※Amazonリンク
『What the Car?』とは、Tribandが開発したカジュアルゲーム。
パズルゲームのようであり、ミニゲーム集のようでもある。
開発元は、人気カジュアルゲーム『What the Golf?』のデベロッパーだ。

本作は、Apple Arcadeでプレイ可能。私はiPadでプレイした。

本作がどんなゲームか、その特徴や魅力と共に実際にプレイした感想と各要素の評価をネタバレなしでレビューする。また、本作に似ているゲームも紹介する。
画像はタップもしくはクリックすると拡大して見ることが出来ます。
あらすじStory
ぶぅうーん
ゲームが始まると、車の運転が始まる。
誰かが運転しているわけではなく、車自体がキャラであり、本作の主人公だ。
特に名前は明かされないので、「クルマ君」と呼ぶことにする。
車くんは、道なりにブーンと走っていく。

車輪はいらない
走って行った先で、クルマ君はとあるクマに出会う。
どうやら友達らしく、名前はテディ。
で、なぜかテディから「ホイール外しちゃえば?」と言われる。
ホイール?え、それはクルマ君が車であることのアイデンティティでは。
しかし、クルマ君は言われるがままに車輪をスポッと取り外す。
で、ニョキニョキニョキニョキー!
あ、足がはえたーー!

クマに会いに行く
二足歩行車という、とんでもない車種というか不思議生物になったクルマ君は、テディに導かれるままに洞窟へと進んでいく。
テディは、他のクマにクルマ君のことを紹介し、みんなでパーティしたいらしい。
そこから、なぜかクルマ君は更に謎なボディになりながら爆走し、テディの友達に出会っていくことになる。

ゲームの特徴Features
変身しながら走りきる

本作はコースクリアでゲームが進行していく。
基本的に、崖から落ちたりせず各コースのスタートからゴールまで走りきればクリア。
操作はクルマ君の向きを変えるハンドル操作とレバーを引くのみ。
コースごとにクルマ君の形状は変わる。
レバーを引くと車らしくクラクションが鳴ることもあれば、背中につけたジェットパックを噴射することもあり、ジャンプすることもある。
というわけで、コースによってレバーを引いた際のアクションは異なる。
クマ友達に会う

本作の舞台となるクマの洞窟(コース選択画面でもある)からは、いくつかのエピソードと呼ばれるエリアに進むことができる。
各エピソード内にはたくさんのコースが用意されており、特定のコースをクリアすると発電機を起動することが出来る。
一定数の発電機を起動すると、巨大な宝箱からクマ友達がババーンと登場する。
そのクマを車に乗せて(座席ではなく屋根の上に乗せるスタイル)洞窟に戻ると、新たなエピソードをアンロックすることが出来る。
各エピソードの全コースをクリアしなくても、次のエピソードへ進むことが出来るわけだ。
カードを集めて爆走しろ

上述した通り、コースのゴールまで走りきればいいだけだけど、コースの途中にはカードが浮かんでいる。
大体のコースで面倒な寄り道に浮かんでいるけれど、そのカードを取った状態でゴールすることで、はじめて取得したことになる。
また、本作は一応カーレースゲームということになっている、たぶん。
そのためコースクリア時には、かかった時間によって3段階で評価される。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
物語性があるのは冒頭くらいで、その後はひたすらコースをクリアしていく。
新たなクマが登場しても、特に何も会話はない。
「友達に紹介するぜ」って言っていた最初のクマ友達はというと、拠点のソファでくつろいだまま。
というわけで物語性はないに等しいけれど、世界への惹きつけぶりはすごい
なぜタイヤではなく足なのか、なぜ登場するのはクマばかりなのか、なぜコースごとにクルマくんが変化するのか。
ツッコミどころだらけで、ぶっ飛んでいる。しかし、ツッコミ始めたら負け(?)だ。
そういうゲームだ。深く考えずにプレイするのが正しい楽しみ方。
キャラクターの魅力

4.0
クルマくんにセリフはない。
しかし、どのコースでも、にこやかな顔でババーンと登場する。
足が8本くらい生えてても、逆さまになってサッカーボール噴射機になっていても、足がオフィスチェアになっていても、穏やかな笑みを浮かべている。
その笑みのまま、ゴールへと向かう。
このなんとも言えない笑顔が妙に記憶に残る。
一方、NPCであるクマ達は、なぜかコース上でめちゃくちゃクルマくんのことを応援してくれている。
コース選択画面では悪ふざけしていたり、セリフのあるクマもいる。
操作性

