『オクトパストラベラー2』とは、スクウェア・エニックスが開発したRPG。
HD-2Dと呼ばれるピクセルアートと3DCGを組み合わせたグラフィックスタイルが初めて採用された『オクトパストラベラー』のシリーズ最新作。

続編ではあるものの、前作から物語が直接続いているわけではないので、本作からプレイしても問題ない。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、PCでプレイ可能。2024年初頭にはXbox版も発売予定。私はNintendo Switch版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
8人の主人公
本作には主人公が8人いる。
ゲームスタート時に、誰の物語から始めるか選択する。
「初手から分岐要素か!?」と警戒する必要はない。
誰を主人公にしても物語が変わってしまうことはない。
8人全員仲間に出来るし、全員の物語を全て体験することが出来る。
ただし、主人公として選択したキャラは、そのキャラ自身の物語を終えるまでパーティーメンバーから外すことはできない。そう、主人公だから。それが主人公だ。

8人の旅
主人公となる8人は年齢も出身地も境遇も全く異なる。
- ヒカリ
- 戦ばかりの故郷ク国を変えたい第二王子
- 自分に厳しく、情に厚い剣士
- 「友のために!」が口癖なほど、友達大好き
- アグネア
- 片田舎から大スターになることを夢見る踊り子
- 8人の中では最年少で天性の甘え上手
- やや天然ドジっ子でもある
- パルテティオ
- 気前のいい商人
- 商売によって人々を幸せするという超ド級の真っすぐな夢を持つ
- 陽キャ代表
- オズバルド
- 1人だけ毛色の違う文学作品かと思うくらいシリアス
- とある男への復讐に燃えまくる学者
- 8人の中で最年長
- ソローネ
- 過酷な生い立ちから自由になろうと決めた盗賊
- 8人の中で1番違法行為率が高い
- クールで妖艶なお姉さん
- テメノス
- 飄々として掴みどころのない異端審問官
- とある事件を個人的に追っている神官
- 突然、別ゲームの刑事のような能力を発揮する
- オーシュット
- 獣人たちが住む島の命運を背負う獣人
- 少年漫画の主人公になれそうな明るい狩人
- よくお腹が空いている
- キャスティ
- 見ていて心配になる自己犠牲の精神溢れる薬師
- 知識豊富なしっかり者
- 自分自身については絶賛記憶喪失中

剣士ヒカリを主人公に選択した
8人の行く末
上述した通り境遇も旅の目的も全く異なる8人は道中で出会い、共に旅することになる。
8人それぞれに危険な旅路が待っており、命を懸けるだけの理由もある。
時には、それぞれの物語が交叉することもある。
舞台となるソリスティア大陸で、8人の旅はどんな結末に向かっていくのか。

ゲームの特徴Features
大陸中で物語を辿る

本作では、大陸を自由に旅しながら各キャラの物語を辿っていく。
各キャラの物語はいくつかの章に分かれていて、ソリスティア大陸を点々としながら章の順番通りに攻略していく。
しかし、進行度は必ずしも合わせなくてもいい。ヒカリの4章を進めつつ、また別の場所でソローネの2章をプレイするなんてことも出来る。
また、特定のエピソードを攻略すると、2人のキャラの物語が交差するクロスストーリーと呼ばれるエピソードが発生することもある。
8人の物語とは別にサブクエストも発生する。こちらは受注や進める順番も完全に自由だ。
ブレイク狙ってブーストしろ

バトルは、ターン制コマンドバトル。
画面上部に敵味方関係なくターンが回ってくる行動順が表示されている。
ターンが回ってきたキャラにはBP(ブーストポイント)が1ずつ溜まる。
溜まっているBPを消費してブースト状態にしてからコマンドを選択すると、通常攻撃回数を増やしたりスキルの威力を高めることが出来る。
一方で敵にはシールドポイントがあり、その敵の弱点武器種か属性で1回攻撃するとシールドポイントを1ずつ削ることが出来る。
シールドポイントがゼロになった敵はブレイク状態となり、次のターンは行動できず、こちらからダメージを与えやすくなる。
ブーストとブレイクを上手く使いこなすのが勝利のカギだ。
火事場の底力

