レビュー【Phonopolis】聞かないが効くパズルアドベンチャーゲーム

触って考える面白い謎解きが連続し、ダンボールで手作りされた世界は目を見張るレベルの高さなパズルアドベンチャーゲーム『Phonopolis フォノポリス』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
- ストーリー
- 指導者に支配された街を救おうと、とある若者が奮闘する物語
- 攻略
- 様々な謎解きを攻略して物語を辿るパズルアドベンチャー
- 評価
- 何をどう解くのか自分で考える攻略しがいのあるパズルにも、高クオリティな芸術面にも脱帽する高評価作
Phonopolis 概要
| タイトル | Phonopolis |
|---|---|
| 開発元 | Amanita Design |
| 販売元 | Amanita Design |
| 発売日 | 2026年5月20日 |
| 対応機種 | PC |
| ジャンル | パズルアドベンチャー |
| シリーズ | 新規IP |
| プレイ機種 | PC (マウス使用) |
本作開発元は、これまでに多くのパズルアドベンチャーゲームを手がけており、いずれも評価が高い。
代表作には『Samorost 3』や『マシナリウム』などがある。
Phonopolis ストーリー
規律正しい街フォノポリス

本作の舞台はフォノポリスと呼ばれる街。この街はとても”規律正しく”動いていた。
住民は階級によって住む場所が分かれており、誰もサボることなくそれぞれの役目を忙しなく果たしている。
一見うまくいっている社会に見える。
しかし、それには大きな秘訣がある。
それは、街の至るところに拡声器があること。
拡声器からは街の指導者からの檄(げき)が飛ぶ。
怠けそうな者には「働け」と、寄り道しようとすれば「戻れ」と。
街のルール通りに生活しなければ、拡声器の声に追い立てられるのだ。
耳を塞いだフェリックス

そんな街でゴミ収集の仕事に従事しているのが若者フェリックス。
他の住民たちと同じく、フェリックスは疑いも不満も持つことなく拡声器からの声に従う日々をおくっていた。
ところがある日、彼は古びたオペラハウスに迷い込んでしまう。
そこで彼が見つけたのはヘッドセット(イヤーマフ)。
頭につけると、周りの音が聞こえなくなった。そう、あの拡声器から流れてくるガミガミとした声も。
なぜ拡声器からの声なんかに従っていたのだろうか。
拡声器に邪魔されなくなったことで、フェリックスの頭の中で静かに彼自身の考えがハッキリとしてきた。
街の”正しく見える異常さ”に気づいたフェリックスは指導者の声を止めようと奮起し、彼の階級では入ることが許されない街の上層を目指して歩き出した。
Phonopolis 攻略情報
謎解きでフェリックスの物語を辿る

本作は謎解きすることで道を切りひらき物語が進行するパズルアドベンチャーゲーム。
物語はいくつかの章に分かれている。
場面が切り替わる際にオートセーブされ、後戻りはできなくなる。
しかし、メニュー画面から攻略済みの場面ごとに選択してリプレイすることはできる。
様々なパズルが登場するがゲームオーバーやミスなどはなく、解けるまで試行錯誤しながら攻略することができる。
触れる場所を動かすパズル

プレイヤーはフェリックス自身を直接操作するのではなく、画面上をクリックしてプレイする。
アクションを行える場所にカーソルを合わせるとマウスアイコンが変わる。
道なら足アイコンになり、クリックした場所にフェリックスが歩いていく。
何らかのスイッチにカーソルを合わせればアイコンが手に変わり、触ったり動かすことができる。
必要な操作はこれだけ。画面上でアクションを行える場所にカーソルを合わせてクリックしたりドラッグするだけだ。
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Phonopolis レビュー
物語: 描かれるメッセージと描かない部分のバランスが良い

フォノポリスは社会として成立しているとはいえ、歪であることはすぐに分かると思う。
本作には独裁政治に対する批判的なメッセージが込められている。
そして、圧倒的な権力者に若者が立ち向かうというのは、ゲームだけでなく漫画や映画でもディストピアな世界が描かれる作品ではよくある設定だ。
しかし、フェリックスは勇敢ではあるけれど「独裁者を打ち倒せ、社会はこうあるべきだ!」と声高に叫ぶわけではない。ここが本作の物語の面白いところ。
特に終盤は「なるほど」となる展開で、文章や言葉で具体的に開発者さんからのメッセージを描いてはないのが憎いところ。
本作を終えた時には自分なりに社会のあるべき姿や人間の性(さが)を考えてしまう、そんな物語だ。
と書いていると小難しい話なのかと思ってしまうかもしれないけれど、実際に本作をプレイすると、クスクスと笑える場面が続く。
拡声器からの声がなければ怠けてしまったり統率がとれないだろう人々の姿が笑える。笑いつつも、拡声器を設置した理由が分からないでもないことに気づくのだ。
全体主義でも個人主義でも人間社会に正解はないのかもしれない。
そんなことをコメディ交えて教えてくれる素敵な物語だ。
もちろんそんな深いことは考えずに笑いながら気軽に楽しむこともできる。
含蓄あるが軽くもある、とてもバランス感覚が優れているゲームだ。
操作性: 工作のように動く世界

