『Hi-Fi Rush ハイファイラッシュ』とは、Tango Gameworksが開発したアクションゲーム。プラットフォーマー要素もありつつ、リズムアクションの要素が強めだ。
Tango Gameworksとは、『Ghostwire Tokyo』『サイコブレイク』などを開発したデベロッパー。

ホラー色の強いゲームを多く手がけているデベロッパーだけど、本作にホラー味は全くないので、怖いゲームが苦手な方もご安心を。
本作は、Xbox、PCでプレイ可能。私はXbox版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
巨大企業
優れたロボット技術を売りにしている巨大企業ヴァンダレイ社。
そこでは、ロボットパーツと人間を融合させる新技術をテストするため、被験者を募集していた。
そこに意気揚々と現れたのが、本作の主人公チャイ。
ロックスターに憧れるノリが良すぎる若者だ。しかし、右腕を負傷しているらしい。
チャイは今や懐かしいiPodのようなミュージックプレイヤーと共に手荷物を預けて、いざ手術へ!
いや、待てよ、手術じゃないのか?
チャイが案内されたのは病院じゃなくて工場っぽいんだけど、大丈夫か?あれ?チャイって人間だよね?

ビート人間の誕生
そんな被験者たちの様子を視察していたヴァンダレイ社の社長ケール。その本性はお金儲け至上主義だ。
「被験者にインフルエンサーがいないじゃないか」と不満たらたらで、暇にまかせてチャイが預けていたミュージックプレイヤーをポイッと放り投げてしまう。
ところが、幸か不幸か、そのミュージックプレイヤーが今まさにチャイの右腕にロボットパーツを装着しようとしているプレス機(!)の中に落下してしまう。
で、ガッチョン!とプレス完了。
なんと手術ではなくスタンプのようにプレスすることでロボットパーツを装着するハイテク謎技術だ。
ところが、出来上がったのは、右腕には確かにロボットパーツ(ゴミ拾い用の磁石付き)は装着されているけれど、胸にミュージックプレイヤーが埋め込まれてしまったチャイだ。

不良品の戦い
ミュージックプレイヤーが埋め込まれたことで、なぜかビートに合わせて動けばパワフルになれる不思議ボディになってしまったチャイ。
そんなチャイは不良品とみなされロボット達に追われるハメに。不良品は廃棄される運命だ。
ところが、別の運命が動き出す。「殺されてたまるか!」と必死に逃げていたチャイは猫型ロボットと出会う。
その猫を操るペパーミントからヴァンダレイ社が実は悪巧みをしていると聞かされ、選択肢のないチャイはその阻止に半ば強引に協力させられることになる。
一癖も二癖もある、というか、もはや人間をやめてるレベルで暴走する幹部達やロボット達を相手に、ビート人間チャイの戦いが始まる。

ゲームの特徴Features
ステージクリア型

本作では、物語はひと続きになっているけれど、いくつかのステージに区切られている。
ステージごとに探索とバトルをしながら進んでいく。バトルが発生すると全敵を倒さないと先に進むことは出来ない。
本作はリズムアクションゲームなのでバトルでの内容が評価され、ステージ終了時には総合評価が表示される。
ビートに合わせて動け

探索中もバトルでも、背景やオブジェクトもBGMのビートに合わせて動く。
探索中にはプラットフォームアクションもあるけれど、道中のギミックもBGMのビートに合わせて動く。ちなみに主人公の一歩一歩もビートに合っている。
バトルでは、弱攻撃と強攻撃が可能。攻撃もビートに合わせて発動する。
どんなにボタンを連打しても、変なタイミングでボタンを押しても、主人公はビートのタイミングに合わせて攻撃動作をする。
つまり、ビートに合わせてボタンを押せなくても、攻撃は必ずビートに合わせて繰り出される。
じゃあ、いつボタンを押してもいいのか、というわけではない。
ビートに合わせて攻撃ボタンを押せれば、与えるダメージ量がより多くなり、敵が回復アイテムをドロップしたり、スコアも上がっていく。
操作がビートとズレてもアクションは起こるけれど、タイミングが合っている方がメリットが得られる。これが本作の基本システムだ。
ビートを利用する

