FF7リバースレビュー: 最高級のキャラの濃さ頂上決戦『FINAL FANTASY VII REBIRTH』
名作FF7リメイク第2部は更に豪華で濃密に!オリジナル版の物語を超えて記憶を塗り替えていくFF7リバース『FINAL FANTASY VII REBIRTH』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
FF7リバース製品情報
タイトル | FINAL FANTASY VII REBIRTH ファイナルファンタジーVII リバース |
---|---|
開発元 | SQUARE ENIX |
対応機種 | PS5 |
ジャンル | RPG |
シリーズ | ファイナルファンタジー FF |
本作は、初代PSで発売された名作RPGであるFF7リメイク3部作の第2部にあたる。
前作『FF7 Remake』から話ががっつり続いているため、物語をしっかり楽しむなら前作からプレイする方がおすすめ(一応、メニュー画面からおさらい動画を見ることは出来る)。
本稿は、オリジナル版も前作とその追加DLCもクリア済みの上でレビューを行っている。
FF7リバースの攻略
ストーリー
ミッドガルから脱出したクラウド達
前作の内容をざっくりかいつまんで書くと、前作でも本作でも主人公であるクラウドは、巨大都市ミッドガルで仲間と共に神羅カンパニー相手に喧嘩を売り大暴れしたという物語が描かれた。
神羅カンパニーとは、星の生命である魔晄を地中から抽出しエネルギーとして利用し大儲けしている巨大企業だ。モラルのモの字もないような経営方針で敵も多いけれど、国家並みの力を持っている。
さらに、クラウドの宿敵であるセフィロスが登場したり、クラウドが女装したり、オリジナル版の筋書きを守ろうとするような謎のフィーラーに取り囲まれるなど、ミニゲームにうつつを抜かしながらもトラブル続きの模様が描かれた。
しかし、壮大なラスボス戦を経て、ミッドガルから脱出したクラウドたちはカームという街に身を寄せていた。
神羅に追われながら、セフィロスを追いかける
セフィロスに故郷ニブルヘイムを焼き討ちにされたというクラウドの思い出話を交えつつ、カームでひと息ついていた御一行だったけれど、神羅の捜索部隊がカームにやって来る。
クラウド達はミッドガルを文字通りめちゃくちゃにした犯人だ。クラウド達は立派なお尋ね者になっている。プライドの高い神羅がまず許してくれるわけがないだろう。
しかし、権力と金でゴリ押すタイプの神羅にはアンチが多く、クラウドはそうした人達の助けも借りながらカームを後にして広い世界へと進んでいくことになる。
クラウドたちが向かう先は、セフィロス!本星はもはや神羅ではない。
私怨やら大義やら使命やら仲間それぞれの想いは違えども、星を我が物にしようと画策するセフィロスを叩きのめさなければならない。
ライフストリームと星の運命
オリジナル版を知っている人なら、上記のあらすじなんて「既に知ってますけど」状態だろう。
しかし、クラウド達は前作で星の運命(たぶんオリジナル版の筋書きのこと)を守るフィーラーを倒してしまっている。
ここから何が起こるのかは未知数だ。
「あれ?今やってるのってクライシスコアじゃないよな?」と思わず確認してしまう前日譚の主人公ザックス含め、いるはずのない人がいたり、「きみの出番はまだだろ!」という人が顔を出してしまったりもする。
リメイクされたクラウドが辿る道は、一体どこへ繋がっていくのだろうか?
