【Selfloss】切なく美しい空飛ぶクジラ – 攻略とレビュー
スラヴ神話をもとにした不思議な世界で、謎解きと魂を癒す旅に出る『Selfloss』。
Selflossの特徴
- ストーリー: ミアズマが広がる世界で悲しみを抱える魂を癒しながら旅する物語
- 攻略: 光を操る杖で謎解きとバトルを攻略するパズルアドベンチャーゲーム
- 評価: 哀しく美しい雰囲気に魅了されつつ、ほんのりアクションパズルを楽しめる
- 美しく幻想的な雰囲気
- 光を使った謎解きが多数登場する
- 感動的な物語と演出
- ゆったり挙動ながら速さが求められる場面あり
『Selfloss』の攻略もレビューもネタバレなしで詳しく掲載。似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
Selflossの攻略情報
Selflossの概要
タイトル | Selfloss |
---|---|
開発元 | Goodwin Games |
販売元 | Merge Games, Maximum Entertainment |
発売日 | 2024年9月5日 |
対応機種 | PS5, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | パズルアドベンチャー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
彷徨う魂の世界
悔いを残しながら死んだ者。誰かを強く想いながら死んだ者。
そんな生に未練のある魂は、生と死の狭間にある世界に流れ着く。
本作の主人公カジミールは、そんな世界に辿り着いたお爺さん。彼も何か迷いを抱えながら亡くなったのだろうか。
この世界を支配しているのはマレーナだ。この世界に着いた者はマレーナから使命を与えられ、それを全うするまで旅立つことはできないという。
カジミールの旅
カジミールもマレーナから使命を課された。
それは、カジミールが持つ杖を使ってSelfloss セルフロスの儀式行い、大切な者を失い悲しむ魂たちを癒すこと。
この世界にはミアズマと呼ばれる赤黒いベトベトが蔓延しているものの、カジミールの杖から放たれる光は対抗できる。
彼ならきっと成し遂げられるだろう、いや成し遂げるしかないのだ。
コートを羽織ったカジミールは、何も言わず静かに小舟に乗って荒波に漕ぎ出した。
自身も深い悲しみを抱えるカジミールの、哀しくも優しい旅が始まった。
攻略のポイント
章立てで進む物語
本作は、謎解きしながら進んでいくパズルアドベンチャーゲーム。
メインストーリーはいくつかの章に分かれており、小舟に乗って進んでいく。道中には島や遺跡が登場し、乗降できるポイントから上陸して探索することができる。
ゲーム進行に伴いエリアは変わり、後戻りはできない。ただし、一度ゲームをクリアするとチャプターごとにリプレイできるようになる。
光る杖でミアズマ退治
本作で1番大事なのはカジミールが持っている杖。
ツインスティックシューティングのように、右スティックを倒した方向に、杖から光が放たれる。
この光を使ってギミックを作動させたり、ミアズマから湧いてくるモンスターを倒すことができる。
ただし、モンスターや一部の障害物は、収束させた強い光線を一定量浴びせる必要がある。
通常の光は無限に放つことができるけれど、光を収束させると杖の光ゲージが減っていき、対象物の方に蓄積される。一定量光線が蓄積された対象物は破壊され、杖に光が戻る。
また、カジミールは鎌で障害物や光を浴びて石灰化モンスターを破壊することもできる。
サブクエストとページ集め
本作には、やり込み要素として物語のページ集めが用意されている。
ミロという人が書いたページは、NPCの問題を解決してあげたり、寄り道の先で見つかることが多い。
また、モンスターの攻撃を受けるとカジミールの体力が減ってしまうけれど、寄り道で手に入る薬草を消費すると回復することができる。
ちなみに、力尽きてしまった場合は、直前のチェックポイントからやり直しになるだけだ。
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Selflossのレビュー
物語: 言葉が少なくとも、胸に迫る喪失感
