【Another Crab’s Treasure】出汁がとれるソウルライク – 攻略とレビュー
可愛い冒険が始まるかと思いきや、めちゃくちゃしっかり死にゲーでびっくりした『Another Crab’s Treasure』。
Another Crab’s Treasureの特徴
- ストーリー: 笑えるネタ満載の小さなヤドカリの大冒険
- 攻略: シェルを守り守られるバトルで本格的なソウルライクなアクションアドベンチャー
- 評価: 見た目とゲームプレイのギャップが激しく、それが良い旨味を出している
- ゆるい雰囲気ながら本格的なソウルライクが楽しめる
- 背負う殻を使い捨てるシステムが面白い
- 笑えるネタ満載
- 操作性が良いとは言えない
『Another Crab’s Treasure』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームも紹介する。
Another Crab’s Treasureの攻略情報
Another Crab’s Treasureの概要
タイトル | Another Crab’s Treasure |
---|---|
開発元 | Aggro Crab 主な過去作 Going Under |
販売元 | Aggro Crab |
発売日 | 2024年4月25日 |
対応機種 | PS5, Nintendo Switch, Xbox, PC |
ジャンル | アクションアドベンチャー, ソウルライク |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | Xbox |
ストーリー
浅瀬に引き篭もっていたクリル
太陽の光眩しい浅瀬の砂浜。一匹のヤドカリがのんびり暮らしていた。これが本作の主人公のクリル。
クリルは孤独を愛し、自分の貝殻の中に引き篭もっていた。
自分の貝殻の中が1番幸せだ。ヤドカリってそもそも殻に閉じ籠る生物だから、引き篭もりというのはヤドカリとして正しい姿だ。
クリルお気に入りの砂浜には鳥は飛んでくるけれど、他には誰もいない。クリルは引き篭もり生活を極めていた。
突然の納税義務と差し押さえ
ところが、クリルの穏やかな生活は突然壊れてしまった。
明らかに誰かが操作していると思われるオモチャのローンシャークが突然現れて、浅瀬の領主であるスリックタイド公国に税金を払えと言うのだ(誰がサメを操っているかは不明)。
しかし、税金なんて初耳だし、そもそもお金になりそうな物も持っていないクリルは、貝殻を税金代わりに強奪されてしまった。これが世に言う差し押さえだ。
いや、納税義務について学んでいる場合ではなく、ヤドカリにとって貝殻は家であり服でもあるので、クリルはなんとか税金問題を解決しようとサメの後を追いかけて海へ飛び込んだ。
穢れていく海
海では、様子のおかしい蟹に攻撃されたり、露出狂と言われたり、やたらと仰々しい騎士にぶち飛ばされたり、クリルは散々な目に遭うことになる。
しかし、美を追求するマギスタ侯爵夫人に真珠を献上すれば納付期限が延長される約束を取り付けたクリル。勇敢にもフォークを携えて洞窟を攻略し、無事に真珠を手に入れて戻ってきた。
ところがスリックタイド城はボロボロに壊れ、兵士達は目つきがおかしい。そして、マギスタ侯爵夫人は口からヘドロを吐きまくっていた。そして、あのサメの姿は見当たらない。
実は、この海では税金よりも恐ろしい穢れが広がっているのだ。
それでも、行方不明になった愛しの我が貝殻を取り戻すため、クリルはゴミを背負って穢れた大海へと進んでいく。
攻略のポイント
ヤドカリが海で戦うアクションアドベンチャー
本作は、海中が舞台のアクションアドベンチャーゲーム。
ある程度自由に探索しつつ、各地のダンジョンやボスを攻略し、サブクエストもクリアしつつ物語を進めていく。
セーブポイントとなるムーンカタツムリのシェル間ではファストトラベルも出来る。
殻の使い方が重要なバトル
クリルの戦い方は以下の通り。
- 近接攻撃
- 武器はフォークで、ローリング回避も可能
- スタミナゲージはない
