『Carrion』とは

ポーランドのPhobia Game Studioが開発。
これまでに『BUTCHER』という血がブシャーな2Dシューティングアクションゲームをリリースしている。
本作も2Dのドット絵グラフィックのメトロイドヴァニアゲーム。
そして、ドット絵によってマイルドにはなっているけれど、残虐でグロい演出がふんだんに盛り込まれている。
Nintendo Switch、Xbox One、PCでプレイ可能。
私はNintendo Switch版をプレイ。
あらすじ
どこかの研究施設からゲームはスタート。
培養器のようなケースを派手にパリーンと突き破って登場するのが、本作の主人公。

触手の塊。
「『バイオハザード』のラスボスといえば?」と訊かれたら頭に浮かぶ、期待を裏切らないキモい触手の塊。
そんな触手くんは、逃亡するためか、はたまた人間を喰らい尽くすためか、研究施設を所狭しと暴れ回る。

自分は何者なのか。
そんなことを気にしてるかどうかは一切分からないけど。

触手くんは、進化しながら、研究施設内の縄張りを拡大していく。

人間は、我が血となり肉となれ
ゲームの特徴
触手プレイ
触手くんは、かなりアクティブ。
ヌルヌルヌルーっと縦横無尽に触手を伸ばして滑らかに移動する。
そして、触手で機械や人間を掴んで、豪快に投げて壊したり叩きつける。
「触手で掴む」、これが基本のアクション。

ZR押しっぱなしで右スティックを動かすと掴んだままブンブンと振り回せる
敵は、もちろん人間。
バンバンバンバン銃で撃ってくる。
撃たれると触手が少しずつちぎれ飛んでしまい、最後はヒョロヒョロなミミズ状態になり絶命。

直前のセーブポイントからやり直しとなる。
人間には、特殊な防護服を着ている奴もいるし、装甲機に乗ってズドドドドと機関銃で撃ってくる危ない輩もいる。
直接人間を掴んでブンブン振り回して倒してもいいし、そこら辺にある機械を投げつけて倒してもいい。
とにかく大暴れすること。
そして、倒れて床に転がる人間をバリバリムシャムシャ食べて体力回復が出来る。


まさに怪物が巣食う研究施設
あちらこちらで人間が悲鳴をあげ惨殺されていく
それでも怪物と戦う人間たち
勇敢だ
でも、このゲームでは捕食対象でしかない
恐怖の進化
舞台となる研究施設は、怪しさ満点。
各所にバイトハザードマークが付いた培養器のようなものがある。
触手くんは、そんな培養器をパリーンと壊して、ズルズルズルと中に入り込む。
そうすると新たなDNAを手に入れて、新たな触手を使った技を発動できるようになる。

本作では、人間を食べるよりも探索の方がメイン。
同じエリアを何回か行ったり来たりすることになる。

一定個数の巣穴を作ると次に進むゲートが開くようになる
はじめは行けなかった道も、新たに手に入れた触手プレイによって進めるようになる。
更には、人間に触手をブスッと刺して操ることも出来るようになったする。
同士討ちさせてしまえる恐怖の技だ。

持っている銃や火炎放射器を使うことができる
スイッチを押させてゲートを開かせたりもできる
しかし、「うはははは、凶悪すぎる!このパワー!」と手放しで喜べるわけではない。
触手くんは、人間を食べると体力が1ゲージずつ増える。
で、体力が5ゲージ溜まるごとにサイズが変わる。
触手くんは、自身のボディサイズによって使える能力が変わる。
たくさん人間を食べて大きくなったら、ドガーンと障害物を突き破れる。
でも、小さいボディじゃないと使えない技じゃないとスイッチが操作出来ないことも。

そんな時は、怪しげな液体の中で、自らのボディを切り離し大きさを調節する必要がある。


逆に、人間に撃たれてまくって
ボディが小さくなってしまうと
巨体専用技が使用不可能になってしまう
わざと人間を食べずにダイエットしたり
積極的に人間を食べて巨大化したり
ボディサイズのやりくりが重要
評価
物語の魅力
ストーリー

