【DREDGE】狂気と秘密がうごめく海 – レビューと攻略 ドレッジ
気ままな漁師生活のはずが、海でクトゥルフ神話に襲われる『DREDGE』。
DREDGEの特徴
- ストーリー: 漁師生活をおくりながら、怪物に襲われる不気味な海の謎に迫っていく物語
- 攻略: 漁でお金を稼ぐシミュレーション要素と、怪物に対峙するアクション要素もあるアドベンチャーゲーム
- 評価: 時間配分を考える面白さとクトゥルフ神話の不気味さがゲームプレイでも物語でもしっかり味わえる
- 不気味な雰囲気が抜群
- 釣りが楽しい
- 良い加減に急かされるゲームシステム
- 酔いやすい人だと船酔いする挙動
『DREDGE ドレッジ』をネタバレなしで、攻略のコツと各要素の評価を交えてレビュー。本作に似ているおすすめゲームや関連作も紹介する。
DREDGEの攻略
DREDGEの概要
タイトル | DREDGE ドレッジ |
---|---|
開発元 | Black Salt Games |
販売元 | Team17 |
発売日 | 2023年3月30日 |
対応機種 | PS5, PS4, Switch, Xbox, PC 2025年2月27日発売: iOS, Android |
ジャンル | アドベンチャー, シミュレーション |
シリーズ | 新規IP |
プレイ機種 | PC(ゲームパッド使用) |
ストーリー
漁師の就職活動
とある男が船に乗ってどこかを目指している。男の船内にある机の上には、漁師募集の求人広告が置かれている。
主人公の男性は漁師で、どうやら新たな地で仕事をするため、募集広告を出している町に向かっているようだ。
ところが、船で走っていると辺りがモヤモヤしてきた。「霧が出てきたな」と思った次の瞬間。ドカァンッ!
突然、そびえ立つ崖の岩肌に船丸ごと正面衝突してしまった。
え!?こんな大きな崖があったっけ!?それが見えないほど霧が濃かったということか!?
漁師の借金
崖に激突した男の船は大破してしまった。
しかし、主人公補正なのか、主人公は奇跡的に目的地の町グレートマローに漂着することとなった。強運すぎる。
ところが、落ち着く間も町の人々にゆっくり挨拶する間もなく、町長から「君の船、壊れたから。で、この新しい船使っていいけれど、これは君の借金なので。さあ、漁に出て借金返済したまえ。」と言われる。
え、怪我の心配とかしてくれない?しかも、勝手に借金背負わされた挙句に、すぐ働けと?
これは、とんでもない町に来てしまったぞ。
ものすごく騙されてる気分だけどど、他に何も出来ることはないし、とりあえず借金返済を目指すしかないか。
この海には秘密がある
早速、主人公は町長が用意してくれたオンボロなトロリー船に乗って漁に出た。
借金返済のために夜遅くまで漁に精を出していると、「ん?あれ?なんか目玉がそこらじゅうにある。しかも、こっちを見てる!?他の漁船かな?え、いや、えええ!化け物だー!!」。
海上で見たこともない化け物に襲われた主人公は、獲った魚を抱えて命からからがら町に戻った。
ところが、誰も化け物の話を取り合ってくれない。みんな何か知っている風なのに「疲れて見間違いしたんじゃない?」とはぐらかされる。
みんなのリアクションに困惑していると、 何か知っていそうな収集家だという怪しい男から「この辺りの海に沈むお宝を集めて来い、報酬はたんまり出すぜ」と持ちかけられる。報酬も気になるけれど、彼の話に乗ればこの海の秘密を教えてもらえるかもしれない。
化け物が出ようが借金は減らないし、男は再び不気味な海へと船を出した。
攻略のポイント
漁師生活
本作では、漁で獲った魚を売りながらお金を稼ぎ、それを元手に自分の船をアップグレードしつつ、上述した収集家が求めるお宝を探し出すのが大きな流れ。
各地には町があり、そこに住むNPCからサブクエストを依頼されることもある。
本作はオープンワールドになっており、どのクエストを受けるか、どこから攻略するかはある程度自由だ。