上述した通り、弱攻撃と強攻撃があるけれど、その組み合わせでコンボ技が発動する。
コンボの最後にはビートヒットが発動し、画面上に現れる円が重なるタイミングでボタンを押せば大ダメージを与えられる。
また、パリィやグラップリングフックを使って敵に近づいたり、敵を打ち上げて空中コンボを決めるといったアクションも出来る。
更にビートに合わせて敵を攻撃するとリバーブゲージが溜まっていき、一定量溜まるとスペシャルアタックを繰り出すことが出来る。
コンボ技や必殺技、さらにパッシブスキルなどは、探索やバトルで手に入るギアを消費して新たなものをアンロックしたり強化することが出来る。
仲間を召喚

プレイヤーが操作するのは主人公だけど、仲間に加勢してもらうことが出来る。
仲間は常にいるわけではなく、Xbox版ではRTボタンを押すと登場して、そのキャラ特有のスキルで敵を攻撃して帰っていく。
クールタイムを経れば再召喚出来る。
敵のバリアや探索中の障害物には、仲間のスキルじゃないと壊せないものもあるので、召喚する仲間を切り替えながら助太刀してもらう。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ

4.0
見た目通りのカートゥーンな軽快なノリで物語は進む。
物語の冒頭からずっとノンストップでハイテンション。
笑えるシーンも多く、にぎやかなアニメっぽい演出が矢継ぎ早に起こり、ドタバタとずっと楽しい。
自己顕示欲とプライド高すぎな敵集団に、もやし野郎とも呼ばれる若僧が立ち向かう。
よくある物語だけど、異常にテンポが良くて冒頭からグングンと物語に惹き込まれていく。
キャラクターの魅力

4.5
主人公は、バカにされたり殴られたりぶっ飛ばされたり散々な目に遭うけれど、常に根拠のない頑丈な自信があり元気いっぱい。
少年漫画(ギャグ漫画寄り)の主人公のように魅力的なヒーローだ。ヒーローっぽい振る舞いはしないけど。
仲間は、ツンデレハッカーや心優しき脳筋など、分かりやすくて魅力的。
で、仲間よりも強烈なのはボスとなる幹部達だ。とんでもなく濃い性格をしてる奴らなので、いちいち笑える。突き抜けた性格が採用条件なのかもしれない、この会社は。
そして、そこかしこにいる従業員であるロボット達。かなり人間くさいヤツらばかりで、セリフが面白い。
操作性

4.5
ビートは分かりやすく、ボタンを押した反応や敵の動きもビートのタイミングにバッチリ合っている。
また、色んなアクションが登場するけれど、操作方法は分かりやすい。というよりチュートリアルが親切だ。
チャイの脳内ステージでチュートリアルが行われるんだけど、それ自体が面白おかしく作られているし、新しいアクションが登場するテンポも親切。
本作をプレイしていると、プレイヤーに快適に楽しんでもらおうという心くばりが随所で感じられて、すごく好感が持てる。
敵のロックオンは出来ないけれど、攻撃ボタンを押せば自動で近くの敵を狙ってくれるので、ビートに集中出来るのもありがたい。
難易度バランス

表示させても評価は下がったりしない
4.5
リズムアクションゲームなので、プレイヤーのリズム感が必要。
でも、背景などもビートに合わせて動いているので視覚的にタイミングが分かる。リズムを把握しにくい人にも安心だ。
更に画面下に分かりやすいビートのタイミングを表示させることもできる。
ボタンを押すタイミングが必ずしもビートに合っていなくてもミスにはならず攻撃を繰り出せるので、いわゆる音ゲーに馴染みがなくても気軽に攻略していける。
一方で、高スコアや後述するやり込み要素は、がっつりリズム感や上手さが求められる。
「リズムって難しいよう…」という人から「我こそはリズムマスターだ!」という人まで、みんなが楽しめる作りになっている。
ゲームシステム