- 攻撃が敵に当たる度にうま味ゲージが溜まる
- ゴミを背負って防御
- クリルはそこら辺に落ちている空き缶などのゴミを貝殻代わりにシェルとして背負う
- 一つのみ装備できる
- 使い捨て
- シェルには重さの概念があり、回避スピードが変化する
- ガードすると、クリルは背負っている殻の中に隠れる
- ダメージを受けると殻の耐久度のみが減る
- 使い捨てで、どんどん新しい殻に変えていくことになる
- 各シェルには固有スキルがあり、うま味ゲージを消費して発動する
- クリルはそこら辺に落ちている空き缶などのゴミを貝殻代わりにシェルとして背負う
- ひっくり返しを狙う
- 敵を攻撃したりパリィを成功させると、敵の体勢ゲージが溜まる
- 溜まりきると、敵がひっくり返ってスタンする
- アダプテーション
- ボスを倒すと習得可能になる特殊スキル
- うま味ゲージを消費する
- ソウルライク
- 敵を倒すとマイクロプラスチック(経験値であり通貨)を獲得する
- デスペナルティ
- 所持マイクロプラスチックと背負っていた殻を落とす
- 復活後に取りに戻ると回収可能
- 所持マイクロプラスチックと背負っていた殻を落とす
- セーブポイントで休息すると体力回復アイテムが補充され、雑魚敵が全復活する
- うま味スキル
- 探索や強敵を倒して手に入れるうま味の結晶を消費してスキルツリーをアンロックできる
- パリィや落下攻撃などアクションの種類が増える
クリルの成長と装備
セーブポイントで一定量のマイクロプラスチックを消費すると、クリルはレベルアップできる。
レベルアップ時には、攻撃力や防御力といった任意のステータスを上げることになる。
また、クエスト報酬や探索で特定のアイテムを手に入れると体力が上がったり、回復アイテムの上限数を増やすことが出来る。武器の強化も可能。
そして、クリルは上述の通り、使い捨てのシェル(ゴミ)で防御するけれど、ストアウェイと呼ばれる寄生生物を装備することが出来る。
寄生生物はアクセサリのような感覚で、攻撃力や防御力を少し上げるなどステータスボーナスが付与される。だたし、殻を装備している状態でしか効果を発現しないので注意。
寄生生物はクリルが雇っているという設定で、壊れたり無くなったりはしないけれど、売買可能。
難易度を変えられる
本作はソウルライクゲームなので難易度選択は出来ないし、セーブファイルも自由に作れない。
しかし、設定からシェルの耐久度など様々な項目を易しくすることができる。
苦手なアクションやシステムがある人にも安心だ。
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Another Crab’s Treasureのレビュー
物語: 笑い満載の可愛く勇敢なヤドカリ
冒頭からツッコミどころ満載の笑える物語が展開する。
クリルは可愛くて純粋で、詐欺や理不尽な命令にも素直に従ってしまう。
しかし、クリルは貝殻のためなら地獄でも行くくらいの熱いハートの持ち主(貝殻への愛が異様に強い)なので、決してへこたれず明るい調子で物語は進む。
あちこちにソウルライク、特にフロムソフトウェアのゲームのパロディや、環境問題をブラックジョークにしたネタが散りばめられている。
特にソウルライクゲームをよくプレイする人ほど、本作のソウルライクゲームを茶化しているネタに笑えるはず。
NPCは、見た目の可愛さとは裏腹に辛辣なセリフを吐く奴が多い。ふざけたダークファンタジーっぽさを演出してくるので、とにかく笑える。意外とクリルが冷静にツッコミを入れる時もあって、余計に面白い。
ちょっと日本語翻訳に不自然なところがあるけれど、軽いノリで物語を楽しめる。
操作性: ざっくりした挙動
本作はソウルライクだ。となれは、剣先数センチでギリギリ攻撃をかわす高精度で厳密なアクションが求められる、はず。
ところが、本作の当たり判定はざっくりしている。理不尽さや疑惑の判定を感じるほどではないけれど、とてもゆるっとした当たり判定だ。
そして、操作性が良いとも言えない。アクションは大味で、足場や段差に引っかかったり謎に滑ったりするのは日常茶飯事だ。
