レビュー【Day of the Shell】即決ターンベース | 操作は1クリックのみローグライクストラテジーゲーム

ターンごとに操作するのは1クリックのみという早いテンポのローグライクストラテジーゲーム『Day of the Shell』のネタバレなしレビューも攻略情報も詳しく掲載。
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- ストーリー
- 人類滅亡を引き起こすシェルを壊すため戦う物語
- 攻略
- 1ターン1クリックのみの操作でタクティカルバトルを攻略するローグライクストラテジーゲーム
- 評価
- バランス調整に余地はあるもののテンポ良いバトルシステムが光る
Day of the Shellの概要
タイトル | Day of the Shell |
---|---|
開発元 | Duper Games |
販売元 | Goblinz Publishing, H2 Interactive Co., Ltd. |
発売日 | 2025年7月30日 |
対応機種 | PS5/4, Switch, Xbox, PC |
ジャンル | ローグライク, ストラテジー |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(マウス使用) |
Day of the Shellのストーリー
散り散りになった世界

いくつもの島に分裂してしまった世界。それが本作の舞台だ。
世界の中心にはシェルと呼ばれる破滅をもたらすクリスタルがあり、人類はほぼ全滅状態だ。
どこかの魔王がご乱心しているのかと思いきや、実は世界を壊そうとしているのは神々だ。
人類が何かやらかして神の怒りを買った…というより、やらかす前にぶっ潰されているといえる。
実は、とある女神が人類に力のクリスタルを授けたところ、人類はメキメキと栄えた。
ところが、それを見ていた他の神々は「人類、やるじゃん」とはならず、「こいつら生意気だし危なそうだから潰しとこう」となってしまったようだ。
圧倒的強者は神だけでいいのだ。
シェルを壊せ!

出る杭は打たれるどころか木っ端微塵にされることになった人類だったけど、ハントレスという者が立ち上がった。
力のクリスタルを授けた女神が人類最後の希望として大抜擢した者だ。
選ばれし者、そう、本作の主人公だ。
女神のサポートを受け、選ばれし者がやるべきことはただ一つ。
ハントレスは猛威を振るうシェルを破壊すべく、世界の中心へと走り出した。
Day of the Shellの攻略情報
ローグライクでタクティクス

本作は、島から島へ移動してタクティカルバトルを攻略していくローグライクゲーム。
各島上の全ての敵を倒すと次の島に進むことができ、いくつかの島を攻略するとボスが待っている。
これを繰り返す。
島を攻略するごとに主人公を強化できるアップグレードや戦利品を手に入れることができる。
ショップやアップグレードのみ獲得できるバトルの発生しない島も登場する。
そして、ゲームオーバーになってしまうと拠点に戻され全てのアップグレードを失う。
しかし、ゲームオーバーになってもクリスタルなど失わず持ち帰ることができる戦利品もあり、それを消費して永続強化をアンロックすることができる。
1ターンは1クリック

本作のバトルは、プレイヤーと敵のターンが変わるタクティカルバトル。
そして、1ターンの操作は1クリックのみというのが大きな特徴だ。
多くのタクティクスゲームでは、1ターンにキャラの移動と行動を選択してバトルを進行することが多い。
しかし、本作では、1ターンに移動か攻撃のいずれかしか選択できない。
攻撃する場合は主人公は銃を撃つ。
その際に敵に攻撃が当たる確率は遮蔽物や距離、敵の向きによって変わる。
一方で敵の方は、主人公が一定ターン数行動するごとに敵側にターンが回り、敵も移動もしくは攻撃いずれかを行う。
敵が動いてくるターンまでにプレイヤー側だけ数ターン動き回ることができ、敵が動く直前ターンでは敵が次に何をするかが表示される。
これを利用して、プレイヤー側は攻撃し続けたり遮蔽物の陰に移動するなどの戦略を考える。
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Day of the Shellのレビュー
物語: 女神が進行役を務め、描写は軽め

本作はローグライクゲームなのでバトルを繰り返すのがゲームのメインであり、物語描写は軽め。
会話は、拠点のNPCやボスがちらほら喋ってくれるくらいだ。
複雑な物語というわけではないので、そのくらいの軽さで問題ない。
バトルを次々に繰り返したいという人にはピッタリ。
一方で、物語を補完するテキスト情報などもないので、物語や世界を味わいたいという人にとっては寂しいと思う。
世界設定や何をするかといった話は女神が語ってくれるので、主人公には特にセリフはなく勇ましい表情で黙々と戦う。
操作性: 本当に1クリックだけで完了する

