レビュー【Hollow Knight Silksong】突き刺さる糸 | 呪われた国を登るメトロイドヴァニアゲーム ホロウナイトシルクソング

名作『ホロウナイト』に続き、新たな主人公ホーネットが見知らぬ地の頂を目指す!面白さも歯ごたえも進化したメトロイドヴァニアゲーム『Hollow Knight: Silksong ホロウナイト: シルクソング』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- 見知らぬ地に連れてこられたホーネットが、その地の真相を探っていく物語
- 攻略
- 高難易度なバトルを攻略しながら自由に探索していくメトロイドヴァニアゲーム
- 評価
- 入り組んだマップ構造が面白く、死にゲーな難易度にも物語にも夢中になる高評価作
Hollow Knight Silksongの概要
タイトル | Hollow Knight: Silksong ホロウナイト: シルクソング |
---|---|
開発元 | Team Cherry |
販売元 | Team Cherry |
発売日 | 2025年9月4日 |
対応機種 | PS5/4, Switch2/1, Xbox, PC |
ジャンル | メトロイドヴァニア |
シリーズ | Hollow Knight ホロウナイト |
プレイ機種 | Xbox |
本作は、『Hollow Knight ホロウナイト』の続編にあたる。
当初は前作の追加DLCとして開発されていたものが規模が大きくなり、続編として独立したゲームにしたという経緯がある。
そのため、前作を知らなくても問題なく楽しめる(もちろん前作を知っているとより一層本作を味わうことができる)。


Hollow Knight Silksongのストーリー
狙われたホーネット

本作の主人公はホーネット。
前作『ホロウナイト』ではNPCとして登場した赤いマントがトレードマークのムシだ(ウサギのキャラでも通用しそうな見た目だけど、Hornetは直訳するとスズメバチ)。
前作のネタバレにもなるので素性は伏せるけれど、ホーネットは気高く強い戦士だ。
そして、本作ではまずホーネットは誘拐されていた。
え、強い戦士が?
そうツッコミたくなるまさかのオープニングから始まるけれど、実は彼女は何らかの特殊技術で力を奪われ、怪しい一団が担ぐ檻に入れられお神輿状態でファールームという地に連れて来られていた。
ファールームの頂へ

しかし、やはりホーネットは強い戦士だ。
フッと檻の結界が弱まった瞬間に、彼女の得意技である殺傷能力付きシルク糸を放って脱走に成功した。
そして、ここからホーネットの気高く強いというか超強気な性分が炸裂する。
どうやらホーネットは見知らぬ地ファールームの頂にあるという神聖な地シタデルへと運ばれていたようだ。
NPCから情報を得たホーネットは、その頂を目指して走り始めた。
そう、彼女はせっかく脱出できたというのに逃げないどころか、「誰が何のために私を攫ったのか、この針と糸で暴いてやる」と息巻いて犯人の根城に向かうという。
自我を失ったムシが続出しているというファールームの頂で、何がそして誰が待ち受けているのかも分からないまま、プレイヤーは迷路のようなファールームを進んでいくことになる。
Hollow Knight Silksongの攻略情報
自力で道を見つけるメトロイドヴァニア

本作は、新たな移動アクションを習得しながら進める道を見つけて探索していくメトロイドヴァニアゲーム。
舞台となるファールームはいくつかのエリアに分かれており、どの順番でどれだけ探索していくかはプレイヤーの自由だ。
開かない扉や届かない足場などに行き詰まったら他に進めそうな道を探してみるといった感じで自力で道を見つけていく。
最初は地図もないためNPCから地図を買うなどアイテムを手に入れていくことで、ゲーム自体の便利機能も少しずつ増えていく。
そして、各地にはセーブポイントであるベンチがあり、そこで休むと体力を全回復できる。
また、各エリアにはファストトラベルできる場所もある。
本作を攻略する上で大切なのはロザリーと殻の破片。主に敵を倒すことで手に入る。
ロザリーは本作の通貨であり、ゲームオーバーになると全て失ってしまう。
しかし、前回ゲームオーバーになった場所にはシルクの束が置かれており、それを破壊すると失ったロザリーを回収できる(回収前に死んでしまうと永久に失ってしまう)。
殻の破片は、後述する消費アイテムの補充やクエスト攻略のために必要となる素材だ。
ホーネットの戦い方