バトル中に、なぜかクリルが謎方向にバイーンと吹っ飛ばされることもある。そのため納得のいかない落下が多く、敵もクリルも事故死することが多い。お互い様だ。
というわけでは操作性は良くない。しかし、怒ったりイラついてはいけない。この「ソウルライクなのに色々とユルいんだが!」というのが本作の魅力でもあるのだから。
難易度: しっかりソウルライク
上述したユルいアクション精度による事故死は置いておいて、本作のバトルはしっかり歯ごたえのある死にゲーだ。
そう、バトル難易度は確実にちゃんとソウルライクしている。敵はしっかり強くて獰猛でガツガツと攻めてくる。
中ボス並みの敵も気軽に散歩しているので、どこに行っても気が抜けない。
でも、シェルを被れば完璧に身を守ることが出来る、しかしシェルが壊れたら超貧弱だ。つまり、防御しつつも、防具であるシェルも守らなければならない。
これが本作ならではの面白さであり難しさ。
シェルの耐久度が減らないパリィと回避を織り交ぜて戦わなければならない。まさにソウルライクの難しさ。
そこにタイミングを見計らって殻を新品交換する本作ならではのやりくりと面白味が更に刺激を生んでいる。
ただ、やはり操作性のユルさで死ぬことがあるので、ある意味、本気ソウルライクゲームより難しいかもしれない。
システム: ふざけつつも本格派、殻の使い方が奥深い
本作は、可愛くほのぼのとしていそうなのに高難易度ソウルライクというギャップが1番の面白さ。
硬派なゲームが多いソウルライクというジャンルに、こんなに軟派な要素を混ぜ込むとは。これだけでも本作はプレイの価値あり。
意外とちゃんとソウルライクなので、特にソウルライクゲームの厳しさを知っている人ほど笑えて楽しめると思う。
上述した通り、シェルで守り、シェルを守るバトルが面白い。シェルによって固有スキルが変わるので戦い方が二転三転する新鮮さも続く。
シェルとなるゴミは種類が豊富で、あたり一面に落ちているゴミの中から「どれを被ろうかな」と吟味するのも楽しい。バナナの皮のスキルでは体力回復し、アイスのコーンでは氷攻撃を放つなど、ゴミとスキル内容がほんのりリンクしているのも面白い。
最初は「なんでヤドカリ?」と思っていたけれど、ヤドカリの生態を生かしたバトルシステムが本作ならではの面白さを生んでいて、まさかのヤドカリってソウルライク向け生物だったことが判明した。
そして、3Dプラットフォームアクション要素もあり、上下に入り組んだマップ構造では探索もしっかり楽しめる。
芸術性: 全ての面白さを生む全開の可愛さ
ゲーム画像だけ見ると、ヤドカリくんの可愛いアドベンチャーだと思うだろう。海中もキャラも色鮮やかだし、クリルのスカーフも変えてファッションも楽しめる。
この可愛くてポップな見た目が、本作の「え、プレイしてみたらゴリゴリ高難易度なんですけど!」というゲームプレイとのチグハグさを生んでいる。
これがフォトリアルなヤドカリだったら、本作の笑える雰囲気はぶち壊しだ(フォトリアルなヤドカリってのも面白そうだけど)。
一方で、BGMはポップでもなく深刻すぎもせず、控えめながらおしゃれな曲が多い。
海中ということで穏やかな曲と共に癒される場面も多い。
総合評価と似ているゲームは下へ
Another Crab’s Treasureの評価
Another Crab’s Treasure
総合評価
可愛く笑える物語や世界で本気のソウルライクバトルというギャップが魅力。操作性は快適とはいえないけれど、そのユルさも魅力の1つ。がっつり歯ごたえで殻を活かした立ち回りと探索が楽しめる。
おすすめな人 | 笑えるゲームが好き 高難易度アクションが好き ソウルライクが好き |
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おすすめではない人 | 高精度なソウルライクしか認められない ブラックジョークが苦手 可愛い物語を期待している |
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