『What the Car?』レビュー: 車だと思われる何か
車ってなんだっけ?と疑問に思い始めるほど奇想天外がステージで、足が生えた車が大活躍する『What the Car?』をネタバレなしで要素ごとに詳しい評価を交えてレビュー。
本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
ゲーム製品情報Game Info
- タイトル
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What the Car?
- 開発元
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Triband
- ジャンル
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カジュアル, アクション, パズル
- 対応機種
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iOS (Apple Arcade)
PC (2024年発売予定) - シリーズ
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WHAT THE GAMES?
本作は、ゴルフだけど全然ゴルフではないカジュアルゲーム『What the Golf?』から始まった、様々な概念を覆すWHAT THE GAMES?シリーズの1本。
本稿は、Apple Arcade版をiPadでプレイしたレビューとなっている。
WHAT THE CAR?の内容Features
あらすじ
車が発進!ぶぅうーん
ゲームが始まると、車の運転が始まる。
誰かが運転しているわけではなく、車自体がキャラであり、本作の主人公だ。
特に名前は明かされないので、「クルマ君」と呼ぶことにする。
車くんは、道なりにブーンと走っていく。
車輪はいらない
走って行った先で、クルマ君はテディという名のクマに出会う。クルマ君の友達だ。
で、なぜかテディから「ホイール外しちゃえば?」と言われる。
ホイール?え、それはクルマ君が車であることのアイデンティティでは。
しかし、クルマ君は言われるがままに車輪をスポッと取り外す。
で、ニョキニョキニョキニョキー!
あ、足がはえたーー!
クマに会いに行く
二足歩行車という、とんでもない車種というか不思議生物になったクルマ君は、テディに導かれるままに洞窟へと進んでいく。
テディは、他のクマにクルマ君のことを紹介し、みんなでパーティを開きたいらしい。
そこから、なぜかクルマ君は更に謎なボディになりながら爆走し、テディの友達に出会いパーティーにお誘いしていくことになる。
ゲームプレイの特徴
変身しながらステージを走りきる
本作はステージクリアでゲームが進行していく。
各ステージでは、崖から落ちたりせずスタートからゴールまで走りきればクリア。
プレイヤーが操作するのはクルマ君の向きを変えるハンドル操作とレバーを引くのみ。
ステージごとにクルマ君の形状は変わり、レバーを引いた際のアクションはステージごとに異なる。
レバーを引くと車らしくクラクションが鳴ることもあれば、背中につけたジェットパックを噴射することもあり、大ジャンプすることもある。
クマ友達に会う
本作のステージ選択画面にあたるクマの洞窟からは、複数のエピソードと呼ばれる、いわゆるワールドに進むことができる。
各エピソード内にはたくさんのステージが用意されており、そのうちの特定のステージをクリアすると発電機を起動することが出来る。
この発電機を一定数起動すると、巨大な宝箱からクマ友達がババーンと登場する。
そのクマを車に乗せて(座席ではなく屋根の上に乗せるスタイル)クマの洞窟に戻ると、新たなエピソードをアンロックすることが出来る。
発電機付きのステージを全クリアしたら次のワールドが登場するというわけだ。つまり、全ステージを攻略しなくともゲームは進行できる。
カードを集めて爆走しろ
上述した通り、各ステージではゴールまで走りきればクリアとなるけれど、ステージ上にはカードが浮かんでいる。
取りに行くのが面倒くさい場所に浮かんでいることが多いけれど、そのカードを取りつつゴールすると、そのカードを手に入れることができる。やり込み要素だ。
また、本作は一応カーレースゲームということになっている、たぶん。
そのため、ステージクリア時にはかかった時間によって3段階での評価も表示される。
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WHAT THE CAR?の評価Review
物語の面白さ
物語性があるのは冒頭くらいで、その後はひたすらステージを攻略していくことになる。
新しいクマの友人が登場しても、特に何も会話は発生しない。
「クルマ君を友達に紹介するぜ」と言っていた最初のクマ友達テディはというと、友人を連れ帰って来ても拠点のソファでくつろいだままだ。
というわけで物語性はないに等しいけれど、この世界への惹きつけぶりはすごい。
なぜタイヤではなく足なのか、なぜ登場するのはクマばかりなのか、なぜステージごとにクルマくんが変化するのか。
ツッコミどころだらけで、ぶっ飛んでいる。しかし、真面目にツッコミ始めたら負け(?)だ。
そういうゲームだ。深く考えずにプレイするのが正しい楽しみ方。
キャラクターの魅力
クルマくんにセリフはない。
