はローグライトなので、よほどサボらなければ着実に漁は楽になっていく。
「効率を求めすぎず、毎日コツコツとお寿司屋さんやろうぜ!」な経営方針で十分に攻略できる。
それぞれの要素の面倒くささがちょうど良くて、良い難易度バランスだ。
ゲームシステム

4.5
昼のローグライトな探索とアクションと、夜の時間管理含むシミュレーション。
昼夜でゲームプレイががっつり変わる。これが本作最大の魅力。
しかも、どちらも時間制限があるというのが上手いところ。
飽きる隙もなく次が始まる。そして、どちらももうちょっとやりたい。だから、また次の日もプレイする。
そうしているうちに先が気になる物語も進んでいく。気がついたら既に時間が溶けている。おじさんダイバー物語にどっぷりハマっている。
お寿司屋さんではメニューとして出した食材は売れ残ると廃棄となるので、無駄なく儲かるようにメニューを決めるストラテジー要素も楽しめる。
それぞれの要素が絶妙バランスで組み込まれていて、忙し楽しいがずっと続く中毒性が高いゲームだ。
やりこみ要素

4.5
より多種類の魚を獲るのがダイバーとして最大のやり込み要素。新種を獲るとカード状の図鑑が埋められていく。
また、多種類の武器を作るのもやり込み要素。様々な武器が登場する。銃は強力だけど獲得できる食材量が減ったり、生け捕りが求められることもあるので、攻略上でも必要となるやり込み要素だ。
お寿司屋さんとしては、インテリアに凝ったり、VIP客のストーリーを追うのもやり込み要素だ。
そして、保護団体への寄付を進めていくと報酬をもらうことが出来るので、やる気が湧きやすい。
やり込み要素が豊富!
グラフィック

4.0
ポップで可愛いピクセルアートグラフィック。
カットシーンも全てピクセルアートで描かれているんだけど、わざとシリアスに描かれていて余計に笑いを誘う。
新たな料理レシピをアンロックする時など、寿司職人バンチョの硬派でプロフェッショナルで厳格な映像が流れる。カットシーンはスキップ可能だけど、ついつい毎回見たくなってしまう面白さ。
海中は美しくて、小さな魚から大きな魚まで入り乱れていて綺麗。
ただ、本作に慣れれば慣れるほど、「あの魚は高いネタ、こっちは安いネタ」という邪な目で見るようになってしまう。
サウンド

4.0
BGMは穏やかな曲調。本作の雰囲気にぴったりだ。
ただ、曲数はあまり多くはない。
メニュー画面であるデイブのスマホではサウンドトラックを聴くことできる。それを使って、潜る時のBGMを変更できるといった機能があると良かったな。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
昼夜でゲームプレイが全く違う
テンポが良く中毒性が高い
難易度バランスが絶妙
残念なところ
ランダムマップの種類が豊富ではない
オススメな人
忙しいゲームプレイが好き
シミュレーションゲームが好き
楽しい気分になりたい
オススメではない人
制限時間があるゲームは苦手
コメディな物語には冷めてしまう
ローグライクかシミュレーションかどちらかだけ楽しみたい
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Moonlighter ムーンライター
シミュレーションもローグライトも楽しめるゲームなら、こちらもおすすめ。夜はダンジョン探索してアイテムを集め、昼はお店でアイテムを売るという二足わらじ生活が楽しめる高評価作。


Dredge ドレッジ
漁業がメインのシミュレーションとアドベンチャーを楽しむなら、こちらもおすすめ。こちらはアドベンチャー寄りのゲームで、不気味な怪物が潜む海の秘密に迫っていく物語が体験できる。




Dave the Diver デイヴザダイバー
時すでにお寿司おじさん
ローグライトな漁とストラテジー要素もあるお寿司屋さん経営のシミュレーションどちらもが楽しめるゲーム。
それぞれが良いバランスの難易度で絶妙にブレンドされていて、時間を忘れて続けてしまう中毒性が高いゲーム。
先が気になりつつも笑えるネタ満載の明るい物語やピクセルアートグラフィックも魅力。
Dave the Diver デイヴザダイバー
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