『Pepper Grinder』レビュー: 高速ドリルで事故多発 – ペッパーグラインダー
ドリルを片手にハイスピードでステージを駆け抜ける2D横スクロールアクション『Pepper Grinder ペッパーグラインダー』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Pepper Grinder製品情報
タイトル | Pepper Grinder ペッパーグラインダー |
---|---|
開発元 | Ahr Ech |
対応機種 | Nintendo Switch, PC |
ジャンル | 2D横スクロールアクション |
本稿ではPC版をゲームパッドでプレイした際のレビューを行っている。
Pepper Grinderの攻略
ストーリー
難破したペッパー
ゲームが始まると、主人公のペッパーは唐突に難破している。
船は大破し、どこかの海岸に打ち上げられていたペッパーは気絶していた。その傍らにはザックザクのお宝の箱が置かれている。
出どころは不明だけど、このお宝はペッパーのものだ。
そして、意識のないペッパーのもとに緑色の変なモンスターを引き連れた黒衣装の何者かが近づいてくる。本作の悪役であるナーリングスだ。
ナーリングスを追え
モンスターたちは、倒れているペッパーを木の枝でツンツンつついて意識がないことを確認し、宝箱に手をかけた。
突かれたおかげか、ここでようやく目覚めたペッパー。
ペッパーは宝箱ごと逃げていくナーリングスを追いかけたものの、橋ごと谷へと落とされてしまった。
しかし、ペッパーはタダでは起き上がらない。
ペッパーは、谷間に偶然落ちていた愛用のドリルであるグラインダーをブォンブォンと回転させ、逃げたナーリングスを更に追っていく。
私のお宝を、耳揃えて返せ!ペッパーの怒りとグラインダーはもう止まらない。
攻略のポイント
ステージクリア型
本作は、ステージクリアでゲームを進行していく。
各ステージ上にはチェックポイントがいくつかあり、体力がゼロになってしまうとチェックポイントからやり直しになる。
しかし、機数のシステムはないので、いくらでもやり直せる。
ステージ上には宝石が落ちており、これが本作の通貨でありスコアでもある。
ステージクリア時にはかかった時間と回収した宝石数が表示される。もちろん、タイムアタックのチャレンジも用意されている。
ステージをいくつか攻略するとボス戦に挑み、無事に討伐すると次のエリアに進むことが出来る。
高速ドリルアクション
ペッパーは通常の移動とジャンプが出来る。
そして、本作最大の特徴は高速ドリルであるグラインダーを使っての高速移動だ。
R2ボタンを押している間、手に持ったグラインダーが回転し続け、地面を掘り進むことが出来る。地中を掘っている間には停止は出来ず、操作できるのは進む方向のみ。
そして、地面から出る寸前にジャンプボタンを押すと大ジャンプしながら地面から飛び出すことが出来る。
また、ステージ上にはフックを引っ掛けられる場所があり、フックを掛ければスウィングし続けることが出来る。
スウィング中にグラインダーを起動すると、フックを外して遠くにジャンプすることが出来る。
こうして掘る勢いとスウィングする力を利用して、遠くへと勢いよくジャンプしてステージを進んでいく。
金貨でお買い物
ステージ上には、宝石とは別に金貨が落ちている。
この金貨は、各エリアにあるショップで黄金のキーを買ったり、ペッパーの見た目をカスタマイズできるパーツを買うために使用する。
黄金のキーを買うと、各エリアの隠しステージがアンロックされる。
また、ショップでは追加ライフやステッカーを買うこともできる。ステッカーは、ステッカーブックに好きに貼って楽しむやり込み要素だ。
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Pepper Grinderの評価
物語の面白さ
本作にはセリフはなく、物語要素はかなり軽め。
オープニングのカットシーンを見たら、その後はひたすらステージを攻略するのみ。
それでも、本作には巨大な怪物や、お店を開くアナグマ、そしてリアクション豊かなモンスター達がいるので、ペッパーが1人ぼっちというわけではない(ほとんど敵ばかりだけど)。
コミカルで明るい雰囲気の中、プレイができる。
キャラクターの魅力
上述した通り、セリフもなく物語要素も軽いので、キャラクター描写もほぼない。
しかし、雑魚敵モンスターの仕草は面白く、ペッパーを見つけたら気合いを入れてから立ち向かってきたり、様々な武器を器用に扱ったり、時にはスープを料理していたり様々な姿を見せてくれる。
一方で、雪山の背景では雑魚敵モンスターが凍死している姿も見られ、命懸けでペッパーの邪魔をしようとしてくれている。
操作の快適さ
操作性は良い。