また、ゲーム内には時間の概念がある。本作では夜になると状況が変わるので時間経過に注意しながら行動しなければならない(後述)。
しかし、常に自動で時間が流れているわけではなく、主人公が移動したり釣りをするなど何らかのアクションを行っている間だけ時間が進む(じっとしていたり船内の整理などをしている間は時間が止まっている)。
漁とサルベージ
水面にしぶきが立っている場所に近づくと、釣りをすることができる。
しかし、浅瀬や深海などその場に適した釣り竿がないと釣りをすることはできない。
釣りが始まると、タイミング良くボタンを押すというちょっとしたミニゲームをプレイすることになる。成功すると素早く漁を終えることが出来る。失敗すると無駄に時間が経過してしまう。
船をアップグレードするとカニ取り網やトロリー網などを釣竿以外での漁もできるようになる。
さらに、漁とは異なるサルベージスポットもあり、難破船の残骸などから宝飾品や木や金属などの資材を手に入れることが出来る。
手に入れた魚や資材は、マス目状になっている船倉内に上手く整理して収納して町まで運んで売ることになる。
寄港する
各地には町や行商人の船がある。獲った魚を売ったり、新たな船の設備を買うことが出来る。
魚はより大きなものや奇形種と呼ばれる珍しい魚であるほど、また新鮮であるほど高く売れる。そう、釣った魚は時間経過によって腐っていくのだ。
また、サルベージで手に入る資材を消費して、エンジンを積める領域や船倉を大きくするなど船自体のアップグレードも出来る。
ちなみに、航海中には岩にぶつかったり怪物に襲われる(後述)と船が壊れ、船倉が部分的に使用不可能になって荷物を持ち運べる量が減ってしまう。町の造船所では、その修理もできる。
また、各地で見つかる研究パーツを消費して新たな船のアップグレードをアンロックすることもできる。
そして、町では夜が過ぎるまで睡眠をとることも出来る。
パニックに陥る夜の漁師
本作の海は怖い。特に夜だ。夜になると、この世のものとは思えない怪物や超常現象が姿を現して襲ってくる。
怪物たちの動きは、主人公のパニック度と相関する。
夜になったり辺りが暗くなると主人公のパニック度が上がっていき、それと共にどんどん怪物が現れて攻撃してくる。怪物に出くわすと主人公は更にパニックになって狂気に陥っていく。
なかには、昼間でも大暴れしている怪物もいる。
怪物からは逃げるのが基本の対処法だけど、、特に夜は霧が立ち込めており視界が悪く、船で岩や崖に激突してしまう危険性も高くなるので注意。
しかし、船のライトをつけることができて、周囲を見やすくなり、主人公のパニック度も上がりにくくなる。ところが、同時に怪物に見つかりやすくなってしまうのでライトの使いどころは慎重に。
パニックになってしまったら、どこかの町に寄港して睡眠をとるのが1番の改善方法だ。睡眠をとらないままでいると目がバッキバキ状態になり、昼間でも怪物が現れて襲われるようになる。
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Dredgeのレビュー
物語: 精神的に冷えるホラーぶりが最高
知らない町で借金付きで始まる漁師生活。
そこだけ聞くと漁師版『あつまれ どうぶつの森』かと思ってしまう。気ままにほのぼの漁師生活か、と。
ところが、ゲームはじめから不気味度満点!ほのぼのどころじゃない。最初の夜から、他の漁船かと思って近づいたら凶暴なバケモノに轢かれて、周囲に浮かぶ大量の目玉に見つめられた。
操作性: 船の操縦にはアクション要素あり、船酔いにご注意
操作は移動と釣りがメイン。
バケモノに追いかけられると船をブーストして速度を上げて逃げることになるので、ちょっとアクション要素も楽しめる。ほんの少し岩にぶつかっただけで船が壊れるので、結構繊細に操縦しなければならない。
しかし、船を操縦しにくいとか当たり判定がおかしいといったことはない。