アイテム消費なく薬の調合ができる
ものすごい節約能力!?
敵をブレイクしたり、逆に敵から攻撃を受けると、キャラごとに底力ゲージが上がっていく。
底力は、各キャラ固有のもので、特別なスキルが使用可能になったり、2回行動が可能になったり、特定のスキルの効果が変わるといったものだ。
底力もブーストによって威力が増す。
ジョブとアビリティ

8人は、それぞれ最初からジョブが決まっている。これはベースジョブと呼ばれる。
それとは別に、各ジョブの証(ライセンス)を手に入れるとバトルジョブが選択出来るようになる。
ベースジョブに加えてバトルジョブのアビリティも使用可能になり、バトル時の見た目も変わる。
バトルに勝利すると経験値とJP(ジョブポイント)を獲得する。
JPを消費するとベースジョブかバトルジョブの新たなアビリティを習得することが出来る。
一定数のアビリティを習得すると、各ジョブ固有のサポートアビリティ(パッシブスキルにあたるもの)を習得出来る。
こうしてジョブやアビリティを組み合わせることによって、様々な戦い方が出来るようになる。
NPCにちょっかいを出す

探索時にはキャラ固有のフィールドコマンドが活躍する。
これは町などにいるNPC達に対しての行う行為だ。NPCにとっては迷惑行為が多いけれど。
本作には昼夜の概念があり、各キャラのフィールドコマンドは昼夜で変わる。
例えば、アグネアは昼間はNPCを誘惑して連れ歩くことが出来る。連れ出されたNPCは、バトル時にアグネアのコマンド「加勢」で数ターン戦ってくれる。
夜になると、アグネアの甘え上手っぷりを発揮させて、NPCに「おねだり」してアイテムを貰うことが出来る。
失敗することがあったり、お金が必要なこともあるけれど、フィールドコマンドは攻略に欠かせない要素だ。
適時パーティーメンバーを入れ替えて、様々なフィールドコマンドを試すのがおすすめ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

5.0
8人の物語は全く違う。本当に、本気で、全っ然違う。
しかも、どの物語も面白くて、先が気になりまくる。
明るく笑える物語もあれば、深刻で過酷で辛い物語もあるし、それぞれの登場人物達も魅力的。
特に悪役のゲスっぷりは最高。かなりの胸糞展開もあり、「ぐぎぎぎ、あいつ許すまじ!」と思わず歯ぎしりしてしまうほど天晴れな悪役揃いだ。
第1章から泣いてしまったエピソードもあるほど心揺さぶられる場面が多く、感情移入しやすくて物語にどっぷり浸かってしまう。
サブクエストにもちゃんと物語があり、とにかくしっかり作り込まれた物語がたーーっぷり楽しめる。
キャラクターの魅力

4.5
言わずもがな、主人公の8人は魅力的。
みんなパーティーメンバーにしておきたくなるほど、魅力的。
私は前作もプレイ済みだけど、本作ではバトル中にも互いに声をかけあうなど、前作よりも仲間同士の関係が濃くなっていて、みんなで旅してる感が増している。

そして、上述した通り、悪役も最高だ。
また、フィールドコマンド「誘惑」などで連れ出したNPCは、どんな危険地帯でもずっとついてきてくれる(水上を移動するカヌーまで持参している)ので、なんだか愛着が湧いてきてしまい別れがたくなってしまう。
操作性

4.5
コマンドバトルなので特に操作性が問題になるゲームではないけれど、操作は問題なし。
バトルスピードを変えられるし、自動のセリフ送りやそのスピード調整、また昼夜もボタン一発で変えられるなど、親切な機能が揃っている。
これまでの経緯や次の目標も適時メニュー画面などで確認できるので、8人の物語をバラバラに進めていても「あれ?一体何しに来たんだっけ?」とマヌケな旅人にならずに済むのが助かる。
ワールドマップからファストトラベルも出来るし、「RPGのここが無駄に時間食って面倒くさいんだよなー」というところを、しっかり潰してくれていて快適。
欲を言うなら、ショップで控えのメンバーのパラメータまで見れたり、キャラ間での装備品付け替えが簡単に出来るともっと便利だと思う。
難易度バランス