ホーネットの基本攻撃は、針での近接攻撃。
ゲームが進行すると、ダッシュや滑空など新たなアクションを習得していく。
さらに装備品や、敵を攻撃すると溜まっていくシルクゲージを使ったスキルを使って攻撃もできる。
- 道具
- 遠距離武器などバトルで使える物や、パッシブ効果が現れる物がある
- 装備している道具のみ有効となる(装備数上限あり)
- 遠距離武器の弾数など使用回数が限られている物がある
- セーブポイントで休むと殻の破片を消費して補充される
- スキル
- シルクを一定量消費して発動できる
- 体力回復
- シルクを消費して体力回復ができる
また、ホーネットは敵を倒してレベルアップするわけではない。
強化アイテムを見つけたり、特定のNPCにロザリーや貴重アイテムを渡すことで、体力上限を上げたり新たな道具を使えるようになっていく。
願いを叶える者

本作にはサブクエストがある。
NPCとの会話や掲示板から受注することができ、特定の敵を倒したりアイテムを探して来てあげるなど、様々なクエストが登場する。
依頼を達成するともちろん報酬がもらえ、新たなエピソードが展開したり世界に変化が起こることもあるので、気になったクエストは引き受けておいた方がいい。
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Hollow Knight Silksongのレビュー
物語: 入り込みやすい物語とボスより手強いNPCたち

主人公ホーネット自身も全く知らない場所ファールームで、ムシたちが自我を失っていっているという怪事件も起こっている。
そんな全てが謎な状態から始まり、会話や状況からホーネット自身が捜査していくように物語が展開するため、「どういうことだ?もしかして…」とプレイヤーも一緒に考えるうちに自然と物語に引き込まれていく。
特に前作プレイ済みの人にとっては物語が分かりやすくなっていると感じるはず。
ホーネット自身にセリフがあり、会話の中でプレイヤーの状況を代弁してくれるため情報を整理しやすい(前作では主人公にセリフがなかった)。
そして、そんな興味が湧くメインストーリーやゲームプレイと並ぶくらい本作の大きな魅力となっているのが個性豊かなNPCたち。
全員見た目は可愛いけれど、色んな意味で個性が強すぎるNPCが多く、思わず笑ってしまうことが多い。
ちょっと強めにツッコミ入れたくなる(ときには殴りたくなる)愛すべきNPCがたくさん登場する。
アイテム説明など含め、日本の翻訳もかなり高品質だ。
操作性: 高精度で甘えは許さない

本作のバトルはハイペースだ。
素早い動きでも当たり判定は正確で、タイミング良くジャンプしていくなどプラットフォームアクションでも「なんとなく行けそう」は通用しない精密さが求められる。
全ての動作はかなりキビキビとしており操作性はかなり良好。
しかし、最初にやや慣れが必要なのが下向き攻撃。
真下ではなく斜め下に向かって攻撃するので、ズレを考慮して立ち回らなければならない。
道具含め使えるアクションはたくさん登場するけれど、少しずつ追加されていくので操作を確実覚えながら進むことができる。
ただ、各アクションの応用編までのチュートリアルはないため、自分であれこれ試して「おお、こういう使い方もできるのか」と学ぶしかない。
そうすると便利なアクションを習得していなくても工夫すれば意外と進める場所も多い。
これが本作の探索に夢中になるポイントでもある。
難易度: しっかり死にゲー

