【GRIME グライム】頭がブラックホール – 攻略とレビュー
敵を吸収して自分の力に変えながら超個性的な世界を巡るメトロイドヴァニア『GRIME グライム』。
GRIMEの特徴
- ストーリー: 不思議な世界に生まれ落ちた主人公が、世界と自身に立ち向かっていく物語
- 攻略: 敵を吸収してスキルを習得しながら探索するメトロイドヴァニアゲーム
- 評価: 世界もゲームプレイも個性的で、積極的に高リスクアクションに挑む高難易度さにも夢中になる高評価作
- 独創的な世界設定や雰囲気
- ハイリスクハイリターンなバトルシステム
- 本作ならではの移動スキル
- 物語が分かりにくい
『GRIME グライム』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
GRIMEの攻略
GRIMEの概要
タイトル | GRIME グライム |
---|---|
開発元 | Clover Bite |
販売元 | Akupara Games |
発売日 | 2021年8月2日 |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | メトロイドヴァニア |
シリーズ | GRIME グライム |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
本作は、続編『GRIME 2』も発表されている。
ストーリー
主人公の誕生、そして地面に激突
ゲームが始まると、経緯はよく分からないけれど唐突に誰かと誰かが愛し合っており、そこから何かが生まれた。
その生まれるまでの過程は意味不明。岩と肉塊のような物がぐちゃぐちゃーっと混ざって、ギューッと圧縮されて、ポンッ!
そんな感じで「はい、主人公の出来上がり!」となったわけだけど、出来上がった場所が悪かった。主人公が生まれたのはかなりの高さの空中だったのだ。
そして、主人公が落下していき地面に激突したところからゲームは始まる。
吸い込んでいく主人公
落下したせいで主人公はボロボロになってしまった。ところが、主人公はおもむろに近くにいた雑魚敵をズォオオオオッと吸い込んだ。すると、なんと主人公は少し元気になった。
主人公の頭部はブラックホールのような仕組みらしく、色んなものを際限なく吸い込めるようだ。しかも、それを自分の養分にしてしまうらしい。
というわけで、そこら辺を歩いている奴を頭で吸い込み、主人公はすっかり元気を取り戻した。
そんな時、主人公はヨンという名の岩生物に出会った。敵を吸い込む主人公を見ていたヨンは、初対面ながら主人公のことを「美しい美しい!」と絶賛してくれる。
主人公は頭部は亜空間で身体はすっぽんぽんという、とんでもないコーディネートをしているけれど、これが美しさなのか?ファッションって難しいけれど、褒められてるなら良いか。
アクランの目的
やたらと主人公を崇めてくれるヨンに導かれ、主人公はひとまず宮殿に向かうことになった。
宮殿に着き、シドラという巨大な化け物 兼 鍛冶屋さんから話を聞いているうちに、主人公の名前がアクランだということが判明する。
そして、アクランはカルベンと呼ばれる高貴な種族の1人らしい。が、アクランが宮殿の遥か下の地で生まれたため、貴族とは信じられず偽物扱いされてしまう。
主人公は貴族だったのか。あれ?そういえば、このゲームの目的って何だっけ!?
