『Diablo IV ディアブロ4』とは、Blizzard Entertainmentが開発したアクションRPG。
1996年に第1作目『Diablo ディアブロ』が発売され、本作はナンバリングタイトル第4作目。
「ディアブロ視点」と呼ばれることもある俯瞰視点でプレイするハクスラゲームの代名詞的な人気シリーズだ。

本作はPS5、PS4、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。


ディアブロシリーズといえば、オンラインマルチプレイの元祖ともいえるゲームであり、本作もマルチプレイ可能。
が、本稿はソロプレイでのレビューとなっている。
ちなみにソロプレイでも常時インターネット接続は必要(マルチプレイする際にはPS Plusなどのサブスク加入も必須)。

本作がどんなゲームか、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
良からぬ儀式
不気味な遺跡を探索中の4人の男。
どうやらトレジャーハント中のならず者たちだ。
しかし、そのうちの1人は一攫千金が目的というわけではなく、この遺跡に関する知識を得たい知的好奇心たっぷりマンだ。
ところが、遺跡に巣食う怪物たちに見つかってしまい、4人は大ピンチに。
遂には、先頭に立って怪物を迎え打っていた勇敢な1人の男を見捨て、他の3人は祭壇のような場所に行き着く。
「お宝はどこだよ!」と憤るならず者。一方で知的好奇心たっぷりマンは祭壇に刻まれた文字を目にして「これは…召喚だ…」と怯え始める。
と、その瞬間、見捨てたはずの男が突然姿を現し、3人は祭壇に磔になってしまう。
そう、この見捨てたはずの男は、3人を生贄にした儀式が目的だったのだ。
そして、そんな儀式の末に現れたのは、リリス。本作の最重要人物である悪魔リリスが威風堂々とご登場だ。

一服盛られた主人公
場面は変わって、吹雪く山を歩く人が1人。キャラクタークリエイト済みの主人公だ。
遭難しかけたものの、とある村に辿り着いた主人公は、村人から近くに化け物がいると聞く。
すると、主人公は生粋の正義の味方体質なのか、一瞬で化け物退治を買って出る。
チュートリアルを交えつつ無事に化け物退治を終えた主人公が村に戻って来ると、村人たち総出で宴を開いてくれる。
「なるほど、本作ではこうして勇者として名を馳せていくんだな」と思いながら、ご機嫌に飲み食いする主人公を見守っていると…
机にドーン。主人公は酔っ払ったのか豪快に突っ伏して寝てしまった。
すると、村人がサッと主人公を荷車に乗せて運んでいく。
ん?どこへ?ふかふかベッドにでも連れて行ってくれるのか?

リリスとの迷惑な絆
主人公が荷車で運ばれたのは血だらけの小屋。
そして、主人公は花びらのようなものを飲まされる。その瞬間、主人公の脳裏にリリスの姿が浮かぶ。二日酔い予防薬ってわけじゃなさそうだ。
さらに、村人は刃物を研ぎ始める。おいおいおい。主人公、起きろ!たぶん、殺されるぞ!
と、そこにとある僧侶が助けに現れ、主人公は間一髪目を覚ますことが出来た。
その僧侶によると、リリスは何らかの計画のためにこの村の住人含め人間たちを狂わせているらしい。
更に、主人公が飲まされたのはリリスの血であり、それによってリリスとの間にありがた迷惑な絆を持ってしまったようだ。
「リリスを止められるのは絆を持つ主人公しかいない」というお告げのもと、主人公はすんなりとリリスを止めるためサンクチュアリの世界へ旅に出ることに。
面倒ごとに巻き込まれがち主人公は一体どうなってしまうのか。そして、リリスの目的とは!?

ゲームの特徴Features
オープンワールド

本作はプロローグを終えると、そこからは自由なオープンワールドゲーム。
メインストーリーに関わるメインクエストが複数発生するだけではなく、サブクエストも各地でポコポコと発生する。
また、歩いていると突発的に始まるチャレンジやダンジョン探索もある。
本作では敵の強さは主人公のレベルに連動するため、自由にどこからでも攻略できる。
また、各地には町や集落があり、売買やアイテム強化などができて、ファストトラベルも可能。
好みの主人公に育て上げる

