『LEGO Bricktales』レビュー: レゴ1級建築士は押しに弱い『レゴ ブリックテールズ』
『LEGO Bricktales レゴ ブリックテールズ』とは、ClockStoneが開発したパズルアドベンチャーゲーム。
ClockStoneは、物理演算を使った『Bridge Constructor』シリーズなどを開発してきているデベロッパーだ。
レゴのゲームというと子供向けのエンタメ作品が多いけれど、本作は年齢層高めのプレイヤーに向けて作られている。
本作は、PS5、PS4、Xbox、PC、iOS、Android、VRでプレイ可能。私はPS版をプレイ。
本作の特徴や魅力、そして実際にプレイして感じた感想と各要素の評価をネタバレなしでレビュー。本作に似たゲームも紹介する。
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あらすじStory
呼び出された孫
おじいちゃんから手紙を受け取った主人公(名前は特になく、見た目はほんのりカスタマイズ可能)。
手紙には「すんごい発見をしたから見に来なさいよ。おじいちゃんより」と書かれている。
というわけで、主人公はワクワクしておじいちゃんの経営する遊園地へ。
ところが、着いてみると遊園地はボロボロ。
え?大爆発でも起こった後?おじいちゃんは無事!?
主人公は急いでエレベーターに乗り、遊園地地下にあるおじいちゃんの発明所へ。
ラスティーとの出会い
地下に行ってみると、おじいちゃんは孫の到着に大喜び。発明品を早く見せたくて大興奮している。
しかし興奮しすぎて、うっかり工具を機械に落としてしまい、電源がドカーンと落ちてしまう。
主人公が電源復旧すると、小さな洗濯機のような機械からロボットがババーンと突然登場した。
え、誰?
実はこのロボットはラスティーという名の、おじいちゃんのかつての発明品。宇宙に飛ばしたまま行方不明になっていたらしい。
ところが、ラスティーは宇宙で高知能生命体と出会って改造してもらい、この瞬間に戻ってきたらしい。
たくましすぎる。
衝撃の告白
ラスティーだけでもすごいけれど、おじいちゃんが見せたかった大発明とはポータルだ。
ポータルとは瞬間移動することが出来る装置。おじいちゃんは、自慢げに自慢してくる。
いや、その前に、あの、遊園地がボロボロなんですけど?
そこで、おじいちゃんは衝撃の事実を思い出す。
発明に熱中している間に荒れてしまった遊園地を直さないと立ち退きするよう勧告されているらしい。
そう、爆発とか事故ではなく、単に!おじいちゃんがサボっていたから遊園地はボロボロになってしまったのだった!
ところが運がいいことに、先ほど帰ってきたばかりのラスティーが高性能化しすぎており、遊園地を復元できるらしい。
しかし、それにはハッピークリスタルという特別なエネルギーが必要だという。
というわけで、押しの強いおじいちゃんは、エネルギー収集のために孫とラスティーをご自慢のポータルから各地へ送り出す。
ゲームの特徴Features
各地で人助け
本作では、拠点である遊園地からポータルで各エリアに向かい、そこでストーリーを攻略してハッピークリスタルを手に入れる。
そして、拠点に戻ってきて、遊園地のアトラクションを順番に復旧する。
という流れを繰り返していく。
行けるエリアはストーリー進行によって順番に増えていくけれど、一度アンロックされたエリアの行き来は自由だ。
ラスティーの能力
ゲームの進行に伴って、主人公の相棒であるラスティーは出来ることが増えていく。
物を壊せるヒップドロップや、水を出して汚れを落としたり。
こうしたラスティースキルによってギミックが作動して道が開ける場合も多い。
フィールドはジオラマのようになっていて、カメラは固定。
しかし、メニュー画面に切り替えると、フィールドを好きに回転させたり拡大して見ることが出来る。
曲がり角や見えにくい道などは、こうしてフィールドを回してよく眺めて探し出すことになる。
建築モード
本作では、タイトル通りレゴブロックで何かを作って謎解きしたり道を切り拓いていく。
