【30 Birds】鳥と一緒に街ごと回転 – 攻略とレビュー
幻想的なランタンの世界で、笑いたっぷりな謎解きに挑むパズルアドベンチャーゲーム『30 Birds』。
30 Birdsの特徴
- ストーリー: 鳥たちの問題を解決して仲間になり、女神シムルグ救出を目指す物語
- 攻略: 街を探索し、謎解きによって鳥を助けていくパズルアドベンチャーゲーム
- 評価: 多彩な謎解きと笑える会話が満載で、ランタンが回転する演出など個性光りつつまとまりの良いゲーム
- 美しいグラフィックとランタン状の地形
- 笑える会話が多くて物語を追うのが楽しい
- 自分で探して考えるパズル
- ギミック操作時などに選択中の部位が分かりにくい
- 動作に不安定な部分がある
『30 Birds』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
30 Birdsの攻略情報
30 Birdsの概要
タイトル | 30 Birds |
---|---|
開発元 | RAM RAM Games, Business Goose Studios |
販売元 | ARTE France |
発売日 | 2024年11月28日 |
対応機種 | PC |
ジャンル | パズルアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
ランタンシティに向かうジグ
探偵のジグは夜空を走る列車に乗っていた。
この列車の行き先はランタンシティ。ランタンシティとは、その名の通り宙に浮かぶランタンで人々が暮らしている不思議な街だ。
人々が家を建てて住めるほどの巨大なランタンは、5世紀前に女神シームルグによって生み出されてから多くの人が住み栄えてきた。
そんな不思議な街に向かう列車は混雑していた。車内は、ランタンシティで女神シームルグの「目覚め」をひと目見ようとワクワクしている乗客ばかりだ。
ジグはというと、彼女はとあるお告げのような夢に導かれてランタンシティに向かっていた。
女神シームルグの目覚め
ランタンシティに向かう人々のお目当てであるシームルグの「目覚め」とは一体何なのか。
実はシームルグは、夢を見るためと言ってスヤスヤ眠っているのだ。「50年後に起きるんで、よろしく」と呟き、眠りについたという。
そして、その50年後が今なのだ。遂にシームルグが目覚めるというわけで、人々はその目覚めの瞬間を見ようとお祭り騒ぎだ。
さあ、いよいよその時が来た。シームルグが目覚めるぞ!目覚め…目覚めたーっ!
ランタンシティの中央で目を開けたシームルグ。大きく美しい鳥の女神だ。
ところが、その神々しい姿が一瞬見えたと思った瞬間、突然大きな手が現れてシームルグを包んで消えてしまった。
30羽の鳥を集める
さて、いよいよ本作の主人公である探偵ジグの出番だ。シームルグを救うのがジグの使命だ。
実は、ランタンシティには悪だくみばかりする「科学者」と呼ばれる者がいる。そのタレコミ情報を追い、ジグばランタンシティにやって来たのだ。
シームルグに対して何かやらかしたのも「科学者」に違いない。よし、「科学者」を探し出すぞ!
え、いや、なんだって?探すのは「科学者」ではなくて、30羽の鳥!?
あまりにも潔いタイトル回収に衝撃を受けつつも、それが霞むほど超個性的な鳥たちの手というか翼を借りるため、ジグはランタンシティをぐるぐると回り始めた。
攻略のポイント
情報をもとに鳥探し
本作は、上述通り30羽の鳥を探し出し仲間になってもらうことでゲームが進行していく。
ランタンシティは大きく4つに分かれており、あちこち行き来しながら鳥を見つけていく。
基本的には、「あそこで鳥見たよ」といった街の住民からの情報をもとに鳥の居場所を探し当て、そして見つけた鳥が抱える問題を解決してあげる。
お悩み解決によって満足した鳥はジグと友達になり連絡先を交換する。これで鳥探し完了だ。
幻想的な世界に見えるけれどジグも鳥もスマホを持っており、いつでも連絡を取れる間柄になる=仲間になるという、めちゃくちゃ現実的な方法で30羽の鳥と友達になっていく。
鳥パズル
各鳥が抱える問題は謎解きで解決する。本作にバトル要素はない。
ギミックを動かしたり、押し問答を切り抜けたり、迷路を解いたり、それぞれ異なるパズルが登場する。
また、いわゆるフラグ立てが必須な箇所もある。特定の鳥が仲間になっていないと解けないパズルや、特定の住民の話を聞くと開く扉があり、条件が揃わないと進めない場所があるのだ。
ただし、本作は一本道というわけではなく、どのエリアから進めるかはある程度自由だ。
また、メニュー画面ではクエストリストで手がかりを見つけた鳥情報を確認できるけれど、ヒント機能はない。あちこち探索したり、選択肢を選べる会話で色んなパターンを試してみたり、時には仲間になった鳥に連絡してパズルを解くヒントを得ていく。
記事はさらに下に続きます
30 Birdsのレビュー
物語: 幻想的でありつつも、思わず吹き出す会話ばかり
ランタン状の都市で、神話のシームルグを救う。なんとファンタジックな物語!