ゲームプレイ開始の主人公作成時に、以下の5つのクラスから選択することができる。
- バーバリアン
- 脳筋パワープレイどんとこい!な肉体派
- マルチプレイならタンク役になれる
- ドルイド
- 動物に変身できる自然界の申し子
- 上級者向けと言われることが多い
- ネクロマンサー
- 死者を操って共闘できる能力を持つ
- もはや敵にいてもおかしくない禍々しさ
- ローグ
- 近接武器も遠距離武器も持てる
- 罠も使えて、圧倒的な素早さを誇る
- ソーサレス
- 強力範囲魔法を詠唱できるシリーズお馴染みクラス
- 打たれ弱さがたまにキズ
本作では敵を倒したりクエスト完了時に経験値を獲得する。
レベルアップ時には最大体力などステータスが向上し、スキルポイントを獲得する。
スキルポイントを消費すると各クラス異なるスキルツリーをアンロックでき、攻撃手段が増えていく。
また、クラスによって装備できる武器や防具も異なる。
ひたすら戦う

本作はハクスラゲームなので、ひたすら敵を倒しまくって進む。
バトルでは、各ボタンにセットしたスキルを使用して戦うことになる。
また、ショップで買うこともできるけれど、敵討伐時や宝箱からは様々な装備品が手に入る。
装備品は、同じ名前や見た目でも強さや追加効果が異なるため、取捨選択して付け替えていく。これがディアブロシリーズの大きな魅力の1つだ。
また、探索中に手に入る素材を使って、回復アイテムや装備品を強化することもできる。
レベルアップだけではなく、サブクエスト攻略などによって名声を獲得すると、回復アイテムの所持数が増えるなど報酬を獲得することでも主人公を強化することができる。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
シリーズ過去作から続く天使と悪魔の対立という壮大なテーマが描かれている。
しっかり理解しようとすると複雑だけど、大筋は分かりやすくて、リリスの重厚感溢れる佇まいとは裏腹に意外ととっつきやすい。
というのも、プロローグが終わった途端、物語の描写はかなりあっさりになるからだ。
メインクエストであっても、主人公含め全員が脅威の現状把握能力と適応能力を発揮してサクサク話を進めていく。
ストーリーは冒険する動機づけになるくらいの物語性はあるけれど、感情移入したり先が気になるような物語重視なゲームではない。
ハクスラアクションRPGはひたすら戦いまくるのが魅力なので、会話や演出に時間をとらない描き方が通常運転だ。
でも、そうはいっても、憎悪と人間の罪というテーマが描かれていて、まとまり良いダークファンタジーな物語が楽しめる。
キャラクターの魅力

4.0
主人公はクラス選択だけでなく外見のキャラクターカスタマイズも出来る。
そんな主人公は「リリスの血を飲んじゃったから(飲まされたんだけど)リリス問題請け負うぞ」とすんなり使命を受け入れる謎の超正義感の持ち主だ。
でも、セリフはあるけれど、主人公に特にキャラクター性があるわけではない。プレイヤーの分身という立ち位置だ。
NPCも、上述した通りあっさり物語展開なのでサッと現れてサッと退場することが多い。
ただ、本作では人間の欲深さが際立っている場面が多く、ゲスいヤツや悲惨な末路を辿る人が多め。
でも、それよりも、本作で最高に魅力的なのはリリスだ。
不気味で怖くて、めちゃくちゃ憎悪まみれ。それでいて妖しい気品があって美しい。ヘアスタイル(角だけど)もオシャレ(?)。
主人公の物語というより、リリスの物語を辿っている気分になるくらいリリスの存在感が圧倒的。
操作性

4.0
操作方法は分かりやすい。
キャラの移動とスキルに対応したボタンを押すだけ。
繊細で複雑な操作も求められるわけではないし、攻撃タイミングも当たり判定も厳しくない。
向いている方向の敵を自動で狙ってくれるし、装備品や素材もサクサク拾えて、インベントリも見やすい。
ただ、画面が暗く、敵も暗色系なので、敵が大群で攻めてくると、もみくちゃ状態になって主人公を見失うことも。
が、これがハクスラの楽しさなので、特に不便には感じない。
基本的には問題なくプレイ出来ているけれど、ゲームがフリーズしてしまったことがあった。
また、ソロプレイでも常時インターネット接続が必要で、プレイ中に「再接続します」と表示されることもある(切れたりはしない)ので、プレイ時のネット環境には注意。
難易度バランス

NPCが共闘してくれる
4.0
初プレイ時には2段階から難易度が選べる。
選択できるのはワールドティア1とティア2の2段階で、ティア2の方が既プレイヤー向けの高難易度と書かれている。
私はソロプレイなので敵からの集中攻撃を警戒してティア1を選択したけれど、かなり易しめだったので、ティア2に変更した(ゲーム中でも変更可能)。
それでも回復アイテムがよくドロップするし、サクサク攻略出来る。
ただし、これはネクロマンサーでプレイしている感想だ。
ネクロマンサーでは召喚したアンデッドが自動行動NPCのようになるので、ソロプレイでも攻略しやすい。
どのクラスにも強みと弱みがあるけれど、特にソロプレイではクラスによって難しさが変わると思う。
ゲームを進めると更に高難易度が選択出来るようになり、その分、高品質の装備品がドロップしやすくなる。
敵は主人公のレベルと選択した難易度によって強さがちゃんと変わるので、プレイヤーそれぞれに合ったプレイが出来る親切設計だ。
ゲームシステム