操作はクリックするだけ。マウスだけでプレイできる。ポイント&クリックゲームそのものだ。
上述した通りカーソルアイコンの形が変わるので、画面上のあちこちをなぞることがまず大事。
そのため、ゲームパッドよりマウスの方がプレイしやすく感じた(もちろんゲームパッドでも攻略可能)。
本作の世界は実際にダンボールを切って貼って開発されている。
そして、その通りの挙動になっている。
画面は少しズラすことができ、実際にダンボールを重ねて作られている姿を垣間見ることができる。
さらに何かが動く時も、ダンボールで工作した作品が動く挙動そのものとなっている。
デジタルのゲームではあるけれど、ダンボールを触っている気分になる。
一度だけ触れるものが消えてしまうバグがあったけれど、オートセーブされる間隔がかなり小刻みに設定されているのでやり直しは全く苦にならない。
難易度: 動かして考える、良い謎解き

本作には様々なパズルが登場する。
似ているものもあるけれど、そうしたものは徐々に応用編になっていく。
基本的にセリフやテキストでのヒントはなく、画面上で動かせるものを探すことから始まる。
そして、触れる物が分かったら、押すだけなのか引っ張れるのかなど動かし方を探る。
動かし方が分かったら、次はそのギミックで何をすればいいのかを推測してパズルを解くことになる。
ただ、そのギミックでの目標がパッと見ただけだと分かりにくいこともある。
ギミックで何が変化するかを確認し、同時にギミック以外の場所ではどんな変化が起こっているかも確認することが攻略の鍵だ。
ギミックを動かすと実は視覚的なヒントがあちこちに現れている。
それでもどうしても分からない時は、操作する手を一旦止めるとフェリックス自身がヒントを呟いてくれることがある。
ただ手がかり程度な内容が多いので、答えそのものを教えてくれるわけではない。
謎解き好きな人も満足する考えがいのあるパズルとなっている。
状況を見て何をするか自分で考えなければならない、すぐには分からなくても試行錯誤すれば正解が見えてくる良い謎解きばかりだ。
システム: 試行錯誤する楽しさが満載

上述した通り、本作は自分で触って何ができるか調べてパズルを解く謎解きになっており、場面ごとに様々なパズルが登場する。
最初は「何を解くパズルなんだ?」と正解の形さえ分からない謎解きもあるけれど、触っているうちに「ははーん、なるほど」と意図に気づく。
触って気づかせてさらに考えさせる謎解きの作り方が圧倒的に上手く、複雑な計算問題とか難解な文章を読解するのとは違う部分の脳みそがギュギュッと絞られるような考える面白さを味わえる。
脳が心地良い。
長編というわけではないけれど謎解きの数も種類も多く、どの謎解きでも解けた時には「このパズル面白いな、また登場するかな」と思う。
しかし、実際には同じようなパズルは連続せず、「今度はそうきたか!」とどの場面でも驚かされる。
開発者さんたちの発想力が最強だ。
特に謎解き好きな人は最高な数時間を過ごせるはず。
芸術性: 圧倒的高クオリティな手仕事

最初に目に飛び込んでくるのは、あたたかみのあるグラフィック。
ダンボールで手作りしたという驚きのこだわりぶりだ。
まず、日常的に見かけるダンボールがこんな素敵な世界に化ける、その創造力に驚かされる。
そして、それが滑らかに動くゲームに変わるのも驚きだ。
現在はデジタルでなんでも創れてしまう。
デジタルで作ったものをダンボールっぽいテクスチャーにすることだってできる(それはそれで凄いことだが)。
しかし、ダンボールで手作りされているという前情報を知った上でプレイしていると、「ここがこう張り合わされていて」「ここもダンボールなんだよな」と画面の隅々まで見渡すのが楽しい。
また、アナログで作った世界というゲームは他にもあるけれど、ゲームプレイ部分は3DCGということも多い。
しかし、本作では動かせる部分までちゃんとダンボールになっている徹底ぶりで、実際に誰かが作ったダンボール工作を手で触って遊んでいる気分を味わえる。
そして、サウンドはゲームプレイでも物語上でも本作の重要な要素となっている。
BGMはオシャレでアップテンポな曲でありつつ、定期的に拡声器から指導者のメッセージが響く。
良い曲揃いであると同時に、常ににぎやかに音が鳴っている。
それによってフェリックスが耳を塞いだ時に頭の中で自分の考えを聞くことができるようになる演出がより際立っている。
また、本作ではセリフやナレーションは、語り手であるフェリックス自身が担当している。
NPCの声もフェリックス自身が声をあてており、フェリックスが思い出話を語っているという形式で物語を辿る。
このナレーションが聞き取りやすくて耳触りが良い。
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Phonopolis 総合評価
Phonopolis

総合評価
どの場面でも考える面白さを味わえる多彩な謎解き、笑いを交えた考えさせられる物語、そして圧倒的な芸術性の高さを味わわせてくれる高評価作。開発元のまた新たな代表作となっている。
長所と短所
良いところ
- 触って動かして考える良質な謎解き
- 多彩なパズルが登場する
- 手作りされた芸術性高い世界
残念なところ
- 意味が分かりにくいヒントもある
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- 謎解きが好き
- 比較的短時間で攻略できる物語を探している
- 考えさせられる物語が好き
おすすめではない人
- 明確なヒントが欲しい
- 主人公自身を操作するゲームを求めている
- 謎解き以外のゲームプレイも楽しみたい
Phonopolisに似ているおすすめゲーム
Samorost 3
本作開発元が手がけた代表作。
過去作はいずれも芸術性が高く、こちらでは絵本のような可愛く奇妙な世界が描かれ、主人公が様々な惑星を訪れて謎解きに挑む。こちらではアイテムを正しい場所で使うといった謎解きを楽しめる。
Lumino City
手作りされた世界が気に入ったら、こちらもおすすめ。
実際に作られたミニチュア世界を謎解きしながら進んでいく、手作りのあたたかみ満載なパズルアドベンチャーゲーム。行方不明になったおじいちゃんを探す物語が描かれる。






















