『ライブアライブ LIVE A LIVE』レビュー: ゲーム8本集めたら胸熱イベント勃発
『ライブアライブ LIVE A LIVE』とは、スクウェア・エニックスが開発したRPG。
1994年にスーパーファミコン向けに発売されたタイトルだけど、HD-2Dのアートスタイルでフルリメイクされた。
HD-2Dとは、『オクトパストラベラー』から始まった3DCGとピクセルアートを混合させたグラフィックで、古き良きRPGを大切にしたゲーム性も特徴。
これまでに、『トライアングルストラテジー』や今後発売予定の『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』も、このスタイルで開発されている。
本作は、Nintendo Switch、PS5、PS4、PCでプレイ可能。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
7者7様の物語
本作には7人の主人公がいる。
それぞれの主人公にまつわる物語を体験していくことになるけれど、7人とも時代も世界設定も全く違う。
クールな渋すぎガンマンが、とある町で繰り広げる西部劇な物語。
言葉がない原始時代に、一目惚れした女性のためにゴリラの相棒と共に奮闘する狩人の物語。
とある宇宙船で生まれた小さなロボットが、サスペンスな人間関係を目撃する物語。
といった感じで、7本分の異なる物語が登場する。
本当は8人
「7人の主人公がいる」と上述したけれど、実は嘘だ。
本当は8人目の主人公がいる。
7人の全く違う関係なさそうな物語は、実は1つの物語につながっていく。
それが、8人目の物語。
「盛大なネタバレするんじゃない!」と思うかもしれないけれど、この仕掛けは公式からも元々明かされている。
全章プレイしなきゃ本作全てを味わえないよ!というお知らせだ。
ゲームの特徴Features
お好きにどうぞ
ゲームをスタートすると、どのキャラの章をプレイするかシナリオ選択するところから始まる。
どの章からでも、好きな順番でプレイして良い。
7人全ての章をクリアすると、8章目が登場する。
また、章の途中で他の章に変更することも可能。
他章から戻ってきても、中断した時点から再開することができる。
ゲーム8本分
各章は、物語や世界設定だけでなくゲーム性もそれぞれ異なる。
制限時間内にNPCに指示出しをするシミュレーションのような章。
ひたすら物語を辿るアドベンチャーな章。
突然、対戦格闘ゲームが始まる章。
ワールドマップがある章もあれば、かなり狭い空間だけで終わる章もある。
また、素材を集めてクラフトできる章もあるし、ステルスができる章もあって、章ごとにギミックもさまざま。
各章のはじめに表示されるチュートリアルを必ずよく読んだ方がいい。
チェッカーバトル
章を超えて共通しているのはチェッカーバトルと呼ばれるバトルシステム。
バトルは、行動ゲージが溜まったキャラからコマンド選択して行動するターン制バトル。
バトル画面はマス目状になっていて、ターンが回ってきたキャラは好きに移動することもできる。
攻撃は各キャラ固有のスキルを使って行うけれど、スキルによって攻撃可能な範囲が異なる。
ただ、先述した行動ゲージは、誰かが移動か行動するたびに溜まっていく。
つまり、スキルが敵に当たる場所へとウロウロ移動していると、敵の行動ゲージが溜まって攻撃されてしまうってわけだ。
背中にご注意
上述の通り、スキルごとの攻撃範囲も重要だけど、敵と味方の向きも大切。
敵の背中からスキルを当てれば、回避されにくく与ダメージ量も上がる。
また、炎属性のスキルを当てると、その地面が炎上状態になり、一定ターン数そこに立っているキャラに地形ダメージを付与することも出来る。
向きや地形の効果は、もちろん味方にとっても同じなので注意。
ちなみに、戦闘不能になったキャラはその場に倒れるけれど回復可能。
でも、戦闘不能状態で更に敵から攻撃を受けると戦闘離脱となり、そのバトルには復活できず経験値も貰えなくなる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.5
本気の本気で正真正銘、8章ごと全く違う。
物語や世界設定はもちろん、キャラのノリや雰囲気までガラッと変わる。ひたすら新鮮。
「次の章どれにしようかなぁ」とシナリオ選択してる時はウッキウキでワックワクだ。
章ごとにボリュームの差はあるけれど、全ての章で「もう、この人が本作全体の主人公でいいじゃん!」と思ってしまったくらい全員魅力的。
それどころか、全ての章において「この物語をもっと続けたらいいのに!」とさえ思った。
深刻な物語あり、泣ける物語あり、笑える物語あり。
それぞれの章でゲーム1本ずつ出来そうなくらい作り込まれてるし完成度も高い。
キャラクターの魅力
4.5
上述した通り、主人公は全員魅力的。
敵の必殺技をわざと受けて体得しようとか言い出す危ない脳筋野郎とか、オナラで攻撃する豪快野郎とか。
しかも、各章に登場するNPCたちが、これまた良い。