4.0
コース上の物は全て物理演算で動く。
色んな物を蹴散らして進み、物も木も何でもかんでも物理演算でぶっ飛び、コース上にいるクマ達も巻き込まれて行く。
コース上にはジャンプできる板やスピードアップするタイルが置かれているけれど、そこに乗ってしまったクマたちにも効果は及ぶ。
繊細な動きはほぼ出来ない。よく分からない当たり判定で、とんでもない方向に吹っ飛ぶこともある。
でも、それが本作の面白さだ。
「わー、ぶつかる!ハンドルが効かない!」が連発し、何かにぶつかったら「え、そっちに飛ぶんかーい!そんなに飛ぶんかーい!」てことばっかりだ。
上手くプレイしたり、精度高いアクションをすることより、予想外の展開と動きを笑いながら楽しむゲームだ。
というわけで、操作性は良くないんだけど、それがちょうど良い。
ちなみに、タッチ操作とゲームパッドどちらでもプレイしたけれど、ゲームパッドの方が操作はしやすい。
難易度バランス

4.0
失敗することはあっても、コースクリア自体は苦労せず出来る。
しかし、やり込み要素でもあるカード集めやタイムアタックは、なかなか難しい。
特にカードは、上述した通り操作性が良いとはいえない状態で狭い道を通ったり、ジャンプを1発で成功させなければ手に入れられないことが多く、繊細な操作が求められる。
しかも、カードを取った状態でゴールまで到達しなければならないので、より難しくなっている。
クリアタイム最高評価でカード取得の2つ同時クリアは大変だ。
ゲームシステム

4.0
「よくぞこんなに変なクルマとコースを考えつくな」というのが1番の感想。
コース選択したら、まずクルマ君がどんな姿で現れるかが1番の楽しみ。
もう「走る」という概念を超えてる。いや、車の概念を超えている。
どのコースでも最初に「今度はそう来たか!」と笑ってしまうし、奇想天外さに妙に感心してしまうこともある。
ゲームとしてはカジュアルで、いわゆるネタゲーでもあるけれど、アイデアの豊富さは素晴らしく、誰でも楽しく分かりやすく笑いながら遊べるゲームだ。
やりこみ要素

4.0
上述もしたけれど、カード集めとタイムアタックがゲーム上のやり込み要素。
更に、コースを自作することもできる。
特定のコースをクリアすると、コース編集が出来るモードが解放され、好きなギミックを配置してコースを作ることができる。
また、他の人が作ったコースに挑戦することも出来る。
コースを作ってみると、本作のコースのアイデアがいかに凄いかを実感することもできる。
笑えるドタバタを誘発しつつ、ちゃんとクリアできるコースにするのって難しい。
グラフィック

3.5
大味な落書きっぽく見えるグラフィック。
本作のゆるくて笑える雰囲気そのままに、見た目もゆるーい。
クマのキャラ分け描き分けや高精細な描写は期待してはいけない。
この気の抜けた感じがゲーム性とぴったり合っている。
分かりやすくて良し!それでいい。
サウンド

4.0
BGMもゆるい曲調でふわわーんと鳴っているくらい。
それよりも、ガラスに突っ込んでバリィンッとなったり、コース上でクルマ君を応援してしたクマにぶつかってしまった時のゴッという鈍い音など、効果音の方が目立つ。
でも、サウンド面で1番気に入ったのはコース開始時にコース名(というか、そのコースでのクルマ君の状態)が軽快ボイス付きで流れること。
ギャグのようなネーミングとクルマ君の姿なんだけど、毎回クルマ君がドヤ顔に見えて、いちいち笑える。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
笑えるネタの豊富さ
物理演算のドタバタわちゃわちゃ感
誰でも気軽に楽しめる
残念なところ
物語性はほぼない
正確な操作は難しい
オススメな人
気軽に遊べるゲームを探してる
笑いたい
オススメではない人
精度高い操作をしたい
ネタに付き合う気分じゃない
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
本作開発元の代表作であり、What the?シリーズの第1作目。ゴルフの面白さが分からないからネタに全フリしてやったという、奇想天外なゴルフゲーム(クラブでボールを打つ瞬間は一切ない)。こちらもApple Arcadeでプレイ可能。

こちらも物理演算を使ったアドベンチャーゲーム。なぜか穴に何でもかんでも落としていくアライグマが主人公。こちらもぶっ飛んで笑える話だけど、実はちゃんと物語が楽しめる。


WHAT THE CAR?
車だと思われる何か
コースごとに違ったぶっ飛んだボディの車で進む笑えるカジュアルゲーム。
奇想天外さとアイデア(ネタ)の豊富さ、物理演算で予測不能のわちゃわちゃが楽しめる。
誰でも楽しめてゆるい雰囲気も魅力だけど、やり込み要素は歯ごたえしっかり。
WHAT THE CAR?
©️2021 Triband ApS
https://www.triband.net