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『エンダーリリーズ』レビュー: 魂と歩む悲劇の王国 – ENDER LILIES: Quietus of the Knights

エンダーリリーズ ender lilies レビュー 騎士の記憶
Ender Lilies 評価 レビュー

主人公自身は攻撃できないバトルと悲劇の物語がしっかり歯ごたえで楽しめるメトロイドヴァニア『ENDER LILIES: Quietus of the Knights エンダーリリーズ』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。

本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。

Index

エンダーリリーズ製品情報

タイトルENDER LILIES: Quietus of the Knights
エンダーリリーズ
開発元Live Wire, Adglobe
対応機種PS4, Nintendo Switch, Xbox, PC
ジャンルメトロイドヴァニア, 2D横スクロールアクション
シリーズENDER エンダー

本作はエンダーシリーズ第1作目であり、続編となる『エンダーマグノリア: ブルームインザミスト』も発売されている。

本稿では、PS4版をレビューしている。

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エンダーリリーズの攻略

ストーリー

真っ白なリリィ

エンダーリリーズ ender lilies レビュー リリィと黒衣の騎士の出会い

ゲームが始まると、廃墟のような場所で少女が目覚める。少女は白いワンピースを着ており、その長い髪の毛は真っ白だ。

そんな彼女に声をかけたのは黒衣の騎士。少女は騎士に声をかけられて目を覚ましたようだ。

この騎士は、か弱い少女を守ってくれようとしているんだろうか。

と、思いきや、黒衣の騎士は実体はなくなっており、赤い蛍のように少女の周りを飛びながらついて来る。

壊滅した果ての国

エンダーリリーズ ender lilies 死の雨が降る果ての国

本作の舞台は、果ての国

ずっと雨が降っているけれど、そういう土地柄というわけではない。降っているのは、実は死の雨だ。死の雨は人間を穢者(けもの)に変えてしまう恐ろしいものだ。

更にその穢者を倒すために禁術に手を出した不死の戦士たちが彷徨っており、もはや果ての国はほぼ崩壊している。

白い巫女リリィの行く末

エンダーリリーズ ender lilies 穢者を浄化するリリィ

そんな崩壊した国を進んでいく主人公だけど、彼女には全く記憶がない。

しかし、黒衣の騎士にリリィと呼ばれるこの少女は、実は白い巫女と呼ばれる特殊能力者の1人だ。穢れを浄化することができる。

リリィは穢れた人々を浄化しながら、果ての国に眠る記憶を辿っていく。一体この国で何が起こったのか。

全く枯れる気配のない降り注ぐ死の雨の真実を求めて、リリィは果ての国の奥深くへと進んでいく。

攻略のポイント

リリィのメトロイドヴァニア

エンダーリリーズ ender lilies レビュー マップ画面

本作は、メトロイドヴァニアゲームだ。

各地で待ち構えているボスを倒すと新たな移動スキルを習得し、探索できる場所が広がっていき、訪れた場所はマップが開示されていく。

また、マップ画面では、各部屋は青色で表示されるけれど、その部屋のアイテムなどを全て手に入れるとマップがオレンジ色になり、探索が完了したことが分かるようになっている。

リリィは攻撃できない

エンダーリリーズ ender lilies 敵を攻撃する騎士

本作では、移動などプレーヤーが直接操作するのはリリィだけど、敵を攻撃するのは浄化した魂たちだ。

ボスやエリート雑魚敵を倒すと、その魂が仲間となり、スキルとして装備することができる。こうして装備した仲間達がリリィの傍に現れて武器攻撃やスキルを使用して敵を攻撃することになる。

PS版だと□ボタン、△ボタン、○ボタンに対応する3種類のスキル(魂)を装備できる。どの仲間を装備するか組み合わせは自由だ。

そして、各ボタンを押すと、剣、槍、大剣などそれぞれの魂が持つ武器で攻撃してくれる。

攻撃時には、リリィは「きゃー!なんてことするのー!」みたいな感じで怯えている。発動してるのは彼女自身なんだけど。

魔法弾や自動攻撃してくれる犬など特定の仲間は、使用回数や出現時間が限られている。この使用回数は、セーブポイントで休むと全回復する。

強くなるリリィと魂

エンダーリリーズ ender lilies セーブポイントでのメニュー画面

本作では、敵を倒すと経験値が手に入る。

一定量獲得すると、リリィがレベルアップして攻撃力が上がっていく。

さらに、上述した各魂のスキルは強化することが出来る。

各地に隠されている残滓と呼ばれるアイテムを消費して各スキルをアップグレードができるけれど、残滓は数に限りがあるので、どのスキルをどのくらい強くするかはプレイヤー次第だ。

