『Lost in Random』レビュー: サイコロ一本背負いする少女 – ロストイン ランダム
『Lost in Random ロストインランダム』とは、ZoinkとThunderfulが開発したアクションアドベンチャーゲーム。
本作のストーリーは人気カートゥーン『アドベンチャータイム』作者のライアン・ノースさんが書き下ろしているのも特徴。
本作は、PS5、PS4、Nintendo Switch、Xbox、PCでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
全てがサイコロ
物語の舞台は、ランダムという国。そこは、誰も逆らえない恐ろしい女王が全てを支配している。
この国では、女王が振るダイス(サイコロ)で全てが決まるという訳の分からない政治が行われているのだ。
更に、12歳になった子どもの運命まで、女王がダイスを振って決めるというルールがある。
姉妹
物語の主人公はグース。ワンクロフトという街で、親と姉キースと共に暮らしている。
今日は姉キース12歳の誕生日。で、女王が現れてダイスを振る。出た目は6。
キースは女王のお膝元であるシクストピアという街に連れて行かれてしまうことに。
ちなみに、主人公グースは英語版だとEven 偶数だ。姉キースはOdd 奇数だ。街なども、数字にちなんだ名前になっている。
相棒はサイコロ
キースが連れ去られてから1年後のある夜。グースは、キースが助けを求めている悪夢を見る。
胸騒ぎが止まらないグースは、キースのもとへ向かおうと密航した挙句、嵐で知らない土地へと吹っ飛ばされてしまう。
そして、その土地で運命の出会いを果たす。
魔法を授けてくれる魔女でも、強い武器を授けてくれる神様でも、もちろん連れ去られた姉でもない。
サイコロだ!手足がはえたサイコロだ!
ダイシーと名付けたサイコロなソイツは、グースにせっせとついてくる。
サイコロと二人三脚
実は、ランダムの国でサイコロを使っていいのは女王だけ。
それでもグースは、ダイシーのサイコロパワーで協力してもらいながら力を合わせてお姉ちゃん救出に向かう。
女王の支配になんて負けるもんか!
ゲームの特徴Features
それぞれの国を旅する
本作にはサイコロの目と同じく大きく分けて6つのエリア(街)がある。
探索しながら街を探索し、次の街へと向かう道を見つけていくことになる。道中では謎解きもバトルもある。
ゲームは、クエストに沿って進んでいくことになるけれど、メインクエストとは別にサイドクエストも発生する。
集めてカードを引く
バトルの基本は、青いカケラを集めて、カードを開示して武器かスキル発動。これを繰り返していく。
まず、敵の体には青い宝石のようなものが生えていて、それをパチンコで狙って撃つと青いカケラがドロップする。
そのカケラを集めるごとに画面右下のカードゲージが溜まっていく。ゲージが溜まると様々な効果を発現できるカードが1枚開示される。
そのまま青いカケラを集めれば、また次のカードが開示される。最大5枚開示できる。
カードは、手持ちのものから15枚のデッキを組んでおく。が、ゲージが溜まった時にどのカードが開示されるのかは15枚からランダム選ばれる。
サイコロを振って決める
上述した通りにカードが開示されても、そのまま使えるわけではない。
1枚以上のカードが開示された状態でダイシーを振ると、出た目に応じて開示されている状態のカードの効果を発動させることが出来る。
例えば2の目が出れば、2と書かれたカード1枚使える。もしくは、1と書かれたカードを2枚使うことが出来る。
武器カードを使うと、剣や弓などの武器が現れてグースが敵を直接攻撃出来る。武器には耐久度があり、一定回数使うと消滅する。
他には、爆弾などの罠や体力回復できるものなど、様々な種類のカードがある。
すごろく
特定のバトルでは、すごろく形式で行うバトルもある。
ダイシーを振って出た目ずつマスを進んでいき、ゴールに到達すればクリアだ。
ダイシーを振るには、いつも通り青いカケラを溜めなければならない。
もちろん、敵がワサワサと邪魔してくるし、止まったマスによって何か起きたりする。バトル+すごろくといった感じだ。
各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
サイコロを使って統治する国が舞台という時点で、かなり興味惹かれる。
世界設定とか雰囲気とか完成度高く練られていて、完璧にランダムの国に入り込める。