4.0
オーソドックスなハクスラアクションRPG。
そこに見た目も操作性も現代の良さが取り入れてられていて、プレイしやすい。
逆に言えば、特に斬新なシステムがあるわけではない。
でも、それが良い。
ディアブロを楽しみたい人がディアブロをお腹いっぱい満喫出来る、それが魅力。
で、ハマる。やっぱりハマる。
敵の出現頻度や武器のドロップ率などのバランスが絶妙で、「もっと良い武器がドロップするかも」という、ある意味ガチャにも通じるディアブロの中毒性を振り撒いている。
敵も主人公と共に強くなるので、レベルアップのためではなくレジェンダリー装備を狙ってバトルを繰り返すようになる。ふと気づくと世界を救うことも忘れていたりする。これがディアブロ沼だ。
そして、オープンワールドというのもハマるポイント。
ただでさえ無心でプレイし続けてしまいやすいゲーム性な上に、途切れなく大量のコンテンツが画面端から顔を覗かせてくるので、本気でやめ時が見つからなくなる。
やりこみ要素

4.5
上述した通り、たくさんのコンテンツが各地に散らばっている。
サブクエストだけではなく、チャレンジや実績解除の項目も大量。
時間制限があったり大量の敵に囲まれることもあって、メインクエストより大変な目に遭うこともある。
別のクラスでプレイすれば、また全く違ったプレイ体験が味わえるので、全クラスを試してみるのも大きなやり込み要素だ。
実績解除や高難易度にも挑戦しがいがある。
敵が主人公に合わせて強くなるので、やり込みまくっても難易度がぬるくならないのも良いところ。
そして、やはりディアブロといえばエンドコンテンツ。本作でも盛り盛りのエンドコンテンツが予定されていて、かなり長く長ーく遊べるゲームだ。
ちなみに、ソロプレイでも問題なく楽しめているので、ぼっちプレイ派にもおすすめ。
グラフィック

4.0
通常時は遠めからの俯瞰視点だけど、カットシーンになると3DCGの綺麗さを堪能することができる。
まあ、不気味なダークファンタジーなので、絶景というわけじゃないし、残虐なシーンも多いけれど(暴力的な演出は日本版では一部改変されている)。
装備品によって見た目も変わるし、背景に過ぎない部分も装飾されているし、不気味さ際立つ綺麗なグラフィックだ。
サウンド

4.0
BGMは、クラシック音楽系。壮大で不気味で、もの哀しさも感じる曲が多い。
明るく元気いっぱいな場面も町もないので、常に暗い雰囲気。
だけど、敵が大量に現れると、敵のグォオオという唸り声に、主人公のスキルの効果音がビシィッ、ドカーンと鳴り、倒された敵の断末魔がプギャー。
ものすごくにぎやかになる。
ソロプレイでこれだから、マルチプレイだと更に騒がしいだろう。このわちゃわちゃ感がクセになる。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
自由度が高い
中毒性が高い
プレイヤーに合わせて敵が強くなる
残念なところ
物語性や演出はあっさりめ
用語や過去作の説明が少ない
オススメな人
ひたすら戦いたい
装備品やスキルを比較するのが好き
自由度が高いゲームが好き
オススメではない人
物語性を重視している
バトルの繰り返しなど作業感が苦手
装備品集めに面白さをあまり感じない


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Darksiders Genesis
こちらも天使と悪魔の戦いが描かれるハクスラゲーム。ただし、こちらは調停者という立場。主人公の兄弟2人を切り替えて操作したり、謎解き要素も楽しめる。

The Ascent アセント
装備品をジャカジャカ手に入れて吟味するのが好きなら、こちらもおすすめ。こちらはサイバーパンクな都市が舞台で、銃火器がメインのバトルが楽しめる。



DIABLO IV
経験値よりもレジェンダリー
オープンワールドで自由度高く、やめ時を見失う中毒性の高いハクスラアクションRPG。
ディアブロシリーズの魅力はそのままに、各プレイヤーに合った難易度でプレイできるなどプレイしやすさも魅力。
DIABLO IV ディアブロ4
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