また、各スキルには奥義がある。敵に攻撃を当てまくって奥義ゲージが溜まると、強力な技を発動することが出来る。

更に、装備品もあり、各地で拾うことができるレリックを装備することで、攻撃力が上がるなどのステータスボーナスが得られる。

エンダーリリーズの評価と感想

物語の面白さ

エンダーリリーズ ender lilies NPCとの会話

最初からずっとずーっと悲劇。

起承転結の区切りなんてぶっ飛ばして、端から端まで悲劇てんこ盛り。

悲劇過ぎて鬱々としそうにもなるけれど、徐々にこの国に起きたことや世界設定が分かってくるのが面白い。

会話ではなく人の記憶を辿っていくことで、複雑な人間関係や国の事情が明らかになるという描き方なので、捜査しているような感覚で物語が楽しめる。

世界設定はしっかり練られており、各キャラたちの悲劇の思い出を追体験し、切なさたっぷりの物語が楽しめる。

悲劇が好みなら感情移入できる物語だけど、盛り上がりや大筋の抑揚には欠けるのでドラマティックな演出や暗い雰囲気が苦手な人は単調に感じると思う。

キャラクターの魅力

エンダーリリーズ ender lilies 騎士の記憶

上述のとおり、出会う人はみんな悲劇な過去を持っている。

それぞれ経緯は違えども、ボスとなってしまった穢者たち含め悲劇的な最期を迎えている人ばかりだ。

本作をプレイしていると、色んな悲劇パターンの詰め合わせをドーンと手渡される感覚になった。

確かに切なくてしんみりはするけれど、「今度はそういう悲劇できましたか」とやや食傷気味になることもあった。

また、ボスを倒すとその人の記憶がカットーシーンと共に語られる。

本作の陰鬱な雰囲気のなかで突然コメディな記憶が登場したらおかしいけれど、そうはいっても一本調子な印象を受けた。正直なところ、みんな同じ雰囲気の記憶で、ひたすら悲劇だ。

例えば幸せだった頃の記憶や熱い戦いの記憶などが織り交ぜられていると、この世界の様々な面が味わえたと思う。

操作の快適さ

エンダーリリーズ ender lilies 深淵の番人へニールとのボス戦

ボタンを押すたびに武器を持った幻影が登場して、攻撃するのはその幻影だと!?

というわけで、「ラグがありそう、もったりしてそう」とプレイする前はちょっと心配していたけれど、完全な取り越し苦労だった。

サックサクだ。ボタンを押した瞬間に魂が現れるし、なんなら現れながら攻撃してくれている。死してなお、働き者の騎士たちだ。

というわけで、操作性はめちゃくちゃ良い。リリィはもじもじしていそうに見えて、きびきび移動できる。

スキルによって攻撃発動が遅めになったり素早かったり挙動も変わるので使い分けるのも面白いし、操作してるだけで楽しい。

難易度バランス

エンダーリリーズ ender lilies 狂い騎士ウルヴとのボス戦

本作は、セーブポイントに触れると全回復し、使用回数に上限がある体力回復できる「祈り」の回数も全回復する。しかし、雑魚敵は全て全復活する。

ボスはしっかり強くて、攻撃パターンを見極めて立ち回らないとすぐ死ぬし、地形ダメージ満載の嫌なエリアもある。

ソウルライクっぽい。でも、いわゆる死にゲーのような高難易度さではない。

でも、デスペナルティはないし、便利なスキルやレリック、HP上限アップアイテムも手に入る。

私は探索しまくって強くなりすぎてしまい、ラスボス戦が甘くなってしまった。それくらい探索するほど確実に強くなれる

ゲームシステムの面白さ

エンダーリリーズ ender lilies グラップリングフックで探索するリリィ

メトロイドヴァニアとして、がっつりしっかり面白い。

マップ全体の大きさは十分広く、隠されているアイテムや行けそうで行けない場所も豊富。

進む順番はある程度決まっているけれど、「あっちにもこっちにも進める!」という感覚でプレイできるので、探索好きとしては病みつきになった。

かなり夢中になってプレイした楽しい楽しいメトロイドヴァニアだ。

そして、主人公自身が戦わないというのが独特で新鮮だった。

敵からダメージを受ける当たり判定(リリィ自身)と、攻撃判定(魂が現れた位置)がズレていて、それを利用して敵との間合いを見極めたり、本作ならではの立ち回りを考えるのが面白い。