攻略のポイント
章立てで世界を旅する
本作の物語は、いくつかの章に分かれている。
しかし、道のりは1本道というわけではなく、各章の舞台となるそれぞれのワールドエリアは自由に探索しながら進んでいくことが出来る。
探索に関しては、ほぼチャドリーの独壇場だ。チャドリーとは前作から登場するサイボーグ少年で、ワールドレポートと呼ばれる探索やバトルを行ったデータを欲しがっており、攻略すると報酬をくれる。
周囲一帯の探索するべきスポットを洗い出してくれる通信塔の起動や、希少種モンスターの討伐、そのエリアの歴史が開示されるライフストリームの泉など、サブクエスト含め様々な寄り道要素が楽しめる。
また、道中では素材を拾うことができて、アイテムや装備品をクラフトすることもできる。
仲間と連携するアクションバトル
本作では、敵と遭遇するとシームレスにバトルが始まる。アクションバトルとコマンドバトルが融合したバトルシステムが特徴だ。
バトルメンバー3人で戦うことになり、バトル中には操作キャラを好きに切り替えることができる。バトル中には操作キャラの以下の行動ができる。
- アクション(いつでも発動可能)
- 操作キャラの基本アクション
- 移動、通常攻撃「たたかう」、ガード、回避
- 連携アクション
- 他のバトルメンバーと連携して発動する
- コンボを繋げられる攻撃もガード効果のあるスキルもある
- 操作キャラの基本アクション
- コマンド選択
- 操作キャラのコマンド選択
- 時間経過と通常攻撃やガードで溜まるATBゲージを消費して発動できる
- 装備している武器やマテリア(装備品にセットする珠)によって使用できるアビリティや魔法が変わる
- 魔法を使用する際にはMPも消費する
- 連携アビリティ
- 他のバトルメンバーと連携して発動できる追加効果もある特殊攻撃
- 連携するキャラそれぞれがアビリティを一定回数使うことで発動可能になる
- 操作キャラ以外のコマンド選択
- 操作していないキャラもATBゲージが溜まっていれば、コマンド選択のみ指示できる
- 操作キャラのコマンド選択
バトル中には上記のアクション操作を行いつつ、ATBゲージが溜まったら×ボタンを押せば全てが超スローモーションになり落ち着いてコマンド選択を行うことが出来る。
ATBゲージを効率良く溜めることがバトルのコツで、連携アクションと連携アビリティを狙って使うのがおすすめ。連携アクションによって非操作キャラのATBゲージも溜まるし、連携アビリティは強力なものが多い。
スキルブックとマテリアの成長
敵を倒したりクエストを攻略することで各キャラは成長する。バトルの前線に立たない控えメンバーも平等に経験値を獲得することが出来る。
本作には成長要素がたくさん用意されている。
- 各キャラのレベル
- 敵を倒したりクエスト攻略で経験値を獲得してレベルアップする
- 基礎ステータスが向上する
- パーティーレベル
- パーティー全体のレベル
- 特定のクエストやチャドリーから課されるワールドレポートを攻略すると上がっていく
- スキルブック
- レベルアップ時に得られるSPを消費して、新たな連携アクションやアビリティを習得できる
- パーティーレベルが上がると、アンロック出来るスキルが増える
- 武器レベル
- 武器を使用することで上がる
- 武器レベルは武器依存ではなくキャラ依存(装備を変更しても武器レベルは同じ)
- 武器レベルが上がると同じ武器でも攻撃力などが上がる
- 各武器特有のアビリティを使い込んで習得すると、装備変更しても使用可能
- マテリア
- 敵を倒すとAPを獲得する
- キャラが装備しているマテリアにAPが溜まり、マテリア自体が成長する
- マテリアレベルが上がれば、同じマテリアでも強力な魔法の発動が可能になる
- クラウドへの好感度
- 会話時の選択肢や特定のクエストを攻略すると、各キャラからのクラウドへの好感度が上がる
- 好感度が上がると内容が変わるイベントがある
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FF7リバースの評価
物語の面白さ
オリジナル版をプレイしていても先が見えない物語が展開する。
ネタバレになる展開ばかり続くので物語の内容は伏せるけれど、ひと言で表すと大満足!だ。
オリジナル版と同じ場面でもセリフや描写が補強されていて更に感情移入しやすくなっており、改めてドキドキハラハラするという楽しいリメイク(リブートとも言えるかも)体験が味わえる。