怪物と戦うヒーローや悪役が主人公になることが多いけれど
まさかの怪物が主人公
しかも気持ち悪い触手の塊
その設定だけで最強!
セリフはないけれど、触手くんの正体や行く末に興味そそられる
キャラクター

最初は「うわっ、キモい!」と思うけど
プレイしていると
触手くんが可愛く思えてくる
人間に撃たれると
「どうしてそんな意地悪するの!」と
他のゲームでは味わえない触手に愛着が湧くという
とんでもない感情を味わえる
進行のテンポ

触手くんが黙々と研究施設を巡る
物語(触手くんの進化と研究施設の制圧)は
着々と進む
数時間〜10時間でクリアできる
もうひと盛り上がり欲しかったな
芸術性
グラフィック

ドット絵が滑らかに動く高品質なピクセルアート
人間はシンプルだけど
触手くんのゾワゾワウネウネっぷりは素晴らしい
触手一本ずつが丁寧に描かれている
ドット絵だけどキモさが凄い
もしフォトリアルだったらキモ過ぎただろうな
ドット絵だからこそ良い
サウンド

BGMはずっと不穏
緊迫感溢れるホラー映画な音楽
そして、人間の悲鳴と恐怖で泣き喚く声
触手くんの唸り声
うーん、素晴らしい
自分が怪物側なのにドキドキしてしまう
完成度
操作性

すんごく滑らかに動くので
動かしているだけで気持ちいい
しかし、人間や機械など触手で掴めるものが密集している場所では
掴みたいものを一発で掴めないことが多い
右スティックで掴む対象に狙っている最中も
触手くんは滑らかに動きすぎる
操作のクセに慣れる必要がある
あと、大きなボディになると
どこが触手くんの中心なのか分からなくなる
難易度バランス

ゲームオーバーになると
セーブした時の状況からリスタート
こまめにセーブしないと
結構長いやり直しになるので注意
基本的には人間を圧倒できるパワーを持っているけれど
特殊な防護服を着てる奴やドローンなど
うまく立ち回らなければいけない敵もいる
それなりにゲームオーバーになるし
試行錯誤したくなる良い難易度
動作の安定性

プレイしていてバグやエラーはなし
ロードも軽い
やみつき度
ゲームシステム

触手を操るという独特なアクション
それだけで面白い
透明になれたり、外皮を硬く出来たり
覚える触手技はどれも「触手あるある」だけど
実際に自分が使う側となると楽しすぎる
単に大暴れするアクションというわけではなく
触手でメトロイドヴァニアっていうのも、また良い
めちゃくちゃ凶悪モンスターなのに
丁寧にレバーを上げたり下げたり
迷子になってウロウロしてる様は
自分で操作してるとはいえ、妙に笑えてくる
自由度・戦略性

使える技が増えてくると
人間の倒し方を考えるのが一段と面白くなってくる
機械をぶん投げながら大暴れするのもいいし
背後から人間を触手で攫って食べちゃうのもいいし
1人の人間を操って銃乱射しまくって
人間同士で戦わせてしまうのも楽しい
やり込み要素

やり込み要素は格納ユニット集め
特定の技を使うためのエネルギー上限が増えたりする
探し出すのはそこまで難しくない
メトロイドヴァニアではあるものの
寄り道要素はほぼなし
淡々と粛々と進むのみ
触手くんは地図が読めないので道を覚えるのが大変
迷子になってる時間が1番長かったかも
評価まとめ
Carrion
触手モンスターになれる
敵の倒し方が豊富
ホラーな雰囲気抜群

物語の魅力
芸術性
完成度
やみつき度
おすすめ・おすすめではない人
Carrion
https://www.devolverdigital.com/games/carrion
Copyright Phobia Game Studio 2020.