次から次へとトンデモナイ事件が起きて、意味不明な悪夢も起こる。ディズニー映画1本作れそうなくらい魅力的な物語だ。
ただ、ストーリーのテンポはいいけれど、カットシーンとバトルなどの繋ぎ目がブツ切りで画面が唐突に変わるのは残念。
丁寧に作られてるゲームなんだけど、なぜかシーンからシーンへの繋ぎが雑に感じる。
キャラクターの魅力
5.0
NPCや主人公のグースから恐怖の女王まで、みんな魅力的。
ディズニーの『ナイトメア ビフォア クリスマス』っぽい感じ。不気味さもありつつ可愛いし、一度見たら忘れられない。
でも、なんといっても、1番のお気に入りはダイシー。第一印象から可愛くて可笑しくて、「なんだコイツ、なんなんだコイツゥー!」と目で追わずにはいられない。
バトルになるとグースに積極的におんぶされ、投げられ、時には自ら爆弾となって敵に絶叫しながら激突していく。
こんなサイコロ、一家に一台欲しい。
操作性
3.5
バトルは忙しい。だけど、グースの挙動はもっさり。
色々やることがある忙しいバトルだから、もっとキビキビ動ける方がもっと面白くなると思う。
でも、操作は煩雑ではないし、最初に覚えることはやや多いけど理解しやすい。
バグが発生するのは残念。話しかけるコマンドが何故か突然効かなくなったり、メニュー画面が開けなくなったり。
リロードすれば直るけど、任意の場所でセーブ出来ないのでバグが発生すると困る。結構前からリスタートになるのでストレスだ。
難易度バランス
4.0
バトルは忙しく、決してぬるくなく、でも難しすぎもせず、いい難易度。
体力回復できるカードも最初から持ってるし、よっぽど回復を怠らなければ、ゲームオーバーになることはまずない。
ただ、グースの挙動がもっさりしているので、ジャスト回避が本当の「ジャスト!」というわけじゃない。
「え、避けたのに、当たるんかーい!」という時もあれば、「今ので避けれるんかーい!」という時もある。本作特有のもっさりな間を覚えるしかない。
ゲームシステム
4.5
ランダムという物語のテーマが、バトルシステムにも各エピソードにもしっかり落とし込まれている。
「女王がサイコロ振ってるだけです」みたいにお飾り設定だけではなくて、ランダムさが随所で感じられる。
世界の作り方とかシステムとか素晴らしいアイデアだらけだし、それがちゃんと面白くなってる。
特にバトルシステムは、他のゲームでは見たことがないもので、奥深く面白い。
やりこみ要素
4.0
それぞれの街ではサブクエストがやり込み要素として楽しめる。
また、絵本のページを集めたりNPCに話を聞くことで、本作の世界をより知ることができる。
街ごとに特色が違っていて、それぞれの話を聞くと面白い。
また、会話中には選択肢がたくさん登場する。大筋が変わるというわけではないけど、相手のリアクションが変わるので楽しい。
グラフィック
4.5
キャラクターも世界もデザインが独特で魅力いっぱい。
上述したけれど『ナイトメア ビフォー クリスマス』を彷彿とさせる不気味で可愛い雰囲気。
全体的に木彫りっぽい質感のグラフィックだ。
サウンド
4.0
雰囲気と合った良いBGM。
しかし、上述したカットシーンなどがブツ切りになる時にBGMもブツ切りになる。
せめてBGMだけでも徐々にフェードアウトするようになっていれば、ブツ切り感が少なくなったんじゃないかと思うんだけど。
総合評価Summary
4.0
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
魅力的な世界と物語
個性的なバトルシステム
全てにランダムさが活かされている
残念なところ
挙動がもっさり
シーンの繋ぎ目がブツ切り
たまにバグ発生
オススメな人
個性的なゲームをプレイしたい
物語や世界設定を堪能したい
可愛いもの好き
オススメではない人
キビキビ動く操作性を求めている
敵を攻撃し続けたい
ランダム要素があると嫌
Little Nightmares II リトルナイトメア2
奇妙で不気味で可愛い世界といえば、こちらもおすすめ!謎解きしながら進むパズルアドベンチャーゲーム。こちらは不気味要素の方が強め。世界設定が魅力的な人気シリーズ第二弾。
Psychonauts 2
個性的な世界でピクサー映画のような雰囲気が楽しめるアクションアドベンチャーゲーム。超能力で戦うバトルが魅力の高評価作。
Lost in Random ロストインランダム
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