レビュー【TOEM】このゲームが丸ごとトーエム | 写真を撮りながら旅する癒しのアドベンチャーゲーム

心奪われる瞬間を写真におさめる、穏やかで心があたたかくなる素敵なアドベンチャーゲーム『TOEM トーエム』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。
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- ストーリー
- トーエムな瞬間を求めて写真を撮りながら旅する物語
- 攻略
- 出会うNPCのお手伝いと探索しながら物語を辿るパズルアドベンチャーゲーム
- 評価
- 心あたたかくなる物語や個性的なNPCに笑い、ひたすら癒される高評価作

- 雰囲気にもゲームプレイにも癒される
- カメラを構えると視界が変わる新鮮さ
- 幅広い人が気軽にプレイできる
- 任意の時点でセーブできない(オートセーブ間隔は設定できる)
TOEMの攻略情報
TOEMの概要
タイトル | TOEM |
---|---|
開発元 | Something We Made |
販売元 | Something We Made, popagenda |
発売日 | 2021年9月17日 |
対応機種 | PS5/4, Switch, Xbox, PC, Android 2025年10月15日: iOS |
ジャンル | アドベンチャー |
シリーズ | TOEM |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
TOEMのストーリー
旅立ちの日

ゲームが始まると、主人公(鳥?そら豆みたいな頭部をしている謎生物)が自分の部屋で佇んでいる。
特に何が起こるわけでもなさそうなので、ひとまず隣の部屋に行ってみるとおばあちゃんからカメラを渡され「遂に出発ね!」と早々に別れを告げられる。
実は、今日は主人公がトーエムを求めて冒険に出発する日なのだ。
トーエムとは、最高のシャッターチャンスだと感じる魔法のような現象のことらしい。
めちゃくちゃ抽象的な話ではあるけれど、トーエムへの旅はこのそら豆家族の伝統なのだろうか。
おばあちゃんはトーエムについて具体的に教えてくれはせず、「私がトーエムを体験した時は素敵だったわ」と自慢してくれるだけだ。
そんなおばあちゃんに見送られ、主人公の旅が始まる。
カメラ片手に観光

主人公は、自然豊かな森やにぎやかな街に繰り出し、様々な景色を写真に収めていく。
時にはカメラで人助けをしたり、ちょっとしたオシャレも楽しんだり。
カメラ片手にゆったり気ままな旅だ。
しかし、どの写真もトーエムとはいえない。
おばあちゃんが言っていた、自分にとってのトーエムな瞬間にはどこで出会えるのだろうか。
TOEMの攻略情報
スタンプ集めて進む

本作では物語に沿って新たなエリアへと旅していくのが大きな流れ。
各エリアではNPCからクエストを依頼され、その報酬としてコミュニティカードにスタンプを押してもらうことができる。
このスタンプを一定数集めると、次のエリアに進むことが出来るようになる。
こうして次から次へと新たなエリアがアンロックされていく。
クエストは、ゲームクリアに必要となるスタンプ数以上に用意されているので、必ずしも全てのクエストを攻略する必要はない。
また、次のエリアに進んでも前のエリアに戻って未クリアのクエストを攻略することもできる。
メインは写真撮影


プレイヤーが操作するのは、主人公の移動と写真撮影するだけ。
探索中は見下ろし視点でプレイし、撮影したいものに向かってカメラを構えるとレンズ越し視点(主観視点)に変わる。
ほとんどが写真撮影のクエストとなっており、NPCから出されたお題に沿ってお目当てのキャラや物や風景を撮影してアルバムに保存する。
そして依頼主のところに戻り、撮影した写真をアルバムから見せるとクエストクリアとなる。
レンズ越し視点にしないと見つけられないものや、動くものや特定の状況でないと撮影できない瞬間もある。
ギミックを使ったり謎解きをしてお目当ての瞬間を準備しなければならない場面もある。
とりあえず、珍しいことや何かありそうと思ったらとりあえずカメラを構えるのが鉄則だ。
ゲームが進行すると三脚を使って離れた位置から撮影も出来るし、自撮りもできる。
これを利用したクエストももちろん登場する。
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TOEMのレビュー
物語: 忘れられない旅

ひたすら穏やかでのどかで平和。全てが優しい世界。
あたたかい。とんでもなく癒される。
プレイしながら「癒される」と幸せなため息が漏れ、心が洗われすぎてツヤツヤピカピカになった。
必要最低限のスタンプはすぐ集まるし、複雑な話が展開するわけでもない。
出会った人のちょっとした悩み事や願いを手助けしていく旅だ。
それだけなのに、ものすごく記憶に残るゲームだ。
本作全体に漂う雰囲気や各キャラがいちいち素敵で、この体験は本作でしかできない。
寄り道すればするほど忘れられない思い出が増える。
登場するキャラたちは、みんなちょっとヘンテコ。
お化け業界を憂うオバケや、ゴミ箱の中から怪しい人物を探しているはずが逆に本人が怪しくなっているヤツ、真剣にノンストップでフリスビーを投げ続ける2人組などなど。
思わず「ふふっ」と笑顔になるエピソードばかりだ。
更に問題解決して満足したキャラを撮影すると、ものすごくキラキラしたハイクオリティポートレート(絵柄まで変わってるレベル)が撮れることもある。その輝きぶりがまた面白い。