というところで、シドラが助け舟を出してくれる。アクランの目的を明らかしてくれるそうだ。仕事を手伝えば教えてくれるという条件付きではあるけれど。
こうして超奇抜な主人公アクランことブラックホールマンの旅が始まった。
攻略のポイント
道は自分で見つけるメトロイドヴァニア
本作はメトロイドヴァニアゲームなので、進める場所を見つけてどんどん探索していく。各地でボスを倒せば新たな移動スキルを習得し、探索できる場所が増えていく。
物語に沿ってNPCが「あそこに行け」という目的地は指定してくれることが多いけれど、そこまでの道のりは自分で探しながら歩かなければならない。
ある程度は物語に沿って進むことになるけれど、寄り道は自由で、ゲーム攻略に必須ではないボスも潜んでいる。
各所にはセーブポイントであるピンク色の大きな岩があり、ファストトラベルできる場所も用意されている。
ブラックホールマンの戦い方
主人公は常時2種類の武器を装備しておくことができ、いつでも持ち替えながら戦うことができる。
様々な武器が登場し、射程や攻撃スピードは異なる、また各武器固有の特殊攻撃を発動できる。
本作にはスタミナゲージがあり、近接攻撃やジャンプなどで消費する。また、武器固有の特殊攻撃にもスタミナを消費することになる。
そして、本作一番の特徴が、ブラックホールな頭部を活かした攻撃方法だ。
敵の攻撃が当たる瞬間にタイミング良くボタンを押すと頭で「吸い込み」ができる。成功すると、敵の体力を減らしつつ、主人公のブレスゲージが溜まる。
ブレスゲージは、最大まで溜まると主人公の体力回復に使用することができる。
スキルは敵からもらう
本作では、敵を倒すと経験値を獲得する。
セーブポイントで溜まっている経験値を消費し、体力などの好きなパラメータを上げることで主人公を強化していくことができる。レベルアップだ。
また、それとは別に、スキルをアンロックすることでも主人公を強化することができる。
- 上述した「吸い込み」で同じ種類の敵を一定数吸収する(吸い込みでトドメを刺す)
- その敵から習得できるスキルが明らかになる
- 明らかになるだけで習得はしていない状態
- 各地にいる強敵を倒してハントポイントを手に入れる
- 各スキルに必要数のハントポイントを消費してアンロック(習得)する
- 敵によってはさらに強化されたスキルも習得可能になる
情熱があれば経験値が増える
本作にはソウルライクな要素がある。セーブポイントに触れると雑魚敵が復活し、各武器は特定のステータスが一定以上に達していないと装備できないなど。
ただし、ゲームオーバーになっても経験値は失わない。しかし、情熱を失う。いや、ゲームオーバーになって心が折れるといったプレイヤーの気持ち的な情熱の話ではない。
敵を倒すと画面左上の数字が増えていく。これが情熱だ。
数字が多いほど敵を倒した時の獲得経験値が増えていく。ただし、敵から攻撃を受けると減ってしまう。また敵を倒せば増える。つまりミスせず敵を倒し続けるほど、より強くなりやすいということだ。
そして、ゲームオーバーになってしまうと、この蓄積していた情熱がゼロになる。
しかし、最後にゲームオーバーになった場所にには壊れた器(主人公の分身)をあり、それを壊せばゲームオーバー直前の情熱カウントに戻すことができる。
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GRIMEのレビュー
物語: とてつもない個性
訳の分からないオープンニングを見て、唐突にゲームが始まる。何が何なんだ、このブラックホール頭は一体何なんだ。何をどうすればいいんだ。
とにかく訳が分からなさすぎる。
しかし、NPCの話をよく聞いていると、なんとなく本作の世界設定が分かってくる。とはいっても、すんなり分かる物語ではないので、理解しようという姿勢を保ち続けなければならない。
また、NPCたちはコミカルな奴が多い。ホラー映画にそのまま出演できそうな見た目のキャラばかりだけど、性格は明るい奴が多く、もはや可愛ささえ感じる。
そして、本作で1番魅力的なキャラは主人公だ。頭がブラックホールとは、未だかつて見たことがないタイプの主人公だ。妙に愛着が湧いてくる。敵を吸い込んで自分の能力にするってことは、もしかしてカービィと同じ!?いや、そんな、まさか!