釣りのミニゲームにはいくつかのパターンがあり、ゲームが単調にならないのも良い。
ただ、本作では常に船に乗っている状態になる。設定は色々いじれるけれど、船ならでは波に揺られている挙動になっているのでゲーム酔いしやすい人は本当に船酔いすると思う。
もし酔ってしまうようなら、船を見下ろすカメラ位置にしてプレイするのがおすすめ。
難易度: 時間配分が一番重要となるシミュレーション的な面白さ
ほど良い難易度でプレイできる。
魚の売値や設備や修理などにかかる値段設定がどれも厳しくないので、そこそこ漁をしていれば、着々とテンポ良く船のアップグレードが出来る。
本作では、どのくらい夜の漁に出るかによって難しさが変わる。
日が暮れてきたら必ず寄港するプレイなら、1日に出来ることは少なくなるけれどリスクの低いプレイができる。
逆に夜に釣れる魚は高く売れることが多いので、狂気なんてお構いなく荒稼ぎプレイもできる。
というわけで、本作での1番の難しさであり面白いところは時間管理だ。時間が経つスピードが早めなので、ウロウロしているとあっという間に夜になってしまう。
ちゃんと時間配分や航海の計画を考えてから出港するシミュレーションの面白さを味わうことができる。
システム: 緩急のあるゲームプレイで世界に引き摺り込まれる
漁師生活というと穏やかなゲームが多い。実際に、本作でも昼に航行しながら釣りをしている時は穏やかさを楽しめる。
ところが、そこにクトゥルフ神話な物語と怪物や、正気度を利用したゲームシステムが混ざっているのが新鮮。
これによって、ともすれば単調で間延びしがちな釣りゲームが、刺激的なゲームに大変身している。
それでいて魚の種類も船のアップグレードも豊富で、漁師ライフシミュレーションな部分もちゃんと面白く仕上がっている。
より多くの獲物を持って帰るためにパズルのような船倉の整理整頓にも地味にハマる。
ハラハラホラー味のあるメインストーリーと怪物はスリリングで、穏やかな釣りの作業で更に熱中させる、緩急の付け方が上手いゲームだ。
芸術性: 美しい海の景色と禍々しい怪物の対比が魅力
セルシェーディングなグラフィックで描かれる。
昼間に釣りをしている最中のゲーム画像だけ見たら、「ほのぼのゲームなのかな」とうっかり思ってしまう。珊瑚礁や夕陽など海上ならではの景色に「ああ、綺麗だなあ」と思う瞬間も多い。
しかし、まったり眺めている暇はない。海の底からだんだん近づいてくる化け物の影は、デフォルメされているとはいってもかなり不気味だ。
そして、たまに釣れる奇形種は高く売れるので、釣れると「やった!」と思うけれど、それと同時に「うわっ」とも思うくらい禍々しい見た目をしている。
パニックになると周囲に赤い目がふよふよ浮かび始める演出も良い。随所で不気味さが際立っている。
一方でサウンド面は穏やかになることはなく、常に手を抜かずに全力で不気味さに全振りしている。綺麗な景色が広がっていても、BGMは常に不穏だ。
これによって穏やかな昼であってもプレイヤーをハラハラさせてくれて、本作の雰囲気を盛り上げてくれている。
サントラはこちら
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DREDGEの総合評価
DREDGE
総合評価
漁師生活をおくる作業やシミュレーション要素に、正気度を含めたクトゥルフ神話の不気味さが上手くゲームプレイにも盛り込まれているアドベンチャーゲーム。世界に没頭する惹き込み力が強い。
おすすめな人 | クトゥルフ神話が好き 色んな魚を釣りたいコレクション欲がある 物語を楽しみたい |
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おすすめではない人 | 不気味な演出が苦手 急かされるゲームが嫌い 釣りだけを楽しみたい |
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