操作性: 視点が変わる面白さ

見下ろし視点(左右に動かしたり、ズームは可能)でプレイしつつ、カメラを構えた瞬間に視点に変わるのが面白いところ。
カメラを構えると主人公自身は移動出来ず、見ている方向のみ動かすことができる。
しかし、面倒くさく感じることはない。
実際に写真を撮る時の「あ、もうちょっとそっちに行ってから撮ろうかな」とベストアングルを求めてウロウロする感覚が味わえる。
主観視点のままキャラ自身が動かないので、酔いやすい人も安心だと思う。
アルバムやコミュニティカードなど確認したい画面にすぐ開けるショートカットもあり、主人公はサクサク動き、カメラ操作も直感的で分かりやすい。
難易度: 気軽に攻略、やり込み要素は豊富

ゲームクリア自体はかなり簡単。誰でも楽しくプレイできる。
クエストを依頼されてから撮るべき風景などを探しに行くより、特徴的なものを撮りながら進んでいると、依頼された途端に「その写真なら、もう持ってるよ!」とスムーズに攻略しやすい。
しかし、単に写真を撮るだけではないクエストもあり、依頼内容からちょっと考えないといけない謎解き要素もある。
ゲーム進行と共に一筋縄では攻略できないクエストも出てくるけれど、難しくて悩んでしまうようなものはない。
探索していれば確実に答え分かる。
一方で、謎のブロックやタトという鳥を見つけるなど見過ごしやすい隠されたやり込み要素もあり、完全攻略しようとするとしっかり探索、というより、カメラを構えてキョロキョロしまくらなければならない。
システム: ユニークさも練り込まれた穏やかゲーム

お目当ての風景を探して写真に撮る。
ゲームとしてはそれだけではあるけれど、笑えて癒される世界作りのクオリティの高さやカメラを構えた時に視点が変わる新鮮さに夢中になる。
バトル要素やゲームオーバーの概念は一切なく、適度な広さのマップに単純すぎないクエストがギュッと集まっていて飽きにくいテンポになっているのも良いところ。
エリアも謎解きも趣向が様々で、細かなところまでネタが仕込まれている。
ゲーム全体としてまとまり良く丁寧に作られている。
最高の瞬間であるトーエムを追い求める物語ではあるけれど、筆者にとっては本作の最初から最後まで全てがトーエムだった。
また、クリア後には追加エリアが登場する。
本編とはちょっと違った要素もあるので、エンディング後もお見逃しなく。

芸術性: 癒しの源はサウンド

モノクロで描かれる、ちょっと気の抜けた落書きのような手描きイラスト調グラフィック。
ゲームのフォトモードといえば絶景を狙いがちだけど、本作ではヘンテコなものを撮るのが楽しい。
2Dに見えるけれど、実際には3Dで動くのが面白いセルシェーディングだ。
これによって視点の変化がより一層面白くなっている。
また、やり込み要素として主人公が身につけられる衣装があちこちで手に入る。
機能的なものもあるけれど、単に装飾目的なものもある。
頭から足まで、あれやこれや派手に身につけると、完全に1人だけ場違いな状態になって笑える。
動きにくいくらい着込みつつ写真を撮っている姿はシュールだ。
そして、本作の癒し成分の85%はサウンドだ。
上述してきた通り、ヘンテコで笑える場面も多いけれど、本作がコメディゲームではなく癒しゲームになっているのは癒されるBGMと心地良い環境音のおかげ。
眠たい時にプレイしたら即寝落ちしてしまう、癒しの安眠音楽が盛りだくさん。
ちなみにゲーム内では好きなBGMを選んで流すことができる。
良曲ばかりなので、本作のサントラは作業用BGMにもぴったりだ。

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TOEMの総合評価

総合評価
個性豊かなNPCと出会いながら、写真撮影でクエストや謎解きを攻略する癒されて笑顔になるパズルアドベンチャーゲーム。カメラを構えると視点が変わる面白さや細部まで飽きさせない仕掛けを味わえる高評価作。
おすすめな人 | とにかく癒されたい 写真を撮ることが好き 穏やかなゲームを探している |
---|---|
おすすめではない人 | バトルや濃厚な物語を味わいたい 探索するのが面倒くさい ひたすらエンディングに向かって進みたい |
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Nuts
- 写真撮影で攻略するパズルアドベンチャーゲーム
- カメラを上手く設置してリスの生態を調査する
- 徐々に意外な事態につながっていく物語も楽しめる