気持ち悪く不気味な雰囲気でNPCは魑魅魍魎。超個性的であり、感情移入する物語というわけではないけれど、妙に癖になる世界だ。
操作性: 精度の高い重厚アクション
主人公はキビキビ動くわけではなく、重厚なアクションだ。
武器によって挙動が変わるので、攻撃スピードが速い武器と遅い武器ではプレイ感覚はかなり変わる。それでも、全体的に重めな動きではある。
武器による攻撃は通常攻撃と特殊攻撃のみなので、操作は分かりやすい。パリィ不可な攻撃の時は敵が赤色に光るし、見た目でも分かりやすい(対応できるかは別問題だけど)。
当たり判定も吸い込みタイミングも精度が高い。
難易度:
本作は高難易度アクションだ。間違いなく死にゲー。
ソウルライクのように死んでも経験値を失うわけではないのでレベルは上げていける。が、レベルが1つ上がってもそんなに強くなるわけではない。情熱を溜めて獲得経験値が増えるよう狙わなければならない。
武器には必要能力値があるため、ホイホイと強い武器も使えない。更に、ダッシュ回避含めアクションによるスタミナ消費量が全体的に多めなので、スタミナ管理も辛い。そして、挙動が重ためなので、無駄な動きはできない。
しかし、理不尽さはない良質な死にゲーであり、敵の攻撃パターンや吸い込み可能タイミングを覚えて乗り越えていく。ハイペースなバトルとは違った難しさと達成感が味わえる。
また、地形トラップも多く、プラットフォームアクションの難しさもしっかり味わえる。
システム:
まず、メトロイドヴァニアとしては、エリア同士が意外なところで繋がっていたり面白いマップ構造ではあるけれど、迷子になるほど入り組んでいるというわけではない。
ただ、本作は道を見つけるよりも、敵を探し出す探索になる。狙ったスキルをアンロックするために特定の敵を探し、新たなスキルを習得するためにまだ会ったことがない敵はいないかと徘徊する。
雑魚敵を探すために探索するというのは他のメトロイドヴァニアでは味わったことがなく、これが新鮮で面白く、宝探しのようにやみつきになる。
しかも、お目当ての敵が見つかったら、そこからは歯応えのあるバトルに勝たなければならないので、更に面白さが倍増する。
敵を吸い込むのは、他のゲームでいうところのジャストガードなので、リスクが高い。でも、スキル習得や体力回復のために積極的に狙わなければならない。更にハントポイントを稼ぐために、積極的に強敵にも挑まなければならない。
死にゲーとしてもしっかり楽しめる攻略しがいのあるバトルシステムだ。
足場を引き寄せるなど本作ならではの移動スキルも独特で面白い。
芸術性: 個性バキバキの妖しく美しい世界
強烈な主人公の外見から始まり、本作の世界はどこもかしこもかなり独特。岩やツタは蠢いており、不気味な世界かと思いきや淡いピンク色や緑色の配色が美しい絶景もある。
気持ち悪さのセンスが抜群で、グラフィックのクオリティ自体も高い。
見た目から「あのゲームに似てるなあ」という感覚は一切起こらない。超個性派だ。正体不明な気持ち悪さが好きな人なら絶対に気に入るはず。
サウンド面は、不気味な雰囲気そのものだ。一方で、ボス戦が始まるとBGMは盛り上がる。
攻撃した時の効果音は、岩をパンチしたようなゴッとかドゴッという鈍い音なので、攻撃時の爽快感は低め。鈍器の音だ。ジャンプやダッシュ時の効果音もあまり鳴らないので、アクションの爽快さは感じにくい。
サントラはこちら
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GRIMEの総合評価
GRIME
総合評価
超個性的で独創的な世界を舞台に、敵を吸い込みスキルを習得するバトルシステムと高難易度さに夢中になるメトロイドヴァニアゲーム。敵を探して探索したり、登場する移動スキル含めて本作ならではの体験が豊富な高評価作。
おすすめな人 | 高難易度な死にゲーが好き 個性的なゲームを求めている 頭をブラックホールにしてみたい |
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おすすめではない人 | ハイペースバトルが好み 分かりにくい物語だと興味を失う 気持ち悪い世界が苦手 |
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Moonscars
- 泥人形が武器と魔法で戦うメトロイドヴァニアゲーム
- ソウルライクであり、一気に複数の敵を相手にする高難易度さが魅力
- 敵を倒せば倒すほど主人公を強化できるシステムも特徴
テイルズオブアイアン
- 重厚アクションで敵の攻撃を正確に捌く2D横スクロールアクションADV
- カエルと戦うネズミ王となり、国の再建も行う
- 武器種によってプレイスタイルを変えることも可能