しかし、どのコースでも、にこやかな顔でババーンと登場する。
足が8本くらい生えてても、逆さまになってサッカーボール噴射機になっていても、足がオフィスチェアになっていても、穏やかな笑みを浮かべている。
その笑みをたたえたまま、ゴールへと向かう。このなんとも言えない笑顔が妙に記憶に残る。
一方、NPCであるクマ達は、なぜかどのステージ上でも、クルマくんのことをめちゃくちゃ応援してくれている。
また、ステージ選択画面では、悪ふざけしていたりセリフのあるクマもいる。
操作の快適さ
コース上の物は全て物理演算で動く。
色んな物を蹴散らして進み、物も木も何でもかんでも物理演算でぶっ飛び、コース上にいるクマ達も巻き込まれて吹っ飛んでいく。
ステージ上にはジャンプできる板やスピードアップするタイルが置かれていることがあり、その効果はクルマ君に吹っ飛ばされてタイルにうっかり乗ってしまったクマたちにも及ぶ。ハチャメチャだ。
繊細な動きはほぼ出来ない。当たり判定もよく分からないことになっており、とんでもない方向に吹っ飛ぶこともある。
これが本作の面白さだ。
「わー、ぶつかる!ハンドルが効かない!」が連発し、何かにぶつかったら「え、そっちに飛ぶんかーい!そんなに飛ぶんかーい!」と驚くばかりだ。
上手くプレイするゲームではなく、予想外の展開と動きを笑いながら楽しむゲームだ。
というわけで、操作性は良くないんだけど、それがちょうど良い。ちなみに、画面タッチ操作とゲームパッドどちらでもプレイしたけれど、ゲームパッドの方が操作はしやすい。
難易度バランス
失敗することはあっても、ステージクリア自体は苦労せず出来る。
しかし、やり込み要素でもあるカード集めやタイムアタックはなかなか難しい。
特にカードは、上述した通り操作性が良いとはいえない状態で狭い道を通ったり、ジャンプを1発で成功させなければ手に入れられないことが多く、繊細な操作が求められる。
しかも、カードを取った状態でゴールまで到達しなければならないので、より難しくなっている。
クリアタイム最高評価でカード取得の2つ同時クリアは大変だ。
ゲームシステムの面白さ
「よくぞこんなに変なクルマとステージを生み出せるな」というのが1番の感想。
ステージ選択をしたら、まずクルマ君がどんな姿で現れるかが1番の楽しみ。
もう「走る」という概念を超えてる。いや、車の概念を超えている。
どのステージでも最初に「今度はそう来たか!」と笑ってしまうし、奇想天外さに妙に感心してしまうこともある。
ゲームとしてはカジュアルで、いわゆるネタゲーでもあるけれど、アイデアの豊富さは素晴らしく、誰でも楽しく分かりやすく笑いながら遊べる良いゲームだ。
やりこみ要素の楽しさ
上述もしたけれど、カード集めとタイムアタックがゲーム上のやり込み要素。
更に、ステージを自作することもできる。
特定のステージをクリアすると、ステージエディタが登場し、好きなギミックを配置してステージを作ることができる。
また、他の人が作ったステージに挑戦することも出来る。
実際に自分でステージを作ってみると、本作の各ステージのアイデアがいかに凄いかを実感できる。笑えるドタバタを誘発しつつ、ちゃんとクリアできるステージを作るのは難しい。
グラフィックの芸術性
落書きのようなテイストの3DCGで描かれる。
本作のゆるくて笑える雰囲気そのままに、見た目もゆるーい。
クマのキャラ分け描き分けや高精細な描写は期待してはいけない。
この気の抜けた感じがゲーム性とぴったり合っている。分かりやすくて楽しくて良し!
サウンドの魅力
BGMもゆるい曲調でふわわーんと鳴っているくらいだ。
それよりも、ガラスに突っ込んでバリィンッとなったり、コース上でクルマ君を応援してしたクマにぶつかってしまった時のゴッという鈍い音など、効果音の方が目立つ。
でも、サウンド面で1番気に入ったのはステージ開始時にステージ名(というか、そのステージでのクルマ君の状態)が軽快ボイス付きで流れること。
ギャグのようなネーミングとクルマ君の姿なんだけど、毎回クルマ君がとんでもない姿になっているのにドヤ顔していて、いちいち笑える。
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関連ゲーム
What the Golf?
本作開発元の代表作であり、WHAT THE GAMES?シリーズの第1作目。
ゴルフの面白さが分からないからネタに全フリしてやったという、奇想天外なゴルフゲーム。
こちらもApple Arcadeでプレイ可能。
似ているゲーム
Donut County
こちらも物理演算を使ったアドベンチャーゲーム。
なぜか穴に何でもかんでも落としていくアライグマが主人公。
こちらもぶっ飛んでいて笑える話だけど、ちゃんと結末がある物語が楽しめる。
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レビューのまとめSummary
おすすめな人
- 気軽に遊べるゲームを探してる
- 笑いたい
- 短時間ずつプレイできるゲームを探している
おすすめではない人
- 精度高い操作をしたい
- ネタに付き合う気分じゃない
総合評価
- 奇想天外で笑えるステージが豊富
- 物理演算で物が動くドタバタわちゃわちゃ感
- 誰でも気軽に楽しめる
- 物語性はほぼない
- 正確な操作が難しい
WHAT THE CAR?
©️2021 Triband ApS
https://www.triband.net