『Little Orpheus』レビュー: 地下でドタバタ強運野郎
『Little Orpheus』とは、The Chinese Roomが開発したアドベンチャーゲーム。
2.5Dなグラフィックに見えるけれど、ゲームプレイは2D横スクロールだ。
本作は、Xbox、PC、Apple Arcadeでプレイ可能。私はApple Arcade版をiPadでプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
尋問を受けるイヴァン
1960年代のソビエト連邦。
気弱そうな男性が、いかつくて怖そうな男性に尋問を受けている。そこから物語は始まる。
一見気弱そうな男性の名は、イヴァン・イヴァノヴィチ。本作の主人公だ。
彼は3年前に、地球の地殻に向かうロケットドリルの乗組員だった。地下調査機であるリトルオルフェイスと共に。
しかし、何かがあってリトルオルフェイスは動力源の原子爆弾ごと消息を断ってしまう。
そこで、なぜか3年後に無事に帰ってきたイヴァンが尋問を受けているというわけだ。
地下世界
厳しいユルコヴォイ大将に何があったのか詰問され続けるけれど、イヴァンの話は突拍子もない内容ばかりだ。
地下には文明があったり、地上とは全く別の世界が広がっているという。
怖い怖いユルコヴォイ大将はイヴァンの夢物語だろうと半ば呆れていたけれど、彼の回想話を聞くうちに徐々に話の展開に飲み込まれていく。
地下には一体何があったのか。彼とリトルオルフェイスに一体何が起こったのか?
そして、イヴァンはどうやって帰ってきたのか。
ゲームの特徴Features
ひたすら右へ進め
本作は、イヴァンの回想とともに進み、いくつかのエピソードに分かれている。
クリア済みのエピソードはリプレイも可能。
各エピソード内では、ひたすら画面右に向かって走っていく。
ジャンプとステージ上にあるブロックを移動させたりスイッチを押したり等が出来て、障害物を乗り越えていく。
何かに追いかけられて焦ることもあるけれど、とにかく右へ右へと進むだけだ。
過去をもう一度
クリア済みのエピソードは、リプレイ時にオーブを集めていくモードでプレイできる。
集めると報酬として新たなコスチュームなどが手に入る。
やり込み要素だ。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
「あらららら、うわーっ、なにーっ!」とトラブルに巻き込まれまくる、ちょっと抜けてる主人公。
しかし、ドタバタしてると、なぜか上手く事が運ぶ。
とんでもなく運が悪いのか良いのか、どちらとも言えない。
見ている側としては、このドタバタ劇が楽しい。
地下には地上とは全く違う絶景が広がっていて、恐竜がいたり、怪しげな種族がいたり、氷河までもある。
次は一体何が起こるんだろうと、ずっとワクワクしながらプレイしていた。
想像の上をいく激しいピンチばかりに見舞われるので、全く退屈しない。
キャラクターの魅力
4.0
本作は、壮大な冒険活劇だし、主人公も結局のところ勇敢だ。
ところが、全体の雰囲気はコミカル。
イヴァンの愛すべきマヌケっぷりが全てを楽しくしてくれている。
通常の人なら、地下世界に迷い込み怪物に追いかけられまくってたら悲壮感漂って来るはず。
しかし、イヴァンは「いやー、なんかスゴいヤツがいてゴタゴタしたんですけど、なんか絶景だったんですよねー」みたいな調子。
ある意味、メンタル最強。
しかも、尋問シーンでは、めちゃくちゃ怖い大将に向かって失礼なひと言を口にすることも多くて笑える。
本人に悪意が一切ないんだから、余計に面白い。
操作性
3.0
複雑な操作はないんだけど、挙動や操作性はかなり大味。
なんとなーく崖に手が届いちゃうし、なんとなーく天井に頭がぶつかる。
私はiPadでプレイしてゲームパッドを使用したけれど、全体的に反応があまり良くない。
特にスイッチやレバーを起動する際に、コントローラーのボタンを押しても画面を直接タップしても効かないバグが何度か起こった。
難易度バランス
3.0
本作は、スイスイ攻略できる。
ジャンプやギミック利用などもあるけれど、悩むような場面は全くない。
単にそこにある物を乗り越える、単にそこにあるスイッチを押す、それだけだ。
万一、落下したり怪物に追いつかれたりしても、チェックポイントが小刻みなのでやり直しもすぐ出来る。
難しさを感じることは一切なく、地下世界を眺めて走るというゲームだ。
ゲームシステム
3.5
上述の通り、ゲームとしての難しさはなく、乱暴に言ってしまえば右に走るだけのゲーム。
でも、画面いっぱい使ったトラブルが矢継ぎ早に舞い込んでくる。
しかも、背景に広がる景色はチャプターごとにガラッと変わる。
で、景色を楽しみつつ走っていると、イヴァンと大将の掛け合いがボイスで流れる。
テンポ良く驚かせて笑わせてくるドタバタ劇になっていて、退屈させないような構成になっている。
やりこみ要素
2.5
同じステージをリプレイする際に、オーブを集めていくというのがやり込み要素。
正直なところ、やる気はあまり湧いてこない。
上述してきた通り、ゲームとしての複雑さがないのでリプレイする気はあまり起こらないし、驚きの展開も一度見てしまうと新鮮さは無くなる。
初見プレイ時から実装してて欲しい!
グラフィック
4.0
奥行きを感じる3DCGグラフィック。
かなり奥の方まで描き込まれていて、「本当に地下!?」と思うくらい壮大な景色が続く。
鮮やかでツヤッとしたクオリティの高いグラフィックだ。
サウンド
3.5
コミカルな雰囲気漂う冒険譚。
まさにそれを表すBGMばかり。
にぎやかだし、ちょっと不気味なステージでは気持ち悪い効果音もしっかり鳴る。
虫(特にイモ虫系)が苦手な方は、クジラが登場する場面あたりからは心の準備を!
総合評価Summary
3.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
テンポの良いドタバタ劇
コミカルな雰囲気
見応えのある演出とグラフィック
残念なところ
操作性が気持ち良くない
やり込み要素が面倒臭い
オススメな人
気軽にプレイできるゲームを探している
パニック映画やトラブル続きの物語が好き
地下世界に興味がある
オススメではない人
精度の高いアクションを楽しみたい
複雑な謎解きを求めている
ゆったりプレイしたい
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本作と同じく右へ右へと進むアドベンチャーゲーム。不思議な惑星を探索する。ステルスや時間を操る謎解き要素も楽しめる。
こちらも右へと進むアドベンチャーゲーム。ギターをかき鳴らしながら進むだけというシンプルさでありながら、BGMやグラフィックとゲームプレイが一体化し、高揚感と癒しを得られる芸術性高い高評価作。
Little Orpheus
地下でドタバタ強運野郎
次から次へと変わる景色と、驚きの展開続きの物語が楽しめるアドベンチャーゲーム。
ゲームとしては単調で、主人公がコミカルに語る世界を堪能しながら気軽にプレイできる。
操作性があまり良くないのが残念。
Little Orheus
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