レゴブロックで何かを作る時は、建築モードの画面に変わる。そこには使えるブロックが置かれていて、建築可能なエリアが点線で表示されている。
建築モードになると、様々なクリア条件が提示される。
例えば、橋が壊れてしまった場所では「遠くの足場へたどり着ける橋を作る」という建築が始まり、スタートとゴール地点が表示されていて、その間の道を指定されたブロックを組み合わせて作る。
作ったらテストを行う。テストロボットが実際にスタートからゴールまで走行する。
で、本作では物理演算がはたらく。
バランスの悪い組み方や、建築した物がアンカー(土台)からしっかり組まれていないなど物理的に欠陥のある設計だとテストで失敗となる。
でも、逆に正解はないし、全てのブロックを使う必要もない。
テストに成功さえすれば、自分が組んだ建築物がそのままフィールド上に現れて、進むことが出来る。
サンドボックス
建築ではテストに一回成功すると、サンドボックスモードに切り替えることが出来る。
ブロックを好き放題使って好きなだけ見た目にもこだわって建築できる(それでもテストに成功しないと建築物として有効にはならない)。
一度作った建築物を装飾したり、一から好きな見た目に作り変えることができるわけだ。もちろんそのままフィールド上に反映される。
お買い物
フィールドには探索要素もあり、宝箱からはバナナやアイスキャンディーなど通貨となるアイテムが手に入る。
しかし、持ち物は各エリアごと別になっているので、他のエリアへ持ち越しは出来ない。
通貨は、各エリアにあるショップで、主人公のコスチュームやサンドボックスモードで使える新たなブロックのアンロックするために使用することができる。
サンドボックスモードでは、ブロックを好きな色にすることもできるけれど、その際に選べる色もショップで買うことでアンロックされていく。
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各要素の評価と感想Rating
物語の面白さ
4.0
レゴを自由に組み立てられる。しかも物理演算あり。
それが本作の大きな魅力だけど、物語もしっかり面白い。
各エリアにしっかりとストーリーがあって、癖が強く押しも強すぎなNPCたちから無理難題や面倒事を押し付けまくられる物語が楽しめる。
全体的にコメディな雰囲気で描かれていて、楽しく冒険できる。
建築に興味ないという人でも、アドベンチャーゲームとして楽しめる。
それくらい、しっかり物語が先導してくれる。
キャラクターの魅力
4.0
上述したとおり、NPCたちはかなりの曲者揃い。
各エリアにちなんだエピソードが展開するけれど、ひたすら門だけを守りたい用心棒や、国民=納税だと思っている本音が隠せていない王様など印象的なキャラばかり登場する。
人助けしてハッピークリスタルという穏やかな名前のエネルギーを集めようって言ってるけれど、実際にはかなり性格が濃いNPCから感謝を引き出すことになる。
日本語翻訳もなかなか良くて、笑えるセリフが多い。
操作性
3.5
ゲームの中で一つずつレゴブロックを積み上げる。
現実世界でやったとしても、かなりちまちました作業だ。
それをゲームパッドで操作するわけなので、そりゃ大変だ。
で、予想はしていたけれど、操作性は快適とは言えない。
一応、便利なはずの操作法もあるけれどブロックが思わぬ方向に動いたり、ちょっとだけ動かすのがかなり大変だったり。
カメラを動かしながらブロックも操作するので、複雑な建造物になるほど操作は大変だ。
そうはいっても、慣れてくるとある程度スムーズに建築出来るようにはなる。
超快適な操作までは難しけれど、意外と普通にレゴが出来るようにはなる。
難易度バランス
4.5
建築には物理演算が組み込まれているので、ちゃんと考えて組み立てなければならない。
これが面白い。
それっぽく見えるだけではダメで、乗り物を作る時はバランスも大事。
テスト成功の条件には数秒保てるかなどもあるので、瞬間的に成功すればいいだけではない。