4.5
バトルは、ブーストとブレイクを使うのが前提の難易度になっている。
特にボス戦では、しっかりブレイクを狙わないといけない。単にボカスカ殴っているだけでは勝てない。
一方で、敵をブレイクして、最大限ブーストして底力も併用してドカーーンと大ダメージを叩き出せるとめちゃくちゃ気持ち良い。
難易度選択はできないけれど、ダンジョンやキャラの各章には目安レベルが表示されているので、無謀な挑戦をしなければ詰まることはない。
そして、ジョブやアビリティの種類が多く、様々な作戦を試せるのが本作の大きな魅力の1つ。
RPGなので、もちろんレベル上げはある程度必要だけど、戦略勝ちがちゃんと出来るよう作られている良い難易度バランス。
ゲームシステム

5.0
古き良きRPGの良さを活かしつつ、物語が章に分かれていて好きな順番で攻略できる自由度など、現代的な良さも盛り込んだゲームシステムは前作で既に高評価されている。
ブレイクとブーストを使った戦略性高いバトルシステムの面白さも前作で証明済み。
個人的には、物語が良いので前作と同じシステムだけでも十分満足したと思う。
が、「それだけで満足させないぞ!」という気合いがゲームからドシドシ伝わってくる。面白さが2倍どころか2乗でパワーアップしてる
昼夜の概念や特殊なジョブやアビリティが増え、底力やバトル中に武器の切り替えも可能になったことで、戦術の幅が格段に広がり、更にバトルに病みつきになる。
特にトリッキーだけど条件が整うと強力な技や、パーティー編成によって輝くアビリティも多く、作戦を考える楽しさがハンパない。
前作の全てを超えし続編。
前作で「最高!」と思っていた私は、冒頭から瞬殺された。「もっと最高!」があるとは。
やりこみ要素

5.0
キャラの成長やパーティー編成。ジョブやアビリティをどう組み合わせるか。これだけでもかなり楽しめる。
まずは全ジョブのライセンス(転職可能になる証)集めだけでも、大変だ。
また、サブクエストもたくさんあり、その攻略の仕方は一つではないことも多く、どのフィールドコマンドを使うかを考えるのも面白い。
フィールドコマンドは、ゲーム攻略に直接関係していないところで使うのも楽しくて、これが本作ならではの1番のやり込み要素とも言える。
特に「聞き出す」などNPCの事情を探るフィールドコマンドが面白くて、家族全員がものすごい秘密をお互いに隠してたり、外見やセリフからは予想だにしない経歴や性癖を持っている人もいる。
また、村人に「盗む」が成功すれば強力な装備品が早めに手に入ったり、もはや正規メンバーになって欲しいほど強いNPCに加勢してもらうことも出来る。
グラフィック

5.0
前作から引き続き、3DCGとピクセルアートが組み合わさったHD-2Dのグラフィックだ。
前作で既に確立されていたけれど、本作は描き込みが更に緻密になり、光だけでなく落ち葉が舞っていたりエフェクトも効きまくってて綺麗。
私は、このアートスタイルがめちゃくちゃ好みで、ゲーム冒頭から鼻血噴出の大興奮で景色を眺めていた。
また、会話している時はボスも味方も2.5頭身なのに、バトルになるとボスだけ巨大化して豪華なグラフィックに変わるのは前作から続く魅力ポイント。ボスのデザインも良い。
サウンド

5.0
耳が幸せ。神曲揃い。
本作では昼夜があるので、同じ場所でも2種類のBGMが用意されていて、昼は明るく、夜は癒しな雰囲気に変わる。
そして、バトル曲。これも最高にカッコ良くて盛り上がる。
最先端3DCGのゲームにも負けない壮大さや臨場感を生み出しているのは音楽によるところも大きいと思う。
\\サントラはこちら//
総合評価Summary
5.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
惹き込まれる物語とキャラ
戦略性高いバトルシステム
グラフィックと音楽が最高
前作から全てがパワーアップしている
残念なところ
キャラ間での装備品のやり取りが面倒くさい
オススメな人
RPGが好き
物語をたっぷり楽しみたい
戦略を考えるのが好き
自由度が高いゲームが好き
オススメではない人
選択肢が多いと面倒くさくて困る
攻略に時間がかかるゲームは苦手
3DCGグラフィックの派手さを求めている
心苦しい展開を見たくない
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オクトパストラベラー
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オクトパストラベラー2 Octopath Traveller 2
全てを超えてしまった続編
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物語もバトルシステムも全てが前作から更に面白く進化しており、たっぷりのやり込み要素も楽しめる。
戦略やフィールドコマンドなど攻略方法の幅が広いのも魅力。
オクトパストラベラー 2 Octopath Traveler 2
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