【Laika Aged Through Blood】メトロイドヴァニアで自損事故 – レビューと攻略
ブンブンバイクで走り回るモーターヴァニアと銘打たれた高難易度メトロイドヴァニア『Laika Aged Through Blood』。
Laika Aged Through Bloodの特徴
- ストーリー: 非道なバードに復讐するため、集落の戦士ライカが戦う過酷な物語
- 攻略: バイクで移動しシューティングで戦う、敵も主人公も一撃必殺のメトロイドヴァニアゲーム
- 評価: 独特な操作方法に慣れると面白さがぐんぐん加速し、探索も物語もしっかり面白い高評価作
- 個性的な移動方法
- 正確な判断と操作が求められる歯ごたえが味わえる
- 感情移入する物語
- 妙な日本語翻訳になっている場面がある
- 視認性が低い場面がある
『Laika Aged Through Blood』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Laika Aged Through Bloodの攻略
Laika Aged Through Bloodの概要
タイトル | Laika: Aged Through Blood |
---|---|
開発元 | Brainwash Gang |
販売元 | Thunderful Publishing |
発売日 | 2023年10月19日 |
対応機種 | PS5, PS4, Xbox, Switch, PC |
ジャンル | メトロイドヴァニア, アクションアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
荒野のコヨーテ
荒野に立つ1匹のコヨーテ(本作の世界では動物が擬人化されている)。本作の主人公ライカだ。
彼女はバイクに跨り走り出した。どこに向かうのかというと、ヤコブのいる場所だ。
なぜなら、ライカの娘のパピーが無線機で物騒な話をライカに伝えてきたからだ。
パピーが言うには、ライカが住む集落の子プーチーが無惨な姿で発見されたそうだ。そして、プーチーの父親であるヤコブが犯人に復讐するため集落を出て行ってしまったという。
ライカは、ヤコブがバカなことをしでかす前に追いつこうと全速力でバイクを飛ばした。
侵略者バード
プーチーに酷いことをした犯人は分かっている。1人ではない。バードという集団だ。
バードは名前の通り鳥たちで構成されており、ライカたちが住む一帯を蹂躙し残虐行為を繰り返している集団だ。そんな危ない奴らに、復讐心に駆られたヤコブ1人では太刀打ちできなさそうだけど。
残念ながら、この悪い予感は的中する。
バイクをかっ飛ばして行ったものの、ライカが見つけた時には、既にヤコブは満身創痍で虫の息となっていた。必死に呼びかけるライカの目の前で、ヤコブは息子の元へ旅立ってしまった。
戦争という名の復讐
無念のうちに息を引きとったヤコブの遺体をバイクに乗せ、ライカは集落へ戻った。
集落総出で執り行ったヤコブのお葬式を見守り、ライカは彼女自身の娘パピーを慰めた。悲しい夜だ。こんな夜は何度目だろうか。
悲しみくれていた一同だけど、ついに我慢の限界を迎えてしまった村長は「もう隠れて暮らすのはやめだ!バード相手に戦争するぞ!」と熱り立ち、作戦を考え始めた。実働部隊は、もちろん集落の戦士であるライカだ。
もちろん友を亡くしたライカだってバードが憎い。奪われていった命の無念を晴らすため、復讐心を熱く燃やしながらライカは荒野へとバイクを走らせていった。
攻略のポイント
モーターヴァニアとは
本作はメトロイドヴァニアゲームであり、物語の進行や新たなスキルの入手によって探索できる場所が広がっていく。行ける場所なら自由に探索できる。
そして、本作最大の特徴は移動方法がバイクということ。
主人公は常にバイクに乗っており、プレイヤーはアクセルとバイクの向きと傾きを操作する。