主人公カジミールにセリフはほぼなく、NPCのセリフも多くはない。
しかし、状況や行動から、感情がひしひしと伝わってくる。セリフは少なめでも物語が本作のメインだ。
感情を曝け出すのではなく、本当はこぼれてしまいそうにないっぱいいっぱいの感情をなんとか自分の中に押し留めようとする。そんな繊細な心が丁寧に描かれている。
「切なく美しい」という表現がぴったりの物語だ。演出が美しい。
本作では「死」や「喪失感」がテーマになっており、決して明るい物語ではない。また、本作はスラヴ神話をもとにしているため、非現実的なエピソードが多い。
でも、鬱々と暗いわけではなく、微笑ましい場面や可愛く面白いキャラも登場する。
操作性: 時々気になる、もったり感
本作は見下ろし型でプレイし、謎解きでも探索時でも見渡しやすく、新たな要素も少しずつ登場するので戸惑うことなくプレイできる。
ただ、カジミールの挙動はもったりしている。
カジミールは走ることはできるけれど、すぐに疲れて滝のように汗をかく。お爺ちゃんに無理をさせるわけにはいかない。
謎解きだけのパズルアドベンチャーなら全く問題ないけれど、本作にはバトルや速さが求められる謎解きもある。そうしたゲームプレイが盛り込まれているにしては、動きがもったりすぎると感じる時がある。
もう少しだけでも軽い動きの方が、謎解きだけではない本作の良さが活きると思う。
難易度: 良質な謎解きを味わいつつ、もったり挙動が敵となる
難易度選択はなく、謎解きには直接的なヒントもない。
それでも周囲の状況やNPCのセリフから何をすればいいか判断できる。ほぼ一本道で、謎解きに必要な情報は近くに集まっているので迷子になることもない。
簡単すぎず、ちゃんと毎回解き方が異なる良い謎解きばかりだ。
一方で、バトルや一部のギミック操作では、上述したもったり挙動のせいでミスとなってしまうことがある。
また、舟に乗っている際には、障害物に数回ぶつかってしまうと舟が壊れてゲームオーバーになってしまうけれど、動きは大味だ。
思わぬミスとなってしまうことはあるけれど、チェックポイントが小刻みに設置されているのでリトライはしやすく、詰んでしまうことはない。
体力は薬草で、船はオレンジ色の草に触れることで回復することもできる。
システム: 光の使い方と謎解きのアイデアが面白い
舟に乗って移動したり、多種多様な謎解きもバトルもあり、やり込み要素も用意されている。
コンパクトながら様々なゲームプレイが詰まっており、物語主導型でも単調にならないのが嬉しいところ。
ゲーム進行に伴って光の使い方が増えるので、新鮮さもなくならない。
杖を置いてカジミールとは離れた位置で光を発したり、敵を固まらせたり、光収束ゲージがあるなど、光の使い方が多種類あるため謎解きでもバトルでも一捻り効いたプレイを楽しめる。
芸術性: 美しさと切なさが共存する雰囲気抜群な世界
本作は物語とともに、幻想的な演出が大きな魅力だ。
ゲーム画面だけパッと見るとおとぎ話のように見える可愛らしい3DCGで描かれている。
本作では、海や魚(特にクジラ)が重要な要素になっており、滑らかな流れと優雅さ、それと同時に逆行できず飲み込まれてしまう残酷さも、物語の演出に効果的に使われている。
おだやかな場面もうっとり見惚れてしまう演出もあり、不気味なエリアもある。
BGMは控えめで全体的に静かなゲームではあるけれど、ここぞという時には息を呑むダイナミックな演出があり、グッと世界に引き込まれる。
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Selflossの総合評価
Selfloss
総合評価
切なく美しい世界と物語に吸い込まれるパズルアドベンチャーゲーム。もったりした挙動は気になるけれど、謎解きもバトルも単調にならず楽しめる。
おすすめな人 | 謎解きが好き 雰囲気を楽しむゲームが好き 人間の感情を描く物語が好き |
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おすすめではない人 | ゆったりした挙動が苦手 死をテーマにした話題が苦手 悲しい場面を見たくない |
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