『Pilgrims ピルグリム』レビュー: カード1枚で運命をヌルッと変える

運命を変える選択肢自体が変わる『Pilgrims ピルグリム』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。

本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。

Pilgrims製品情報

タイトル	Pilgrims ピルグリム
開発元	Amanita Design
対応機種	Nintendo Switch, PC, iOS, Android,
ジャンル	パズルアドベンチャー

本作開発元は、『Creaks』や『Samorost 3 サモロスト3』『マシナリウム』など高評価のポイント＆クリックゲームを多数手がけているデベロッパーだ。

本稿は、Apple Arcade版をiOSでプレイした際のレビューを行なっている（現在はApple Arcadeでの配信は終了している）。

Pilgrimsの攻略

ストーリー

大勝負から始まる物語

ゲームが始まると、カードゲームをしている集団がいる。

神父さんのような人もいれば、お婆さんもいるし、見るからに悪魔っぽいヤツもいる。

勝負の行く末を見守る観客もおり、みんなガヤガヤワーワー言っているけれど、何言ってるのかは全然分からない。

本作では理解不能な言葉が使われているけれど、吹き出しにはイラストが表示されるので、どういう状況なのかは分かってくる。

勝負の様子を見守っていると、どうやら真ん中に座っている男性は負けて無一文になってしまったようだ。

とある男の旅路

勝負が終わると場面が変わり、先ほどの勝負に負けた男性がテントからモソモソと登場する。無一文になったせいか野宿をしていたようだ。

先ほどの勝負をしていた集団のなかで1番特徴が薄めで、ゲームに大負けしたこの男性が本作の主人公だ。

ここから男性は旅をしながらカードゲームをしていた他のメンバーの物語を垣間見ていくことになる。

そして、もちろん彼自身の物語も紡がれていく。

攻略のポイント

地図で移動

本作では、地図上で特定の地点を選んで移動し、各地で謎解きをすることで物語が変化してゲームを進行していく。

地図上には特定の謎解きを攻略しないと先に進めない道もある。

時には各地を行ったり来たりしながら進むことになり、1箇所だけでは解決しない謎解きも多い。

運命を変えるカード

ゲーム冒頭では上述した男性が1人で旅するけれど、ゲーム進行に伴って仲間が増えていく。

地図上で選んだ地点に到着すると、画面が変わり謎解きが始まる。誰かと交渉したり、その場にある物を利用することができる。

• 仲間から誰が謎解きを行うか選ぶ
• 画面下に表示されているアイテムが描かれた手持ちカードから、何を使うか選ぶ
• ①で選んだキャラが選択したカードを使ってアクションを行う
  • 同じカードでも選択したキャラによって行うアクションが変わる

謎解きを攻略すると、地図上に新たなルートが現れたり、新たなアイテムが描かれたカードを手に入れたり、カードに描かれている内容が変化することもある。

例えば、鍋カードを池で使うと、水を汲んで水入り鍋カードに変わる。そして、それを焚き火のある場所で使うと水がお湯に変わる。更にそこに薬草を使うと、薬草スープが出来上がる、といった感じだ。

前の場所に戻って新たなカードを使うとまた別の展開が起こることもある。

カードコレクション

本作では、同じ謎解きでも様々な解き方が試せる。

上述した通り、誰が何を使うかによって同じ場所でも展開が変わる。その組み合わせはいくつもある。解き方によっては、地図上に現れる新ルートも変わるので、物語には分岐要素もある。

そして、謎解きを特定の組み合わせで解くと、その場面がコレクションされる。

ゲーム攻略には関与しない単なる寄り道的な組み合わせもあり、どれだけ異なるパターンを試すかというやり込み要素だ。

Pilgrimsの評価と感想

私は本作開発元のAmanita Designのゲームが好きだ。なので、もちろん本作もワクワクしてプレイを始めた。

そして、その期待は全く裏切られず、Amanita Designならではの独創性や芸術性の高さをしっかり味わうことができる。

ゲームを起動した瞬間から、いつの間にかその世界に引き込まれしまう雰囲気作りはさすがだ。ちょっと笑えるネタもある、おとぎ話のような雰囲気だ。

一方で、操作方法や画面構成はスマホ向けのカジュアルな体裁になっており、タップやドラッグなどスマホならではの直感的な操作ができる。

カードをパラパラとめくって、スイッスイッと画面上部にカードを出す操作感が気持ち良い。

謎解き自体は難しくなくてサクサクとゲームを進めることができて、あっという間にエンディングに到達する。

え、もう終わり？正直そう思った。

しかし、そこで気付いた。実績であるカードコレクションの画面がおかしい。エンディング後に、カードコレクションの画面全体を見て驚愕した。ほとんど裏返しのまま！

この短かさのゲームに、こんなに謎解きパターンが詰まっているだと！？

ここからが難しい。2回目以降のプレイでは、違う解き方で新たな実績カード手に入れようと奮闘してみる。しかし、最初にプレイした時の解き方に引っ張られがちになってしまう。

脳みそを柔らかく！柔らかくしないと！これが本作の面白さだ。

解き方を考えるというより、解き方をいくつも見つけるというのが醍醐味であるという独特なパズルだ。

そして、キャラとアイテムの組み合わせを考えるというのがカードという表現方法とぴったり合っており、ゲームデザインのスマートさに脱帽してしまう。

ただ、そのストーリーや謎解き自体に複雑さがほぼないのは残念。

「先がどうなる？」という楽しさは少なめで、各キャラのストーリーや謎解きの捻りをもっと楽しみたかった。

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Pilgirmsレビューのまとめ

総合評価良いところ&残念なところ

Pilgirmsが好きならおすすめのゲーム

関連ゲーム

サモロスト 3 Samorost 3

本作開発元の代表作。壮大な物語とボリュームたっぷりの謎解きが楽しめる。
こちらも芸術性が高い高評価作。

Creaks

こちらも本作開発元の代表作。モンスターを家具に変えて先に進んでいく。
謎解きというよりパズルな感覚が強く、しっかり悩める高評価作。

Pilgrim ピルグリム
© Amanita Design
https://amanita-design.net/games/pilgrims.html

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