4.5
リズムに合わせて攻撃するシステムに、コンボ技やパリィなどもあるしっかりしたアクションバトルが噛み合っている。
お互いに邪魔し合っていないのが凄いところ。
ビートに合わせようとしてアクションの気持ちよさが消えたり、アクションが優先されてビートに合わせる面白さが低くなったりしそうなのに、全くそうなってない。
絶妙にブレンドされていて相乗効果を生み出し、ビートの高揚感とアクションの爽快感が倍増している。
プラットフォーマーな探索要素も成長要素も複雑すぎず組み込まれていて、どんどん攻略していきたい欲が湧いてくる。
やりこみ要素

4.0
大量の目標がやり込み要素。敵を一定数倒そう!という簡単なものから、一切ダメージを受けずにボスを倒せ!という難しいものまで。
それらの目標を達成すると報酬が貰えて、ステージ合間に訪れるアジトの壁画が完成していく。
アジトに集められていく落書きを見つけたり、後々通れるようになる場所など、各ステージは再プレイして楽しむ要素も隠されている。
ギアを集めて主人公を強化していくのもやり込み要素だ。
また探索中やアジトのショップでは、体力やリバーブゲージの上限値を高めるアイテムが手に入る。
そうしたゲームプレイに関する要素とは別にテキスト情報の収集もある。
ヴァレリー社の異次元なブラックぶりが垣間見えるので(月曜日が4日連続してたりする、最悪)、あちこち探してみるのがおすすめ。
グラフィック

4.0
カートゥーン調のグラフィックが滑らかに動く。
色とりどりで鮮やかで、しかもそれがビートに合わせて動いている。ステージは眺めているだけでも楽しくなる。
また、攻撃した時にエフェクトが文字で現れたり、攻撃ボタンを押した瞬間に合わせてライトが光ったり、画面の隅から隅までぎっしりにぎやかで楽しい。
サウンド

4.5
リズムアクションゲームなので、BGMは命だ。
主人公チャイがロックスターに憧れているのもあり、BGMはロックな曲が分かりやすいビートにアレンジされている。
常にノリが良い曲ばかりで、プレイしていると自然にノッてしまう。
元気になる良い曲ばかりだ。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
リズムアクションもアクションバトルもしっかり楽しめる
テンポやノリが最高
キャラが魅力的
残念なところ
敵のロックオンは出来ない
オススメな人
リズムアクションが好き
元気になりたい
リズムをとるのが苦手だけど音ゲーに挑戦したい
オススメではない人
本格的な音ゲーを求めている
スコアなど評価されるゲームが嫌い
ゆったりまったりしたい
おすすめ類似ゲーム本作に似たゲームはコチラ
ビートに合わせて攻撃するゲームなら、こちらもおすすめ。ビートに合わせて行動する『クリプトオブネクロダンサー』とゼルダの伝説がコラボしたリズムアクションゲーム。物語も探索も謎解きも楽しめる。


元気になれるリズムアクションなら、こちらもおすすめ。目まぐるしく変わる画面やポップなBGMに合わせて、現実逃避出来る高評価作。

Hi-Fi Rush ハイファイラッシュ
ビートを刻む不良品
コンボやパリィなどもあるアクションバトルと、全てがビートに合わせて発動するリズムアクションが絶妙に融合して面白く進化したアクションゲーム。 テンポの良い物語やノリでぐいぐいと惹き込まれる中毒性の高さと、丁寧な作りと親切さも魅力な高評価作。 ボス含めキャラの濃さも魅力。
Hi-Fi Rush ハイファイラッシュ
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