1ターン1クリック?
いやいや、そんなそんな。そうはいっても、あれこれやるんでしょ?
プレイする前にはそう思っていたけれど、本当にそれだけだ。操作はそれだけ。
一応カメラ操作はできるけれど、どの向きから主人公を見下ろすかが変わるくらいで、遠くまで見渡せたり上下の角度を変えることなどはできない。
そもそも一定の範囲内しか見れないようになっており(遠くの敵は表示されない)、「見づらいな」と思ってもカメラを動かす恩恵はあまりなく、本当に操作は1クリックで終わってしまうことになる。
移動したい場所にカーソルを合わせれば敵からの攻撃を被弾する確率、敵にカーソルを合わせればこちらの攻撃が当たる確率がパッと表示されるので、情報をすぐに把握できる。
コマンド選択や装備変更もないため、あれこれウィンドウを開いてステータスを比較するといった作業も必要ない。
難易度: 確率と敵の硬さに疑問あり

本作はローグライクゲームなので、もちろん何回もゲームオーバーになることを想定した難易度になっている。
しかし、敵を倒すと体力回復アイテムがポコポコとドロップするので長生きしやすく、敵のターンの合間を縫ってガンガン攻めることができる。
遮蔽物を上手く使えば、一方的に攻撃もできる。
ところが、ボス戦になると「どうした?どうした?そっちだけ気合い入りすぎじゃない?」という状態になる。
ボス以外にもたくさんの雑魚敵が参戦し、さらに全ての攻撃を無にする硬すぎシールドまで準備し始める。
突然、1ターン1クリックのテンポの良さが崩れ始め、ボコ殴りされるターンが続くようになる。
また、ボス戦に雑魚戦関わらず、攻撃成功確率にも「どうした?どうした?」と思うことがある。
画面に表示される確率と体感にかなりの差を感じる。
いや、数字は正しいはず、はず。うーん。
数回ではなく有利も不利も確率の数字に裏切られることが多いので、徐々に作戦を立てる面白さが弱くなってしまうのが気になるところ。
システム: テンポの良さが魅力だが、活かしきれていない部分も

本作の面白いところは、やはり1ターン1クリックというところ。
作戦で考慮するのは位置取りと攻撃確率くらいで、操作も悩む時間も少なくなっている。
できることや要素を絞ることで、長引きやすいタクティカルバトルとは思えないテンポの良さでプレイできる。
パッと考えてサッと操作する、このテンポが小気味良く楽しい。
ところが、この良さを他の要素が盛り上げてくれないのが残念。
マップや敵のパターンが少なく、武器種や永続要素も種類が少ないので、要素が少ない分マンネリ化しやすい。
仲間を登場させたり武器種や強化の種類を増やすことで戦術の幅が広がると、より面白くなりそうだ。
また、上述したボス戦でテンポが崩されたり攻撃成功確率のブレを感じやすいことによって、本作の良さを自ら邪魔してしまっているのも気になった。
要素が絞られていても単調にならない歯ごたえは欲しいところではあるけれど、敵の数や妙な硬さで難易度バランスを取ろうとしているように感じてしまい、面白さが長続きしにくい。
芸術性: 頭身低めでポップな印象

人類崖っぷちという深刻な状況ではあるけれど、キャラの頭身が低めということもあり、デザインは全体的にポップ。
世界は崩壊しまくっているけれど、全体的に明るい印象でプレイできる。
BGMは大人しめではあるものの、ボス戦ではちゃんと盛り上がる。
また、こちら側のターンが続くのでいい気になって動いてしまうけれど、敵ターン直前には敵が銃を構えるカチャッという効果音が鳴るので「あ!次は敵ターンだ」と気づかせてくれるのが助かる。
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Day of the Shellの総合評価
Day of the Shell

総合評価
要素が絞られ、1ターンの操作は1クリックのみという即決しやすくテンポ良く戦えるローグライクストラテジーゲーム。難易度バランスや戦術に改善の余地があると感じるものの、新鮮なタクティクスを味わえる。
長所と短所
良いところ | 考慮する要素が絞られていて分かりやすい | 1ターンの操作が本当に1クリックだけで終わるテンポの良さ
---|---|
残念なところ | 武器種や永続要素の種類が少なめ | 難易度バランスは調整の余地あり
こんな人におすすめ!
おすすめな人
- いつもと違うタクティクスを試してみたい
- ストラテジーゲームは好きだけど、複雑さが苦手
- 位置取りで有利に立つ戦術が好き
おすすめではない人
- 様々な戦術を試したい
- プレイするごとに着実に強くなりたい
- 物語やキャラを味わいたい
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