西部劇なら西部劇「あるある」なキャラ、カンフーな物語ならカンフー「あるある」なキャラなど、「あるある」が詰め込まれてて面白い。
全員最終章に一緒に行こう!と言いたい。
そして、悪役も絵に描いたような悪役ばかり。
悪役も、章ごとに悪巧みが違っていて最悪なやつばかりだけど、思わず「悪事も多種多様だなあ」と感心してしまう。
操作性
4.0
コマンドバトルのRPGなので、操作はシンプル。
フィールドでもバトル中でも操作説明が表示されているし、ミニマップに目的地が表示されるので、迷うことはないはず。
プレイしていてバグに遭うこともなく、Nintendo Switchのゲームとしてはロードも速い印象。
難易度バランス
4.5
本作は物語を楽しむゲーム。
チェッカーバトルというシステムは、ストラテジーゲームっぽさが魅力。
スキルによっては発動までの時間がかかるので、行動順を予想して攻撃するマスを選択するなど戦略を立てるのが面白い。
でも、章ごとに難易度に結構バラつきがある。それも面白さではあるんだけれど。
バトルが多くレベル上げ必須なものや、レベル上げ出来ない章もある。「え?これで終わり?」と思った章もある。
ゲームシステム
4.5
章ごとに全く違う楽しみがあるのが最大の魅力。
いわゆるオーソドックスなRPGは8章目で、その他の章では独自のシステムやギミックが楽しめる。
章ごとにゲームジャンルが違うプレイ感覚で、これが一本のゲームの中に詰め込まれてるというだけで面白い。
しかも、それだけバラバラな章が、最終的に繋がるという仕掛けは分かっていたとしても、やはり胸熱。
バラバラだけど、ちゃんと『ライブアライブ』という作品としてまとまっているのも凄い。
元はかなり前に発売されたゲームで、私はオリジナル版をプレイしたことはないんだけど、普通に完全な新作として面白い。
やりこみ要素
4.0
各章ごとにやり込み要素がある。
例えば、幕末編では100人斬りバトルや探索要素が高いし、近未来編ではたい焼きを売るミニゲームや収集要素が豊富。
他の章も早くプレイしたいんだけど、1つの章のやり込みにもハマってしまう。
本作では、バトル中以外では自由にセーブ出来るし、バトルが終われば体力が全回復する。
気になることがあったらセーブしてから試してみるのがおすすめ。
グラフィック
4.0
私はHD-2Dのグラフィックが好きなので、本作のグラフィックももちろん大満足。
章ごとに雰囲気が変わるので、新しい章が始まると見た目も一新される。
ただ、8章が始まった途端、「クオリティが一段上がった!?」と思った。
他の章に不満があるわけじゃないんだけど、8章目はなんだか気合が違う。
「あ、ここからが『ライブアライブ』本編!?」と感じたほど。
そして、やはり悪役だ。HD-2Dは悪役のデザインが魅力的。
とりあえずボス戦が始まったら「でかっ!派手っ!」と思わず呟いてしまう。
サウンド
4.0
各章の雰囲気に合ったBGMになっているので、もちろん曲調も章ごとにどんどん変わる。
ちょっと時代を感じるメロディではあるけれど、ボス戦が始まると気持ちが盛り上がるBGMが流れる。
サントラはこちら
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
8章それぞれ全く違う体験ができる
魅力的なキャラと物語
個性的なバトルシステム
残念なところ
章によってボリュームや難易度にバラつきがある
オススメな人
物語を楽しみたい
色んなゲームシステムに触れるのが好き
昔のRPGが好き
オススメではない人
最初から最後まで同じキャラとシステムで楽しみたい
バトルばかり楽しみたい
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HD-2Dシリーズの第1作目。古き良きでありつつ新しさもある高評価RPG。事情の異なる8人が共に旅する群像劇。ボリュームたっぷり大長編。
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ライブアライブ LIVE A LIVE
ゲーム8本集めたら胸熱イベント勃発
物語だけでなく、雰囲気もゲーム性も本気で違う8本が楽しめる。それでいて、1つに集結する仕掛けが最大の魅力。
位置どりと行動順を見極めるタクティクスっぽいバトルシステムも独特で面白い。
ライブアライブ LIVE A LIVE
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CHARACTER DESIGN
© 1994, 2022 SQUARE ENIX CO., LTD.
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Gosho Aoyama, Yoshihide Fujiwara, Osamu Ishiwata, Yoshinori Kobayashi, Ryouji Minagawa, Kazuhiko Shimamoto, Yumi Tamura
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