「これ知ってる!細かい部分はこうなってたんだ!いや、待て待て、知ってたのと違う!あ、これ全然知らないんですけど!」と、知ってるけれど知らないという他のリメイク作では感じたことのない奇妙な感覚が堪らない。
オリジナル版の良さを壊さずしっかり活かしつつも、既存ファンを喜ばせながら翻弄する。
一方で、オリジナル版を知らない人にとっても、ドラマティックな展開ばかりなので、一気に物語に吸い込まれるはずだ。ただし、関連作なども知っている前提で進むので、本作から突然プレイするのはあまりお勧めできない。
サブクエストにもしっかり物語があり、全体的に前作よりも各キャラの感情面が丁寧に描かれている。
キャラクターの魅力
FF7といえば、味方だけでなく悪役も魅力的。全員がキャラ立ちしまくっていて、キャラの濃さ頂上決戦だ。
本作をプレイしていて1番強く感じるのは仲間と本当の仲間になっていく感覚。
サブクエストでも仲間が絡んできたり、感情的な面を見せてくれるセリフも多く、完全なる寄せ集め集団がちゃんと互いに絆を深めていく過程を体感できる。
笑いどころもたっぷりで、魅力的な新キャラもオリジナル版から変わらぬ名物キャラもいる。あざとすぎる演出や「そうはならんだろ」という展開もあるけれど。
前作のカッコつけマンぶりが崩れ始める主人公クラウドには共感しやすくなっていくし、敵味方含め絶対にお気に入りのキャラが出来るはずだ。
操作の快適さ
本作は探索できる場所が広いので移動している時間が多くなるけれど、その地形は起伏にも景観の変化にも富んでいる。通常バトルでも出来ることが多彩だ。
でも、操作性は抜群に良い。
探索中に走れば自動でジャンプしたりよじ登ってくれるし、バトルではキャラがキビキビ動く。
バトルでは、画面下左右に情報が集約されていて、適時アビリティの効果などが確認できるので、「あれ何だっけ?」と記憶を辿る瞬間がなくて助かる。
また、カメラの近さや探索時のHUD表示方法など細かな部分まで好みの設定が出来るので、かなりQOLの高いゲームだ。
「このゲームの仕様に合わせてね!」ではなく、「ひと通り全部用意しといたよ!」と準備万端体制で迎えてくれる。ストレスになりそうなことは先回りして全て潰されていて快適だ。
難易度バランス
難易度は3段階から選択できる。私はデフォルトのノーマルでプレイ。
また、バトル中にアクションもコマンド選択も自分で行うか、アクションは自動でコマンド選択のみを自分で行うかを選べる。私は前者でプレイ。
各キャラは固有アビリティが全く違うし、連携アビリティを狙うならキャラを切り替えながら戦わなければならないし、バトルに関しては頭も手もかなり忙しくなる。
アビリティをしっかり活用して、敵の弱点を狙って戦わなければ結構ピンチに陥る良い歯ごたえが楽しめる。
この忙しさが楽しいし、バトルチャレンジも豊富なので、戦闘狂も大満足だ。
とはいっても、各クエストには目安レベルが表示されているし、成長する要素も多いので、探索要素をコンプリートまでではなく粗方攻略しながら旅していれば詰まらず攻略できる難易度だ。
ゲームシステムの面白さ
章立てで物語が進んでいくけれど、各章内の探索やサブクエストやミニゲームが豊富で、物語に強制連行される感覚を感じないのがすごいところ
キャラの装備や強化といった細かな部分から、どこへ寄り道するかという広い部分まで、とにかく自由度が高い。現代ならではの物語主導型RPGを体験できる。
やれることが盛りだくさん過ぎて、セフィロスたずねて三千里を3000年くらいの気分。
そして、前作に引き続き、私にとっての大きな魅力はバトルの面白さ。
前作のシステムだけでも面白かったけれど、本作では仲間との連携が登場して、しかもそれが単なる必殺技扱いというわけではないのが嬉しい。
連携アクションと連携アビリティの2種類があり、その差の付け方が本当に上手くて、ATBシステムが更にもう1段階活かされたシステムになっている。
自然と使うキャラが偏らなくなるし、操作していないキャラの状況にも目を配りながら戦う戦略性の高さも味わえて、前作から確実にいい方向へ進化している。
やりこみ要素の楽しさ
本作では、物語は気になるけれど、まず、すぐ先に進もうとは思わない。やれることが盛り沢山だからだ。
オリジナル版から物語構成が変わっており、メインストーリーだけでもボリュームたっぷりではある。でも寄り道が本当にたーっくさん用意されているので、物語だけ追いかけていてはとてつもなく勿体無い。
セフィロスはだいぶ気長で辛抱強いので大丈夫だ。作り込まれまくっている世界の全てを満喫しながら進むのがおすすめ。