バイクは、単純に右向きか左向きかというだけでなく、左スティックでバイクの傾きを調整しながら走る。
例えば、右を向いている際に左スティックを左斜め下へ倒し続けると、前輪が浮いてウィリー状態を経て後ろ向きに倒れていく。左スティックとバイクの長軸が連動しているというわけだ。
また、スピードを上げて斜面を走り上がると、その勢いでバイクは坂道の頂点から宙に浮く。これを利用して足場を渡っていくことになる。好きなタイミングでジャンプができるわけではない。
バイクに乗りながら撃つ
上述した通り、バイクを上手く操りながら移動することになるけれど、もちろん敵が邪魔をしてくる。
主人公ライカは銃で遠距離攻撃する。狙っている間はバレットタイムとなり、一定時間全てがスローモーションになる。
また、バイクの車体で敵の銃弾をガードすることができ、パリィもできる。
本作には残弾数の概念はないけれど、リロードは必要だ。ライカは常に運転中のため、手作業でリロードするわけではない。斜面を走り上がって頂点で宙に浮いた際に、左スティックを倒してバイクごと後回転すると銃弾がリロードされる。
また、敵の銃弾をパリィできる回数は決まっている。リロードと同じ要領で宙でバイクごと前回転するとパリィ可能回数がリチャージされる。
過酷な戦士の戦い
敵を倒した際には、通貨であるビセラが手に入る。
本作では、主人公も敵も一撃必殺(ボスには体力ゲージあり)だ。バイク操作を誤って、主人公の頭部が地面や天井に激突した場合であろうと1発でゲームオーバーになってしまう。
ゲームオーバーになると、所持しているビセラのうちの一部を落としてしまう。しかし、前回ゲームオーバーになった場所に戻れば回収可能。
ゲーム開始時には落とせるビセラ袋は2袋持っており、2回分までなら袋を落としたままにできる。その状態で更にゲームオーバーになると、先に落としたビセラ袋から消滅してしまい、その中身を永久に失ってしまう。これが本作のデスペナルティだ。
ビセラや道中で拾える素材を集めると、落とすことができるビセラ袋の数を増やしたり、新武器を作成したり、武器の強化を行うこともできる。こうしてライカを強化していくことになる。
記事はさらに下に続きます
Laika Aged Through Bloodのレビュー
物語: 感情移入しやすい寓話のような過酷な物語
擬人化された動物たちばかりの世界なのでほのぼの可愛い物語になるかと思いきや、かなり殺伐とした過酷な物語が展開する。
いわゆる「胸糞」な描写もあるので、苦手な人は冒頭から身構えておいた方がいい。
バードの極悪非道ぶりには目を覆いたくなるけれど、彼らの事情もちゃんと描かれている。そして、ライカと娘、そしてライカ自身の母との関係など主人公自身が抱える悩みも描かれている。
現実の人間社会にも通じる重ためのテーマが描かれており、寓話のような物語が楽しめるメトロイドヴァニアゲームだ。
重ためとはいっても「バード許すまじ!」となるので感情移入しやすく、物語のテンポや演出も上手く、先に進むのが楽しい。
そして、本作は全体的に西部劇のような雰囲気だ。主人公が乗るのは馬ではなくてバイクだけど。そのため皮肉や退廃的なセリフも多い。が、そこら辺の言い回しの日本語翻訳が少し分かりにくくなっており気になった。
操作性: 習得するのは難しくとも、慣れると爽快
本作の操作方法は独特だ。上述したバイクの操作は文章で読んでも「どういうこと?」となると思う。実際にプレイしていても、チュートリアルを読むだけでは「はい…?」となった。
プレイして感覚的に理解して慣れるしかない。しばらく練習も必要だ。
しかし、慣れてくると頭で考えるよりも先に自然と指が動くようになる。スピードやバイクの傾きは少しの操作で大きく変わるし、プレイすればするほど「よく出来てるな」と感心してしまう。
慣れは必要だけど操作性や挙動は快適。当たり判定も精度が高い。
ただ、巨大なボスと戦う時などには視点が遠くなったり、前景や煙のエフェクトなどで特にバイクの向きが見にくくなるのが気になった。