と思うけれど、プレイ中のほとんどの時間は、キャラ同士の会話に笑っていた。
登場する鳥たちは、ギャンブル好きや哲学者気取り、まともな鳥かと思えば巻き込まれているトラブルが突拍子もなかったり。どの鳥も笑わせてくれる。
会話は軽いノリで、主人公のジグは辛辣なツッコミ役であり、セリフが面白い。日本語翻訳も素晴らしく、寒いジョークはちゃんと寒くてセリフを読んでいて思わず吹き出してしまっていた。
ペルシャ神話がベースにあるけれど決して小難しくなく軽快で、かといってジョークに走りすぎているわけでもなく、気構えずに笑顔で物語を楽しめるゲームだ。
操作性: ランタンならではの表現が面白いが、気になるところあり
本作1番の目玉は、ランタン状に描かれた街の風景。面の端に来ると本当にランタンをクルクル回して絵柄を見るように画面が動く。
これが、単純に楽しい。
さらに、平面に描かれていることで目で見ただけでは分からない道が隠されており、抜け道を探しながら探索するのが面白い。
操作に関しては、複雑な操作が求められるゲームではなく、プレイで困ることはない。
ただ、装置を操作する際などに今どのボタンやレバーを選択しているのかがパッと見で分かりにくいのが気になった。
ゲームパッド使用だと思ってもないものを選択してしまっていることがある。選択中のものの輪郭が点滅したり目立つ色に変わるなど視覚的な変化があるともっと分かりやすくプレイできると思う。
また、操作キャラが消えてしまったり、ランタンがうまく回転しないなど攻略上困るバグが少し起こったので、今後の修正に期待したいところ。とはいっても、エリア遷移時などにちょこちょことオートセーブされるので、トラブルが起こってもやり直しが苦になる事態にはならないので安心だ。
難易度: 自分でルールに気づく面白パズル
本作では鳥がいる場所は分かりやすい。住民の話からすぐに予想できる。
しかし、鳥に会えてから始まる謎解きに親切なヒントはない。どの謎解きも似通ってはおらず、ギミックの使い方を考えるところからパズルが始まることも多い。
手がかりは突然サラッと1回だけしか言ってくれなかったり、クエストリストには事細かに進捗が書かれないので、NPCのセリフはちゃんと読んで覚えておかなければならない。あまり間隔を空けずに一気にプレイした方がいいと思う。
それでもパズルが難解で詰まることはなく、探索だけで解決する謎解きもあり、テンポ良く攻略することができる。
パズルは30羽分用意されており、攻略順はある程度自由ということは謎解きが同時に多発するというわけなので、あっちこっちにパズルが溢れているという謎解き好きに堪らない体験ができる。
また、タイルカードというゲーム内ミニゲームがあり、これが考えつつも判断の速さも求められる内容で面白い。メインストーリー攻略にも必須なので、ちゃんとルールを理解する必要がある。
システム: 自分で探して解く、ちょうど良いまとまり
本作は、舞台が広すぎず狭すぎず、複雑すぎず単純でもない謎解きがぎっしり詰まった、ちょうど良いパズルアドベンチャーゲームだ。
物語がちゃんとパズル内容にも活かされており、独創的な世界設定を味わいながら謎解きを攻略できるのが良い。
端的にまとめると30羽分のパズルを解けってことかと思ってしまうところだけど、パズルが物語に組み込まれており、探索や聞き込みも必要で、ゲームとして上手くまとまっている。
そこにランタンがグルグル回るのが面白いという本作ならではの演出があり、移動している間も楽しい。
欲を言えば、ランタンが回る仕掛けを活かした謎解きがあるといいなと思う。それくらい面白い演出だ。
芸術性: ランタンの光りが美しく幻想的
本作は、手描き調グラフィックで描かれる。
ランタンのゆらめく明かりのように光は淡く広がり、エキゾチックな世界は所狭しと描き込まれている。見惚れてしまう美しさだ。あたたかみのある明かりなので、配色は鮮やかすぎず、本当にランタンの柄のように街が描かれている。
この幻想的な風景で、まさかスマホ使いまくりコメディ会話が繰り広げられるとは思ってもみなかった。このギャップが本作の魅力でもある。
BGMはエキゾチックで、人のざわめきや飲食する際の食器がぶつかる音など、街ならではの環境音があちこちから聞こえてきて心地いい。
ただ、BGMや効果音が妙なタイミングでなくなることがあったのが不思議だった。環境音だけにする仕様だったのか、それとも不具合だったのだろうか。
総合評価と似ているゲームは下へ
30 Birdsの総合評価
30 Birds
総合評価
ランタンを回転させるように移動する演出や幻想的な風景が美しく、キャラ同士の会話は笑い満載でありつつ、自力で考えて解く面白い謎解きを味わえる上手くまとまっているパズルアドベンチャーゲーム。
おすすめな人 | 謎解きが好き 手描き調グラフィックが好き 比較的短時間で攻略できるゲームを探している |
---|---|
おすすめではない人 | しっかりヒントが欲しい NPCの会話を読むのが面倒くさくて飛ばしがち バトルやアクションを楽しみたい |
30 Birdsに似ているおすすめゲーム
The Plucky Squire
- 絵本の中と外の世界を行き来するアクションアドベンチャーゲーム
- 2Dと3Dが効果的に使われていて、本自体を動かす謎解きも楽しめる
- メタ的なネタもあり、可愛いグラフィックも魅力
プリンスオブペルシャ
失われた王冠
- ペルシャ神話をベースにしたメトロイドヴァニア
- プラットフォームアクションもバトルも探索もしっかり楽しめる高評価作
- 時間を戻す能力を使ったアクションが特徴