本作は、死にゲーだ。難易度はしっかり高い。
そして難易度選択はできない(クリアすると更に高難易度モードは選択できる)。
雑魚敵にも攻撃パターンがいくつかあり、雑魚中の雑魚でもわざわざ嫌な場所に浮かんでいたりする。
本作では接触ダメージを受けてしまうので、好戦的ではない敵であろうと気は抜けない。
超大量のトゲや殺す気満々の罠など危ない物ばかりがあちこちに仕込まれており、プラットフォームアクションの難易度も高め。
それでいて必要になるロザリーは多く、死んでいる場合ではないけれど死んでしまう。
しかし、決して理不尽な敵配置やボス戦にはなっておらず、学んで覚えて攻略できる死にゲーらしい死にゲーを味わうことができる。
負けても挑戦してプレイヤー自身が上手くなることで攻略していくゲームだ。
とはいっても、敵を倒して経験値を得るわけではないので、苦戦する場合は他の道へ進んでみるのもおすすめだ。
他の道で新たなアクションを覚えると、苦戦した道や敵を楽に攻略できるようになることもある。
それができるくらい進める道はあちこちにあるので、プレイヤーによって自分に合った攻略ができるのが嬉しいところ。
一方で、探索面ではNPCはヒントらしいヒントを言わないので迷いやすく、ノンリニアなメトロイドヴァニアに馴染みがないと不親切に感じる人もいると思う。
システム: メトロイドヴァニアとしても続編としても最高

本作は高品質な高難易度さも魅力ではあるけれど、やはりメトロイドヴァニアの面白さは探索だ。
本作には分かれ道や隠し通路が多く、「どこだ、ここは?こっちにもあっちにも道があるぞ」と迷子になりながら進んでいく感覚が最高。
前作に引き続き、正規ルートを明確にしないマップ作りが本当に上手く、エリア間が絶妙に繋がっている。
メトロイドヴァニアゲームとして大切な部分がしっかり押さえられているからこそ、高難易度さやサブクエストなど付随するものの面白さが一層増している。
一方で、ロザリーと殻の破片、シルクを使ったスキルと道具での攻撃など、要素と管理するものが増えて戦略性が上がっており、前作の面白さは変えずちゃんと進化している良い続編でもある。
また、上述もしたように物語が分かりやすくなっていることで、前作未プレイの人も入りやすくなっているのも親切だ。
芸術性: 可愛く切なく幻想的

登場するのはムシたち。デザインだけ見るとゆる可愛い。
実際に性格もゆるいキャラもいるけれど、辛辣だったり思い込みが激しかったり見た目とのギャップが面白いキャラが多い。
一方で、背景や前景は美しく、不気味な場所や切なくなる景色も多い。
ゆるカワと繊細な美しさが共存している。
BGMは、道中は幻想的で、ボス戦では気持ちも盛り上がってくるかっこいい曲が多い。
どちらも良い曲ばかりだ。
そして、NPC達のボイスも大きな魅力。
本作では歌が重要なキーワードになっており、NPC達もよく鼻歌を歌っている。
かなり耳に残る鼻歌ばかりで、思わず一緒に口ずさんでしまう。
鼻歌が聞こえてくると近くにNPCがいるサインなので、耳を澄ませながら探索するのがおすすめ。
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Hollow Knight Silksongの総合評価
Hollow Knight: Silksong

総合評価
探索に夢中になるマップ構造も高品質な歯ごたえも新要素によって更に進化しており、名作の最高の続編となっているメトロイドヴァニアゲーム。物語を楽しみやすくなっているのも大きな魅力。
長所と短所
良いところ | 攻略しがいのある高難易度アクション 個性豊かなNPC | 迷いながら進むのが楽しい入り組んだマップ構造
---|---|
残念なところ | 手厚いガイドがないため、メトロイドヴァニアに馴染みがないと迷いやすい |
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 迷いながら探索するのが好き
- 死にゲーが好き
- 前作のファン
おすすめではない人
- 進行ガイドや手厚いサポートが欲しい
- 高難易度アクションが苦手
- キャラであろうと虫を見ると虫酸が走る
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Hollow Knight
- 名作メトロイドヴァニアである前作
- ハロウネスという本作とは別の地が舞台で、主人公も異なる
- ホーネットはNPCとして登場し、彼女の素性を知ることができる

Blasphemous 2
- こちらも高評価で高難易度なメトロイドヴァニア
- 武器を切り替えたり魔法を放つこともできる
- デスペナルティが蓄積するシステムが魅力