掘っている最中の操作性は良すぎてめちゃくちゃ動く。ちょっとスティックを倒しただけで、うにょんっと曲がる。この制御のしにくさが本作の面白さであり難しさだ。
ドリルを回転させるR2ボタンは押しっぱなしでいいというわけではなく、フックを掛けるボタンも適宜押したり離したりしなければならず、アクションの種類は少なくとも、操作は忙しい。
このボタンを押したり離したりしなければならない操作はあまり直感的ではなく、ある程度の慣れが必要だ。
難易度バランスを保つために、わざとそうした仕様になっていると思う。
難易度バランス
本作では、ジャンプではなくドリルの制御という本作ならではのプラットフォームアクションの難しさがしっかり味わえる。
グラインダーのハイスピードさと、それに合わせて方向やジャンプを正確に操作するのが難しくて面白い。
体力回復できる野菜の出現頻度やチェックポイントの間隔は甘くなく、ハイスピードながら慎重にプレイしなければならない。ボスは体力が減ると、激しく攻撃するようにもなる。
とはいっても、落下死しても一発ゲームオーバーではなく、近くにリスポーンする。機数がないので、何度でもやり直せる。
というわけで、やり甲斐のある歯ごたえが味わえる。操作に慣れなくても、諦めずにチャレンジしていればちゃんと攻略できる。
ショップで追加体力を買うことが出来るので、苦戦するようなら体力を増やして挑むのも手だ。
ゲームシステムの面白さ
まず、ドリルで掘る勢いをハイスピードな移動や大ジャンプに利用するというコンセプトが面白い。
そして、それを活かせる歯ごたえのあるステージ作りも素晴らしい。
様々なギミックが登場し、順序良く地面を掘り進まないと到達できない場所も多い。また、大ジャンプすると逆に失敗してしまう場所も多い。
単にアクションだけではなく、アクションをどう組み合わせれば上手く進めるかを考える面白さも味わえる。
やり込み要素の楽しさ
各ステージでコインを集めて回るのが1番おすすめのやり込み要素だ。隠しステージもアイデア満載のステージ構成なのでプレイ必至。
また、コインでステッカーブックを買ったり、ペッパーの見た目を変えることも出来る。各コースにはタイムアタックもある。
しかし、隠しステージアンロック以外のやり込み要素は、正直なところやる気はあまり湧かない。
寄り道や探索要素はあまりなく、一度クリアしてしまうと満足してしまうからだ。
でも、ハイスピードさが魅力で上手くプレイできるとスイスイ進められるので、アクションゲームのタイムアタックが好きな人には極めがいのあるやり込み要素となっている。
グラフィックの芸術性
色彩豊かなピクセルアートグラフィックで描かれる。
緻密というわけでなく、ポップで楽しい雰囲気満載の世界で、雑魚敵のリアクションもコミカル。
手に高速ドリルを持って敵を倒すというと、『悪魔のいけにえ』(こっちはチェーンソー)が一瞬頭によぎるけれど、本作は明るく楽しいゲームで誰もが楽しめる雰囲気だ。
サウンドの魅力
アップテンポのBGMが多いけれど、曲調は意外と落ち着いている。派手な曲が多そうに見えるゲーム画面だけど、BGMは予想より静かな印象。
しかし、本作はやはり、グラインダーのブォンブォンブォーンと回転する音が魅力。
コントローラーも一緒に振動するし、掘っている時のボコボコッという効果音も心地良い。
本作と似ているゲームや関連作は更に下へ
Pepper Grinderレビューのまとめ
おすすめな人
- プラットフォームアクションが好き
- 歯ごたえのあるアクションを求めている
- タイムアタックに燃える
おすすめではない人
- ゆっくりしたスピードで進みたい
- 多彩なアクションを操りたい
- 物語要素に期待している
総合評価良いところ&残念なところ
- ハイスピードに掘り進む本作ならではのアクションが楽しめる
- やりがいがありつつ程良い難易度
- コミカルな雰囲気
- 物語要素は軽め
- やり込み要素にやる気が湧きにくい
Pepper Grinderが好きならおすすめなゲーム
似ているゲーム
Celeste セレステ
本作と同じくアクションの種類は限られているもののしっかり歯ごたえが味わえる2D横スクロールアクションゲーム。
本作よりも歯ごたえバキバキで、これでもかとプラットフォームアクションが楽しめる高評価作。
Ori and the Will of the Wisps
こちらはメトロイドヴァニアゲームで、本作とゲーム性は異なるものの、こちらでも地面を素早く潜っていくアクションがある。
プラットフォームアクション要素強めの探索が楽しめる名作。
Pepper Grinder ペッパーグラインダー
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https://www.peppergrindergame.com/
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