ライカは渋めな趣味なので絶対嫌がるだろうけど、バイク前方にだけ派手に光るライトとかペイントが施されていると視認しやすくなると思う。
難易度: 常に集中力が求められる、中毒性高い死に覚えゲー
敵は一撃必殺できるので、本作の難しさは敵の強さでなく、どれだけ正確に素早く操作できるかだ。
ボス戦よりも複数の雑魚敵が密集している場面の方が苦戦する。どの順番で敵を倒すか、どこでリロードもしくはパリィするかなど、失敗してはまた試しながら攻略法を考える。死に覚えゲーだ。
バイクの制御も銃で狙う方向も両方に同時に気を配らなければならないのも難しく、それが本作ならではの面白さだ。序盤エリアでさえヌルくなることはない。
基本操作が難しいので、敵が誰もいない場所で自損事故を繰り返したり、慣れるまではもどかしさを感じる。
その分、上達した時の嬉しさを感じやすいので、どんどんハマっていく。
デスペナルティはビセラの袋の数だけ猶予があり、敵を狙うバレットタイムはしっかり余裕のある長さが設けられており、難しいばかりではなく正確に操作する腕を磨ける良い難易度バランスだ。
ちなみに難易度選択は出来ない。
システム: 個性的でありつつ完成度高い高品質メトロイドヴァニア
移動はバイクのみ。単に左右に走るだけではなく回転やスピード管理も操作する。そこに一撃必殺のシューティングが組み込まれている。
特にバイクの操作方法が他のゲームでは体験したことがないプレイ感覚で、バイクにも銃にも目を向ける緊張感と集中力が求められ、無駄なく敵を捌けた時の爽快感と達成感が最高。
個性的だけど完成度高く、爆走コヨーテに病みつきになる面白さだ。
徒歩移動が出来るわけではないので、マップ構造はそこまで入り組んでいないけれど、各エリアは絡み合っており、まだ行けない場所をチラ見せしてくる程度も良く、探索したい欲が序盤から刺激されまくる。
武器強化や料理、サブクエストもミニゲームまであり、探索した分だけ報酬が得られるのでやる気も続きやすい。
本作ならではの歯ごたえと共にメトロイドヴァニアとしての面白さもちゃんと味わえる、個性が光る高品質メトロイドヴァニアだ。
芸術性: 緻密なイラストグラフィックと西部劇の渋さが満点
イラスト調のグラフィックで描かれる。特に背景は繊細な線と色づかいで描かれており、エリアごとに異なる風景を堪能できる。
キャラクターは様々な動物が擬人化されていて、本作の物語を知らなければ、そのままグッズにしてしまいたくなる可愛さ。
ボスを倒した時にはカッコイイ演出も入るし、グラフィックもクオリティが高いゲームだ。
サウンド面では、収集要素にもなっているカセットテープで好きな曲を音楽を流しながらプレイできる。どれも切なくなるボーカル付きメロディの曲が多い。
静かに熱く燃える復讐心と過酷な現実に立ち向かう勇敢さ、そして西部劇のような雰囲気を高めてくれる曲が多い。
サントラはこちら
総合評価と似ているゲームは下へ
Laika Aged Through Bloodの総合評価
Laika: Aged Through Blood
総合評価
繊細で扱いが難しいバイク移動と一撃必殺の厳しさが中毒性高い面白さになるメトロイドヴァニアゲーム。感情移入しやすい物語や探索のおもろさもしっかり味わえる。
おすすめな人 | 個性的なゲーム体験を求めている 歯ごたえを味わいたい メトロイドヴァニアゲームが好き |
---|---|
おすすめではない人 | 残酷な表現や演出が苦手 扱いやすい操作方法でないと興味が失せる 複雑なマップを探索したい |
Laika Aged Through Bloodと似ているおすすめゲーム
Dandara
- 壁に飛び移るという個性的な移動方法のメトロイドヴァニア
- ソウルライクな歯ごたえも魅力
Katana ZERO
- 一撃必殺の2D横スクロールアクションゲーム
- スローモーションにしながら一気に敵を倒し切る死に覚えゲー