キャラの成長要素が多いので様々なスキルを試してみたくなりバトルチャレンジが捗るし、ミニゲームは量も内容も充実し過ぎていて星を助けることなんて忘れてしまう。
「もはやリメイクじゃなくて別ゲーじゃん!」と言いたくなるくらい新たな面白さが盛り盛り。既存ファン含めプレイヤーを楽しませるぞ!という気合をすごく感じる。
前作FF7リメイクの良さは残しつつもしっかりゲーム体験が変わっており、1本のゲームとしてもリメイクとしても続編としても大満足な完成度の高さだ。プレイしていて「贅沢なゲームだなあ」感じることが多い充実ぶり。
グラフィックの芸術性
高精細の美しい3DCGで描かれる。
特に風景が美しくて、エリアによって異なる風景や街並みは、しばらく鑑賞するためだけに歩き回ってしまう。
シームレスに街やダンジョンが繋がっているので、オープンワールドのような感覚も味わえる。
また、イベント時にはキャラの表情も豊かで、無愛想で無口なのがチャームポイントのクラウドでさえ感情が読み取れる。
ただ、なぜか本作では椅子など物に当たり判定があり、ついつい椅子や箱をぶっ飛ばしてしまう街中を歩いてしまう。
しかも仲間にも物への当たり判定があり、背景で仲間が机をひっくり返しているなか、「あの、連れがすみません」と謎の申し訳なさを感じながら店員と会話することになる。
笑えて楽しいけれど、「なぜ街中の物まで動かせるようにしたんだ」という疑問も浮かぶ。
サウンドの魅力
オリジナル版のBGMのアレンジから新曲まで、神曲揃い。
前作の曲も登場するので、懐かしさも感じつつ耳が楽しい。
探索時にはBGMはずっと曲というわけではなく、進行中のクエストや近くにあるスポットなどによってBGMがコロコロ変わるのも嬉しい。
バトル曲は盛り上がるし、連携アクションなどを発動すると声をかけ合うのも仲間と一緒に戦っている感じがより味わえるポイント。
また、バトル時には実はバトルメンバー以外も遠くからチラホラ攻撃に参加してくれている。遠くから仲間の声が聞こえてくるので、ゲームプレイ上でも仲間感が高まっていく。
サントラはこちら
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FF7リバースレビューのまとめ
おすすめな人
- 長時間遊べる超大作を味わいたい
- FF7オリジナル版および前作のファン
- ハイペースなバトルが好き
- キャラ同士の関係を描く物語が好き
おすすめではない人
- 寄り道要素が多いと飽きやすい
- FF7自体を全く知らない
- JRPGのノリが苦手
総合評価良いところ&残念なところ
- アクションとコマンドと連携技が上手く融合したバトルシステム
- やり込み要素が豊富で探索を楽しめる
- オリジナル版を知っていても先が気になる展開
- ゲームプレイでも物語でも仲間との絆を体感できる
- 関連作の知識が必要で、突然本作からプレイしても楽しめない
FF7リバースが好きならおすすめゲーム
関連ゲーム
FF7リメイク FINAL FANTASY VII REMAKE
FF7リメイクの第一部。クラウドが戦いに巻き込まれていく巨大都市ミッドガルでの冒頭が描かれている。
世界設定についてよく分かるし、本作に登場するNPCも多いのでこちらをプレイしてから本作をプレイするのがおすすめ。
オリジナル版にはなかったユフィの物語が体験できるDLCもあるため、オリジナル版を知っている人にもおすすめ。
クライシスコア FF7 リユニオン
本作の物語で重要キャラになるザックスが主人公のFF7前日譚。
アクション性が高いバトルで、神羅カンパニーの内情や5年前の真実を知ることが出来る。
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FINAL FANTASY XVI
本作と同じくFFシリーズでアクションRPGとなったFF16。
召喚獣がメインとなった悲劇の物語や、召喚獣をアビリティとして使うバトルが特徴。
ファイナルファンタジー VII リバース Final Fantasy VII Rebirth
© SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA/ROBERTO FERRARI
LOGO ILLUSTRATION: © 1997 YOSHITAKA AMANO
https://www.jp.square-enix.com/ffvii_rebirth/
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