やりこみ要素の楽しさ

エンダーリリーズ ender lilies スキル強化画面

まず、あちこちにアイテムがたくさん隠されているので、探索しごたえがある。読み物もたくさん落ちている。

また、本作はマルチエンディングとなっている。

真エンディングの条件は達成しやすいので、すべての結末を見てみるのがおすすめ。

また、スキルやレリックの種類も多いので、自分の好きなスキルと装備セットを組み立てるのもやり込みとして面白いところ。

グラフィックの芸術性

エンダーリリーズ ender lilies ミーリエルに奥義を放つ騎士とリリィ
リリィの勇ましい奥義ポーズ

鬱々としてるものの幻想的な雰囲気で、繊細で綺麗な線のイラスト調グラフィックで描かれている。

騎士に抱き抱えられてダッシュしたり、奥義の時には仲間と共にビシィッとポーズを決めたり、リリィの仕草はかなり細かく作り込まれている。

背景もしっかり描き込まれていて、死の雨という恐ろしい成分が含まれているものの水の表現が特に美しい。

ただ、物語と同じく背景も悲劇2000%なので、どのエリアも同じ雰囲気になってしまっていて、ちょっと一辺倒な感じもしてしまう。

完全に個人的な好みだけど、本作のキャラデザインはあまり好みではないので、残念ながら「お気に入り!」とはならなかった。

ゲームプレイはかなり面白いので、あくまでも好みの問題だ。

サウンドの魅力

エンダーリリーズ ender lilies 騎士の記憶に触れるリリィ

サウンドも物語やグラフィックと同じく、ずっと悲劇だ。

悲しく美しいメロディの曲が多いけれど、ボス戦でも曲調が変わらないのは、うーん。

ボスの最終形態になると少し曲調が変わるけれど、それでもいまいち気分が盛り上がらない。

ボス戦だけでも壮大なり燃えるなりカッコイイなり戦う気持ちが盛り上がる曲だったら、ゲームに抑揚が生まれて良かったと思う。

サントラはこちら

メインアーティスト:Binary Haze Interactive & Mili
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エンダーリリーズレビューのまとめ

おすすめな人

  • メトロイドヴァニアが好き
  • 強いボスと戦いたい
  • 悲劇が好き

おすすめではない人

  • 主人公自身が戦ってほしい
  • 派手な演出やドラマチックな展開が欲しい
  • 難易度が高めのアクションが苦手

総合評価良いところ&残念なところ

ENDER LILIES: Quietus of the Knights
『エンダーリリーズ』レビュー: 魂と歩む悲劇の王国 - ENDER LILIES: Quietus of the Knights
総合評価
( 4 )
メリット
  • 探索が楽しいマップ構造とアイテム配置
  • 主人公と攻撃者が異なる独特な間合いが楽しめるバトル
  • 探索するほど強くなれる
デメリット
  • ずっと悲劇で同じ雰囲気が続く
  • レベルが上がりすぎると難易度バランスが崩れやすい
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エンダーマグノリア: ブルームインザミスト

本作の続編。主人公は変わるものの、本作の数十年後の物語が描かれる。
こちらでは不死の騎士ではなく、人造生命体であるホムンクルスが活躍する。

Redemption Reapers

本作開発元が手がけたストラテジーゲーム。
本作とゲーム性は全く異なるけれど、こちらでも悲劇成分多めな物語や歯ごたえのある難易度が味わえる。

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Hollow Knight

歯ごたえが楽しめるメトロイドヴァニアならこちらもおすすめ。
こちらは崩壊した虫の王国が舞台で、探索も死にゲー難易度なバトルも楽しめる名作。

Ender Lilies エンダーリリーズ
©Binary Haze Interactive Inc.
https://ja.enderlilies.com

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この記事を書いた人

Taca KGO
運営者

どんなジャンルにも飛びつき、探索好きな涙もろい大人ゲーマー。世界中のゲーム情報をチェックするのも大好き。

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