かなり自由だし物理的な考慮も必要で、「何をどうして、どこから手をつけて…」となりそうだけど、使えるブロックが提示されているのが親切なところ。
提示されているブロックが、どう組み立てると上手くいくかのヒントになっている。
ゲームシステム
5.0
レゴブロックもサンドボックスゲームも、これまでずっと存在していたものだ。
レゴに至ってはテレビゲームよりも前からある商品だ。
しかし、それを組み合わせて謎解きに使うというのはありそうでなかった。
しかも物理法則に則した建築が出来るので、単に形を作るだけではないというのも更に面白さに拍車をかけている。レゴにぴったりなゲーム性だ。
自由に作れる楽しさと、目的や条件を満たす設計を考える面白さ。
その相乗効果によって熱中してしまい、無心で黙々とレゴブロックを積む。脳が気持ち良い。
まさか大人になってこんなに夢中でレゴブロックを組み立てることになるとは思わなかった。
やりこみ要素
4.5
各エリアで通貨となるアイテムを見つけてショップの品物全てをアンロックするのがやり込み要素。
それとエリアを超えて収集するアイテムもある。
カメレオンや鳥などの小動物だ。
小動物はどのエリアにも紛れ込んでいて、全て見つけてその動物を欲しがっている人に渡すというのが、もう1つの収集要素。
ラスティーの能力をアンロックしないと進めない道も多いので、ゲームを進めてから前のエリアに戻ってくる必要がある。
そして、最大のやり込み要素はサンドボックスモードだ。
一度作った建築物を豪華にしたり、丸ごと作り直したり、建築好きな人は絶対ハマるはず。
また、拠点である遊園地のアトラクションも一部建築することが出来る。建築にハマって時間が溶けるゲームだ。
グラフィック
5.0
レゴ過ぎる。レゴそのもの。
レゴのフォトリアルという魅力的なグラフィック。
エフェクトもフィールドの隅々まで全てレゴブロックで出来ていて、見入ってしまう。
「レゴブロックだけでこんな風に風景が作れるのか」と感心しっぱなし。
本作をプレイしていると、自然と本物のレゴブロックで何か作りたくなってくる。
レゴブロックの最強の宣伝かもしれない。
サウンド
4.0
BGMは各エリアごと変わる。
黙々とブロックを積み上げている時に邪魔にならず飽きもしない良い曲が多い。
物語はコメディ調だけど、音楽は癒される曲調だ。
総合評価Summary
4.5
物語の魅力
ゲームプレイの快適さ
ゲームとしての面白さ
芸術性
良いところ
建築で謎解きするシステム
物理演算を使った自由度の高い建築が出来る
レゴブロックだけで作られた美しい世界
物語が楽しめる
残念なところ
建築時の操作はやや面倒
オススメな人
謎解きが好き
サンドボックス要素が好き
レゴブロックが好き
オススメではない人
細かい作業の連続が苦手
正解が決まっている謎解きをしたい
物理演算を使ったゲームが苦手
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ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
サンドボックスが好きならこちらもおすすめ。ドラクエ世界で自由な建築が楽しめる高評価アクションRPG。拠点の島はかなり広大でクラフトも建築もたっぷり楽しめる。物語も面白い。
Lego Builder’s Journey
こちらもレゴブロックでできた世界のアドベンチャーゲーム。主人公が進む道をレゴブロックで繋いでいく。本作とは違い正解がほぼ決まっているパズルのようなゲーム。雰囲気がかなり良い。
LEGO Bricktales レゴ ブリックテールズ
レゴ1級建築士は押しに弱い
レゴブロックを使って自由に建築することで謎を解いていくパズルアドベンチャーゲーム。
物理法則も考慮した本格的な建築に夢中になる一方、物語や探索もしっかり楽しめる。
サンドボックスモードでは自由に建築も出来て時間が溶けていく高評価作。
LEGO Bricktales レゴ ブリックテールズ
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